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最終更新日 2024年11月11日

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令和6年11 月の「区長の談話室」(ゲスト:平田 英明  氏)

令和6年10月の区長の談話室

令和6年11月3日・10日放送 区長の談話室「ふるさと納税は世田谷区へ!」

※11月10日は3日の再放送です。

11月のゲストは、昨年もお越しいただいた法政大学教授の平田英明氏をお招きし「ふるさと納税は世田谷区へ!」をテーマにお送りします。過剰な返礼品競争により、今年度の世田谷区の財源は111億円の流出が予想されています。区では、ふるさと納税による財源の流出が年々増加しており、これ以上減収額が増大すると、行政サービスに支障をきたす可能性があります。あらためてふるさと納税制度を考え、世田谷区のためになるようなふるさと納税について、対談しています。


(ゲスト:法政大学教授、平田 英明 ⽒)

テーマ・ゲスト紹介

  • パーソナリティ:区長の談話室、今日も保坂展人区長とお送りしていきます。よろしくお願いします。
  • 区長:よろしくお願いします。
  • パーソナリティ:今日は「ふるさと納税は世田谷区へ!」をテーマにお送りしていきます。では早速ゲストをご紹介しましょう。昨年もこの番組にご登場いただきました、法政大学教授の平田英明さんです。平田さん、今日もよろしくお願いします。
  • 平田氏:よろしくお願いします。
  • パーソナリティ:では区長、まずは平田さんのプロフィールをリスナーの皆さんにご紹介をお願いします。
  • 区長:はい。平田先生には昨年もこの番組に出ていただいて、ふるさと納税のちょっと複雑な仕組みや問題点についてお話いただいたのですが、法政大学で教えていらっしゃる一方で、東京財団政策研究所で主席研究員としてマクロ経済、金融の分野を研究されていて、ふるさと納税に関して新聞テレビなどでも解説や発言を積極的にされています。昨年の話、結構反響がありました。そしてまた昨年に輪をかけて、世田谷区の流出額も111億円と100億円を越えましたので、ぜひ今日はお話を聞きたいと思います。よろしくお願いします。
  • 平田氏:はい、よろしくお願いします。

ふるさと納税の仕組み

  • パーソナリティ:ふるさと納税、皆さんご存じだと思うのですが、もう一度制度の仕組みというのを詳しくおさらいしたいと思うのですが、区長、お願いします。
  • 区長:元々は自分が育ったふるさとだったり、地方を都会から応援しようという趣旨ではじまったはずなんですけれども、例えば、ふるさと納税ができる金額から10万円寄附すると2,000円は差っ引かれて、98,000円が控除されるんですね。要するに払うべき税金から控除されただけではなく、大体30,000円相当、3割の返礼品、それが牛肉だったりワインだったり地方の特産物であることが多いということで、一見すると良いことばかりじゃないかというふうに思わしめるような制度なんですが、みんながこの制度を使ってしまうと、住民税として(自身が住む)自治体に届くはずの財源がそれだけ減って大きな穴が開いていくという問題があります。
  • 平田氏:そうですね、区長の今のお話の通りの概要というところなんですけれども、そもそもふるさと納税という名前が、名前と中身が一致していないなというのが、まず1つ目に申し上げたいところです。つまりですね、極端を言えば隣の町にもふるさと納税ができるんですね。また納税しているという言葉を使うと何となく良いことをしているように、社会貢献しているように思うんですが、確かに寄附をしているという意味においては悪いことではないんですけれども、結局自分のところの住民税を払わないでその代わりにということで場所を変えているだけですので、ちょっとそこについて皆さんどこまで理解されているのかなというところがまず気になります。すなわち、ふるさと納税という名前とですね、実情というところがかなりずれているよね、というところが一つです。それから、2つ目としては、寄附なのにもかかわらずそこに返礼品があると。寄附というのは、例えばですね、昔だったら神社に寄附をして、柱とかを作ると名前がちょっと載るとか、私のような大学に勤めているような者からすると、OBOGの方からお金を集めて、建物の下の所のプレートに名前が載るとか、そういったオナー・名誉として名前が載るくらいだったら当然だと思うんですけれども、返礼品というのは極めて変な話だなというところが、2つ目に私がちょっと変だなと思っているところです。それから経済学者的な観点から一番気になっているところはですね、多くの皆さんがこのふるさと納税に伴って、一体どういうお金の流れになっているのかと。返礼品がもらえるという所が消費者の皆さんにとっては目につくわけですが、実は税の仕組みとして国、地方、都道府県レベル、それから市区町村レベルというところで色々お金が回って、更に民間にも流れているという、実は非常に複雑な構図になっています。そこの効率性とか、本来あるべき姿なのかといったようなところにもう少し目が向くといいなと。この3つくらいについて色々疑問を常々感じているところです。
  • パーソナリティ:素人、一般の私からしても、先生が3つ目におっしゃったことっていうのが一番知らないことで、でもそこが一番問題ということになると思うのですが。ご説明していただいてもよいですか。
  • 平田氏:はい。一番難しいところなんですが。
  • パーソナリティ:そうですよね。
  • 平田氏:普段我々は税金を納める時に、住民税という形で、世田谷区の皆さんでしたら、世田谷区に対して支払っている形になりますが、実際その一部は東京都にいき、一部は世田谷区でということになります。これが自然な姿なんですが、これをする部分を少し減らしてふるさと納税をすると、当然世田谷区と東京都にいく住民税はその分減ります。それが例えばふるさと納税を一番集めているのが、宮崎県の都城市という所ですが、例えばそこに寄附をすると、そこに寄附のお金が回ります。まずこれが第一ですね。じゃあ寄附として、地方創生のためだということでいいじゃないかという意見もよくあるんですけれども、その都城市に寄附したお金のうちの3割くらいは返礼品として、要はお金を寄附した方に戻るわけですね。これが不思議だと先ほど申し上げたひとつです。そして残り7割のうちの5割分くらいというのが自治体に入りますが、残りの2割は送料とかですね、あとはショッピングサイトみたいに返礼品を選べる、いわゆるポータルサイト、仲介サイトと呼ばれるところにお金が回ったりしています。少し複雑なんですが、結局そこで税金が民間の企業に回るような仕組みができてしまっているというところがですね、とても「あれ、これって税金だったはずだよね」と。「なぜそこに民間の企業が出てきておまけの返礼品が来るんだろう」と。そこでお金が結局は自分の所に行きますが、「よくよく考えてみると地元の住民税が抜けちゃってるじゃないですか」と。それを1人の区民、1人の日本の国民としてどうそれを理解すればいいんでしょうかというところについては多様な意見があって難しいんですけれども、お金の回り方としてはですね、国がこういう仕組みを作っているということは、ちょっと話を聞いていただいてもですね、不思議な仕組みだというふうに思っていただけるんじゃないかというふうに思います。

過剰な返礼競争

  • パーソナリティ:仕組みが今わかったんですが、とはいえ、皆さん返礼品がおいしい、区長がおっしゃったようにワインだの牛肉だの果物だのが届くということで、この過剰な返礼品というのは、ちょっと前からニュースでもよく取り上げられていますよね。
  • 区長:はい。ふるさと納税でふるさとを選んで返礼品を調べる人はほとんどいないんですね。例えば「果物が欲しいな、リンゴかな、柿かな、松茸の季節だな」とか、あるいは「牛肉いいよね」「ワインいいのないかな」と、そういう形で商品をセレクトするとずらっと列挙される。で、この辺がいいかな、今だったらお米が不足してますので、お米の予約が今年は多いというふうに聞いています。なので、「自分はどこに寄附したんだっけ?」ということが思い出せないというか、そのくらい従属的なことになってしまって、やっぱり物を返礼品としてゲットするということが大きな要素になってしまっているんですね。当然税収が落ち込みますが、ここでまた不思議なことが起こるのは、全国で一番税収の落ち込みがひどいのは人口の多い横浜市なんです。2百数十億円(令和5年度の流出額)。ところが横浜市の流出額の4分の3は国の方で、「大変ですよね、補填しましょう」ということで、補填をしてくれるんですね。ですから昨年くらいだと60億ちょっと(令和5年度の流出額)の打撃。ところが世田谷区を含む東京23区だと実は地方交付税をもらっていない不交付団体なんですね。例えば、お隣の川崎市なんかもぎりぎりでもらわないで頑張っているのですが、そこは4分の3いらないでしょということで、まるまるこれを流出させる。(東京23区も川崎市も)国からの補填はない。じゃあ(国はふるさと納税による減収を地方自治体に)どのくらい補填しているんだろうと。これを調べるとですね、びっくりするのは年間で4千億円も各自治体の流出に対する補填として国が出しているんですね。だからステーキを4枚食べれば、3枚は国の方で出させていただきますと。4本のワインであれば3本は国が出しますよというのがほとんどの自治体。世田谷区や川崎市は、その他23区もそうですが(補填がないので)まるまる流出ですよ、ここも先生、変ですよね。
  • 平田氏:はい、そうですね。この交付金の話というのはふるさと納税に限った話ではなくてもっと大きい税の仕組みの中の話で、そこで寄附としてのふるさと納税も対象に、要は4分の3キックバックを国がするかしないかという話題になります。今の4千億円というのはどこから出てきているんですか、国が払うと言ってもそれは何ですかといったら、当然国が集めている国税から出ているわけですから、実は国民みんなでそれを支えているということになるわけですね。
  • 区長:だから、ふるさと納税を私はしていないから関係ないですよと思っている多くの方いらっしゃると思うんですが、いやいや、関係させられちゃってるんですよ。補填財源の送り主になっているわけですから。
  • パーソナリティ:そうですよね。そうなるとどうするのが一番いいのかと。
  • 区長:私は4千億円って相当の財源なので「地方創生」というのであれば、その基金として根拠をもってちゃんと配分をしていくという、国の本来の役割を果たすべきだと思っています。

世田谷区で起きている財源流出、行政サービス低下のおそれ

  • パーソナリティ:そんな大きなお金がやっている、やっていないに関係なく動いているということについて、私達はもっとふるさと納税についてきちんと理解をすることが非常に必要だなと今思ったのですが。区長がお話されたように、世田谷区が今本当に大変な流出額になっているということなんですが、このことによって、実際具体的にどのような問題が起きているのかということを教えていただいてもよいですか。
  • 区長:そうですね。やっぱり111億円というのは相当の金額で、今、学校を一つ作るのに10年くらい前は30億弱でできたんですが、今は(建築費が)上がっていますので40億から50億というお金がかかりますが、それでも2校の学校は建てられますよね。それ以外にもごみの収集から様々な福祉サービス、教育、色んなことをやるためのトータルの財源から111億円が無くなっていく。じゃあどうしているんですかというと、ここまでは東京の税収、法人住民税などが全体として上がってきていて、なんとか区の増収につながってカバーできていたんですが、そろそろこれができなくなってきつつあるなというところですよね。ですから問題は(流出額が)毎年増えているということなんです。111億円の前はですね、99億円でした。その前の年は87億円、その前の年は70億円。このままいくとですね、何年かするともう200億円とかいうところに向けて転がっていくんですね。
  • パーソナリティ:どんどん増え続けるという。
  • 区長:はい。そうするとですね、ふるさと納税の結果、この公共サービスは残念ながら停止せざるを得ません、みたいなことが起きてくる。道路に穴が空いていてすぐ直しに行くというのはみんな求めるわけですよね。だけどそういう体制が、ちょっとお金が回らなくなってできませんとか、そういうことが将来起こらないとも限らない。「地方の会費」とも言われる住民税がですね、それをある一定数の人たち、今3割くらいの人がふるさと納税を使っていただいているんですが、その3割の方が、本来納めるはずだった地方税が入ってこないので、それが111億円ですが、その分どうしているんだというと、とりあえず他の方から納税された税財源などで、どうにか埋めているという状態になります。
  • パーソナリティ:平田さん、いかがですか。自分の自治体に、自分に実際身近なところでそういうことが起こっているんだということ、ほとんど皆さん意識していらっしゃらないと思うのですが、この点について。
  • 平田氏:はい。危機意識というのは住民の方達、ほとんど有されていないんじゃないかなというふうに思います。区からのふるさと納税の流出額は、堅調に伸びている。普通、堅調に伸びているという言葉はプラスの意味で使いたいのですが、今回の場合、世田谷区にとっては極めてマイナスな話ですよね。ですから何とかしたいというところは非常によくわかるところです。私が住んでいる区の場合、先日の報道でですね、ちょっとどうしても流出額が多いので、ままならなくなってきたので、基金と呼ばれますが、何かあった時のために貯めておく貯金箱のようなものですね、そこに貯めてあったお金を取り崩して使いましたというようなことも報道で出ておりました。つまり、これは本来であれば、住民税が入ってきていれば使わなくてもいいものな訳ですね。実際こういう形で、目に見える形で23区の中でもですね、ふるさと納税に伴って金銭的な危機が財政的に起きているということは、やはり知っていただく必要があるし、これは一人の方が何か変えたからというよりは、もっと皆さんでですね、ちょっとふるさと納税は確かに便利だけれども、やっぱり自分たちの住んでいる所が住みにくくなるんだよということについてですね、もう少し意識が高まるようになってほしいなというふうに思います。

制度の改善について

  • パーソナリティ:ということは平田さん、これを改善するにはどのようにしたらいいんでしょうか。もちろん皆さんの意識というのは一番重要だとは思うのですが。
  • 平田氏:はい、まず日本の国民としてというような観点で考えますと、皆さん地方創生ということに対して必要性というものに対して大きく反対するということはないと思うんです。むしろこのふるさと納税という仕組みは、先ほどもあったように一次産品と呼ばれるような食べ物とか、そういう物に偏って返礼するというところに非常に局所的な自治体、一部の本当に限られた自治体にものすごいお金が入るということで、広く浅くというよりはですね、本当に局所的になっちゃっていて、制度として上手く機能していないというふうに私は判断しています。ですので、やはり地方創生は必要だけれども、このふるさと納税という仕組み自体を使うというのは、どうも十何年やってきておかしいというふうに見えてきていると思いますので、やはりこれの規模を減らすということが一丁目一番地なんではないかなというふうに考えています。
  • 区長:世田谷区でふるさと納税の実態を分析させていただくと、やはり本当に意外だったのは、年収の例えば4千万円とか、かなり高い所得層の方(のふるさと納税の利用)が6割を超えているんですね。税というのは富の再配分という言葉もありますけれども、所得がより多い方が多く社会に還元をして、なかなか苦しい状況に置かれている方達の社会的なサポートに回していくということでフラット化していくという機能がありますけれども。あまりにも所得に比例して利得が増加するという青天井の仕組みなので、23区の区長で作る特別区長会では、ここにキャップをはめてもいいんじゃなかろうか。つまりはふるさと納税の利用限度額、例えば40万円なのか50万円なのか、年間これだけですよと金額を決めるとですね、流出額は半分近く減少するんじゃないかという。これは真剣に議論して国に提言したいと思っています。先生、いかがですか。
  • 平田氏:はい、極めて正論だと思います。ふるさと納税は、今ご指摘にあったとおり、所得が高ければ高いほどいっぱい返礼品がもらえると。これ、考えてみますとね、消費税と似て非なるものなんです。消費税の場合は皆さん多くの反対があることはよくご存じだと思います。そうすると低所得の方が所得に占める消費が多いので消費税が課される部分が大きいと。これは不公平だという意見ですね。逆にですね、今回のふるさと納税の場合は高所得の方ほど返礼品がたくさんもらえると。私からするとここにも同じような批判があっていいと思いますので、こういったものが区民の皆さんの中で意識が共有される、区民に限らず国全体でそういう意識が高まれば制度が改善していくと思いますので、今の区長の考え方、23区皆さんの考え方というのは極めて正論だという風に思っています。
  • パーソナリティ:わかりました。ではこの後もまだまだお話伺っていきます。

ふるさと納税は世田谷区へ!

  • パーソナリティ:今日は「ふるさと納税は世田谷区へ!」というテーマでお送りしていきます。ゲストには法政大学教授の平田英明さんをお迎えしています。区長、ふるさと納税制度なんですが、世田谷区にも返礼品があるということですよね。
  • 区長:そうですね。世田谷区は常に大きく寄附をいただいているのは児童養護施設、里親等で、巣立っていく若者支援のための基金です。これは累積で2億9千5百万円集まっていて、毎年レポートを出して、中には全国で色々探して、ここは本当にきちんと若者を支えているからということで多額の寄附をいただいている場合もあります。また医療的ケアの子どもたちを支える基金とか、例えば等々力渓谷で木が倒れてこれを再生させる基金とか、そういった類の地域密着、あるいは福祉的な理念に基づく基金をやっているのと、一方ではいわゆる返礼品ですね。こちらの方も世田谷区の評判の高い洋菓子とか和菓子とかパフェとか、また様々なレストラン利用券等も大変好調だったんですけれども、しかしそれを集積して頑張って広げて3億3千万円。流出は111億円なんでまだなかなか届かないんですが、レストラン利用券などはですね、今年から総務省の方の指導で、これはやっちゃだめということで、せっかく業績が上がってきたんだけれどもできなくなった。ただこの種の返礼品は世田谷区民はもらえないことになっています。区外の人でないとということですね。
  • パーソナリティ:区民も世田谷区にふるさと納税をできるけれども、区民は返礼品をもらえない。
  • 区長:そうですね。そういうことになります。ですから区民はもらえないっていう辺りもですね、非常に制限されるんですね。返礼品競争が良いとは思わないけれども、持っていかれる一方じゃないかというご意見が多数ありましてね。だから色々努力しようということで様々なメニューは揃えていますけれども、本来の制度そのものの歪みを正しながら、少し悩みながらやっているというところでしょうか。
  • パーソナリティ:平田さん、今区長からお話があった世田谷区の返礼品などについてはいかがでしょうか。
  • 平田氏:はい、まずですね、ふるさと納税と言った場合に世田谷区に何代にも渡って住んでいらっしゃる方がいらっしゃるわけで、本来であれば地元が世田谷区だという方がいくらでもいらっしゃるわけですから、自分の自治体に寄附したいというところは正論かと思います。一方でこれってそもそも住民税なんですね。ただ何が違うかと言えば、この目的で僕たち私たちの税金を使って欲しいということを指定できるというところは、これはふるさと納税の主旨にあたるわけです。そういう意味においては、非常に面白いこの取組みが最近の区報にも出ていましたが、提供されているということで、これ本来のふるさと納税という名前にもちょうどそぐう内容かなというふうに思います。また返礼品に関しては、そもそもふるさと納税って昔は返礼品なんかなかったんですね。ですが返礼品の存在が出てきた、そういう工夫がなされてきたところで、ふるさと納税の規模というのがどんどん広がっていきました。ですから気持ちとしてはそんなにガツガツやりたくないということがたぶん区としてはどこかあるかなと思います。都市部にありますので。ただどうしても背に腹は代えられない状況になっていますので、こういった仕組みも少しずつやっていくということはやらざるを得ないところまできていると。それだけ制度が歪みをもたらしているんだというふうにご理解いただけるといいなというふうに思います。
  • パーソナリティ:今、先生がおっしゃったように、世田谷区民としては自分が払った税金を区のどこに使ってもらえるのか選べるって、ものすごく大事なことだと思うんですよね、区長。
  • 区長:医療的ケアか、子どもの遊び場をこうやって作るんだ、あそこを応援したいとか。あるいは学校を改築するのならサポートしたいとか、色んな意味で使途をですね、選択することができるという意味では、これは面白いところはありますよね。

まとめ

  • パーソナリティ:わかりました。今日お話を伺ってまずはこういった状況に今区がなっているんだということを知らない方も本当にたくさんいらっしゃると思います。なのでこの放送をきっかけに色々考えて、皆さんがそういうきっかけになるといいなと思います。では最後に平田先生から一言お願いできますか。
  • 平田氏:はい。なかなかここまで深堀りしながらふるさと納税のお話をできる機会ってないんですけれども、やはり自分の区が、自分の町がというということだけじゃなくて、もっと広い目でこの仕組みがどうなんだろうというようなことを考えながら、このふるさと納税を通じて様々な税のことを意識していただきたいなというふうに思います。その意識を向けさせるものとしてのふるさと納税はいい面もあるのかなと思います。一方でやはり世田谷区はかなり厳しい状況であるということもぜひご認識いただいて、住民としてあるべき姿というものを、それぞれの皆さんが意識して下さるとありがたいなというふうに思います。
  • パーソナリティ:はい。ありがとうございます。区長、最後にまとめをお願いします。
  • 区長:やっぱり世田谷区だけじゃなくて東京23区ですね、どこもごみは散乱している街ではありません。きちんと清掃されて収集されて。また介護保険制度が行き届いているので、朝ベッドから落ちちゃったというと、午後にちゃんとケアマネジャーが来てくれて介護保険適用についてのサービスをする。こういうことが非常に行き届いているのですが、これは当たり前になされているのではなくて、やっぱり皆さんの住民税で成り立っているんですね。当たり前に空気のようにあったサービスが、ある日止まるということがないように私からお願いしたいのは、ふるさと納税をされている方は、ぜひこれからは、半分、半額は世田谷区の返礼品はないけれども社会的や地域的な貢献をするメニューにぜひ参加をしていただきたいなと思っております。
  • パーソナリティ:はい。詳しいことなどは世田谷区のホームページにも載っておりますのでぜひご覧になっていただければと思います。今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。「ふるさと納税は世田谷区へ」というテーマでお送りしました。保坂区長、平田さん、今日はありがとうございました。
  • 平田氏・区長:ありがとうございました。

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写真左より保坂区長、パーソナリティ、平田氏

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