令和7年12月の「区長の談話室」(ゲスト:ホッブス 美香氏、向井 広香氏)
令和7年12月の区長の談話室
令和7年12月放送(12月7日・14日) 区長の談話室「里親制度をご存じですか?」
※12月14日は、12月7日の再放送です。
ゲストに、ファミリーホーム「トリニティホーム」専任養育者のホッブス 美香氏と、「里親支援センターともがき」副主任の向井 広香氏をお招きし、「里親制度をご存じですか?」をテーマにお送りしました。
里親制度は、様々な理由で親と一緒に暮らせない子どもたちを、自立させたり、生まれ育った家庭に戻ったりするまでの間、自分の家庭に迎え入れ、あたたかい愛情と正しい理解を持って養育する制度です。
区では、一定期間子どもを預かり育てる「養育里親」になってくれる方をさらに増やすとともに、養育里親が気軽に相談できる環境づくり等の支援体制の整備に取り組んでいます。
より多くの子どもたちが温かい家庭で生活できる世田谷区を目指して、一緒に考えましょう。
テーマ・ゲスト紹介
- パーソナリティ:区長の談話室、今日も保坂展人区長と一緒にお送りしていきます。区長、よろしくお願いいたします。
- 区長:よろしくお願いします。
- パーソナリティ:今日は「里親制度」についてお送りしていきます。ゲストはファミリーホーム「トリニティホーム」専任養育者のホッブス美香さんです。ホッブスさん、よろしくお願いいたします。
- ホッブス氏:はい、よろしくお願いいたします。
- パーソナリティ:そしてもうお一方です。「里親支援センターともがき」副主任の向井広香さんです。向井さん、よろしくお願いいたします。
- 向井氏:よろしくお願いいたします。
- パーソナリティ:まず区長、お二人のプロフィールのご紹介をお願いします。
- 区長:ホッブス美香さんは、7~8年前、もっと前かな、ホームパーティーにお招きを受けてですね、そこでわいわいがやがや。で、よく聞いてみると相当数のお子さんを今まで養育されてきたということで、現在も世田谷区内でファミリーホームを運営されています。向井さんはですね、世田谷区内にふたつ児童養護施設がある、そのうちのひとつ、東京育成園に勤務されて、ちょうど5年前の2020年からですね、世田谷区の業務委託を受けられましてフォスタリング機関、里親制度を知らせる里親のなり手の開拓や里親になりたい人のための研修、里親子の相談などを行っていらっしゃいます。2025年からですね、このフォスタリング機関が里親支援センターと変更になって、今その渦中で頑張っておられます。
里親制度ってどんな仕組み?
- パーソナリティ:ということでお二人にお話伺っていきたいと思いますが、区長、まず今日のテーマの里親制度ということなんですが、まずはこの制度について教えていただけますか。
- 区長:世田谷区は、児童相談所を2020年、5年前に作りました。通告があってですね、子どもが虐待を受けていると。暴力がある、精神的な虐待やネグレクトがあるとなって、子どもが親の元で養育できないというふうに児童相談所が判断した場合に親子分離されます。つまり子どもを保護するわけですね。その際に小さい子だと乳児院、これまでは。また、一時保護施設に子どもたちは一旦居場所を得るわけなんですが、この間の国の議論の中でですね、特に小さい赤ちゃんなどは乳児院ではなく里親のもとで過ごすのがいいんじゃないかと。何らかの理由で親が、自分自身がちょっと育てるのが無理ですよというかたちで児童相談所に預ける場合もあるんですけれども、そういった意味で親のもとで育つことができない子どもたちを社会が支えて育てる制度を社会的擁護というんですね。この社会的擁護というと有名なのが児童養護施設なんです。だけど、これは世界的に見ると施設ではなくて、一般のご家庭で自分のお子さんがいる場合もいない場合も、家庭の一員として迎えますよと。そして養育しますよと。それを国が養育家庭に委託をして、一定の経費を払い、18歳まで養育してくださいねというのが養育里親になります。意外と知られていなくてですね、世田谷区92万人いますけれども、まだまだ里親のなり手が少ないし、もっともっと増やしていきたいという段階です。
- パーソナリティ:はい。向井さん、今区長からお話がありましたけれども、まだまだ知られていないということだったんですが、どんなふうに制度が成り立っているのか、どんなふうに受け入れているのか教えていただけますか。
- 向井氏:里親制度、児童福祉法に基づいた社会的擁護を必要とするお子さんのための制度というところが一番大きなところかなと思います。子どもの福祉というところを一番の目的としていまして、子どもと一緒に生活をしながら子どもの大切な居場所を作っていくというのが里親制度、養育家庭さんというところになるかと思います。
- パーソナリティ:先ほどのフォスタリング機関ということがキーワードになるのかと思うのですがこちらについて。
- 向井氏:そうですね、フォスタリング機関は、里親養育支援機関というものでして。私達は令和2年に世田谷区からの委託を受けまして、フォスタリング機関の業務を行ってきました。世田谷区内の生活をしている里親さんであったりとか、そこで生活をしているお子さんの支援というところもそうですし、普及啓発というところで制度の普及啓発もそうですし、イベントを実施して制度を知っていただくこともそうですし、実際に里親になりたいと思ってくださる方達のお話をしたりというところで、そういった普及啓発の部分であったりとか、里親さんになるためだったり、里親さんが今後より良く養育を向上していくための研修であったりというのも企画運営などをして、そういった所を担っている施設がフォスタリング機関、里親支援センターというふうになるかと思います。
- パーソナリティ:里親制度と聞くとなんとなくイメージは湧くのですが、養子縁組をするのとはまた違うんですよね。ここはどのように違うのでしょうか。
- 向井氏:はい、そうですね。里親制度というところも、今おっしゃっていたように大きくは養育家庭、里親さんという部分と、養子縁組里親というところに分けられます。いわゆる里親と言っているのが養育家庭になりまして。養子縁組里親さんは皆さんイメージを持ちやすく、お子さんと戸籍上も実の親子関係というようなところになりますが、養育家庭はそうではなくて、戸籍上は法的な親子関係というところではなく、お預かりをする、戸籍の変更はないというような制度になります。また預かる期間とかお子さんの年齢とかというところも様々でして、親の病気だったりとか亡くなられたりとか虐待があったりとかという様々な事情で実のお家での生活というのが難しいようなお子さんを一定期間預かって一緒に生活していただくというのが、里親さんになります。なので、幼少期から18歳になるまでという里親さんのお家で長く生活するケースもあれば、実のお家に親御さんのもとに生活を戻っていくという事を目指して、数年間、里親さんのお家で状況が整うまで生活をするというケースもありますし、わりと中高生の年齢、大きくなってから里親さんのお家に行って、そこから自立した生活といったところを目指していくようなケースもあったり。本当に様々なケースがあるのが里親さんというところですね。
- パーソナリティ:養育家庭で短い期間だったり、長い期間だったり色々あるというお話だったのですが、育つというのは子どもたちにとってはどのようなプラスの面があるのでしょうか。
- 向井氏:はい、そうですね。本当に特定の大人というところと愛着関係を築けるというのが一番子どもにとって大きいかなという風に感じます。
- パーソナリティ:施設ではなくということですね。
- 向井氏:そうですね、本当に施設でもより個別的な支援というところは大事にしている部分ではあると思うんですけれども、やっぱりどうしても集団生活という部分はあるかと思います。ただやはりお家で生活をするっていうことだと、特定の毎日お父さんお母さんの存在がいるというところであったりとか、やっぱり自分の存在を受け入れてくれているというような安心感の中で生活ができますし、そこで自己肯定感というものも育まれるのかなというふうに捉えています。
里親になったきっかけと歩み
- パーソナリティ:ホッブスさん、里親としてこれまで沢山のお子さんたちと接してこられたとお聞きしているのですが、そもそも里親になろうと思ったきっかけは何だったんですか。
- ホッブス氏:はい。小さい頃から孤児に何かしたいとはずっと思っていたんですよ。それで最初はテレビの番組でですね、帰省の時期になっても実の親のところに戻れないで施設でたくさん子どもがいるというドキュメンタリーを見て、それでボランティアだったら何かできるかなということで1本電話をして、そこで知り合った女の子が当時14歳だったんですけれども。最初は日帰りでカラオケに行ったりしてたんですね。そしたらお泊りに行きたいというふうに言い始めて、フレンドホームという制度が東京都にあるんですけれども。フレンドホームというのは季節里親、そういう帰省の時期とかに受け入れる里親さんですけれども、それに登録しまして。そしたら、うちにずっと住みたいですと彼女が言い出したんですね。それで施設の先生が、養育里親という制度があってというのを教えて下さって。ただ私はちょっとびっくりしたのが、私自身がその制度を知らなかったんですよ。なんか小さい頃から漠然と孤児を育てたいと思っていたような人間でも情報が届いていないというのが、当時35歳くらいだったんですけれども、え、何だろうそれってと凄くびっくりしたんですね。それで養育費も出るという事で。
- パーソナリティ:元々ご興味があったという事だったんですが、やはり一般的には里親でお子さんを受け入れる、期間が短いにしろ長いにしろ、ものすごく責任を伴う事でもありますし、今さっきお金の方は出るものがあったという事ですが、そういった心配とかも皆さんあると思うんですが。
- ホッブス氏:はい、あると思います。だから私も人に勧める時はお金の心配はいらないからねって、話すんですけれども。大事じゃないですか。それも日本人的なのかわりとオープンにしない傾向がありますよね。
- パーソナリティ:今現在までに何名くらい受け入れていらっしゃるんですか。
- ホッブス氏:そうですね、たぶん22~3人くらい。短期の子も入れてですね。
- パーソナリティ:短期というのは本当に短い。
- ホッブス氏:一時保護です。一番短い子だと二晩くらい。でもだいたい一時保護は2~3か月いるっていうのが多い感じですかね。
- パーソナリティ:一番長いお子さんだと。
- ホッブス氏:長い子は7歳で来て22歳までいた子が一番長い。15年ですね。
- パーソナリティ:同時に何名くらいいらっしゃるんですか。
- ホッブス氏:一番多い時で7人。一時保護の子も入れてですね。長期の子が5人で、一番多かった時は一時保護の子が兄弟で一組で7人だった時が一番多かった時ですね。
- 区長:どうしてそんなに里親を続けているんですか、なんて聞かれませんか。
- ホッブス氏:どうして続けられるの?という聞かれ方をすることはあります。
- 区長:どうしてできるのということですね。
- ホッブス氏:いやもう、そろそろやめたいんですけどね。
- パーソナリティ:でもやはりやりがいと言ったらちょっと語弊があるかもしれないですが何かあるんでしょうね。
- ホッブス氏:やっぱり泣いちゃいますけど、今の日本で、お父さんお母さんって呼んだことがない子が未だにいるというのは、私は許せないんです。それが一番強い思いですね。未だにいます。
- パーソナリティ:ホッブスさんにとってはお子さん達に接しられる時は親の感覚ですか。
- ホッブス氏:いや、それは子どもによります。その子が私を何と呼ぶかにもよるし、実親と繋がりのあるお子さんももちろんいますし。一時保護の子は、お母さんと私の事を呼んだ子はたぶん0だと思いますし。それはその子の背景によりますね。やっぱり生まれた時から施設に育って、初めてなんかもしかしてこの人の事をママって呼んでいいのかなって思った時のその子っていうのはすごいですよ。その感動があるから続けられると思います。泣いちゃうじゃないですか。すみません。
- パーソナリティ:わかりました、ありがとうございました。やはりご苦労もたくさんおありでしょうけれども、そういった喜びがあるからこそというお話だったと思います。この後もまだまだお話伺っていきたいと思います。
里親になるには?登録の流れと相談窓口
- パーソナリティ:今日は「里親制度」についてお送りしています。ゲストにはファミリーホーム「トリニティホーム」専任養育者のホッブス美香さんと、そして「里親支援センターともがき」副主任の向井広香さんをお迎えしています。引き続きよろしくお願いいたします。ホッブスさんに色々なお話をお伺いしてきたのですが、今この放送を聴いて、一番最初のホッブスさんのように、こういう制度があるんだというふうに思われた方、もしくは前からちょっと気になっていたけれども私が里親になれるんだろうかとか、そういうふうに迷ったり悩んだりされている方というのもいらっしゃると思うんですね。そういった方達はどんなふうにしていけばいいのか、向井さん教えていただいてもよろしいですか。
- 向井氏:はい。世田谷区内の方でしたら、皆さん、私達、「里親支援センターともがき」がお問い合わせの窓口になっております。私達ホームページも運営しているので、最初のお問い合わせでメールのフォームからご連絡をいただいたりというケースもすごく多いかなと思っています。もちろん児童相談所の事務所に来ていただくという事であったりとか、お電話でご連絡いただくということもあるんですけど、わりとメールを使ってとかというところでお問い合わせがしやすくなったというお声はわりといただくことが多くなったというふうに思います。ご登録に関してなんですけれども、一定の要件というのはあるんですけど、特別に里親になるための資格というものは必要がなくて、それぞれのご家庭の状況だったりとか、お家の状況だったり、部屋数だったりとかですね、そういったところを私達とお話をさせていただいて、要件があっているというところとお気持ちがあるというのがわかればご登録に向けて進んで頂くというような形になっています。進んでいく中でも、かなりご家庭の状況によって、どういったお子さんを預かれるかとか、どのくらいの期間預かれるかというのは様々だと思うので、そこは話をしていく中で、本当に短い期間だけの預かりを中心にやっている方もいますし、長く見ていく事ができますというようなところでご希望される方もいますし、そこはもちろん子どものニーズというところもすごく大切ではあるんですけれども。実際にどういうふうな、子どもにとって何が一番良いマッチングかというところは、児童相談所であったり、私達里親支援センターであったり、里親さんと皆さんと話しながら進めていくというような形をとっています。
- パーソナリティ:実際にお子さんがいてもいなくても特に関係なくということですよね。
- 向井氏:そうですね、ご登録いただく、お問い合わせいただく方には、自分のお子さんを今育てている最中というところで、また里子さんを迎え入れてというケースもありますし。中には既にお子さんを自立させた後に、わりとご夫婦で時間であったりとか色々と余裕ができて社会貢献的な意味も含めてお子さんを迎え入れたいというふうに思ってくださる方も、どっちのパターンもあるかと思いますし。中にはお子さんがいらっしゃらなくてというご夫婦の中に社会的擁護のお子さんを受け入れたいというご希望でお問い合わせいただくこともあります。
- 区長:この里親制度というのが一般的にすごく知られていないんですね。養子縁組は知られているんだけれども、それ以外の養育家庭、養育里親っていうのを知らせようというので世田谷区では、側面広告バスを10月から「世田谷で里親になりませんか」というやつを走らせてもらっています。色んなPRをさせていただいています。まだまだね、少ないんですよね。登録されている方がね。こういう話を知っていればやりたかったという人は結構出てくるんですよね。ただ我々の宣伝不足もあって。やっぱり後は社会の側の、敢えて言えば無関心。虐待の問題で言えば僕も反省があるんだけど、虐待がひどく、どうして救えなかったのかという話題になりますよね。早く一時保護をしようと。親子分離を急ぐべきだと、この世論が盛り上がるんですよね。一時保護したら子どもは安全になる。でも子どもにとってはそこから人生は長いんですよ。そこに児童養護施設でずっといくのか、それとも養育家庭があって、ここで居場所ができるよというかたちで、そこを生活の場、学びの場、育ちの場として選んで一定の期間過ごすのか。その子にとっても人生の選択肢が相当変わってくるはずなんですね。明らかに家庭的環境の方が良いというのは世界中の皆さんの共通見解です。日本でもそうです。でもなかなかこの養育里親の方が知られていないので、もっと世田谷で広げていきましょうということを考えています。
地域と里親で育む、子どもの未来
- パーソナリティ:わかりました。では最後にホッブスさん、リスナーの皆さんに何かあればぜひ一言お願いしたいのですが。
- ホッブス氏:はい。施設の役割も施設の役割であると思うんですよ。で、家庭の役割というのがあって、何が違うかというと、家庭は生活じゃないですか。夫婦がいて、喧嘩する時もあれば、お酒飲む時もあるし、親戚付き合いもするし。ただやっぱり施設は言ってしまえば仕事に来て帰る場所があるわけですよ。ただ私達は、私達の全てを見せるんですよ、子どもに。悪いところも、だらしないところも。それがすごく大事なんですね。それで一番大事なのはやっぱり乳幼児期です。小さい時にきちんと受け入れられて愛されないと、非常に不安定な人間になってしまうんで、そこがちょっと今日本の制度で欠けているというか。わりとちぐはぐなことがまだ起こっているので。そこをしっかり、とにかく乳幼児は家庭というのが大事だよという事を徹底して。そこがまず土台なので。それでもちろん施設でしっかり受け止めなきゃいけないお子さんもたくさんいるので、その線引きというのも非常になんか不思議な感じなんですよ、日本の今の状態は。なんでこの子は里親に来て、なんでこの子は施設に行くんだろうというのが。やっぱりきちんと理由があって、この子は里親、この子は施設っていうふうにしないと、受けている方も、私達がやっている事っていったい何なのとなっちゃうんですよ、結局のところ。うちにいた子が、本当に私はもう覚えているんですけれども、その子は0歳から施設で育った子が、物心ついた時に自分の認識というのが、自分は要らない子だって僕は知ってたって。そう言われた時に私はやっぱり、こういう事を子どもに言わせる社会じゃいけないと。日本は、今はそんなにじゃないですけれども、それでも豊かな国の方にいる国じゃないですか。それでたぶんきちんと制度をしっかりして工夫さえすれば、こういう子は絶対減らせるはずだっていうふうに思うんですね。それが私は悔しいし、こういう機会があればいくらでも喋るよというふうに、私は思っているので。たぶん嫌がられる方もいるかもしれないんですが、言いたいことは言いたいなという感じで。子どもたちの代弁する人がいないんですよ。そうやって大人になっていった子は、もうそれで人生のある程度の道筋ができてというところで、それは本当に悔しいなと私自身が社会の一員として思います。
- パーソナリティ:わかりました。向井さん、いかがでしょうか。
- 向井氏:はい、そうですね。私達は世田谷の里親支援センターという立場で、里親さんを地域で支援するということの、すごく大切さを感じていまして。地域で育つというのは子どもにとってのメリットがすごく大きいなというふうに感じています。本当に社会的擁護の、今施設でというお話もありましたが、社会的擁護の子どもの現状というところで、結構育ってきた地域とは異なる場所での生活を余儀なくされるというようなケースも多いですし、実親さんとのお別れというところだけじゃなくて、慣れ親しんだ生まれて育ってきた地域とか友達とか、やっぱり自分のお家からも離れて生活をすることになってしまう、様々な人だったりとか、場所だったりっていうのを失う経験っていうのをして、子どもたちが施設だったり、そういった場所に措置をされる現状というのがあると思うのですけど。こういった困難の中にいても、世田谷の中、地域の中というところで生活を継続するという事ができたら、里親さんのお家にいくというような一時的に養育者が変わるような環境になったとしても、地域皆でその子を支えていけるというか、成長を見守っていくというような、そういった事ができるんじゃないかなというふうに思っているので。そういう意味でも里親さんが増えていったらいいなというふうに私達としては感じていますし。私達の役割として、先ほどイベントだったり普及啓発というような事もお伝えしたんですけれども、もちろん里親になってくださいというところでなってくれる方、興味を持ってくださる方が増えるというのもとても嬉しいんですけれども、まずは制度を知っていただくというようなことでも、里親子フレンドリーシティな世田谷っていうのを掲げていますし。里親さんにもご協力いただいているイベントっていうのも作っていますので、まずは制度を知っていただく、広めていくっていうことも私達力を入れていければいいなというふうに思っているところです。
まとめ
- パーソナリティ:わかりました。では最後に区長、お願いします。
- 区長:特に乳幼児については、できるだけ養育家庭で一時保護したい。ところが緊急の一時保護になるシチュエーションだというのは急にくるんですね。だからなかなかそこから探してというのが難しいので施設に行くケースが多かったんですが、世田谷区ではスタンバイしていただくと。緊急に発生した乳幼児の一時保護のニーズに対して受けますよと。一定の条件を区の方でも提示をして、それで登録してもらうという取り組みも始めています。ですから家庭的環境の中で、世田谷区の里親制度がより広がっていけるように向井さんにもホッブスさんにもまた協力をお願いします。
- パーソナリティ:はい、ありがとうございました。今日の区長の談話室は「里親制度」についてお送りしました。保坂区長、ホッブスさん、そして向井さん、ありがとうございました。

写真:前列左よりホッブス氏、保坂区長、向井氏、後列パーソナリティ