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最終更新日 2018年3月30日
ページID 3138
「動物由来感染症」は、動物から人へうつる感染症のことをいい、「人獣共通感染症」ともいわれます。感染する病原体となる細菌やウイルス、寄生虫等には様々なものがあり、病気の種類は200種以上あります。
近年、世界では鳥インフルエンザやエボラ出血熱、MERS(中東呼吸器症候群)などの新しい感染症が次々と発生しています。そのほとんどは人獣共通感染症であることから、「地球上の生態系の保全は、ヒトおよび動物の健康の両者があいまって初めて達成でき、その実現と維持のためにはヒトと動物の健康維持に向けた取り組みが必要である」、つまり人、動物、環境(生態系)の健康は相互に関連していて「一つ」であるという概念です。
人への感染症は医学が対応し、動物の感染症については獣医学が対応していますが、人、動物、環境の衛生に関わる者が連携して取組むことが大切です。世田谷区もOne Healthの考え方を広く普及・啓発するとともに、分野間の連携を推進していきます。One Healthについて詳しくはコチラをご覧ください。
伝播経路 |
具体例 |
主な動物由来感染症の例 |
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直接伝播 |
咬まれる、引っかかれる、触れる、 吸込むことで病原体が侵入する |
エボラ出血熱、MERS(中東呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ(H7N9)、オウム病、狂犬病、猫ひっかき病、トキソプラズマ症、 コリネバクテリウム・ウルセランス感染症 |
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間接伝播 |
ベクター媒介 |
ダニ類、蚊、ノミなどが感染動物から人へ吸血することで伝播 |
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環境媒介 |
水系汚染、土壌汚染 |
レプトスピラ症、炭疽、クリプトスポリジウム症、破傷風 |
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動物性食品媒介 |
家畜や魚介類から肉、鶏卵、乳製品、魚肉を食べることで伝播 |
腸管出血性大腸菌感染症、サルモネラ症 アニサキス症、ノロウイルス感染症 |
(注意)全ての動物がこれらの病気をもっているわけではないので、動物と接触したからといって、必ず感染するものではありません。
飼い主には狂犬病予防法で飼い主の登録と狂犬病予防接種、鑑札と注射済票の装着等が義務付けられています。詳しくは、「犬を飼う時には」をご確認ください。
動物の毛には寄生虫の卵やダニ、ノミ等がついていることがあります。また、知らないうちに動物の唾液や体液に触れることで感染することがあります。動物には病気を起こさなくても人には病気を起こすものもあるため、動物にさわった後は必ず手洗いをしましょう。
細菌やウイルス等が動物の口の中や爪にいる場合があります。口移しでエサを与えたり、一緒に寝たりすること等の接触は避けましょう。
ブラッシング、つめ切り等はこまめに行いましょう。また、タオルや敷物、水槽等は細菌が増殖しやすいので、こまめな洗浄が必要です。
糞が乾燥すると空気中に漂って、吸い込みやすくなります。糞尿に直接ふれたり吸い込んだりしないよう気をつけ、早めに処理しましょう。
羽毛や乾燥した排せつ物、塵埃等が室内に充満しやすくなります。室内の清掃のほか、定期的な換気に努めましょう。
野生動物はどのような病原体を保有しているか分かりません。動物由来感染症予防のため、また野生動物保護の観点からも、野生動物の飼育は避け、見かけても手をださないようにしましょう。
動物が排せつを行いやすい砂場や公園は注意が必要です。特に子どもの砂遊び、ガーデニングで草むしりや土いじりをした後は、十分に手を洗いましょう。また、糞を見つけたら速やかに処理しましょう。
動物由来感染症の病原体に感染しても動物は軽い症状だったり、無症状で済んでしまうことがあるため、知らないうちに飼い主が感染してしまう場合があります。
そのため、体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。医療機関を受診する際は、ペットの飼育や動物の健康状況、それらとの接触状況についても医師に伝えましょう。
また、ペットに定期健診を受けさせる等、日常の健康管理に注意し、病気を早めに見つけましょう。ペットのかかりつけ動物病院を持ち、相談できる関係づくりが大切です。異常を見つけたときは、早めに獣医師に相談しましょう。
動物由来感染症について、より詳しく知りたい方はコチラをご覧ください(PDF:21,532KB)
世田谷保健所 感染症対策課
電話番号:03-5432-2441
ファクシミリ:03-5432-3022