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最終更新日 2026年6月10日

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区長記者会見(令和8年5月29日)

令和8年5月29日(金曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。

会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。(PDF:14,293KB)


記者会見の様子

区長あいさつ

今年度2回目となる定例記者会見を始めます。

初めに、「FIRST® LEGO® League世界大会出場」についてです。

世田谷から3つのチームが、FIRST® LEGO® Leagueの世界大会に出場するということで、出場チームの皆さんが区役所を訪問しました。

本大会は、小学1年生から高校1年生までを対象とした、世界最大規模の国際ロボット競技会です。

なお、小学校低学年を中心とした、Explore部門は勝敗を競うものではなくて、すべてのチームの活動が評価される学びの場になります。

今回訪問していただいたのは、武蔵野大学中学校・高等学校の「MUL-TROVE(ムル トローヴ)」、世田谷区立桜丘中学校の「さくら組」、ロボット科学教育Crefus(クレファス)三軒茶屋校の「アースげんぢゃや」の皆さんです。

訪問の際には、実際に制作したロボットやパネルを紹介しながら、制作過程での苦労話や、世界大会に向けた抱負を語っていただき、こちらから激励の言葉をお伝えしました。

「MUL-TROVE(ムル トローヴ)」は全国大会のChallenge部門で、チャンピオン賞第1位を受賞しています。

また、「さくら組」は総合賞第9位というすぐれた成績を収め、「アースげんぢゃや」も、Explore部門でフレンドシップ賞を受賞しています。

世界大会は、4月下旬から順次開催されていますが、子どもたちが培ってきた探究心や創意工夫、チームワークを発揮して活躍する彼らを応援していきたいと思います。

次は「せたがやPay」についてです。

せたがやPayは新たな取組みとして、マイナンバーカードと連携した「世田谷区民認証」を開始します。

個人情報の安全性、なりすましといった不正を強力に防止できる公的個人認証サービス「JPKI」を採用し、区も商店街振興組合連合会も、個人情報を一切保有せずに登録できるという仕組みです。

マイナンバーカードと英数字6桁以上のパスワードを準備のうえ、アプリ内で本人確認すると、初回認証に限って500ポイントをプレゼントするキャンペーンも実施しています。

また、「せたがやPayリピーター応援」という事業も実施します。

せたがやPayを皆さんに使用してもらうため、バックアップする企画です。

区民認証を完了した方で、月10回以上、月1,000円以上、せたがやPayでお買い物された方の中から抽選で、毎月275名に最大10,000ポイントをプレゼントするキャンペーンです。

令和8年度のせたがやPayは、こうした新たな取組みとともに、4月までの物価高騰対策から切れ目なく実施している最大3%ポイント還元キャンペーンなど並行して実施し、区民の皆さんに対してより適時的確なインセンティブを届けるツールとして活用してもらえるよう、支援していきたいと思います。

次は「大蔵運動公園のバスケットボール広場新設」についてです。

区では、新しいバスケットボールコートを整備しており、6月1日にオープンする予定です。

子ども向けのミニバスケットボール用と大人向けの一般用の2つのゴールポストを設置し、広場中央のシンボルのケヤキが、木陰を作ります。

多世代の方が気軽にスポーツに親しめる環境づくりを進めるとともに、公園の魅力向上を図ることを目的としています。

この広場整備にあたっては、一般社団法人go parkey(ゴーパーキー)との官民連携の取組みにより、若者がバスケットボールを通して学び、成長し、将来の夢を描ける場の創出を目指して、コート面にアートを施した塗装を行っています。

このデザインはアイルランド出身の版画家、ジョー・ストラングフォード氏によるものです。

カラフルで個性的な動物を描く作風が特徴で、本コートにも、みどりの多い公園の雰囲気に合わせた色とデザインで、魅力が十分に表現されているかと思います。

コートのオープンに先立ち、5月24日に小学生から高校生までを対象としたアートコート制作イベントを実施し、さらに、明日5月30日にも、オープニングイベントとしてバスケットボール体験会やシュートゲームを実施します。

ぜひ子ども・若者をはじめ、幅広い世代の皆さんに、この新しい広場を楽しんでもらえればと思います。

次は「せたがやガーデニングフェア2026」の実施についてです。

世田谷公園で、せたがやガーデニングフェア2026を実施します。

5月30日、31日の2日間、世田谷公園で、みどりに関わる活動へ人々の参加を広げ、みどりに関わることの楽しさを共有し、多世代参加型のイベントを目指して開催します。

今回で第19回目の開催になります。

私も区長になってから非常に関心を持っていますが、昨年は約28,000人という大勢の方が参加しました。

坪庭作庭講習会は、見本庭園も参考にしながら4人程度の参加者が専門家の指導を受けて小さな庭造りを体験するものです。

樹木やレンガなどを使い、草花とともに奥行きのある、魅力あるお庭になるように配置を工夫しながら庭造りに取り組んでいます。

自宅の庭造りに活かしてもらい、素敵な街並み、潤いのある街づくりに繋がっていくと願っています。

コンテナガーデンコンテストは、縦横1メートル、高さ1.5メートルという割とコンパクトな空間に、草花などを使って魅力あるお庭を表現するものです。

出品作品は、来場者の投票により最優秀賞、優秀賞などを決定します。

他に、皆さんがこの日のために大変な労力をかけて作った、和風や洋風の見本庭園が会場に並びます。

都立園芸高校の生徒の指導を受けて作るミニフラワーアレンジメント講習会、ロープを使って木に登ることができるツリークライミング体験などもあります。

ガーデニングフェアは、区内の造園関係の事業者等で構成する、実行委員会の皆さんが行っています。

新緑のせたがやガーデニングフェア2026に、ぜひお出かけいただけたらと思います。

次に「第47回せたがやふるさと区民まつり」についてです。

例年8月に開催していましたが、昨今の猛暑により開催時期の検討もしていたところ、JRA馬事公苑でアジア競技大会の馬術競技が開催される関係で、今年は6月に前倒しします。

6月6日(土曜日)、7日(日曜日)の両日午前11時から午後9時まで開催します。

真夏の8月は暑さが大変懸念されましたが、初めてこの時期に開催するということで、多くの皆さんにご来場していただける天気になることを願い、準備を進めています。

開催にあたっては実行委員会が主体となって企画しています。

区でも安全面を中心に、ともに区民手づくりのこのまつりを盛り上げていきます。

主な催しとしては、区内各所の神輿が結集する「みこしと太鼓の連合行進」や、烏山地域の皆さんを中心に来場者と踊る盆踊りを皮切りに、よさこい、区内を代表する3連による阿波踊りのステージが繰り広げられる「せたがやまつりざん舞!」、まつりのラストを飾る影山ヒロノブさん、遠藤正明さん、きただに ひろしさんによるフィナーレコンサートも準備しています。

また、けやき広場ではふるさと物産展を開催します。

今回は全国29の交流自治体が、お国自慢の特産品を持ち寄って販売します。

それ以外に、区内活動団体による歌やダンス等のステージパフォーマンス、昔あそび・子どもコーナー、商店街等による出店や、今年も能登半島地震の災害支援金募集と、新潟県・石川県を招待して、復興支援物産展を実施します。

昨年も30万人を超える方にご来場いただきましたが、例年と時期が異なるため、成功裏に開催ができることを願って準備をしていますので、ぜひお越しいただければと思います。

次に「せたがや未来の平和館」についてです。

せたがや未来の平和館では、区の平和都市宣言から40年、せたがや未来の平和館開館から10周年という節目を契機として、令和3年以来となる常設展示室のリニューアルを行いました。

リニューアルにあたっては、昭和女子大学の学芸員課程に在籍する3名の学生がインターンシップとして参加し、平和館の専門員とともに作り上げてくれました。

せたがや未来の平和館は、「過去を知り、感じ、考える」、「現在を理解する」、「未来を展望する」、の3つの要素を運営目標としています。

参加した学生たちも、この目標を共有しながら、展示の順番を工夫したり、実物や写真を活用して、文字にルビを振ったりするなど、より見やすくわかりやすい展示を考えてもらいました。

また、せたがや未来の平和館と日頃から連携をしている川崎市平和館にも訪問し、展示のアイデアや「平和学」の研究成果などを学び、新しい展示に活かしています。

インターンシップの学生を迎えたギャラリートークを、6月21日(日曜日)午後2時から、せたがや未来の平和館で開催します。

展示づくりの舞台裏や、企画に込めた苦労話などをお話されるそうです。

次は「民間空襲等被害者見舞金支給事業」についてです。

戦争被害を受けた方に対する見舞金の支給について、戦後補償の1つとして国内の民間人に対する施策が進まないなか、区として、世田谷区に在住の区民で、80歳以上の方を対象に、かつての戦争でお怪我をされた方、或いは心的外傷に苦しんだ方などを、本年1月15日から募集開始し、3月31日までに申請があった第一次申請分について、5月19日に第一回審査会を開催しました。

見舞金3万円は、世田谷区民間空襲等被害者見舞金支給条例に基づき、区長の附属機関として審査会を置き、審査した上で支給することとしています。

申請内容が歴史的、医療的な専門的見地から戦時災害との因果関係を有すると推定され、見舞金の支給を受ける適格性を有するかを審査会で審査し、結果、6名の方に対して支給を決定しました。

主な内訳ですが、障害の内容は、火傷等が4名、欠損等が2名、うち1名が障害者手帳所持者でした。

具体的な空襲被害の場所は、区内が4名、都内が1名、都外が1名でした。

本事業は、見舞金の支給申請を契機に、ご自身の空襲等に遭われた体験について、せたがや未来の平和館などを拠点に、語り部や記録保存など、体験談の提供を、ご意志のある方にご協力いただくことになっています。

語り部を希望される方も2名いらっしゃいました。

そうした意味でも、本事業は一定の成果があったと思います。

一方、短い準備期間で十分な情報が行き渡っていないということも考えられ、本年7月にはせたがや未来の平和館で「空襲にかかる企画展」も開催されますので、そのタイミングに合わせてまた周知を行います。

本年9月30日までを第二次申請期間としていますので、第一次で申請がかなわなかった方をはじめ、より多くの方に申請をしていただき、区として、民間空襲等の被害者の方にいたわりとお見舞いの気持ちを示すことで、本事業を通じて、平和へのメッセージを発信し、この区の取組みが、他自治体に広がるとともに、戦後補償の超党派立法が1日も早く成立することを望んでいます。

次に「ふるさと納税」についてです。

まず、令和8年度の流出額は、5月7日付データでの速報値で、134億2,150万9,000円となっており、令和7年度と比べて7.8%増と伸び率が少し鈍化しているとはいえ、やはり財源の流出が年々顕著になっています。

一方で、控除額に上限が課されていないことが高額所得者の優遇に繋がっているという議論を行い、特別区長会でも、制度の見直しの1つとして、国に要望してきました。

その結果、令和9年寄附分から、住民税特例控除額の控除上限額を、給与収入1億円程度の方を念頭とした193万円とするよう、地方税法が改正されました。

昨年12月に、この影響額について、約2億円がいわば削減されるものの、全体としては非常に小さいと申し上げました。

再度詳細に検証したところ、令和7年度の流出額124億円を前提とした場合には、5億7,000万円となりました。

つまり、5億7,000万円が抑制されるということですが、全体のボリュームを見れば、大変な金額の流出が続いているということです。

故郷や、ゆかりのある自治体に寄附をして応援するという、制度本来の趣旨に立ち返りながら、受益と負担という税制本来の趣旨に立った、適切な控除上限額が1億円であることは、まだまだ高すぎるのではないかという意見を、特別区長会などを通して働きかけていきたいと思います。

一方、令和7年度の区の寄附受入額について、遺贈を除く個人からの寄附は5億6,500万円と令和6年度に比べて2億2,800万円の大幅な増加となりました。

引き続き、共感を得られる寄附の取組みの充実と、受入額と流出額の差は非常に大きいですが、この差を縮めつつ、制度の抜本的な改正についても声を出していきたいと思います。

発表項目

おでかけひろばの充実に向けた取組みについて

区では妊娠期から就学前の子育てを切れ目なく、区と医療、地域が連携しながら支える「世田谷版ネウボラ」に取り組んでいます。

おそらく行政でネウボラという名前を使ったのは、世田谷区が一番早い方ではないかと思います。

フィンランドの制度で、1人の保健士が妊娠前から就学時まで、あらゆる相談と手続きを伴走する制度です。

地域別にネウボラチームを作り、孤立しがちな子育ての最初のスタートラインを後押し、妊娠期からのサポートを心がけています。

今回は保育園に行く前の、いわゆる在宅子育ての支援で、区の特徴ある取組みの一つである「おでかけひろば」をご紹介します。

制度的な名称としては、「子育てひろば」と厚生労働省が呼んでいるものです。

これから子育てを始める、プレママ、プレパパがいつでも好きな時間で、無料で利用し、他の家族と交流したり、子育てに関する情報交換をしたりすることができます。

先輩ママやパパたちが、自分たちが大変だった在宅子育ての時期を、孤立させないで、地域で支えていこうという趣旨で事業体を作り、区がこれを助成し、運営しています。

おでかけひろばの中には、必ず保育士の資格を持っているスタッフがいます。

経験豊富な子育て経験者がいますので、お子さんと一緒に来ていただいて、絵本の読み聞かせや、ベビーマッサージ、マタニティヨガなど、おでかけひろばごとで、様々な活動メニューが含まれています。

こうした場所が、区内に多数あるということを、今日はご案内したいと思います。

「一時預かり」と「ワークスペース」を併設しているおでかけひろばがあります。

フルタイムの保育ではなく、週に1回2時間、週2回2時間といった形で子どもを預かってもらえればという声が多く、厚生労働省と1年間交渉し、全国で初めて世田谷区が子育てひろば制度を活用することになりました。

その結果、お子さんを一時預かりしている間、ワークスペースで一定の時間仕事ができるようになりました。

こういったこともおそらく、全国の皆さんはご存知ない方が多いかと思います。

新たに区に来られて、在宅で子育てしてる方が、こうした場所があることをぜひ知ってほしいと思います。

一晩中お子さんが泣きやまず、ほとんど寝ていないというような状態の方には、「らっこルーム」があります。

お昼寝ができる場所も作っていますので、「寝不足なので少し寝たい」というときに、一人で休息できるスペースです。

お子さんは、スタッフが先輩ママやパパと一緒に見守ります。

もう1つ、理由にかかわらず利用していただける、一時預かりを行っている「ほっとステイ」もあります。

区の補助という形で、いわゆる地域の住民、先輩のお母さん・お父さんたちが、事業体を作って運営をしているところが41施設にも及びます。

これは他自治体の方が見に来ると、その形態に驚かれるといいます。

世田谷区では、子育ての当事者に近い女性たちが、地域に根差してこうした場を運営し、現在の総計は78施設もあります。

ベビーカーを押しておおよそ15分で到着できる場所に設置していくことを目標としており、今年度には80か所を超え、令和11年度までに83か所を目指して進めています。

住民が運営する事業体、いわゆる子育て支援サービスを、当事者だったお母さんたちが、先輩として次の世代の親子を支える、そのような仕組みができているということをぜひご紹介いただけたらと思います。

令和7年度せたがや子どもの声アンケートの実施結果について

昨年4月に、子どもの権利条例のもと、子どもの意見は政策に反映するという取組みを始めました。

子ども自身が、自分の意見を出せるんだ、聞いてもらえる、というふうに実感しているかについても、尋ねてみたかったところです。

小学4年生から中学3年生までを対象に、区民意識調査の子ども版ということで、今回初めての調査になります。

子どもが区政に対してどのような意見、要望があるのかということを、ここから見ていきたいと思います。

小学4年生から中学3年生までの3,000人を対象として、各学年500人に無作為抽出でアンケートを送り、令和7年12月3日から12月17日までと、比較的短い期間で実施しました。

有効回収数は965件で、回答率は32.1%でした。

回答方法は、郵送及びインターネットで、半数以上がオンライン回答でした。

本アンケートは今後も継続して、毎年実施していきたいと思っています。

結果についてご説明します。

まず、まちへの愛着と幸福度です。

「今住んでいるまちが好き」と回答した子どもは88.8%、「自分は幸せだ」と感じている子どもは89.0%と、いずれも約9割に上りました。

また、「大人になっても住み続けたい」という定住意向も63.0%となっています。

これらの数字が高かったことは非常によかったと思います。

続いて意見の尊重についてです。

子どもの意見が尊重されてるかということですが、77.3%の子どもたちが「自分の意見が大切にされている」と感じていました。

多くの子どもが、自分の意見はちゃんと聞かれて受けとめられているというように感じているということです。

ただ、約2割の子どもたちは、十分に実感できていない、大切にされていると感じていない結果で、まだ課題があるかなと思います。

続いて区政への要望についてご説明します。

子どもたちから一番多かった要望は、「事件や事故の少ない安全なまち」で73.6%でした。

続いて、「みんなが元気に過ごせること」や「自然を大切にすること」、「災害に強いまち」、「公園やみどりを増やすこと」が上位となっています。

区民全体の調査では、「災害に強いまち」が一位でした。

子どもたちの73%が、事件や事故はなるべく起こらないで欲しいという、強い願いがわかってきます。

今回の調査により、自然や公園、のんびり過ごせる場所も必要だという願いや、環境に対する要望も特徴的だと受けとめました。

子どもたちが高い愛着と幸福感を持つ一方で、学習や将来への不安、そして意見を反映して欲しいという強い期待があることも明らかになりました。

区としてはこうした結果を、今後の政策にしっかり反映させていきたいと思っています。

中東情勢を踏まえた区の対応について

連日、アメリカのトランプ大統領が、中東情勢が緊迫していくような発言があるなど、中東情勢が一層緊迫しています。

原油やLNG、ナフサなども、ホルムズ海峡がイラン及びアメリカによって事実上二重封鎖されているという状況の中で、供給量が低減しているということで、日本経済にも影響が及んでいます。

私自身にも、区内の建設設備関係の事業者の皆さんから、例えばシンナーが全く入ってこない、どこからも調達できない、断熱材が切れかけている、塩ビパイプが全く入ってこないというような、それぞれの業態別の不足物品について、切実な声をいただきました。

これまで石油危機を2回経験していますが、今回は値段ももちろん高騰しているなか、石油そのものが入ってこないという、これまでと異なる性質の事態であるということを抑えておかなければいけないと思います。

物価・物流の影響に加え、これまで起きえなかった事態も起きるかもしれないという備えも必要かと思います。

世田谷区では、5月1日に仮称、石油危機対策準備会を設置しました。

まずは区内の産業がどのような状況か、各所管で把握することを目的に、一斉調査をかけました。

調査の結果、合計720件の回答を得ています。

影響としては、物資の調達、工事・契約関係、公共サービスの継続、区民生活、安全・衛生面まで広がっていることが特徴です。

そのため昨日、正式に世田谷区資源危機対策本部を設置しました。

引き続き、必要な情報収集とそれに対する対策を、遅れることなく講じていくということを決定しました。

対策本部での検討は引き続き、細かく詰めていきますが、取り急ぎ区としての対応を実施していきます。

一点目は、区民・事業者向け相談窓口における相談対応です。

各総合支所における区民相談、ぷらっとホーム世田谷(世田谷区生活困窮者自立相談支援センター)でも受け付けます。

区内事業者向けには、世田谷区産業振興公社で実施する総合経営相談において対応していきます。

5月11日から6月30日まで、1日あたりの相談時間枠を3枠から4枠へ1枠増設しました。

まずは、しっかり声を聞きながら、適切な窓口に案内できるようにしたいと思います。

次に、世田谷区中小企業融資あっせんにおける利子補給予算の増額です。

中東情勢の変化に伴う原油高や、原材料の価格高騰などにより、融資あっせんの新規申込が増加することを想定し、融資による中小企業者支援を強化していきます。

具体的には、融資に関わる利息補給の件数が1,566件増加すると見込み、当初想定を含めて5,374件の融資に対応できる体制にします。

予算については、令和8年第2回区議会定例会において、補正予算案を提出する予定です。

最後に、国において外交努力やエネルギーの安定供給の確保など、必要な対策が講じられるべきものと考えています。

新型コロナウイルスに関して、区独自の取組みを随分実施しましたが、今回の原油やナフサという原料については、なかなか区独自で手を打つことは困難です。

国や東京都における財政支援も含めた広域的な支援が必要だと考えています。

引き続き、世田谷区資源危機対策本部のもとで、特別区長会も通じながら、国や東京都に働きかけを行っていきたいと思います。

私自身で言えば、国の言う「目詰まり」という言い方がありますが、具体的にこの間、多くの事業者の方から「塗装の原料が手に入らないため、工事が全く始められない」、「予定が止まってしまっている」、この状態が続くと仕事がないため、「社員の給料調達もなかなか難しい」、「緊急に手を打ってほしい」など、多数の声が寄せられています。

「目詰まり」であるならば、具体的な解消と供給回復に向けた動きがあり、供給が回復する見通しがあれば、状況は好転していくと思いますが、残念ながら現状そういった動きは顕著ではないと考えています。

これまで、建設設備関係の事業者の話を聞くと、手持ち在庫の素材材料や、これまでの仕事で支払われてきた工賃によって、何とか対応している状況です。

ところが、多数の事業者から「新規の工事が入らない」、「進めようとしている工事が中断した」、「着工が見込める新規契約が止まったままになっている」という声が寄せられており、「値上がりが激しいために見積もりを出せない」という回答が返ってくる状況だということです。

こうした状況が続くと、やはり経営も非常に大変となってきます。

私自身も危惧していることは、例えば戸建ての家を施主である区民の方が完成を待っている場合、完成手前のところで、資源不足の影響で工事が止まってしまった際は、竣工ができないため、引き渡しもできないわけです。

そうすると、当然支払いもないわけです。

支払いがないという状態が続くと、まさに事業者としては、経営に行き詰まってしまうということもあるでしょう。

また区民の側としても、例えばマンションを売却して、戸建ての家を建てているという場合、マンションの次の買い手が付いた結果、退去日が決まっているなど、双方が困り果てるというようなことも発生が懸念されます。

できるだけ法的整理や解決に向けて、本当は国がルールを柔軟に適用していかない限り難しいのですが、区の役割としては、こうした区民や区内事業者の窮状をしっかり支援するということと、現状を社会全般に伝えていくという役割があると考えています。

質疑応答

  • 記者
    おでかけひろばの拡充と、大蔵総合運動公園のバスケットボールコート新設について、取組みを通じて何を実現したいか。
     
  • 区長
    保育園入園前の在宅子育て、あるいは幼稚園入園前の在宅子育ての時期は、誰も知り合いがいない方が多い。
    オートロックマンションに、赤ちゃんと2人きりでワンオペで過ごす中、非常に厳しい精神状態になったという声もある。
    知り合いを作ることが難しいとき、おでかけひろばに来れば、同じ年頃の子どもを持つお母さん同士、お父さん同士のコミュニティに入ることができる。
    初めてここでママ友ができた、つながりができたということで、週のうち複数回利用する方や、何か所を掛け持ちで利用している方などがいる。
    子育ての孤立防止、シームレスなネウボラというものは、子育てに切れ目なく伴走する仕組みだが、その中で一番途切れているところが、在宅子育て支援だった。
    そのため、おでかけひろばを、多く設置することにしている。
    大蔵総合運動公園のバスケットボールコート新設については、本日の発表項目に入っていないため、会見終了後、所管部から説明する。
     
  • 記者
    おでかけひろばについて、取組みを通じて、区民や子どもたちに対して、どのような価値を提供し、何を実現したいか。
     
  • 区長
    まず自分は1人ではないことを実感できる。
    何か起きたときに相談できる、喜怒哀楽を共有できる仲間がいる、友達がいる、アドバイスを受けることができる。
    昔の日本では、隣の声が聞こえるような居住環境の中で、世話好きの方がおり、いろいろ子どもの育児について教えてくれるなど、周囲のサポートがあった。
    今は遮音され、近所の繋がりがあまりなく、生活の中で育児の孤立化が非常に大きな課題だということに気づいた。
    10年近く前から、おでかけひろばの運営については、事業者だけに委託するのではなく、経験を持つ先輩ママたちの事業体にも大いに協力してもらっている。安心できる地域、子どもが成長しても繋がりが生きていくことを考えて進めている。
     
  • 記者
    子どもたちへのアンケートでは、様々な意見が寄せられたと思うが、その結果を踏まえ、今後の整備や運用にどのように生かしていきたいと考えているか。
     
  • 区長
    ものすごく悩み、今苦しいという子どもたちが回答できたかということも、意識しておかなければならない点ですが、答えてくれた子どもは、非常に自己肯定感も幸福感も高いことがわかった。
    自分の言っていることは聞いてもらえていると思っている子どもたちの率も高かった。
    区としては、子どもの権利条例に基づき、今後の区の政策展開について子どもたちの意見を聴いていく。
    例えば教育委員会では、いじめについての取組みをさらに強めていきたいという話をしているが、子どもたちの意見をちゃんと出してもらい、議論をする、あるいは提案をする場を、しっかりと子どもの声アンケートをもとに拡張し、積み上げていきたいと思っている。
     
  • 記者
    結果を踏まえ、何か新しい施策を実施する見込みはまだないという認識で合っているか。
     
  • 区長
    子どもたちの声を聞き、その声を反映させることが新しい政策である。条例化は昨年であるため、すでに取組みは始まっている。子どもたちの声に裏打ちされ、子どもたちは自分たちの意見をきちんと聞いてもらっていると感じており、地域への愛着も持っていることが分かっている。このため、子どもたちの意見を聴く場を、区や教育委員会が積極的に設けていきたい。
     
  • 記者
    せたがやPayについて、区民認証をした場合、区民にポイントがつくという以外に、例えば手続きが簡単になるなど、今後区からの現金給付が届きやすくなるといったことがあるのか。
     
  • 経済産業部長
    初回認証時の500ポイントのプレゼントと、毎月最大10,000ポイントをプレゼントする抽選に自動参加できる。
    今後のさらなる施策の展開について、例えば渋谷区では、区民認証した人へのポイントバックが大きい。世田谷区も同様の施策に踏み出すかということについて、この区民認証の状況を踏まえながら、検討していきたいと考えている。
    区民認証を区民の方が登録してくれなければ、登録した人だけへのプロモーションは少し不公平になり、区民認証がどの程度広がっていくか、状況を見ながら今後の施策を考えていきたい。
     
  • 記者
    1点目、民間空襲等被害者見舞金について伺いたい。
    十分な情報が伝わっていなかったという話があったが、6件という件数について、区長として多いと感じているか、まだまだ足りていないと感じているか、受けとめを聞きたい。
    また、事業目的として、国会での法案成立を後押しすることもあると思うが、国への働きかけとして今後、何か検討していることがあるか。
    2点目、中東情勢を踏まえた区の対応について、昨日、対策本部を設置したが、態勢としてはどの程度拡充し、必要な情報収集と対策を講じるために、具体的にどのようなことをする予定なのか教えてほしい。
     
  • 区長
    民間空襲等被害者見舞金の申請件数については、戦後80年経過し、仮に10年前であれば、より多くの方が申請したのではないかと思う。
    6人という数字は決して多いとは思わない。
    しかし、6人の方が認定されたということは、まずは第一歩ではないかと思う。
    「区のおしらせ」などを中心に広報しているが、高齢の方が区のおしらせを広げてご覧になるかということを考えると、もう少し該当者あるいはそのご家族に届く広報の仕方を考えていこうと思っている。
    今回、第一次申請で6人の方に見舞金が支給されるということについても、ぜひ知らせていただきたい。
    世田谷区資源危機対策本部には、建設・設備業界中心の事業者から、材料が入らなくて大変だという声が申し入れという形で届いている。
    各所管からの情報集約もしたが、「品薄になっている」、「値上げの影響が大変大きくなっている」、「一部欠品だ」、「これから供給されるのかなどの不安がある」など回答があった。
    中東情勢の変化によって、いつどんなときに事業者や区民へ影響が生じるか予測しづらいが、影響が生じた場合は、政策経営部で情報を集約する。
    東京都でも補正予算を組むと聞いているが、経営困難に陥る事業者が生じることが想定されるため、どのような支援ができるか、具体的に検討していきたい。
    また、情報収集を行い、変化に対して素早く対応していきたい。
    社会として、いわゆる供給不足、資源危機の影響が無くなったと認識できるまで続けようと考えている。
     
  • 記者
    子どもの声アンケートについて、回答してない子どもたちの中で、大切にされていないと思っている子どもが多いのではないか、という認識を述べていたが、優先度の高い課題として対応する考えがあるのか教えてほしい。
     
  • 区長
    以前、子どもの生活実態調査を実施したが、中学2年生でお金がないため夕飯を食べることをやめた、という回答があった。
    目には飛び込んでこないが、子どもの貧困格差は世田谷区でも広がっていることを、改めて調査によって認識させられ、「まいぷれいす」という、子どもたちへの食事提供や勉強のフォローができる施設を、現在、区内2か所に設けている。
     
  • 子ども家庭課長
    現在、区長から紹介があった、「まいぷれいす」という、生活と学習支援を行う施設を委託事業として運営をしている。
    通っている中学生は、不登校の子もいる。
    学校には行けないが、「まいぷれいす」には似た立場の子どもたちがおり、通うことで、学校の出席日数にカウントされるというオプションをつけている。
    そこで友達を作って、学校にはまだ行けないが、「まいぷれいす」には行くといった形で学習意欲が醸成され、自分なりのペースで学習を進める姿などを確認している。
    そのため、子どもによっては相談を積極的にするわけではないが、その場で過ごすことで、安心していられる、自分のことを理解してくれる大人がいる、という安心感で徐々に心を開き、「実はうちのお母さんこうなんだ」、「お父さんとお母さんの仲が悪いんだ」など口にすることで、家庭の様子が少し垣間見える。
    そこで支援が必要な場合は、ケースワーカーにつなぐといったこともできている。
    そのため、なるべく気にかけたい子どもたちが、支援事業に繋がっていくような仕組みを、相談窓口の担当所管などには伝えている。
    なかなか声を上げられない子どもたちがいると思うが、こうした場に少しでも繋がることで、安心感を得て何らか発信してくれる、そのような緩やかな繋がりが非常に重要だと感じている。
     
  • 記者
    民間空襲等被害者見舞金の件について伺いたい。
    区内でどの程度申請しそうな方がいるか、概数見込みがあれば教えてほしい。
    また、制度のプッシュ型周知については、広報だけではなく、実際に職員が出向くなど、そのような進め方は考えられるか。
     
  • 区長
    せたがや未来の平和館や語り部活動の力も借りながら、地域の中でこうした制度があるということを、繰り返し知らせていきたい。
     
  • 広報広聴課長
    条例制定時の想定としては、対象数90名ということで、当初議論していた。
    詳細は別途、所管から説明する。
     
  • 区長
    原爆被害に遭った方に対する見舞金も以前から出しており、その見込み数から推定して、90名という数字を出した。
     
  • 記者
    石油関係の話について、区長の大きな認識として、ナフサと国が言っている目詰まりは、見立ての認識の誤りという考えで、どのように受け止めているか。
     
  • 区長
    国が目詰まりと説明すること自体は如何ともしがたい。
    目詰まりといっても、随分長い時間が経過している。
    詰まっている原因をほぐして、再度流れるようにできれば、供給が回復することになるが、例えばバス会社の経営者からは、ガソリンは何とかなっているけれども、エンジンオイルが入ってこないという話も聞く。
    シンナーなど、長期保存ができない原料が不足してくると、仕事が止まっていくという事態が、6月、7月と発生する危険性があると認識している。
    事業者の声には、新型コロナウイルスの時のような、いわゆる持続化給付金など、中小企業支援制度を作ってほしいという声もあった。
    区で創設することはできないが、見通しとして、建設・設備産業の中小事業者はかなり厳しい状態で、7月、8月と出口が見えない事態になっていることは事実である。
    区としてその声を受けとめ、最大限できることを担いながら、現在発生している事態を積極的に発信していくことも、私たちの役割だと考えている。

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