令和7年3月の「区長の談話室」(ゲスト:吉永 真理氏、上原 幸子氏)
令和7年3月の区長の談話室
令和7年3月2日・9日放送 区長の談話室「外あそびで自由に冒険しよう!」
※3月9日は2日の再放送です。
ゲストに、昭和薬科大学教授で「そとあそびプロジェクト・せたがや」代表理事の吉永 真理さんと、武蔵野美術大学教授でNPO法人「砧・多摩川あそび村」代表の上原 幸子さんをお招きし、「外あそびで自由に冒険しよう!」をテーマにお送りしました。
屋外での自由な遊びを通して得られるさまざまな体験や交流から、子どもたちに自主性や主体性、社会性やコミュニケーション能力を育んでもらいたい、そんな願いから「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにした「プレーパーク」は、先進的な取組みとして全国から注目されています。子どもたちが外で遊ぶことの大切さや、3月にオープンする「砧あそびの杜プレーパーク」、昨年、国連総会の採択で制定された「国際あそびの日」などについて、対談しました。
(ゲスト:昭和薬科大学教授/そとあそびプロジェクト・せたがや代表理事 吉永 真理氏、武蔵野美術大学教授/NPO法人「砧・多摩川あそび村」代表 上原 幸子氏)
テーマ・ゲスト紹介
- パーソナリティ:保坂区長、今日もよろしくお願いいたします。今日は「外あそびで自由に冒険しよう」というテーマで、「外あそび」と3月にオープンする「砧あそびの杜プレーパーク」についてお送りしていきます。早速ゲストを紹介しましょう。昭和薬科大学教授で「そとあそびプロジェクト・せたがや」代表理事の吉永真理さんです。吉永さん、よろしくお願いします。
- 吉永氏:よろしくお願いします。
- パーソナリティ:そしてもう一方、武蔵野美術大学教授で、NPO法人「砧・多摩川あそび村」代表の上原幸子さんです。上原さん、よろしくお願いいたします。
- 上原氏:よろしくお願いいたします。
- パーソナリティ:区長、吉永さんと上原さんをお迎えしました。プロフィールお願いいたします。
- 区長:吉永さんは、世田谷区で今から10年ちょっと前から子どもたちが外で遊ぶ、これは本当に大事なことだということで、「そとあそびプロジェクト」という民間団体や力を合わせて、区もそこにできるだけ協力をしてということでスタートして、様々なシンポジウムなどでご一緒してきました。子どもたちの遊びを通して、子どもたちの変化、そして、なかなか遊び環境も作られていくものもありますが失われていくものも多いので、そういった視点からいつも提言をいただいています。上原さんは「きぬたま」って覚えているんですが、「砧・多摩川あそび村」、長らくやってこられて、多摩川の河川敷をすごく冒険遊び場的に使われていて、今度世田谷区でプレーパーク5つ目ということになります「砧あそびの杜プレーパーク」というのが、3月5日スタートということで中心になって動かれています。
3間(時間・空間・仲間)の欠落~外あそびの重要性
- パーソナリティ;区長、改めて先ほどもお話があった、外あそびの重要性というところで、時代の変化もあるかと思うんですが、改めて外あそびについてどのようにお考えだったりしますか。
- 区長:私は政治の世界に入る前には、子どもの声を聞くジャーナリストの活動をしてきました。特に80年代の後半から90年代にかけて、いじめの問題は非常に厳しい現状があり、子どもたちの手紙もたくさん読んだり、話も聞いてきたんですが、そういった中でプレーパークに出会い、なるほどと思ったのは、やっぱり子どもたちが体を動かして思いっきりエネルギーをぶつけ合って遊ぶと、必ずガッチャンコして怪我したりですね。怪我といっても、擦り傷くらいでもいろんなことが起きるんですね、喧嘩もします。だけどその中で「ごめんね」と言って、修復するとか仲直りするとかっていうことが繰り返されていきながら、体と心と言いますかね、基盤が作られるのかなと思います。けれどもその当時、もう20年くらい前から外で遊ぶということは全く経験がゼロで、遊ぶというのは、やはりテレビゲームとかコンピューターゲームで、あとは漫画、アニメと今だったらYouTubeですかね、そういうふうになっていって、ちょっとした衝突でも修復ができない、仲直りっていうプロセスもやったこともないっていうことで、すごく子どもたちがすり減って苦しんでいる状態を見てきました。でも一方で冒険遊び場ではやっぱり昔の子どもと同じような環境があって、そこで大声を上げたり焚き火したり、お芋を焼いてもいいんだよっていう。そういう場にプレーリーダーっていう若者も一緒に寄り添っていく中で、子どもたちが変わっていき、どんどん表情が生き生きしていくっていうのを見て、外遊びはとっても大事だなっていうふうに思っていました。
- 世田谷区はこういった子どもの遊び場を外で思い切って遊べる場を作っていこうという意味では先駆け的な役割を果たしてきたんですけれどもその世田谷区でもなかなか子どもたちが遊ぶ場に苦労しているという現状があって、また子どもたち自身が外で遊ぶということが未経験なだけに、そこにちょっと足を踏み入れづらいというところもあって、子どもたちがスッと外遊びできるよう応援していこうというふうに思っていて、その中で吉永さんにはいろんな提言をしていただいています。
- パーソナリティ:吉永さん、「そとあそびプロジェクト・せたがや」についても教えていただけますか。
- 吉永氏:はい。本当の名前は「そとあそびプロジェクト・せたがや」が一応ついています。これは最初はですね。区の子ども子育て会議の下部会といいますか、外あそびに関する検討部会というのがありまして、そこが報告書を出して解散になったんですけれども、そこに加わっていたメンバー、上原さんも一緒にやってきたんですけど、その人たちがこの任意の団体のそとあそびプロジェクトっていうのを作ったという経緯があります。外あそび推進員っていうのを昨今は区の方から認めていただきまして、いろいろな場所で外遊びをもっと広げるための機運の醸成っていうんですけども、そういうのを主にやろうとしている団体になります。
- パーソナリティ:そんな気持ちが高ぶるワクワクするような場所ということで、それこそ上原さんも理事として参画もされているということなんですが、外あそびの重要性についてはどういうふうにお考えですか。
- 上原氏:外あそびというか、まず、やっぱり子どもたちが今、圧倒的に時間と空間と仲間、この「3間」ってよく言われますがこの3つがすごく欠落しているっていう状況がやっぱり大変心配されるところなんですね。
- それが言われ始めたのっていうのは本当にかなり前になるんですが、でも、それがどんどん助長されてきていて、この先、どんどんこうやってインドアになっていく子どもたちをこのまま見ていていいんだろうかっていう、そういう気持ちがすごく私たちは強くなってきて、それでやっぱり子どもたちが思いっきり走り回って遊べる。それから、自然と戯れて遊べるような場所っていうのをぜひ作りたいと思って、ずっと活動してきたということがあります。やっぱり自然とかいろいろ想定しないものと出会っていく。あと人もそうですよね。家の中だと出会えない人たちと外だと出会えるので、そのあたりの偶発的な出来事っていうのが一番大事だったりとかして、さっき区長がおっしゃったみたいに、困ったことがあって、それを修復してっていうような力が育っていくのは、やっぱり外遊びかなっていうふうに思っています。
自分たちがどういう場所をつくっていきたいか~砧あそびの杜
- パーソナリティ:区長、まさに私も小学生の息子がいるんですが、もっともっと外で遊べばいいのに、という思いもあったので、本当に今のお話、実感をさせていただいたんですが、世田谷区では遊ぶ場所ということで、砧の地区に「砧あそびの杜」というプレーパークも3月にオープンするんですよね。どのような場所なんでしょうか、
- 区長:プレーパーク自体はですね、世田谷区の公園などを使って、その運営は住民が運営すると、特にプレーパークは大事だねって考えてらっしゃる方が運営母体を作ってですね。そして子どもたちに寄り添うプレーワーカーを配置して、いろんな行事をやりながら、夏は手作りウォータースライダーとかね、ツリーハウスを作ってみたり、いろんなことができる、他の場所でなかなかできないようなことも思いっきり、体を使って声も出して遊べるっていう場所。これが砧地域には確かに河川敷に上原さんたちが長らくやってこられたんですが、やっぱり砧の公園の中にということで、区立の公園の中にその場所を作っていこうと、上原さん、だいぶ時間かけて準備したんですよね。
- 上原氏:そうですね。外あそびプロジェクトのメンバーから実際に作っていくっていうようなところの初動の活動が始まったのが2017年になります。
- 区長:もう8年前ということですね。
- パーソナリティ:その至るまでの経過だったりとか、どんな思いを込めて、今回砧あそびの杜を作られたんでしょうか。
- 上原氏:やっぱり一番大きいのは、地域に根差しているっていうことだと思うんですね。やっぱり外で遊ぶっていうことは、子どもの声の問題だったりとか、いろいろ子どもがやらかしちゃうことがあったりというのを、いかに地域が温かく見守れるかだと思っています。そういう意味では、やっぱり地域に密着したというところを一番大事にするために、それまでの準備を地域の皆さんに協力していただきながらしてきたということがあります。
- パーソナリティ:区長からも様々な楽しそうなイベントのお話もありましたが、実際にどんな活動を行う予定ですか
- 上原氏:そうですね。まだこれからなので、子どもたちとこれから一緒に考えていくという感じになると思うんですが、ただ予定している場所が大蔵運動公園という本当に自然豊かな場所で、基本的には国分寺崖線という世田谷の東西に連なる丘陵地帯の上にある公園になるんですけれど、そこの自然を生かしてっていうような形での遊びが中心になるかな、というふうには思っています。
- パーソナリティ:吉永さんもいかがですか。砧あそびの杜については。
- 吉永氏:世田谷区は全体的にすごく自然が豊かだと思うんですけど、砧の地域の特色としては、やっぱりさっきの川とあとはその緑ですね。よく青と緑って言うんですけど、その両方があることがすごく砧地域の外あそび環境としては重要な点かなと思っていて、もしあそびの杜に来る子たちがこれからどんどん増えていったら、川っぺりの遊び場と丘の上の遊び場を行き来するような姿を想像しちゃって、そうするとそのまちに遊び回る子どもたちが増えていくってことは、おそらく多分、そういう地域をもっともっと良い、子どもに優しい地域にしていってくれるんじゃないかなと思っていて。そのためには多分、上原さんも地域に根差したってお話されていましたけど、町会ですかね、それとかあとは施設、児童館とか保育園とか、いろいろ幼稚園とかですね。あるいは学校に協力してもらって、子どもたちがどういうふうに豊かになっていくかを、みんなで見守れるような、そういうモデル地域ですかね。ここではこんなふうに盛り立ててるよみたいな雰囲気ができてくると、ますますいいかなって、ちょっと想像しちゃいます。
- パーソナリティ:ということで、後半でもお話をゆっくりと伺っていきたいなと思っております。
- パーソナリティ:今日は「外あそびで自由に冒険しよう」というテーマで、外あそびと3月にオープンする砧あそびの杜プレーパークについてお送りをしていきます。
- ゲストには昭和薬科大学教授で「そとあそびプロジェクト・せたがや」代表理事の吉永真理さんと、
- 武蔵野美術大学教授で「NPO法人砧・多摩川あそび村」代表の上原幸子さんをお迎えしています。いよいよ、オープンする砧あそびの杜プレーパーク楽しみですね。吉永さん、いかがですか。
- 吉永氏:本当にどんな風にみんなが集まってきてくれて遊ぶのかっていうのを、すごく楽しみにしています。一個一個作る時にすごく話し合いがたくさん行われて、上原さんやその仲間たち、あと児童館の方や児童課の行政の方もいたし、あと公園の所長さんも加わって、あとその仲間のお嬢さん、すごいちっちゃいお子さんも会議の場にいて、みんなで話し合っていろんなことを決めていって、そのプロセス自体が魅力的でした。
- 上原氏:ありがとうございます。
- パーソナリティ:上原さんもいかがですか、今子どもの声も反響もありながらということで、オープンしますがいかがですか。
- 上原氏:やっぱりそこが一番大事だと思っているんですね。私、一番最初にプレーパークに出会ったのも実は学生時代で、その頃梅ヶ丘にある養護学校、そこでムサビ(武蔵野美術大学)の学生として段ボールの遊具を作っていたんですが、その時に初めてできた羽根木のプレーパークに出会っています。その時にやっぱりすごい衝撃を受けたのが、障害者とか子育て中の、いわゆる本当に子育て当事者、子どもたちとか。その人たちがいわゆる世の中的に言うと受益者と言われる人たちですよね。その人たちが自分たちでこんな場所が欲しいなっていうことを実現しようとして頑張っている。それが一つ形になったのが羽根木のプレーパークだった。それを見た時に、やっぱり世田谷のまちづくりってすごいなと思って、感銘を受けたっていうのが若い頃の衝撃だったというか。それがきっかけになって、やっぱり自分でも自分の子育ての時には、自分たちが欲しいなっていうような子育て環境を作っていきたいなっていうことにつながっていきました。
- パーソナリティ:実際にその感動だったり衝撃を受けて「砧あそびの杜プレーパーク」はどんな場所になるんでしょうか。
- 上原氏:今も吉永先生がおっしゃったみたいに、やっぱりそこにいる当事者の人たち、自分たちがどういう場所を作っていきたいかっていうのを大事にするってことが、一番、これからもずっと考えていきたいと思っているところですね。当事者って、やっぱり一番は子どもです。それと同時に、子育て中の親御さんだったりとか、その地域を大事にしてこられた方々、皆さんで一緒に話し合っていけるのが一番いいなと思っています。
- パーソナリティ:区長、子どもが主役という場所である、「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにしたプレーパークが区内に4カ所にもありますし、魅力も満載ですよね。
- 区長:そうですね。やっぱりこの遊びの場、特に外遊びの場というのは、1時間2時間3時間と、何が始まるのか何をするのかがはっきりわからないというところに特徴があると思うんですが、今、だいたい子どもたちは全部習い事とか塾だとか、スケジュールが多くてですね。そしてだいたい予測できる範囲で過ごしているんですね。でも、その予測できない不定形なものが遊びであって、それってあそびの杜で多分1時間、アリがずっと列をなしているのをずっと目で追って過ごしてもいいんですよね。それはダメってことは一つもないわけです。何をしようかなと思っているうちに、時間が過ぎたっていうことも大事な経験ですよね。一人ではできないし、じゃあ一緒に遊ぼうかみたいな、友達づくりとか一緒にやったりとか、いろんなことが起きるんですね。毎日がドラマですから。そういうことを体験していくうちにすごくワクワク、今日は何をしようかな、誰とこんなことができたらなんていう夢も膨らんでくる。やっぱり、子どもが自分をつくる時期に喜怒哀楽、泣いたり、笑ったり悲しんだり怒ったりっていうことが非常に今、振幅が小さくなってしまっているんですよね。それから、映像コンテンツとかYouTubeを見て間接的な時間っていうのはすごく増えていて、やっぱり直接に自分が感じて動いて体験するということが、何より子どもたち自身の土台を作っていくと思っているので、これすごく大事だし、これは本当はあえてそういう環境を作らなくても、子どもたち自身が勝手にやっていたことなんですが、あまりにも大人の社会が子どもたちの社会を侵食して、ある種コントロールするべき存在として包囲しちゃったので、逆に子どもは子どもらしく自由になるために、こういう遊び場、冒険遊び場とか外遊びって重要なんだと思っています。
- パーソナリティ:先ほど話しにあった羽根木ももちろんですし、うちの息子たちも、駒沢のはらっぱでいつ帰ってくるかわからないぐらいにドロンコになって夢中になって帰ってくるっていうところ、今こういうふうなお話を聞いて実感もしたんですけれども、上原さんプレーパークの意義だったり、目的はいかがでしょうか。
- 上原氏:そうですね。やっぱり子どもが自分でこうしたいと思って自由になることって、ものすごく限られていると思うんですよね。そういう意味では、先ほども自分の時間の過ごし方ももちろんですけど、だけじゃなくて、やっぱりこういう遊びがしたいなと思ったら、それをみんなで話し合って協力して何かやってみるみたいな。そういうチャレンジができる場所っていうのは、なかなかないなと思うので、そういう場になったらいいかなっていうふうに思っています。
- パーソナリティ:そして、吉永さん、やっぱりプレーパークってお兄さんたちだったり、リーダーがいたり、リーダーハウスによって仲間たちを組織化みたいな形で助け合う場面も印象的だなと思うんですが、吉永さんにとってこの世田谷のプレーパーク、魅力いかがですか。
- 吉永氏:そうですね。皆さんがいっぱい言ってくださったんで、私はそとプロを始めた時に一人のお母さんのメンバーがいて、私は家でいるときはしょっちゅう子供に「あれしちゃダメ。これしちゃダメ」って言っているんだけど、プレーパークに行くと、自分が一言もそれを言ってないっていうのに気づいたんですって、言ってくれたことがあって、それはすごく印象に残っているんですけど、やっぱりそういう広いところに行くと、大人も解放されるっていうところはあるかなって思っています。実は今日すごい春一番の砂嵐の中、羽根木にいて、1歳ちょっとのお子さんたちがたくさん集まって外での散歩を体験している子育て広場の方々と一緒に過ごしていたんですけど、一人のお母さんがすごい砂だらけになっちゃって、このままベビーカーに乗せていいのかな。他の人がどうするか見てから決めようと思っています!とか言ってて。そうやって、お母さんもみんなで見たり、見よう見まねで他の人がどうしているんだっていうのをそういう場で体験して習得していくっていう。外遊びをあんまりやってない大人が増えているので、お母さん世代もそうやって集まってみんながどうやっているかっていうのを、自然と知ることができるんだなっていうのを、今日はちょっと発見しました。
6月11日は国際あそびの日~国連で定めたあそびの日
- パーソナリティ:確かに区長、遊びから枠にとらわれないとかはまらないという、自由な柔軟性も得られるのかなと思うんですが、それこそ区長、国連で定めたあそびの日、「国際あそびの日」というのもできたそうですね。
- 区長:そうですね。やはり、日本だけではなくて、それぞれの国の事情で遊ぶことが難しい事情、日本の場合は子どもたちが忙しいとかそういう事情もありますが、あるいは格差の問題も隠れているかもしれない。でも、国によってはあまりにも貧しくて、子どもたちが水を汲むために相当長時間動かなければいけないとか、そういう飢餓に直面しているとか、そういうこともいろいろ事情が違うと思うんですが、やっぱり子どもが遊ぶっていうことが人類全体から見てですね、やはりだんだんと小さくなってきている、包囲されてきているっていうのは、国によっての違いはあれど、やっぱりそのことに気づいてきているんだと思います。この国連の「国際あそびの日」、6月11日というのは世田谷区でも子どもたちが「やった!」っていうふうに思えるような内容のプログラムをですね、シンポジウムぐらいはまずやろうと思っているんですが、他にもですね、「あそびの日だよ」っていうのが、子どもが全く知らない中で過ぎていくっていうふうにならないようにしたいなって願いはありますよね。
- パーソナリティ:「あそびの日」と聞くだけで心がワクワクするような気がするので、吉永さんも実際にこのあそびの日についてだったり、世田谷区との計画の連動など、どのように考えていらっしゃいますか、
- 吉永氏:今皆さんと一緒に話し合っているところなんですけど、出ている意見としては、1日だけじゃなくてできたら、その前後の日々も含めて“あそびウィーク”みたいにしたりして、大きなシンポジウムを区と一緒にやったりするだけではなく、やりたい人がいろんな遊びを自分の家の前とかで、あるいは近所の公園などで、あるいは学校や幼稚園などで仕掛けて、あちこちでいろんなことがあったらいいんじゃないかな、というふうには思っています。
- パーソナリティ:上原さんはいかがですか。
- 上原氏:少なくともプレーパークは子どもたちが自分たちで考えて作り変えていくことが可能な場なので、「国際あそびの日」に向けてみんなで準備して、何かそういう場を作るっていうようなことを目指していっていたりとか、何かちょっとそんなようなことができたらいいなって個人的には妄想しています。
- パーソナリティ;本当です。「国際あそびの日」、世田谷からも楽しい話題が届けられるといいなと思うので、区長、ぜひ本日のまとめも含めてお願いします。
まとめ
- 区長:年に1回地球サイズであそびの日だっていうのもいいですけども、ずっと遊び続けるのは難しいかもしれないけれども、特に遊んでいる中で我を忘れ時を忘れ、自分が何者であるのか、そしてどのくらいの年なのか、家からここは遠いのか近いのか、全部忘れるっていう“カタルシス”って言うんですね。もう夢中になって、ハッて我に返るみたいな。そういう体験ってしたんですよ、私も。でもね、なかなか今この数十年は難しくなっている。でも、やりようによってはできるんですよね。やっぱりそこまで奥底から痺れるくらい楽しかったっていう、そんなひとときが子ども時代、あるのかないのかによって、その後の人生がうんと変わってきますし、そのいじめとかいろんな嫌なエネルギーを衝突ではなくて話し合いで仲直りでっていう。そういう力って遊びにもともと内包されているものだと思うので、世田谷区のあちこちで子どもたちの歓声が聞こえてほしいな。笑い声が泣き声も混じるかもしれないけど、聞こえてほしいなと思います。
- パーソナリティ:まさに世田谷区の地で、大人も子どもも遊びを通じて、心も体も豊かに育めますように、外遊びで自由に冒険をしていただけたらと思っております。
- 改めて保坂区長、吉永さん、上原さんありがとうございました。
- ありがとうございました。

写真:前列左より吉永氏、保坂区長、上原氏、後列パーソナリティ