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最終更新日 2025年3月13日
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国や区が実施した実態調査から、ヤングケアラーは1クラスに2人程度いることが分かっています。
ヤングケアラーの子どもや若者は、自分の気持ちや状況をうまく言葉にすることが難しい場合や、本人や家族に自覚がない場合があるため、周囲からも気づかれにくいことが多くあります。
ヤングケアラーの子ども・若者の置かれている状況は、家庭によって様々です。また、ケアをすることをつらいと感じていたり、家族を助けたいと前向きな気持ちを持っていたり、様々な思いを抱えながらケアをしています。
ヤングケアラーは、ケアラーである前に、自身の成長や発達、教育の機会などが保障されるべき「子ども・若者」です。しかし、ケアの負担が大きい場合、それらの機会が守られず、「子どもや若者らしい生活」を送ることが難しくなり、心や体に大きな負担がかかってしまいます。
一方で、子どもや若者であることによって、「ケアラー」として周囲から認識されにくいという問題もあります。そのため、必要な情報やサポートが得られなかったり、自分の意見を大人に聞いてもらえなかったりするなど、二重の不安定さを抱えています。
ヤングケアラーの多くは子ども時代をなんとか乗り越えたとしても、大人になってから生きづらさや心身の不調を抱えたり、就労などへの影響が出たりすることも少なくありません。
そのため、早い段階から将来を見据え、子ども・若者の可能性を狭めることなく、本人にとっての選択肢を増やすことができる支援が必要です。
区では、ヤングケアラーコーディネーターとともに、ヤングケアラーとその家族を支えるための支援や相談窓口、支援の輪を広げるための周知・啓発活動など、様々な取組みを行っています。
など、どんなことでも構いません。ぜひお気軽にご連絡ください。
電話番号:050-1706-5807(月~金曜(祝・休日を除く)午前9時30分~午後6時30分)
メールアドレス:setagaya.ycc@youngcarerjapan.com
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ヤングケアラーだった経験を持ち、現在は世田谷区ヤングケアラーコーディネーターとして活躍する星野さん・氏原さんにお話を伺いました。
身近な相談相手がいなかった母の愚痴を聞いたり、機嫌を取ったりすることは、幼い頃から自然と私の役割でした。また、大学生のときに祖母が要介護になりました。それ以前から祖父の在宅介護をしてきた父が新たな負担を担うことは難しく、父と一緒に祖父母を介護しながら大学生・社会人生活を送りました。
当時はうまく言葉にできませんでしたが、「期待に応えつづけなければ家族が壊れてしまうのではないか…」と物心ついた頃から感じていました。転機は20代で、「逃げるのは悪いことじゃないよ」「あなたが背負いすぎている責任を手放してもいいんだよ」と言ってもらえたことで、家族に対して適切な境界線(バウンダリー)を引けるようになりました。
ヤングケアラーをはじめ、しんどさを抱える子ども・若者には、ジャッジされず無条件に受け止めてもらえる体験が必要です。彼らに「あなたのことを気にかけてるよ」と伝える大人たちのネットワークを、ぜひ世田谷区で一緒につくりましょう。
私は大学時代に認知症の祖父の介護を行っていました。私も、祖父自身も、両親も精一杯な状況の中で、私たちの気持ちに丁寧に寄り添い続けてくださったのが、当時のケアマネジャーさんや訪問医さんなど、介護や医療に関わる専門職の皆さんでした。祖父に対してはもちろん、若者としてケアを担う私自身のことも気にかけ、優しく接しつづけてくださったことに、本当に救われる思いだったことを覚えています。
当事者にとって、大人にケアや家族の話を打ち明けることは非常にハードルが高く、時には勇気がいることです。だからこそまず、私たち大人が日頃から、子どもや若者と何気ないことでも気軽に話せる関係性を築いていくことが大切です。「支援」と言うと少し堅苦しく聞こえるかもしれませんが、そういった関係性を築いていくための第一歩は、誰でも踏み出すことができるはずです。ケアを担う子どもや若者の選択肢が守られる温かい社会を、世田谷区のみんなでつくっていきましょう。
一つの考え方として、ケアの内容・量・質・責任が異なります。
お手伝いであれば、もしやらなかったとしても家族の生活に大きな影響はありません。
一方、ヤングケアラーの場合、子どもや若者がケアをしなければ家族の生活が成り立ちません。子どもや若者に「やらない」という選択肢がなく、家族の中で役割が固定化し、ケアを担うことが当たり前になっていることが多くあります。
ケアとは、人間の生命・生活・健康を支える営みであり、ケアなくして私たちの社会は成立しません。
病気や障害などを人の“弱さ”や“自己責任”と捉えるプレッシャーが強い社会では、公的な福祉よりも家族に頼ろうと思いやすくなってしまいます。
福祉サービスを頼ることは何も悪いことではなく、全ての人に開かれた権利であるということを、一人ひとりが実感できる社会にしていきたいですね。
上記お問い合わせ先参照
このページは広報広聴課が作成しました。