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最終更新日 2025年12月24日
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記者会見の様子
今年最後の定例記者会見となります。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、ふるさと納税制度に関するこの間の政府の論議について、所見を述べさせていただきます。
政府・与党において、ふるさと納税による税金の控除額に「上限」を設ける報道がなされています。
区では現在、ふるさと納税により124億円にも上る区税の流出に大変悩まされており、これまでも制度の抜本的な見直しを求め続け、控除額の上限が青天井であることについても見直すべきではないかと申し上げてきました。特別区長会としての申し入れでも、控除額の上限設定は必ず盛り込んできた項目です。
これまで「定率課税であるため上限設定は難しい」と言われてきましたが、国会与党内で議論が始まったと受け止めています。
ふるさと納税による流出額において、地方交付税の交付団体であれば4分の3が補填されています。流出額が400億円の自治体であれば、そのうち300億円が交付税で補われる仕組みです。区の約124億円という流出額も、仮に同様の措置がなされると実質4分の1程度に縮小するため、影響の規模が変わってきます。
しかし、不交付団体であればその補填はなされません。世田谷区は不交付団体です。例えば、横浜市は流出額が全国最大ですが、交付団体であり、隣接する川崎市は不交付団体であることから、純減額は横浜市より川崎市の方が大きくなるわけです。
こうした全国自治体のふるさと納税による流出を補うため、令和7年度は4,463億円もの税金が地方交付税として充てられています。返礼品がワイン4本であれば、そのうち3本分は国が負担しており、非常にいびつな構造になっているのではないのか、より直接的に、地方の振興に充てるということが望ましいのではないかと思います。
報道では、給与収入1億円程度の方を念頭に控除の上限を設ける方向で調整しているとのことで、年収1億円の場合、控除を受けられる寄附額は438万円、うち住民税特例控除は193万円で頭打ちとなります。区で試算したところ、この上限を導入した場合、区の流出抑止効果はわずか2億円に留まります。仮に年収1,000万円を上限とした場合でも、流出抑止効果は26億円程度であり流出額の5分の1程度に過ぎません。
このように、年収1億円を基準とすることが、流出自治体にとって抑止効果の実効性があるのか、大きな疑問を感じています。
「地域の会費」と呼ばれる住民税ですので、もし上限を設けるならば、より低いところに設けて流出額を目に見えて減らすということが必要かと思います。
区は基礎自治体であり、幅広い行政サービスを担っています。令和7年度に流出した約124億円は、学校改築や教育の充実、社会福祉、身体障害のある方や高齢の方の介護など、様々なサポートに充てることができたものです。しかしながら、流出額はこれまで減ることなく増え続け、150億円に近づいているのが現状です。この金額を見れば、税制の脱線であり倒錯であるというのは明らかで、全国約8,700億円の流出額のうち、半分を地方交付税不交付団体が支えているということになります。
もし制度が現状のままであれば、少なくとも不交付団体に対しても、交付団体と同様に4分の3の補填措置を講じるべきです。補填額は6,000憶円、7,000億円と増えていくだろうと思いますが、このことは強調しておきたいと思います。
ふるさと納税制度の改革を考えるのならば、平成27年の税制改正で、ふるさと納税が伸び悩んだことから、住民税控除額を1割から2割に拡大しましたが、これを1割に戻すことで抑止効果が出てくるはずです。
あるいは、返礼品の廃止といった経済団体による声や、返礼品を「社会貢献・地域貢献に資する事業」に限定するという考え方もあるかと思います。
少なくとも、官製通販と呼ばれるふるさと納税について、物価高で規模が膨らんでいますので、抜本的な議論をしていかなければならないと思います。
次に、「子どものけんりフェス」についてです。
4月よりスタートした、「世田谷区子どもの権利条例」の啓発として、11月22日(土曜日)に、三茶ふれあい広場で「子どものけんりフェス」を開催しました。
私も会場を訪れましたが、子どもの権利をテーマとして様々な工夫を凝らしたゲームなど、親子で体験できるコーナーが大変賑わっており、動画上映やスタンプラリー、大道芸など、子どもも大人も楽しんでいました。
来場者からは、「子どもと一緒に遊びながら、知らなかった情報を知ることができた」といった声が寄せられ、ふらりと立ち寄った方からも、「条例ができたことは知らなかったが、少し理解ができた」というお話もありました。子どもの権利の定着に向けたイベントになったと思います。
次に、「デフリンピック」についてです。
11月15日(木曜日)から11月26日(水曜日)にかけて開催された東京2025デフリンピックですが、区内では、駒沢オリンピック公園総合運動場を会場とした陸上競技、ハンドボール、バレーボールの3競技が行われ、熱戦が繰り広げられました。
競技期間中には、世界各国から多くの選手と観戦者が世田谷区を訪問し、駒沢大学駅を利用されました。
区では、来訪された皆さんをご案内するために、東急電鉄と協力して駅構内の壁面を利用した会場案内図を作り、ボランティアによる会場や大会情報の案内を実施しました。また、駅のデジタルサイネージには区の共生社会の実現に向けた取り組み動画を投影し、大会を盛り上げました。
11月24日(月曜日)に行われた陸上男子4×400メートルリレーでは、世田谷区ゆかりの荒谷太智選手が金メダルに輝きました。おめでとうございます。
また、11月25日(火曜日)の日本対トルコの女子バレーボール決勝戦では、日本チームが見事に3セットストレートで制するという試合を観戦させていただき、開催自治体の区長としてプレゼンターを務め、東京2025デフリンピック公式マスコット「ゆりーと」の記念品を渡す役割も担わせていただきました。
拍手の音ではなく、手をひらひらさせるようなサインエールで応援するということで、障害当事者の方も数多く応援されており、100周年を迎えたデフリンピックは大変盛り上がったなと思います。
次に、「区役所ブラックラムズデー」についてです。
区をホストエリアとするラグビーチーム「リコーブラックラムズ東京」とのさらなる連携を強めるため、「区役所ブラックラムズデー」を実施しました。区職員のプロジェクトチームによる、ブラックラムズをより身近に感じていただく取り組みの1つです。チームが所属する「ジャパンラグビーリーグワン2025-26シーズン」の開幕日である12月13日(土曜日)に向けて実施しました。
本庁舎東棟展示スペースでは、チームマスコットのラムまるの大きなぬいぐるみや、選手パネルなどを展示し、区民の皆さんや来庁者を出迎えました。また、ポスター掲示や、プロジェクトチームで作成した卓上POPを窓口に置くなど、区役所全体でチームの広報や啓発に取り組みました。
今後も中央図書館での展示や、2026年2月7日(土曜日)に駒沢オリンピック公園中央広場で開催予定の「ラグビーフェスティバル」など、連携して区のスポーツ推進に取り組んでまいります。
次に、「大学学長と区長との懇談会」についてです。
12月11日(木曜日)に、区役所にて今回で12回目となる「大学学長と区長の懇談会」を開催しました。
区内・近隣にある17の大学の学長、副学長あるいは学部長が一堂に会して意見交換をする取り組みで、年に1回開催しています。翌年の懇談会までに、事務局同士が打ち合わせ等を行い、今や大学と区の間で、100を超えるプロジェクトが動いていることが報告されました。
今年度は、「ふるさと納税を活用した区内大学応援補助事業」をテーマに意見交換しました。また、各大学で取り組む「まちづくり」「水害対策」「防災」「教育」に関する問題提起や発案がありました。
来年度の学習指導要領の見直しに合わせ、来年4月には「学びの多様化学校」として北沢学園中学校がいよいよ開校します。
本校では、従来の学校よりも授業時間数を大幅に削減し、年間700時間台という新しい枠組みで、例えば午後の時間を活用し、芸術・文化・科学といった特色ある学びや表現活動、探究的な学びを推進していきます。
区内には、多摩美術大学、日本体育大学、日本女子体育大学など、個性豊かな大学が集まっています。それぞれの大学の専門性を活かして様々なアプローチをご提供いただけるよう、協力をお願いしました。
さらに来年度に向けて、こうした大学との連携ネットワークについてより幅広く周知していこうということも話し合われました。
次は、令和7年度世田谷区子どもの虐待防止推進講演会&養育家庭体験発表会についてです。
12月2日(火曜日)、北沢タウンホールで「世田谷区子どもの虐待防止推進講演会&養育家庭体験発表会」を開催し、多くの方に来場いただきました。
第一部では、子どもの虐待防止や社会的養育の推進に取り組まれてきた藤林武史先生にご登壇いただきました。里親の受託率が高い福岡市において、民間NPOや既に養育里親として取り組まれている方々と、どのようにネットワークを築き上げてきたのかといったお話を伺いました。
第二部では、実際に養育に取り組まれている里親の方から、養育里親の体験談等をお話しいただきました。
第三部のパネルディスカッションでは、藤林先生、社会的養護の子どもたちと関わり、支えている佐東亜耶さん、ご自身の経験を社会に発信しながら、児童養護施設等を巣立った若者の支援に取り組むブローハン聡さん、そして私と児童相談所長が入り、熱心に議論しました。
来場された方から、「当事者の方からの生の声が聞けて、実情が理解できた」という感想も聞かれ、区民の方と一緒に多くのことを学ぶ機会となりました。
特に養育里親については、世田谷区で登録して、実際に受託されている方は決して多くはないため、しっかりと拡大していきたいと思います。
次に、せたがや若者フェアスタートについてです。
世田谷区児童養護施設退所者等奨学・自立支援基金に寄附をいただく寄附金を原資に運用し、児童養護施設あるいは里親の元から、大学・専門学校に進学する若者たちを応援しようという趣旨でスタートした事業です。
令和6年度の実績では、当初年間30万円だった給付型奨学金を現在の50万円に拡充し、32名の方に1,169万円を給付しました。また、働く若者たちにむけて、支援の枠を広げるという議論を行い、資格等取得支援として7名に73万円を給付しました。さらに、家賃支援として18名に529万円を給付しました。
この他にも、区営住宅の提供、居場所や地域交流支援といった施策も積み上げてきました。
一方、世田谷区が提供できる支援は充実してきていますが、世田谷区以外の人たちとの格差が開いてきています。
東京都、そして国全体で社会的養護の仕組みは18歳まで用意されていますが、進学率は低い状況です。国がしっかり虐待や養育放棄の環境から保護し、若者として自立するまで育て上げるという理念からはまだ遠いのではないかと思います。
社会的養護を必要とする子どもたちが、公平なスタートラインに立てるように、普遍的に支えられる仕組みとして広げていきたいと考えています。
次に、新年のつどいについてです。
1月11日(日曜日)に、新年のつどいを開催します。
会場は、今年4月に池尻に誕生した、HOME/WORK VILLAGEで、新年を祝うという趣旨から、区内伝統芸能団体によるお囃子や獅子舞、餅つきの披露などを行います。
式典後のトークイベントでは、藤井聡太さんから、二つ目のタイトルである王座を奪取した、弦巻小学校、弦巻中学校出身の伊藤匠二冠をはじめ、島朗九段、森下卓九段のお三方をお招きし、いわゆる将棋鼎談を予定しています。
新しい年の初めを区民の皆さんとともに、盛大にお祝いしたく、奮ってご参加いただきたいと思います。
先般、世田谷区議会で議決された、「世田谷区民間空襲等被害者見舞金支給事業」についてお話しします。
世田谷区のこれまでの平和に向けた事業について説明しますと、約50年前から原爆被害者の方への見舞金支給事業を実施しています。これは、毎年1万円を支給するものです。
この事業の実施を区として決定した決裁書において、「被爆者に対する施策については本来国で実施すべきところであるが、区としても、現行施策を補充する意味で、これらの要望に応える必要があり、本年度から見舞金を支給することとした。」とあります。
つまり、国としての支援が整っていない段階であっても、区が一歩先んじて行うということです。
なお、原爆被害者見舞金の受給者については、平成10年度は約780人、その10年後の平成20年度には約700人でしたが、平成30年度には約420人、そして今年度は約260人と、やはり高齢化ということで、近年大幅に減少しております。
世田谷区は、空襲被害が多かった地域ではありません。
被害はありましたが、東京大空襲などの大規模な被害は東京東部が中心でした。
そのため「なぜ世田谷区で」という意見もありましたが、転居など、広域的な人の移動により、暮らしの場として世田谷を選ばれてる方々がいらっしゃるということも念頭に置きました。
区は、戦後40年にあたる昭和60年8月15日、国の内外に向けて『平和都市宣言』を行っています。さらに戦後70年には「平和資料館」、愛称「せたがや未来の平和館」を新規開設してまいりました。平屋の小さな建物ですが、区民から寄せられた、戦争中に被爆したワンピースなど様々な資料が展示されており、今年はせたがや未来の平和館10周年記念誌等も発行しました。開設場所である世田谷公園には、平和のモニュメントである「平和の祈り像」や「平和の灯」、そして広島のアオギリや長崎の柿の木といった、被爆した木の二世が植樹されています。
そして、このたび世田谷区がこの見舞金の支給を検討するに至ったのは、その背景として、民間空襲等被害者に対し、国会では、超党派国会議員の法案作成の動きはあるものの、法案の制定がいまだ見通せないこと、そして、岡崎市、浜松市、名古屋市など中部地方を中心に、自治体独自に見舞金を支給している例もある中、この3月に区議会において「世田谷区で独自の見舞金を支給できないか」という質問があり、これを受け、戦後80年という節目を迎える今年、専門家の意見を聞くなどして、検討を始めてきたところです。
本事業の目的は次のとおりです。
まず、戦後80年を経て高齢化が進む中、仮にあと10年後の戦後90年を考えたときに、戦争でけがをされたり、障害を負われたりした方の絶対数は極めて少なくなっていくだろうことが見込まれます。
今でも遅いぐらいですが、高齢化が進む中で、いたわりとお見舞いの気持ちを表したいと考えています。
また、戦後80年という年に実現できればよかったと思いますが、超党派の国会議員連盟による空襲被害者の救済に関する法案成立について、その動きを前に進めていく機運を高めていきたいと考えています。
そして、平和都市として戦争の悲惨さを訴え、恒久平和を願う平和へのメッセージを発信することも重要だと考えています。
区では、本事業の実施に先立ち、世田谷区在住の民間空襲被害者の方にお話を伺いました。
東京大空襲で被害に遭われた方は、お話の中では、「戦争被害に対する救済や補償は本来国が行うべきと考えるが、区の見舞金支給について、このような機運が高まることを嬉しく感じる。また、自身の体験が平和の機運醸成に役立つ機会がないか探している。」といったお話を伺いました。
事業の概要に移ります。
支給対象者は、昭和16年12月8日から昭和20年9月7日までの間に、空襲、艦砲射撃等の戦時災害によって負傷または罹患したことに起因する障害を現に有する者です。これは超党派議連の法律案に準じた期間設定としています。そうした方に申し出ていただき、審査をした上で支給を決定します。
支給要件は、区内在住者で、令和8年1月1日時点において、住民基本台帳に引き続き1年以上世田谷区に記録されていることが確認できる方です。そして、恩給法、援護法、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律等による給付を受けていない方を対象としています。
支給内容としましては、1人につき1回限り3万円の見舞金を支給いたします。
当事者の方から申請の申出があった場合、事実関係の審査を行うため、戦時災害に詳しい学識経験者と医師からなる審査会を設けます。
この見舞金の支給に伴い、申請の案内受付とともに、民間空襲等被害者の方の体験談を私どもが傾聴し、ご本人の承諾が得られれば、録音・録画により記録していくことも考えています。また、様々なお悩みや相談についても、寄り添いながら、お話をお聞きしていきたいと考えています。
今後のスケジュールについてです。
まず、第一次申請期間を、1月15日(木曜日)から3月末までとします。
区の広報紙、ホームページ、掲示板などで周知を図り、5月に審査会を行い、6月下旬での見舞金支給をめざしています。
7月には、平和資料館「世田谷未来の平和館」において、空襲に関する企画展を行います。
この事業について、短い期間で周知が行き届くのかという課題もあるかと思います。そのため、来年度中に追加の申請期間を設けたいと考えており、見舞金の支給が一過性の施策で終わるのではなく、平和都市として恒久平和を願うメッセージを発信する機会にしてまいりたいと思います。
次に、くみん窓口・出張所の混雑期に向けた取り組みについてです。
例年3月、4月に混雑期を迎えるくみん窓口・出張所における窓口改善について、窓口混雑緩和、待ち時間の縮減や利便性の向上を目指し取り組んできたところです。
令和7年には、取り組みの1つとして、コンビニ交付手数料の減額を実施しました。
混雑している期間、住民票の写し、印鑑登録証明書、納・課税証明書について、通常1通200円の手数料を、令和7年2月から5月まで10円に減額しました。
その結果、コンビニでの交付率は初めて6割を超え、窓口での交付は3割を切る結果となりました。以前からコンビニ交付は進めていましたが、この取り組みが、窓口混雑緩和に効果を発揮したのではないかと考えています。
そこで、令和8年においても、2月から5月までの4ヶ月間、同様にコンビニ交付手数料の減額を実施します。
もう1つ、窓口が混み合う理由として、マイナンバーカードの保有率が74%を超えるなど、利用者が増加していることが挙げられます。マイナンバーカード自体の有効期限は10年ですが、電子証明書の有効期限は5年で、期限が切れると、更新しなければ使用することができません。この5年の更新を迎える方も大変増加しています。
そのため、令和7年の混雑期では、マイナンバーカードセンターの開設、「電子証明書手続きコーナー」の増設を行いました。
令和8年の混雑期に向けては、20か所に整備が完了した「電子証明書手続きコーナー」のうち、ちらしの掲示等により、利用率の低い地区の活用を推進してまいります。まちづくりセンターなどで手続きができることを周知していくとともに、今後、年度内に、区民に身近な郵便局でもマイナンバーカードの手続きができるよう、郵便局への業務委託に向けた調整を進めているところです。
政策経営部 広報広聴課
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