令和7年10月の「区長の談話室」(ゲスト:大石 英司氏)
令和7年10月の区長の談話室
令和7年10月放送(10月5日・12日) 区長の談話室「持続可能な未来を“ウチカラ”!」
※10月12日は、10月5日の再放送です。
ゲストに、株式会社アップデーター 代表取締役の大石 英司氏をお招きし、「持続可能な未来を“ウチカラ”!」をテーマにお送りしました。
区では、様々な組織や区民が垣根なく脱炭素化を目指す旗印として、「UCHIKARA(ウチカラ)プロジェクト」を立ち上げ、行政と民間企業等が一体となり様々な角度から脱炭素化事業を実施しています。
脱炭素化に向けて身近にできることを一緒に考えましょう。
テーマ・ゲスト紹介
- パーソナリティ:保坂区長、今日もよろしくお願いいたします。
- 区長:よろしくお願いします。
- パーソナリティ:今日は地球環境を守り、持続可能な未来のための脱炭素化プロジェクト「UCHIKARA」(ウチカラ)についてお送りしていきます。ゲストは、株式会社アップデーター代表取締役の大石英司さんです。大石さん、よろしくお願いいたします。
- 大石氏:よろしくお願いします。
- パーソナリティ:まずは区長、大石さんのプロフィールをリスナーの皆さんにご紹介をお願いします。
- 区長:大石さんは、みんな電力というと聞いたことがあるという人が多いと思いますが、今の会社の正式な名前はアップデーターの代表で、実は再生可能エネルギーをですね、非常に簡単に自然エネルギーを使っていける仕組みを提案されて、世田谷発でぐんぐんと成長している会社を経営されています。私が最初に会ったのは、区長になってしばらく経って平成23年位にちょっと面白いやつがいるから会わないかという知人の紹介で会いました。一方的に夢を語り続けて、TOPPANという大企業を辞めて一旗揚げるんだと。再生可能エネルギーで電気に色を付けますと言っていたので、大丈夫かなこの人。電気にどうやって色を付けるんだと思ったりもしたんですが、その後色んなユニークな手法でアピール、そしてまた、実際電気に色を付けたっていうあたりを、今日お話を聞いていきたいと思っています。
ウチカラ始動!~家庭から始める脱炭素の第一歩
- パーソナリティ:はい。今日は脱炭素化プロジェクトということで、持続可能な未来に向けて本当に大切な課題だと思うのですが、とはいえ区長、本当に今年の夏も暑かったですし、あとはその影響もあると思うのですが、地球温暖化ということもあって異常気象とか災害とか作物の収穫とか本当に色々な事に影響を与えていると思うのですが、まずその辺についてお話いただけますか。
- 区長:そうですね。本当に夏が早く始まってなかなか終わらないという気候が、特にこの夏が非常に、一段階上がったような感じでしたね。猛暑日がずっと続いて、それが少し気温が落ちるとなると今度は豪雨災害だと。世田谷でもですね、谷沢川が氾濫したり短い間の記録的な雨ですけれども、床上浸水などの被害にあったお宅が結構出たりとかですね。そしてその豪雨が終わるとまた暑くなると。それでまた次の豪雨が来る。そしてまた台風もという事で、災害級の暑さと豪雨災害と穏やかな日がなかなかない。これからの季節穏やかな日が少しでも長くあることを願いたいですけれども。この天候がおかしくなった原因は、やはり人間の目先利益優先、エネルギーをどんどん捨てていく、そういう社会じゃないかというのが、たぶん大石さんの考えてきたところだとも思います。
- パーソナリティ:そうですね。大石さんいかがですか。
- 大石氏:はい。みんなで気候変動対策やりましょうと言い始めてもう15年位になるんですけど、毎年毎年本当に悪化しているというのが、本当に肌で感じるところですよね。悪化はしているんですけれども、企業の皆様は意外と自分にも原因あるかもということで、脱炭素経営に舵を切られる方が結構増えているんですけれども、たぶん一般の市民の皆様はなんとなく自分が気候変動悪化させているという自覚はあんまりなくて、家庭生活からもCO2たくさん出してますんで。実は自分にも原因があるんだけれども、あんまり自覚がない方が凄く多くて、この暑さと自覚のなさのギャップに、どうしたらいいかなと日々考える感じです。
- パーソナリティ:区長、世田谷区ではCO2対策というのを先進的な取り組み、もうそもそも行われていると思うのですが、今までの取り組みをまず教えて頂いていいですか。
- 区長:世田谷区は住宅都市なんですね。小さい工場はありますが大工場はないんですね。従って世田谷区内で出てくるCO2はほとんど一般のご家庭から出るものが多いと。今、庭でごみを燃やしているみたいなことはありませんので。そうすると電気をどんどん使う、その中に化石燃料で作られた電気をほぼ多く使っているんですが、この電気を再生可能エネルギーに切り替えていくと、CO2排出量が劇的に減るということを5、6年前に環境政策の方で目標をたてまして、家庭での電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えていこうと。これがかなり重要なポイントかなと思っております。
- パーソナリティ:大石さんは先ほど区長のお話しにもありましたように世田谷区を拠点として先進的な取り組みをたくさんこれまで事業化されてきたと思うのですが、これまでを振り返ってみてどうですか。
- 大石氏:さっきお話したんですけれども、例えば藤咲さん、家から毎日CO2出すわけですけれども、いちばんCO2出している元はなにか想像されたことありますか。
- パーソナリティ:元ですか。エアコン?冷蔵庫?
- 大石氏:そう、それに共通するものって電気じゃないですか。実は家から出るCO2の半分は電気由来なんですよ。リスナーの皆さんもぜひ聞いて考えてもらいたいんですけれども、毎月毎月電気代って払うでしょう?その払った電気代が最終的にどの発電所に払われているか意識されることってすごく少ないんですよ。
- パーソナリティ:そうですね。
- 大石氏:例えばエアコンをつけた瞬間に、石油火力の発電所の電気を使っていたら、皆さんの電気代でエアコンつけるたびに石油火力の発電所にお金を払うという事は、どんどん自分の電気代でCO2を出している。石油火力だとか石炭火力だとか、ということになるんですよね。だから自分の電気代がそもそもCO2を出しているか出していないかというのを考えると、私今まで意識したことなかった、みたいな感じになりますから。まさしく先ほど区長がお話なさった通り、みんながそれに気づいて、家のCO2半分減らすために自然エネルギーに変えればいいやということになりますと、世田谷区民の皆さんが、みんながエアコンつけてもCO2出さない、テレビ見てもCO2出さない、家の電気をCO2出ない自然エネルギーに変えてもらうと、エアコンでもテレビでも冷蔵庫でもCO2出さなくなるんですよね。だからみんなでできるんですよ。
「見える電力」で再エネを選ぶ時代へ~「UCHIKARA(ウチカラ)プロジェクト」に込められた思い
- 区長:さっき電気に色を付けるというのは、やっぱりちゃんと大石さんの中に当時からイメージがあったらしくて、創業されて実際に再エネ由来の電力を仲介するようになって、かなり大きな商業施設ですね、こちらこんなふうな状態ですよと見せてもらって。朝10時にはこの1時間にはここの風力発電所とここの水力発電所の電気を使ってますとか。午後1時にはこうなっていますとか。そういうことができるという事が電気に色を付けるということだったんですね。
- 大石氏:そうなんです。
- 区長:どうしてそんな事ができるのかというところをちょっとブロックチェーンというお話もあったんですけど教えてもらえますか。
- 大石氏:はい。例えば、世田谷区でもパン屋さんとか色んな所が30分ごとにどこの電気を使っているか、わかる電気を使ってくれているんですけれども。例えば代表的な所で言うと、丸井さんとかTBSさんとか、私が今日付けているカシオさんの工場とか、色んなところがそういう顔の見える電力を使っているんですね。30分ごとに例えば、丸井さんですと秋田のどこどこの風力を何%使っていて、例えば長野の水力を何%使っていてみたく30分ごとに自分の家の電気がどこの電気を何%使っているのかというのが、全部顔の見える化してあるんですね。これはブロックチェーンの技術で世界で初めて私たちが商業化したという事で。さっきお話した通り、今まで企業の皆さんも故郷は長野だから長野の水力使いたいんだよねとか、私達は秋田と縁があるから秋田の風力使いたいんだよねと思っても、使う方法がなかったんですよ。電力会社にお金払うだけだから。その先の発電所を選べなかったじゃないですか。僕らが世界で初めてブロックチェーンの技術を使う事で、どの発電所から電気を買うというのを商用化したという事です。
- 区長:今、長野の話がでたんですけれど、今は電力会社を自由に個人宅でも選べるようになっていますが、当初から大口の法人向けの電力からはじまったんですね。長野県の県営水力発電所、ここと世田谷区の保育園、幼稚園、ここを繋いで、再生可能エネルギーの産直をやろうというアイデアがありまして、約10年くらい前、これはすごく難しくてなかなか制度の壁があったんですけども、実現をしました。そうすると、高遠町という桜の名所のところにある水力発電所の脇にある小水力、この電気が世田谷区内の保育園の園児たちの保育を受けている園舎に来てますよと。ついでにリンゴが届いたりとか、木のおもちゃが届いたりとかして、顔と顔が見える電力という話が一番最初の時期にあって、これは今も続いているんですけれども、これがもう個人のレベルにも可能になってきたという事ですね。
- 大石氏:個人のレベルはまたこれからやっていくんですけれども、それは元々ですね、保坂区長が3.11の後に南相馬産の電気を世田谷区で使えないかということをお話なさっていたんですよ。僕、ちょうど創業したてで、自分がやりたかったことがそのままそうなんですよ。あの人の電気使いたいなみたいな。みんなで作った電気をみんなで使うというのをやりたかったんですけれども。そうか、それじゃあ実現するためにはどうしようかという事で試行錯誤しながら、さっきの顔の見える電力が世界で初めて商用化されたという事で言うと、区長が元々言い出しっぺなんですよ。だから僕たち世田谷区をずっと拠点に今もやっています。
- 区長:最初は旧ものづくり学校、今は「HOME/WORK VILLAGE」ですが、その一角で旗揚げしてたんですよね。
- 大石氏:そうです。
- パーソナリティ:そして区長、世田谷区では個人でというところで言うと、ウチカラプロジェクトという取り組みがあるのですが、ウチカラとはローマ字でUCHIKARAと書くんですけれども、これはどういう意味を込めて付けられたんでしょうか。
- 区長:そうですね、今大石さんのお話にもあったように、CO2排出の抑制というのは大きな企業とか工場だけの話ではなくて、ウチカラできるんだよという。
- パーソナリティ:自分の家(うち)からという事ですね。
- 区長:自分の家からできるよという意味のウチカラはじめようという呼びかけで、その転換、チェンジをしてくれた方には、例えば化石燃料由来の普通の電力から再エネ由来の電力に切り替えようというご家庭に対しては、再エネ電源を送っている会社に対して1万5千円の補助をしますよというキャンペーンとか、他にも太陽光パネルの設置とか蓄電池とかですね、断熱改修とかそういうことも含んで、ウチカラCO2排出抑制を一歩でも二歩でも進めようと。これはやはり大きなうねりにしていきたいという事で、9月末まで第1次キャンペーン、また第2次を今計画中ということになっています。
- パーソナリティ:大石さん、このウチカラプロジェクトについていかがですか。
- 大石氏:さすが世田谷区と僕らは言ってまして。さっきの世界で初めての顔の見える電力もそうですけれども、みんなで電力の問題を解決していこうと、CO2下げていこうよという事で言うと本当に先進的な取り組みなんですよ。これまでも先進的な事を世田谷区はやっているんですけれども、今回のウチカラやろうと、大企業だけじゃなくてみんなできるんだからというのも、世田谷区ならではなんですけれども。やっぱり悔しいのは地域間連携、さっきの電気のことも世田谷発なんですけれど、意外と全国で世田谷発だというのを知らない人が多いんですよ。頑張ってPRしてもらいたいと。
- パーソナリティ:リスナーの皆さん、ぜひウチカラプロジェクトを覚えて頂いて。ホームページを見て頂くと自分のお家から何かをしようと思うと、ちょっと難しいのかなと一般的には思ってしまうんですけれども、このホームページで見て頂くと、こんなに色んなことがあるんだと。わりと簡単にできるかもと思うんですけれども。
- 区長:どこから来ている電力なのかということをスイッチを変えるという事で、CO2抑制に参加できるんだというのは、意外とですね、専門家は誰でもわかっていたけれども、一般的に自分ができるのというところで言うと、すごく遠い話だったかもしれないですね。それを身近なところに感じてもらうというところで手ごたえのあるキャンペーンだし、これからもまたこの方向で続けていきたいなと思っています。
- パーソナリティ:ちょっと目からうろこな感じがしました。
- 大石氏:今だとCO2も下げられるし1万5千円、9月末のやつだと補助もあったんですよ。電気代も安くなるし地球にもいいことあるし悪いことないんですよ。だからやらない理由がないからぜひ皆さんやってもらいたいなと思っています。
- パーソナリティ:ぜひ皆さん、このウチカラプロジェクト活用して頂けたらと思います。ではこのあと後半もまだまだお話伺っていきます。
リサイクルパネルの活用~「HOME/WORK VILLAGE」での新たな試み
- パーソナリティ:今日は、地球環境を守るための脱炭素プロジェクトの「UCHIKARA」(ウチカラ)プロジェクトについてお送りしています。ゲストは株式会社アップデーター代表取締役の大石英司さんをお迎えしています。引き続きよろしくお願いいたします。区長、区として他にも色々取り組みがあるとお聞きしたのですが。
- 区長:そうですね。旧池尻中学校は長年ものづくり学校として活動してきた、その中に大石さんたちのみんな電力も当時あったわけなんですが、今全面的にリニューアルされて、運営事業者も変わって、新たに「HOME/WORK VILLAGE」として7月にグランドオープンしました。この中にも入ってくれているんですね。
- 大石氏:入ってます。
- 区長:そこでの電力の供給もする中で、「HOME/WORK VILLAGE」の屋上にパネルを置いて太陽光発電をする、これは今や当たり前の風景なんですが、そのパネルが日本で初挑戦くらいの取り組みなんですね。
- 大石氏:そうなんです。
- パーソナリティ:どんなことなんですか。
- 大石氏:太陽光パネルって廃棄問題が最近すごく課題になっているんですね。今後もたくさん廃棄が出るんじゃないかと言われている中で、今回「HOME/WORK VILLAGE」に付けさせて頂いたパネルはいわゆる中古パネルなんです。だから今まで例えば大手の小売りさんのそこで使われていたパネルで、店舗が撤退する時にパネルは廃棄処分になっちゃうんですよ。でも廃棄するのはすごく負荷が高いんですよね。だったらそれを僕らが譲り受けて、今回中古パネル、リサイクルパネルを「HOME/WORK VILLAGE」の上に載せさせて頂いて、そこから電力供給させてもらっていて。リサイクルパネルを活用した屋根の上から供給するモデルというのは、非常に日本でも、特に東京都内ではたぶん初じゃないかという取り組みになりますね。だから全く新しいパネルを使わないので環境負荷はその分もちろん低いんですね。
- 区長:よくパネルの性能が年を追うごとに、例えば5年10年と経ってくると発電がどうしてもできるエネルギーが減ってくるみたいな、その点はどうクリアされようとしているんですか。
- 大石氏:やっぱり多少の劣化はあるんです。だけどちゃんと発電はするんですよ。むしろそれを新しいものにする必要はなくて、ぎりぎりまで十分大事に使う事によって全然発電機としては有効に活用できますので。全国的にも私たちの業界ではメガソーラー問題というのが自然破壊じゃないかと。みんな電力、アップデーターでも声明出してまして、実は。自然破壊型メガソーラーは、私達は断固と反対しますという声明も、同じ業界なんですけれども、あれとこれとは違うという話なんですね。なのでリサイクルパネルを使って屋根の上で、ある意味防災の力にもなるし、電力の省エネにもなるし、このソーラーともう山を切り崩したり。
- 区長:だから木を切り倒して斜面を全部パネルだらけにしちゃって、そうすると豪雨の時に土砂崩れが起きやすくなるなんかで、反対の声が今強まっていますよね。
- 大石氏:そうです。だから一緒にするべきじゃないというか、太陽光も活用の仕方によっては有効だし、経済性ばっかり重視して儲けばっかり考えてやると自然破壊型になっちゃうというところに関して言うと、本当に全国的にみても良いソーラーの活用だと思いますし。あとなんと、今回ピーパという仕組みになってまして、マンションに住みながら電力を切り替えることで、この「HOME/WORK VILLAGE」のあのパネルがうちの電気に来てるというのがわかる仕組みになっているんです。
- パーソナリティ:どうやってわかるんですか。
- 区長:これね、川場村でね、リンゴ果樹園があって、このリンゴの木は私のっていうね、そういうやり方なんですよね。それと似てますよね。
- 大石氏:似てます。そこをブロックチェーンでさっきの顔の見える化していて、あのパネルの電気、僕のっていう遠隔地にいながら。
- 区長:上の方から左寄りのこの辺とかね。
- パーソナリティ:なんか大事に使おうという気になりますね。それがわかることによって。
- 大石氏:またそこに行ってみようと思うじゃないですか。ちょっと「HOME/WORK VILLAGE」行ってみようかなとね。まさしく地産地消です。
まとめ
- パーソナリティ:わかりました。本当に色々これから大手の企業だけじゃなくて個人個人が考えていかなくちゃいけないんだという事を改めて感じたのですが、これからこの未来に向けて私達一人ひとりが、もちろん今までお話を伺った事もあるのですが、やっていかなくちゃいけないこと、考え方とか、そういった事も含まれると思うのですが、大石さんはどんな風にお考えですか。
- 大石氏:僕たちもCO2を抑えようという事で自然エネルギーを使いましょうとやってきたんですけど、もうたぶん追いつかないと思うんですよ。この夏も毎年最高気温を更新しているわけですね。だとしたらもう、暑くなる前提で私達がどう暮らすか、どう働くかみたいなことも考えなければいけないので、今回世田谷区さんにも寄贈させて頂いて。公園とかを管理されている皆さんとか、自分が熱中症になりそうだったら、自分が気付く前にアラートで教えてくれるという機器を寄贈させて頂いたんですね。もう気候変動で暑くなる前提の働き方を、これから世田谷区でまたモデルケースを作っていこうというためにやらせて頂いているのが一点と、本当に環境破壊型メガソーラーは世田谷区では使わない、これ欧米の企業では当たり前になってきているんで、電気を選ぶということは。だからこういうソーラーは買わない、こういうなんとかは買わないみたいなことで、消費者の力をぜひ最大限に活かして、日本のまた新しい時代の自然エネルギーの世界を作ってもらいたいなと思っています。
- 区長:そうですね。生活協同組合というのは、実は農薬漬けの野菜しか買えなかったんですね、昔は。この農薬を使わない低農薬とか有機農法の野菜を欲しいというところで、初めは産地に行ってトラックで産直から始まったんですね。電気もそれができるんじゃないかというのが先ほどの顔の見える電力の購入だったんですね。世田谷区民の結束というのは面白い話で、デンマークに行った時に、ロラン島という、島の電力の3倍くらい発電する風車があるんですよ。その風車というのは大企業が持っているのはほとんどないです。全部共同出資で農民たちが何軒かで所有して農業収入と同じくらいの収入があると。そういう方式で作られていました。だから世田谷区民が小水力とか風力とか自然エネルギーの環境破壊型ではない電源に、これをシェアして立ち上げるということは素晴らしいと思います。また先ほどのピーパ、これは集合住宅にお住いの区民が半分以上いるんですね。そうすると、屋根に据え付ける太陽光に補助というのを随分やりましたけれども、なかなか集合住宅は難しいんですね。大石さんにお願いしたいのは、やっぱり南側にベランダがある集合住宅が多いので、ここにすだれソーラーを作ってもらえないかなということを10年前から。
- 大石氏:そうですね、10年前から。
- 区長:色んなところで試作してもらったりして、なかなか難しいみたいで。もしこれができれば、これだけ強い光線なので、しかも長いでしょう夏が。この間かなり電気代節約になるんじゃないかと。
- パーソナリティ:そうですね、ぜひよろしくお願いします。
- 大石氏:頑張ります。
- パーソナリティ:そろそろお時間という事なんですが、先ほど海外での視察のお話も出ましたけれども、最近ニュースを見ているとコロナとか戦争とかがあったりして世界的にはちょっとだけこういった問題が衰退気味になっていたような気がしていたのですが、今日お話を聞いて改めてやはりちゃんと考えなくちゃいけない、自分でもできるんだという事を教えてもらったような気がします。最後に区長、皆さんに一言お願いできますか。
- 区長:このあまりにも暑い夏、これは一人ひとりの既に亡くなった私たちの父母祖父祖母の時代からですね、産業革命以降ね、特にこの20年くらい急速にエネルギーをどんどん使っていいんだと、無限に便利になるんだというところにちょっと疑いを持たなかったり、抑制してこなかった結果、私たちの今度は子どもの世代、孫の世代が大変苦しい環境にしてしまったと。その責任を一人ひとりができる事からもう一回是正をしていく方向に世田谷区から歩んでいこうという事ができれば、一石を投じることができるのかなと思います。
- パーソナリティ:最後にどうしてもお聞きしたいのですが、大石さん、電気、何色ですか?
- 大石氏:エメラルドグリーン。
- パーソナリティ:わぁ!素敵ですね。
- 大石氏:うちの家の電気はエメラルドグリーンですね。
- パーソナリティ:そうやって自分で思っているだけでも幸せな気分になりますね。という事で、今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。保坂区長、そして大石さんにお話を伺いました。どうもありがとうございました。
- 大石氏・区長:ありがとうございました。

写真:左から、大石氏、パーソナリティ、保坂区長