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最終更新日 2026年7月3日

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区長記者会見(令和8年6月23日)

令和8年6月23日(火曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。

会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。(PDF:6,850KB)

 

 


記者会見の様子

区長あいさつ

まず、本日6月23日は、沖縄県の「慰霊の日」で、先ほど平和祈念公園にて、令和8年沖縄全戦没者追悼式の式典が行われました。

私は生前、大田昌秀元沖縄県知事と大変親しくさせていただき、沖縄を訪問する度に大田さんのもとを訪ねて、壮絶な沖縄戦での体験を何度も伺いました。

沖縄の言葉で「礎」を「いしじ」と読むそうですが、「平和の礎」を1995年に完成しています。

24万数千の名前が刻まれていて、沖縄県民、旧日本軍の兵士以外にも、命を落としたアメリカ兵の名前もまた、同じように刻まれています。

高校生の挨拶の中でも、沖縄の戦争の酷さと、二度とその戦争があってはならないと、そういった思いを痛切に語っていましたが、広島・長崎で核兵器の酷さと戦争の無慈悲さに向き合うのと同時に、沖縄戦という20数万人が命を落とした歴史をしっかりと語り継いでいかなければならないと考えます。

さて、6月6日・7日に、JRA馬事公苑とけやき広場を会場として、第47回せたがやふるさと区民まつりが開催されました。

2日間のうち、2日目の夜に行われたフィナーレコンサートでは、かなり強い雨が降りましたが、25万2,500人と大変多くの方に来場いただきました。

区と交流のある29自治体による、けやき広場で催された「ふるさと物産展」では、大変にぎわいを見せていました。

また、交流自治体の首長の皆さんや、副市長・副町長の皆さんも含め、10名に参加いただいた首長懇談会も開催し、人口減少に悩んでいる全国各地の危機感や、せたがやふるさと区民まつりを契機に、交流を深めていこうというお話もできました。

子どもたちを対象とした昔あそびコーナーも開催され、子どもたち自身がブースで受け付けし、大変多くの体験をしてもらうなど、とても充実していたと思います。

国際コーナーでは、区にある大使館を中心に各国大使館が並べるテントコーナーができ、国際色豊かな場面を作ることができました。

最後に、開催にあたり近隣住民の皆さまをはじめ、会場をご提供いただいたJRA馬事公苑、実行委員会や関係団体の皆さまに、多大なるご協力に感謝申し上げたいと思います。

本年は6月開催になりましたが、来年以降は酷暑を避けて、9月に少し遅らせての開催予定となっています。

次は、「世田谷区子ども夢プロジェクト」についてです。

平成17年から始まった、21年目になる児童館を中心とした企画です。

未来を担う子どもたちの「やってみたい」「実現したい」という思いを大切にし、その夢に向かって主体的に挑戦できるような取組みを進めています。

児童館の子どもたちが自分たちの夢への挑戦に向けて、例えば、たまがわ花火大会でオリジナル花火を打ち上げたい、大きなお菓子の家をつくりたいなど、自由な発想で子ども夢プロジェクトが作られてきました。

平成26年から喜多見児童館では、「宇奈根の渡し」という1日だけ渡し舟を復活するというイベントを行っています。

かつて、多摩川を挟んで、世田谷区宇奈根と川崎市宇奈根という漢字の表記も同じ地を、渡し船が行き来していたということを探り当てた子どもたちが、渡し船の手伝いをしていた地域の方を探し、渡し舟を作ってもらい、区側に200人ほど地域の大人たちも応援で集まり、対岸の川崎市まで川崎市長を迎えに行くという、川崎市と世田谷区の包括協定を締結する契機にもなったイベントです。

今年度の「子ども夢プロジェクト」は、9つの児童館がそれぞれのテーマを掲げ、スタートしようとしています。

どのような夢が実現していくのか、心から楽しみにしています。

次は、子ども・若者の活動を応援する2つの取組みについてです。

まず1つ目が、「せたがや子どもFun!Fan!ファンディング」です。

子どもたちが、地域の中で「したい、やってみたい」という企画を出して、大人の前でプレゼンテーションを行います。

活動にかかる費用は、世田谷区子ども・若者基金から最大20万円補助します。

この提案は大人だけではなく、子ども審査員が中心となって、公開審査が行われて決定します。

今年度は、6月28日にうめとぴあの保健医療福祉総合プラザで、8団体が公開プレゼンテーションに取り組む予定です。

投影、演劇、スピーチ、模造紙など方法は自由で、それぞれ工夫を凝らしたプレゼンテーションが見られると聞いています。

昨年度は、地域の中高生がコンビニのように気楽に立ち寄れる居場所づくりや、地球環境やごみ問題をテーマとしたコマ撮りアニメーション制作といった活動がありました。

今年度も、小学生から高校生まで、幅広い年代の子どもたちによって、どのような提案がされていくのか楽しみにしています。

2つ目は、「せたがや若者ファンディング」についてです。

若者が地域に対して、日頃感じていることをきっかけに、地域を舞台にやってみたい企画や、実現させたいプロジェクトへのチャレンジを応援します。

こちらも子ども・若者基金から最大20万円補助します。

7月5日(日曜日)午後1時から、希望丘青少年交流センターアップスで、公開審査会を行います。

審査は、大人2名、若者3名の計5名で行い、申請のあった16団体から、最大10団体を採択していく予定です。

居場所づくりや環境問題へのアプローチなど、どの団体も若者ならではの目線で、地域についてのアイデア、企画が発表される予定です。

こちらもぜひ、若者たちの動きを応援していただけたらと思います。

次に、第44回「せたがやホタル祭りとサギ草市」の開催についてです。

7月4日(土曜日)・5日(日曜日)16時から21時にかけて、世田谷代官屋敷周辺にて、「せたがやホタル祭りとサギ草市」が開催されます。

サギ草は、羽根を広げたサギにも見えるということでサギ草と呼ばれ、区の花として指定されていますが、なかなか現在は区内の生息が難しくなっています。

本イベントは、かつてあちこちに生息していたホタルを、子どもたちに見てもらおうと、ホタルの鑑賞と組み合わせた夏のお祭りになっています。

このサギ草は、戦国時代の常盤姫にまつわる伝説に由来し、姫が白鷺に託した大切な思いがもととなり、白鷺のような可憐な花が世田谷の地に咲いたと伝えられています。

こうした物語が、世田谷の歴史とともに受け継がれ、サギ草が区の花に定められました。

このような歴史ある行事を大切にしながら、今後も多くの方に親しまれるよう応援・支援していきます。

次に、火葬場を巡る動きと今後についてです。

火葬場という施設は、生まれて一人ひとりの生涯があって、やがて誰もが必ずお世話になる、現代社会にとって必要な基盤です。

この運営については高い公共性、倫理性、継続性が求められると思います。

この間、火葬場をめぐって様々な動きがありました。

まず、23区のうち9か所ある火葬場のうち7か所が民営で、全国でも珍しい形になっています。

このうち6か所は、東京博善の経営です。

そして、23区で火葬料金が高騰しているという報道もありました。

また、冬の寒い時期は亡くなる方が多く、そのシーズンは火葬待ちで、1週間から10日という報道がなされました。

区で運営している臨海斎場では、世田谷区民及び共同運営している区の区民が4万4,000円で、それ以外の方は8万8,000円の料金になっています。

そして特別区区民葬儀から、東京博善が撤退を表明しました。

東京博善は、その部分の原資を火葬料金に反映させ、現在は8万7,000円に引き下げています。

臨海斎場は、大田区・品川区・港区・目黒区・世田谷区の5区で作っています。

世田谷区から少し距離がありますので、世田谷区の亡くなる方の多くが、民間の火葬場を使っているということもいえるかと思います。

多死社会と言われていますが、世田谷区の亡くなる方が、現在8,000人を少し超えており、生まれてくる子どもより亡くなる方が多いため、人口減少社会になっています。

特別区区民葬儀に触れておきたいと思います。

昭和23年頃、東京都が中心となり開始し、昭和40年に特別区が引き継いでいます。

区民葬儀という名前ですが、全東京葬祭業協同組合連合会に加盟する、区民葬儀取扱指定店が、比較的簡素で標準的な形式の葬儀を執り行えるよう提供にしており、区役所での死亡届提出・火葬許可書申請の際に、窓口で区民葬儀券を発行しています。

この制度を利用することで、5万9,600円で火葬が可能でした。

通常の火葬料金が9万円ですが、この価格差は通常料金で利用する方とのバランスが図られることによって成り立っていたものと考えられます。

ただし特別区からの財源投入は行われていませんでした。

本年4月以降、東京博善が区民葬儀の取り扱いを終了し、その結果生じる増収分を原資として、火葬料金を8万7,000円へ引き下げました。

特別区としては、補助を新たに利用できなくなる区民への対応として、2万7,000円の助成を始めています。

世田谷区の中でも様々な議論がありました。

平成元年、火葬場を区内に作るべきではないかという意見が出てきました。

また平成9年には、都立砧公園の地下に作ってはどうかという一般質問がありました。

なぜ公園かというと、住宅棟から概ね250メートル離れたところにしか、火葬場を設置できないという23区共通の条例があるためです。

これは東京都から引き継いだ条例の規定です。

一方で、都市公園法の規定によって、都市計画公園の中には、火葬場を設定することは困難であり、大田区・品川区・港区・目黒区・世田谷区で、臨海斎場という公営の斎場を設置しました。

ただ、多死社会が近づいており、令和4年には、区内に火葬場を設置するべきだという陳情が継続審議となり、令和5年には、同様の陳情が出され、趣旨採択されました。

なお、この陳情はいずれも葬祭業者から提出されたものです。

区によって、火葬場をめぐる状況を検証し、調査実施中で、年内に結果を公表していくという予定になっています。

直近の動きとしては、東京博善の株が売却されるという報道がありました。

ただ、親会社の廣済堂ホールディングスは否定しています。

一方、私もメンバーになりましたが、令和8年6月に東京都が火葬場検討会を開始しました。

私はその席で「火葬場の将来に渡る安定的な稼働、その際公営化も1つの手段ではないか」と発言しています。

北区長からは「火葬場がマネーゲームの対象になることへの懸念」というお話があり、新宿区長からは「公共性を確実にするための制度設計が必要」というようなお話が出ました。

都知事からは、「公営化を念頭に火葬能力増強の検討に着手」というお話がありました。

今後の取組みですが、具体的には、公営化の働きかけ、既存の公営火葬場の増炉、これは臨海斎場の火葬炉を令和12年度に、今の10基を20基にする、能力的に倍増するという改修の準備に入っています。

また、都瑞江葬儀所では、都として増炉の可能性に言及しています。

一方で、新宿区の吉住区長は「小型の火葬場も含め火葬力の強化を」と発言されています。

多死社会に、本当に現状で対応できるのかということを逐一検証しつつ、体制自体を構築することになるかと思います。

発表項目

旧玉電・江ノ電車両補修・再塗装プロジェクトの開始について

旧玉電・江ノ電車両の補修・再塗装プロジェクトについてです。

この車両は、世田谷線宮の坂駅近くの宮坂区民センターに保存されています。

以前、ガバメントクラウドファンディングで集めた約500万円の寄附金を活用し、区民の皆さんの手によって塗装を行いました。しかし、それから時間が経過し、ご覧のようにひび割れや傷みが広がるなど、経年劣化が進んでいます。

そこで世田谷区では、令和8年度中に補修・再塗装工事を行うこととしました。

今回のプロジェクトでは、行政主体の事業にとどめることなく、価値を共有する人々との協働により、次世代へ保存・継承していく取組みとして、寄附募集と再塗装色の投票を行います。

寄附については、旧玉電・江ノ電車両の補修・再塗装に係る費用に充てるもので、募集期間は令和8年7月1日から12月31日まで、目標金額は525万円です。

寄附は、区のふるさと納税特設サイトや、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」、オンライン手続きのほか、電話、郵送、窓口でも受け付けます。

本事業の特徴として、再塗装の車体色を投票により決定します。

投票は、誰でも参加できる「一般枠」と、寄附者の方を対象とした「寄附者枠」を設けています。

特に寄附者枠では、寄附額に応じて投票できる票数が増える仕組みとなっており、1,000円ごとに1票が付与されます。

ご支援いただいた分だけ、その想いを「色の決定」に反映できる形としています。

投票期間は、一般枠について、オンライン手続き、FAX、現地投票にて6月25日から8月16日までとなっております。

寄附者枠については、7月末までに寄附の確認ができた方を対象とし、オンライン手続きまたは電話で8月16日まで投票いただけます。

候補となる車体色は2案あります。

1つは、この車両の保存を開始した平成2年当時に世田谷線を走っていた、単体色で、現行のグリーンカラーです。

もう1つは、玉電当時の懐かしさを感じられるツートンカラーです。

7月から寄附募集を開始し、秋以降に補修・再塗装工事を実施、12月で募集終了を予定しています。

地域の皆さんがともにつくり上げ、保存している玉電の価値が、地域の共有財産としてさらに高まっていけばよいと考えています。

区民の庭を活用した「モデル雨庭事業(グリーンインフラ普及啓発事業)」協力者募集について

モデル雨庭事業の協力者募集についてです。

昨年も区内では浸水被害が発生しました。

これは、短時間に大量に降った雨水を、下水道が処理しきれずに、道路などへ溢れ出す内水氾濫によるものです。

東京都は、浸水被害軽減に向けて、河川整備や下水道整備を進めています。

しかし、このような大規模な事業には、相応の時間がかかります。

世田谷区では、河川や下水道への雨水の流出を抑制するため、これまで公共施設などで雨水浸透ますの設置や雨水貯留槽、レインガーデンなど、グリーンインフラの観点で流域対策に取り組んでいますが、近年頻発する都市型集中豪雨などに対しては、従来の対策だけでは十分に対応しきれていない状況があります。

世田谷区は住宅都市とも言われ、区内の土地の約7割が宅地であることから、既存住宅などにおける対策の促進が大変重要です。

こうした中、雨水の流出を抑制する施設のひとつに雨庭があります。

雨庭とは、庭の一部などに「くぼみ」を造り、植栽などを施したグリーンインフラ施設です。

晴れている日は水はたまっておらず、石などが見えている状態ですが、雨どいや周囲から集めた雨水を、植栽や地中の砕石層に貯め、ゆっくりと地下に浸透させることができます。

緑のある景観づくりや、生物多様性の豊かさにもつながるなど、雨水の貯留浸透だけでなく、様々副次的効果も期待できます。

また、雨水浸透ますや浸透トレンチの設置工事に比べ、既存の庭でも取り組みやすく、景観を大きく変えないため、これまで関心がなかった方にもお勧めしやすいものと考えています。

しかし、雨庭の認知度は、まだ高いとはいえません。

そこで、区民の皆さんに雨庭について知ってもらうため、雨庭の普及啓発を目的に、モデル雨庭事業を実施します。

今回の事業では、その効果を体感していただくため、協力者を募集しています。

募集件数は3件程度を予定しており、モデル事業であるため、設置費用などはすべて区が負担します。

また、設置後は3年程度にわたり浸透能力の調査を実施する予定です。

募集期間は6月15日から7月17日までです。

詳しい募集内容や申請書等については、区のホームページに記載していますので、ぜひご覧いただき、ご協力いただければと思います。

終活支援センターの開設について

続いて、区では7月1日に終活支援センターを開設します。

本センターは、区が世田谷区社会福祉協議会に運営を委託して実施するもので、成城6丁目の社会福祉協議会本部内、成年後見センターと同じフロアに開設されます。

近年、単身高齢者の増加や家族形態の変化により、判断能力の低下時や、入院・施設入所時、さらには本人が亡くなった時などのまさかの場合に備え、医療・介護に関する意思決定や、財産・住まいの整理、葬儀や契約関係の手続きなどについて、事前に準備しておく必要性が高まっています。

区の終活支援センターは、終活に関して「何から始めたらいいのか分からない」「一人暮らしで、この先どうなるか心配」等の様々な不安や課題について、相談内容を整理し、必要な支援や関係機関につなぐための窓口です。

本センターの主な機能は2つあります。

1つは、終活総合相談です。

相談員が皆さまの終活に関する「不安」や「これから」の考えを整理するお手伝いをする「一般相談」をはじめ、終活に関する法的な疑問にお答えする弁護士による「専門相談」、その他、終活に関する普及啓発として終活講座の開催やエンディングノートの配布等を行います。

もう1つは、高齢者終身サポート事業「えんのつづき」です。

身寄りがなく、十分な資力がない高齢者を対象に、入院や施設入所時、また万が一亡くなった場合の支援を行います。

支援内容としては、金銭管理手続き支援、入院・入所手続き支援、賃貸住宅契約更新時などの緊急連絡先対応、死亡後の火葬・納骨支援、賃貸物件の残置物対応などがあります。

この中から希望するサービスを選択し、契約していただきます。

契約後は、月1回の電話連絡と半年に1回の訪問を行います。

終活総合相談については、世田谷区在住の方およびその家族が対象で、利用料は無料です。

「えんのつづき」については、65歳以上で世田谷区に住民登録があり、単身世帯で子どもや孫がおらず、サービス内容や契約内容を理解し、自らの意思で契約できる方が対象です。

また、生活保護を受給していないことや、住民税非課税世帯であることなどの条件があります。

月額利用料は1,000円で、このほか利用するサービスに応じた費用が必要となります。

終活についてご不安や分からないことがありましたら、7月1日(水曜日)に開設する区の終活支援センターに、まずは相談いただけたらと思います。

成人障害者の居場所づくり支援事業及び長期休暇期間中の障害児の居場所づくり支援事業の実施について

区では、7月から東京都が創設した補助制度を活用して、障害者・障害児の居場所づくり事業を行う事業所に対して、新たに2つの補助事業を行います。

1つ目は、成人障害者向けの事業です。

18歳以降の成人障害者は、放課後等デイサービスを利用することができません。

そのため、ご本人の社会参加や家族の就労継続が難しいという課題があります。

世田谷区では、日中一時支援で対応してきましたが、財政負担が増加している状況でした。

2つ目は、障害児向けの事業です。

夏休みなどの長期休暇期間中は、放課後等デイサービスの通常の利用時間だけでは預かり時間が短く、こちらでも保護者の就労継続が大きな課題となっていました。

こうした課題に対応するため、区では国や東京都に対し、新たな仕組みづくりを要望してきました。

区内には、知的障害のある子どもを放課後等デイサービスで支援してきた保護者たちが立ち上げた法人があります。しかし、その子どもたちが18歳を過ぎると、放課後等デイサービスに相当する制度がなくなってしまいます。

学校に通っている間は放課後等デイサービスがありますが、成人後に生活介護事業所や就労継続支援事業所などで働くようになると、仕事は午後3時頃に終わる一方、その後に交流したり過ごしたりする居場所がありませんでした。

そのため、区内では、事業者が赤字を抱えながらも、18歳を過ぎた20代、30代、40代、さらには50代に至るまで、かつて支援を受けていた人たちの交流の場を提供してきました。

しかし、こうした取組みは制度上位置付けられていないため、利用者が増えても十分な補助を受けることができず、多くを世田谷区が負担している状況でした。

事業者から赤字拡大について相談を受けた際、私は厚生労働省を訪れ、事務次官や担当課長に直接必要性を訴えるとともに、東京都にも要請を行い、「18歳の壁」を乗り越えるための制度整備を求めてきました。

その結果、東京都において補助制度が創設されましたので、この制度を活用して、事業者を支援する補助事業を開始します。

これにより、現在区内1か所で実施され、利用者の増加によって逼迫している居場所事業について、今後さらなる拡充が期待できる段階になったと聞いています。

もう1つ、長期休暇期間中の障害児の居場所づくり支援事業についてです。

特別支援学校などに通う子どもが放課後等デイサービスを利用している場合でも、夏休み期間中は利用開始時間が遅いため、就労している保護者に大きな影響が生じていました。

このため、長期休暇期間中の支援についても補助対象とし、令和8年の夏休みから対応を開始できることになりました。

成人障害者の居場所づくり支援事業については、歳出予算額9,526万円、特定財源となる東京都からの補助金は7,644万円を見込んでいます。

また、長期休暇期間中の障害児の居場所づくり支援事業については、歳出予算額3,493万円、特定財源となる東京都からの補助金は3,075万円を見込んでおり、7施設での実施を予定しています。

このように、福祉現場における課題の一部について改善が進んできたことをご報告したいと思います。

質疑応答

  • 記者
    区が実施している火葬場調査について伺う。
    先日、東京都による調査では、将来需要の試算や各火葬場の実績、待機日数、料金などが示された。
    世田谷区の調査では、どのようなテーマや項目について調査を行っていくのか。
     
  • 地域行政課長
    世田谷区が行っている調査も東京都の調査と似た内容になるが、項目としては、人口および死亡者数の推移、火葬場の現状および将来動向など。
    また、世田谷区民がどの火葬場を利用しているのかといった分析や、火葬場建設に関わる課題についても調査する。具体的には、関係法令、経費、住民対応など。
    さらに、国や東京都、特別区による火葬場建設の可能性の検討、近年のコロナ禍以降に顕著となっている葬儀スタイルの変遷や将来動向についても調査する。
    最後に、臨海斎場の利用促進策の検討。
    区長からも話があったが、世田谷区からはやや距離がある臨海斎場を有効活用するために、どのような方策が考えられるかについて事業者に委託して調査を進めており、年内には調査結果を取りまとめる予定である。
     
  • 記者
    火葬場について、非常にボリュームのある資料を作成しており、大変力を入れていると感じる。
    区長自身の言葉として、資料の13ページに「安定的な稼働」とあるが、もう少し具体的に考えを聞かせてほしい。
     
  • 区長
    「安定的な稼働」と申し上げたのは、6月4日に都庁で行われた火葬場に関する検討会の場だった。
    当時、民間火葬場の経営権が外資系ファンドに売却される可能性があるという話があった。
    その後、売却は行わないという報道があったが、これをきっかけに、北区長からも「マネーゲーム」という表現があった。
    都心部では人口集中が進み、今後、多死社会に入っていく中で、民間火葬場の経営権が売買され、経営主体が変わるたびに料金体系や運営方針が大きく変わるような状況は、「安定的な運営」とは到底言えないと考えている。
    したがって、もし売却が真剣に検討されていたのであれば、公営化に踏み切るよい機会ではないかと考えた。
    墓地埋葬法やその後の国の通知では、本来、火葬場は地方公共団体が担うべきものとされている。
    ただ、東京には歴史的経緯があり、例外的に民間火葬場が6か所存在し、大規模に運営されてきたという事実がある。
    しかし、この例外は東京特有の事情によるものであり、経営権の売却のような事態は、昭和23年当時や1970年代には想定されていなかったと思う。
    経営主体が次々と入れ替わることは望ましいことではなく、法の趣旨にも反するものだと考えている。
    公営化にもさまざまな形態があると思う。
    東京都と特別区が知恵を出し合い、仮に公営化が可能であるならば、どのような形態が望ましいのか、特別区はどのような負担を行うのかを検討していく必要がある。
    臨海斎場は一部事務組合方式で、5区が共同出資して運営している。
    世田谷区からも年間千人程度が利用している。
    利用実績に応じて各区が費用を負担し、利用料を算出する仕組みを長年続けている。
    また、臨海斎場では毎月運営会議を行っており、この問題について十数年にわたり考えてきた。
    今後、東京全体の火葬場のあり方を検討する場が始まるということで、そのような意見を申し上げた。
     
  • 記者
    終活支援センターの開設に関して2点伺う。
    まず、この施設は区特有の課題を踏まえて開設に至ったものか。
    また、開設によってどのような効果を期待しているのか。
     
  • 区長
    世田谷区特有というよりは首都圏全体に広がっている問題だと思うが、まず単身世帯が大変増えてきているということがある。
    そのような中で、終活について考えなければならないと思いながらも、それをどこに相談すればよいのか分からないという方が多くいる。
    民間のサービスもあるが、まとまったお金が必要だったり、会員登録が必要だったりする場合もあり、
    区民が安心して相談できる場として、この窓口を設置できたことは大変意義があると考えている。
    「高齢者終身サポート事業」については、利用にはさまざまな条件があり、誰もが利用できるわけではない。
    一方で、今後実際に相談を受ける中で、さまざまな声が寄せられると思う。
    例えば、一定の資産があり、子どももいるけれども、終活について支援をお願いしたいという方もいらっしゃるかもしれない。
    区として取り組むにあたっては、まず対象を絞り、一定の困窮状態にあり、亡くなった後のことについて実際にどうしてよいか分からない方を対象としてスタートする。しかし、今後の相談や支援のあり方については、相談を重ねながら課題が見えてくるのではないかと思っている。
    期待している点としては、この窓口はかなり開設が待たれていたものだと考えている。
    区の広報が十分に行き届けば、相談したいという方は多くいると思う。
    一方で、相談される方の中には、「高齢者終身サポート事業」の対象外の方も相当数いると思う。
    その場合、その後をどうしていくのかという話になっていく。そこにはさまざまな選択肢があると思うが、まずは、火葬場の話にも通じるが、誰もが限りある命を生きている中で、特にひとり暮らしの方の不安に少しでも応えられるようなやり取りができればと考えている。
    私たちがまだ知らない現実や課題もあると思うので、そうした声をしっかりと受け止め、必要な施策を考えていきたいと思っている。
     
  • 記者
    終活支援センターについて伺う。
    これから始まる事業だと思うが、どのくらいの利用者を想定しているのか。
    また、受け入れ体制はどのようなものを考えているのか。
     
  • 生活福祉課長
    利用者数については、「終活総合相談」と「高齢者終身サポート事業」の2つに分かれている。
    終活総合相談については、年間2,500人程度の利用を想定している。
    高齢者終身サポート事業については、他区の実績も踏まえ、年間540件程度の相談があり、そのうち実際にサービスを利用する方は25人程度になると想定している。
    職員体制については、正規職員3名、非常勤職員4名の計7名体制で対応する予定である。
     
  • 区長
    実際にサポートが始まると、長期間にわたる支援が必要になると思う。
    そのため、職員間の引き継ぎなども含めて、体制を維持していく必要がある。
    もちろん、世田谷区や社会福祉協議会として、できないことを前提にスタートするわけではない。
    ただ、想定以上の反響があった場合にどう対応するかという課題はあると思う。
    先ほど申し上げたとおり、「高齢者終身サポート事業」については対象をかなり限定している。
    しかし、対象外の方からも「こうしたサービスを利用できないのか」という声が寄せられる可能性がある。
    その際には、既存の民間サービスについて偏りのない情報提供を行うことも考えている。
    実際に相談を始めてみて、どのような相談が多いのか、どの時点で相談を終了するのかなど、運用しながら形を作っていくことになると思う。
    成年後見支援センターが同じフロアにあり、社会福祉協議会としても長年取り組んできた経験がある。
    その経験を生かしながら、まずは終活相談を順調にスタートさせたいと考えている。
    その中で、特にニーズが高い課題が見えてくれば、それに応えていく必要があると考えている。
     
  • 記者
    成人障害者の居場所づくり支援事業について、18歳以上で軽度の障害があり、就職を希望する人は、どの機関に相談すればいいのか。
     
  • 障害者地域生活課長
    区内に障害者就労支援センターがあり、身体・知的・精神など障害種別に応じた支援を行っている。
    例えば、就労移行支援や就労継続支援といった通所支援施設の利用が必要かどうか、あるいはハローワーク等を通じた就職活動について相談を受けるなど、状況に応じた支援を行っている。
     
  • 記者
    沖縄慰霊の日について話があったが、最近、同志社国際高校を巡り、文部科学省が政治的中立性について指導しているとの報道がある。
    区長は平和教育のあり方についてどのように考えているか。
     
  • 区長
    高校生が亡くなるという大変痛ましい事故があった。
    これはあってはならないことだと思う。
    その上で沖縄戦については、私は沖縄をおそらく100回近く訪れており、長期間滞在した経験もあるため、若い頃から多くの戦争体験を聞いてきた。
    沖縄戦は本土にはなかった地上戦であり、住民、とりわけ少年ですら軍事組織の一員として動員され、ひめゆり学徒隊のように女子学生が負傷兵の看護にあたるなど、特有の歴史がある。
    これはしっかりと記憶しておくべき事柄だと思う。
    また、沖縄戦の結果として、米軍基地の問題も生じた。
    沖縄は日本の独立後もしばらくアメリカの施政権下に置かれていた。
    SACO合意があり、普天間基地返還について大きく打ち出したことをよく覚えている。
    しかし、現在の状況を見ると、辺野古新基地が完成しても普天間基地は返還したくないという議論がアメリカ側からも出ている。
    こうした歴史を含めて、総合的に学習していく必要があると思う。
    沖縄戦をめぐっては、教科書問題などさまざまな議論があった。
    集団自決はなかったという主張がなされた時期もあったが、それに対して県民大会が開かれるなど、大きな議論となった。
    集団自決の歴史が実際にはどうだったのか、一つひとつ語り継いでいかなければならないと思っている。
    沖縄の戦前、戦中、戦後の歴史をしっかりと伝えていく平和学習は、今後も必要であると考えている。

お問い合わせ先

政策経営部 広報広聴課 

ファクシミリ:03-5432-3001