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最終更新日 2025年7月9日

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区長記者会見(令和7年7月1日)

令和7年7月1日(月曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。

会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。(PDF:3,784KB)


記者会見の様子

区長あいさつ

令和7年度第3回定例記者会見を始めます。

はじめに、マンション防災啓発冊子についてです。

3階建て以上かつ6戸以上のマンションにお住まいの約20万世帯を対象に、防災啓発冊子をお配りしました。この冊子は裏返すと、「無事です」と玄関などに掲示できるよう工夫されており、また、従来のものより読みやすくなっています。6月16日(月曜日)から「マンション防災共助促進事業」を開始しました。マンションの管理組合や管理会社などからの応募に対し、蓄電池などの防災備品を無償配布するとともに、マンションの防災ネットワークを新たに構築していくことを目的としたものです。多くの申込みをいただいたため、すでに受付けを終了していますが、大変関心が高いことがわかりました。

次に、「公益信託世田谷まちづくりファンド」が、日本都市計画学会賞石川賞を受賞しました。

この公益信託まちづくりファンドは、区民の活動を技術的・資金的にサポートする趣旨で創設され、区民の活動を技術的にサポートする仕組みとしてかつて「まちづくりセンター」が創設されました。現在は後継団体である「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」に引き継がれ、30年以上にわたり活動してきました。公益信託の受託者である世田谷トラストまちづくりが、区民のまちづくり活動に伴走支援を行ってきました。このファンドの特徴は、多くのワークショップや話し合いの場を設ける、また申請団体によるプレゼンテーションを公開審査する点にあります。信託財産の終了に伴い2025年で終了するため、この度、最終活動報告会が開催されました。

今回の受賞では、主に3つのポイントが評価されました。

1つめは、資金を助成するだけではなく、世田谷トラストまちづくりが様々な形で活動を支援していること。

2つめは、行政や区民以外に、企業も寄付という形で参画する包括的な仕組みになっていること。

3つめは、助言機関である運営委員会の運営委員にファンドの卒業生が複数関与している。つまり、過去に助成を受けて子育て拠点を作った、または緑を増やす活動をした団体の卒業生などが、今度は審査員や伴走者として、他の区民による新たな申請を支援するという人材の循環があることが評価されたと聞いています。

日本におけるまちづくりの中間支援組織のモデルとして、30年以上にわたり時代を先取りした役割を果たしてきたことが、今回の受賞理由となりました。これまでに助成した団体は400を超え、関わった運営委員は75名にのぼります。このファンドは終了しますが、その趣旨は今後、「世田谷トラストまちづくり活動助成事業」として段階的に世田谷トラストまちづくりで継続されていくと聞いています。今後も、このまちづくりファンドの考え方を発展させるべく、区としても、バックアップしていきたいと思います。

次に、6月26日(木曜日)と27日(金曜日)の2日間、北海道白老町との共催で、白老町総合保健福祉センターを会場に「令和7年度自治体間連携フォーラム」を開催しました。このフォーラムは、世田谷区が10年前に、「全国の自治体との連携」を区の総合戦略における3本の柱の1つとして位置づけ、開始したものです。これまでも交流のある川場村、十日町市、豊岡市や、昨年は北海道の那珂川町など、様々な自治体と交流を重ねてきました。

今回は2日間の日程で「多様な主体による持続可能な地域づくり」をテーマに、各自治体から取り組みを発表いただきました。世田谷区からは「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」がどのように生まれたか、そしてそれが国の認知症基本法の骨格にもなったという話をしました。白老町でも、まさに認知症条例をつくろうとしているというリアクションや、川崎市では、5万8,000人を超える外国人市民が主体となる「外国人会議」を30年前から設置し、意見や問題点を吸い上げているといったお話しがありました。また、十日町市からは、温泉バイナリー発電やバイオマス発電、信濃川の水力発電など、自然エネルギーの様々な可能性について報告をいただきました。

共催の白老町は北海道胆振東部地震の被災地でもあり、7人の町長で構成する胆振町村会に所属しています。世田谷区との交流関係から、北海道胆振東部地震の際には保健師の派遣などを行いました。今回は残る6人の町長にもご参加いただき、非常に密度の濃い交流ができました。具体的には、区内にある17大学の学生を、ゼミなどの単位で、地域から要望があった場合に2週間程度派遣するという制度はどうかという提案が民間団体からあり、早速事務局レベルで連絡調整してみようかといったお話しもありました。このような取り組みを年に1回行っています。

次に、第46回せたがやふるさと区民まつりについてです。

8月2日(土曜日)と3日(日曜日)の2日間、午前11時から午後9時まで、JRA馬事公苑とけやき広場を会場に開催します。区で長く続いている歴史あるおまつりで、昨年、久しぶりに馬事公苑での開催となりました。

1番人気の高い「ふるさと物産展」では、自治体間連携フォーラムにも関わりのある全国31の市町村にテントで特産品を並べていただきます。多くの市長、町長、村長も実際に会場に来てくださいます。馬事公苑内には、福祉団体、商店街、区民団体、区内にある大使館のブースなど、90以上のブースが配置されます。また、能登半島地震の復興支援として、新潟県、石川県、福井県を招待した「能登半島地震復興支援物産展」も設けます。

4つのステージでは、ジャンルの違うパフォーマンスや音楽が披露され、メインの「はらっぱステージ」では子供たちに大人気のキャラクターショーも行われます。また、各地域から集まる「おみこし行進」や、盆踊り、阿波踊り、サンバなどの「まつりざん舞!」が会場を盛り上げます。

最終日のフィナーレコンサートでは、ミュージカル俳優によるコンサートで来場者の皆さんに盛り上がっていただく予定です。大変暑い中での開催となりますので、熱中症には十分ご注意いただきたいと思いますが、ぜひお越しください。

なお、来年は馬事公苑がこの時期に他の用途で使用されるため、6月に開催することで予定しています。

最後に、「高雄市と世田谷区との文化交流に関する覚書」に基づく台湾・高雄市との交流コンサートを実施します。

7月29日(火曜日)にせたがやイーグレットホール(世田谷区民会館)において、平成31年1月に締結した覚書に基づく文化交流の一環として、KSO高雄市青少年交響楽団及びKCO高雄市青少年国楽団、そして世田谷ジュニアオーケストラによる交流コンサートを開催します。過去2回実施しており、今回が3回目の開催です。今回は伝統楽器のアンサンブルであるKCO高雄市国楽団も参加し、二胡や高胡といった伝統楽器による演奏も行われると聞いています。同世代の子ども・若者による音楽を通した交流により、言葉や文化の違いを超えて双方の理解・友好を図り、今後の交流につなげていきたいと思います。

発表項目

ふるさと納税について

まず、毎回、流出額が増加したことをご報告しているふるさと納税についてです。

流出額の伸びが何とか留まってくれないかと願いつつ、様々な取り組みを進めているところです。

しかし、残念ながら5月7日付の集計値で、流出額は123億3,355万9千円となりました。昨年、100億円を超えて111億円になったとご報告したばかりですが、改めて抜本的な対策を求めていかなくてはならないと考えています。

一方、区へのご寄附は10億3,900万円余りいただきました。このうち、6億8,400万円が遺贈による寄附です。これは、亡くなられた方の生前のご厚意により区に寄附されたものです。それ以外の、いわゆるふるさと納税としての個人からの寄附は3億3,700万円で、昨年より若干増加しています。しかし、123億円の流出に対して、3億3,700万円の寄附であり、流出額の増加分が大変大きいのが現状ですので、様々な取り組みを考えております。

一つの取り組みとして、体験型の返礼品をご紹介します。

東急世田谷線の上町車庫見学ツアーを7月20日(日曜日)に開催し、小学3年生から6年生の6組を対象に乗務員や作業員の体験をしていただきます。

もう一つは、二子玉川駅での駅長体験で、7月21日(月曜日・祝日)に小学1年生から6年生の2組を対象に、1日駅長として業務を体験していただくものです。これらは東急電鉄株式会社様のご協力によるもので、世田谷区の魅力を発信できる体験型返礼品として、今後も取り組んでいきたいと思います。

ところで、23区で構成する特別区区長会では、ふるさと納税制度に関して度々要請や提言を行ってきました。今回は、区長会総会で専門家を招いた講演会を開催し、意見交換をしました。

慶應義塾大学の土居教授からは、「特別区の納税義務者の5%程度しかいない高所得者が、全体の40%を超える寄附金控除を受けており、減収の多くは高所得層の寄付によって生じている。今後の改善点として、一定以上の所得層に対し、控除額の制限を定めるという問題提起ができるのではないか。」とのご意見をいただきました。

次に、東洋大学の沼尾教授からは、「寄附金の5割が経費となっており、返礼品等が地方税財源を浸食している。また、高所得層がより多くの利得を享受でき、垂直的公平性を阻害している。改善の方向として、特例分の控除額に上限を設定し、高所得者が多大な利益を得る仕組みを変えるべきであり、また、寄附金額から返礼品相当額を除外することも考えられる。」とのご意見をいただきました。

最後に、立教大学の池上教授からは、「上位20団体が寄附受け入れ額の2割を占めるという自治体間格差が生じており、地方交付税による減収補填が、本来の行政サービスに充てるべき地方交付税の財源を圧迫している。改善点として、寄附金控除の対象額から返礼品相当額を除くこと、また、自治体が連携して国に見直しを求めてはどうか。」というご意見をいただきました。

これらの意見を踏まえ、世田谷区として3点の提言をまとめています。

ふるさと納税の廃止を含め、抜本的な見直しが必要だと考えています。

1点目は、寄附額の上限設定についてです。

現行制度は、課税所得に比例して利得が増加するという逆立ちした税制であると考えています。沼尾教授がおっしゃる「垂直的公平性」を阻害しているということになります。年間寄附額の上限を定めることで制約をかける対策を急ぐべきです。区の試算では、寄附額3,000万円以上の方々による控除額が全体の44.5%を占めています。控除額の上限を定めることで、とめどない流出に具体的な歯止めをかけられると考えます。もちろん、ふるさと納税制度そのものを一旦停止して組み直すという抜本案も提言し続けていますが、まずは緊急避難措置としてこのような対策が必要ではないでしょうか。

2点目は、減収補填についてです。

区は地方交付税による減収補填を受けていないため、123億円がそのまま純減となっています。全国では3,958億円が地方交付税で補填されていますが、本来、地方の基盤的な整備に使われるべきお金が、高所得者の利得によって生じた自治体財政の穴埋めに使われていることは大変問題であり、不交付団体だから補填制度が全くないというのも不合理であると考えます。

3点目は、ワンストップ特例制度です。本来、国が支払うべきコストを自治体が肩代わりしたままになっています。

こうした点について、緊急に見直すよう、今後も区長会を通して発信していきたいと考えています。

戦後80年 平和都市宣言40年 せたがや未来の平和館10周年 記念事業について

次に、記念事業についてです。

戦後80年にあたる本年は、区の平和都市宣言から40年、せたがや未来の平和館開館から10年目という節目の年になります。様々な記念事業を通じて、幅広い年代に向けて、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えていきたいと思います。世界では、今も戦争は終わっていません。核戦争が起こりうる危険も増している中、日本被団協の皆さんがノーベル平和賞を受賞されたことは記憶に新しいところです。

具体的な事業として、7月16日(水曜日)にイーグレットホールで開催するシンポジウムでは、「次世代への継承~戦後80年 語り継ぐには~」をテーマに、ノンフィクション作家で昭和史に関する著作も数多い保阪正康(ほさかまさやす)さんによる基調講演をいただきます。今年は戦後80年であると同時に、昭和100年にもあたります。こうした観点から今、何をすべきかをお話しいただきます。一人でも多くの方にお聞きいただきたいと思います。後半には私も加わり、平和問題の研究者である暉峻僚三(てるおか りょうぞう)さんとの3名でパネルディスカッションも行う予定です。

次に、7月20日(日曜日)に北沢タウンホールで、中高生を対象とした演劇「あの夏の絵」を上演します。これは、広島市立基町高校の生徒が原爆の絵を描くという実話をもとにした演劇です。劇中では原爆の絵そのものは登場しませんが、演劇が終わった帰途で、実際にその絵を見ていただくという構成になっています。

次に、せたがや未来の平和館の10周年を記念して記念誌を作成します。平和館の足跡のほか、収蔵品やこれまでの展示、語り部に関するお話などを盛り込みました。これをご覧になり、平和館に興味を持って足を運んでいただければと思います。

最後に、常設展示のリニューアルを行います。展示順序を工夫し、パネルを見やすくするなど、来館された方にとって分かりやすい展示に変更してまいります。このほかにも、子ども向けのスタンプラリーなどを開催する予定です。

これらの記念事業を契機に、改めて戦後80年と平和についての決意と認識を深めていきたいと思います。

質疑応答

  • 記者
    今回、ふるさと納税による住民税の流出額が123億円と過去最高額となったが、改めて区長の受けとめを伺いたい。
     
  • 区長
    地方税というのは地域の会費とも呼ばれ、道路や下水道管の補修など、目に見えないところも含めて、老朽化したインフラの補修にも今後お金がかかる。
    問題は、流出額の増加が全く止まっていないこと。総務省が様々な規制をかけているが、制度のルールそのものが、累進課税とは逆に、所得税額が高ければ高いほど多くの見返りがあるという仕組みになっている。また、4,000億円近い地方交付税がふるさと納税による流出の補填に使用されており、本当に地方創生を目指すのであれば、他に方法があるのではないかと思う。経済の専門家は、ふるさと納税が持続可能で永続する制度だとは言わないのではないか。国としても、ここまで普及するとは思わなかったが、ここまで来たからやめられない、という惰性で継続されているのではないかと思うため、先ほど話した3点の提言のように、緊急に修正してほしいという異議申し立てを、これからも行っていきたい。
     
  • 記者
    今回新しく体験型の返礼品を実施し、返礼品を充実させていくとのことだが、今後もそういった返礼品の充実を図っていく予定か。
     
  • 区長
    世田谷区にある資源や環境、文化を味わってもらえる体験型メニューを提供していきたい。また、ふるさと納税は居住区の区民には返礼品を出せないので、もう少し区民が参加できるような寄附のメニューも広げていきたいと考えている。
    流出額は111億円から123億円へと増加している反面、様々な取り組みの成果として寄附額は3億円から少し増えたというところに留まっており、努力はしていくが、この落差を覆すことは到底あり得ないだろう。しかし、一つひとつできることを、民間の皆さんからの提案も受けながら充実させていきたいと考えている。例えば、医療的ケアが必要な子どもとそのきょうだいが一緒にキャンプに行けるように支援する基金には、たくさんの寄附が集まっている。また、以前から児童養護施設の子ども・若者たちを給付型奨学金や家賃補助で支える基金には、通算で3億5,000万円ほどの寄附が集まり、基金により若者たちの生活や進路が改善されている。そういった部分は一生懸命工夫しながら取り組みたいと思うが、ふるさと納税制度の根幹において、急激な減収を抑える措置を講じてもらわないと難しい、という感想も併せて申し上げたいと思う。
     
  • 記者
    ふるさと納税制度の抜本的な見直しが必要ということで先ほどの3点を挙げてもらったが、この中で最も重視することや、国に求めることはどれになるか。
     
  • 区長
    税というものは、非常に多くの所得がある方と、様々なハンディキャップがあって所得が低い方との格差を、なだらかに水平にしていくという効果がある。その意味で、やはり「寄附額に上限をもうけること」だ。ふるさと納税で控除できる上限を決めると、実際に困る人が果たしているのだろうかと考える。もちろん、地方でふるさと納税を当てにして地域経済を組み立てている事例があることもよく存じているが、上限を設けてもふるさと納税による受入れが止まるわけではない。今のままだと、年末のコマーシャルやインターネットの情報を見ても、ふるさと納税をしない方がおかしいという風潮になっている。そこは是正が必要だという点で、「寄附額に上限をもうけること」を強調したいと思う。
     
  • 記者
    区長は今年2月の予算会見の際、ふるさと納税の減収が予算ベースで125億円くらいになるという話の中で、「100億円を超える流出は非常に問題だ。こうした減収について地方交付税で補填されればいいが、特別区をはじめ不交付団体はとてもたまらない。補填されないとなると大きな影響が出るので、常に発言していかなければならない」という趣旨の発言をしている。これは、今回の提言の2番目、3番目と矛盾していないか。つまり、国が補填をするべきという話なのか、それとも国による補填で地方交付税の財源が圧迫されていることが問題だというのか、矛盾しているように感じる。地方自治体によるワンストップ特例制度の負担についても、これを改善しようとすれば、国の負担がさらに増えることになる。その点について教えてもらいたい。
     
  • 区長
    ふるさと納税制度を抜本的に見直すなら、制度を一旦廃止して見直すということになる。今回挙げたのは、いわゆる応急処置、緊急的な措置であるため上限を設けるということを強調している。
    私たちの立場からすれば、この制度を続けるのであれば、どうして不交付団体に補填がないのか、という問題がある。例えば横浜市と川崎市では、4分の3が補填される横浜市と補填が全くない川崎市、少しの違いで分かれている。この制度を続けるのであれば、不交付団体にも補填をすべきではないか。もし、それではお金がかかりすぎるというのであれば、この補填制度自体がおかしいのではないか、という議論もしていきたいと思う。また、本来国が持つべき財源を地方に出させていることについては、税制としておかしい。そうした異例の事態が続いていることは正さなければいけない。
    今回の提言のすべてが一度に叶うとは思っていない。ただ、問題があり、寄附上限の設定を優先して考えてほしい。その点について、先日の区長会の勉強会でも各講師の先生方に質問し、概ね一致を得たところであり、23区としても異議のない内容かと思う。
     
  • 記者
    先ほど、遺贈が6億8,400万円とのことだったが、これはお一人からか。
    非常に増えているが、何人くらいの方が、どのくらい遺贈されたのか。
     
  • ふるさと納税対策担当課長
    お一人からではなく、複数の方からいただいたもの。
    4件で6億8,400万円超である。
     
  • 区長
    遺贈は毎年いただいているが、我々の反省として、これまで遺贈について積極的な呼びかけをしてこなかった中でいただいていたものであるということ。そのため、今では遺贈の受入れに向けた金融機関との連携協定を締結し、金融機関に相談を受けていただいている。金融機関でいわゆる終活などの相談を受けた場合に、寄附の宛先として様々な選択肢を提示する際、お住まいの自治体である世田谷区も受け付けていますよ、という情報提供をしていただくなどである。区としても相談を受ける体制をもっと積極的に作っていこうと考えている。
     
  • 記者
    個人情報であり難しいと思うが、相続せずに遺贈という判断をされる背景が気になっている。例えば、どういう方が遺贈に踏み切られるのか。
     
  • ふるさと納税対策担当課長
    様々な事情がおありだが、相談のある方を含め、身近な親族など相続される方がいらっしゃらない、いわゆる遺留分を持つような身近な親族がいらっしゃらない「おひとり様」と呼ばれる方が多い傾向にあると思う。
     
  • 区長
    私が区長として体験した中では、ある方が学校の校庭として使われている土地の大半を所有されており、区が使用料をお支払いしてきたが、これを寄附したいというお話をいただいた例がある。あるいは、相続の際に土地を公園として使ってほしいという申し出を受け、公園として活用している例もある。信託銀行などを通してご相談される中で、実際に相続される対象者がおらず、福祉でお世話になったからという理由で寄附先として区を選んでいただくことが多いが、それ以外の相続対策的な理由で選んでいただく方もいた。
     
  • 記者
    以前話していた空襲被害者への見舞金について、現在の進捗を教えてほしい。
     
  • 区長
    こちらについては、まず研究者の方や、議員連盟で長年立法を検討されてきた方々から、当事者として体験されたお話を聞くなどの機会を重ねてきた。具体的にいつから、どのように、というところはまだお話しできる段階ではないが、考え方については大分整理できた。民間人を除外した、いわゆる受忍論というところで整理した概念について、戦後80年という節目で乗り越えるべきではないか。国会で、一人当たり50万円という金額で法案が成立するかもしれないという話があったが、結局成立しなかった。次に繋いでいくということであるが、戦後80年というのは大きな意味がある。戦争を体験し、空襲で逃げ惑い、周囲の方が亡くなった、町全体が焼け跡になったという経験をされている方は、数少なくなってきている。子どもの頃にそうした経験をされた方が今80代ということを考えると、現在がラストチャンスなのではないかという思いは引き続き持っている。
     
  • 記者
    まだ検討中で、8月15日の戦後80年の記念日までに何かしらの発表ができるという段階ではない、という理解でいいか。
     
  • 区長
    現状ではそこまでの準備はできていない。ただ、なるべく具体化に向けて議論を整理し、絞っていきたいと思っている。
     
  • 記者
    戦後80年ということで、年内には何かしら、という思いか。国会の議論で言うと次は臨時国会になるかと思うが、そういったスケジュール感で、年内にはある程度方向性を示したいということでいいか。
     
  • 区長
    大きく言えば、そのとおり。エンドレスで検討だけを続けていく余裕はないだろうと思っている。

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