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最終更新日 2026年6月10日

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令和8年第2回世田谷区議会定例会区長招集挨拶

令和8年第2回世田谷区議会定例会にあたり、区議会議員並びに区民の皆様にご挨拶を申し上げます。

日本は1970年代に2度の「石油ショック」を経験しました。昭和48年(1973年)の第4次中東戦争を契機に、OPEC(石油輸出国機構)が原油供給を制限した結果、原油価格が急騰し、急激な物価上昇を引き起こしました。この「狂乱物価」は、人々の生活を直撃し、高度経済成長を終わらせました。続く昭和54年(1979年)には、イラン革命を背景とした中東情勢の不安定化により、再び原油価格が上昇し、物価上昇と経済の減速を招きました。

本年2月、イスラエルとアメリカによるイランへの攻撃を契機に開始された戦闘は、過去2回の「石油ショック」とは異なる規模で長期化しています。すでに3か月にわたり、原油やLNGなどの資源供給および輸送の要衝であるホルムズ海峡が、イランとアメリカ双方により事実上、二重封鎖される事態となっています。

区長招集挨拶
招集挨拶をする保坂区長

 

世界各国はイランとアメリカの停戦協議の行方を注視していますが、協議は難航しており、大規模な戦闘の再発も懸念される状況です。過去の石油ショックでは供給制限による価格上昇が主な影響でしたが、今回の危機ではホルムズ海峡を通過する資源の流通自体が停止するという深刻な事態に至っています。特に汎用性の高いナフサの供給が止まることで、建設・設備産業では材料が入手できないという声があがり、その他の幅広い区内産業にも大きな影響が広がろうとしています。

これまでに経験のない社会経済上の危機が区政運営にも重大な影響を及ぼす恐れがあることから、区では5月1日に(仮称)世田谷区石油危機対策準備会を設置し、区内経済への影響把握および情報共有に努め、さらに5月28日には対策本部を発足させました。

まずは、区民および区内事業者からの相談については、既存の窓口を活用し対応するとともに、法的対応等の専門性を要する相談については、適切な専門窓口を案内してまいります。加えて、各種相談窓口を取りまとめた特設ページを区ホームページに開設し、区公式LINE、X、事業者向けメールマガジン「BizBuzzせたがや」等を活用し、広く周知を図ります。また、今後、事業者からの融資申請の増加が見込まれることから、中小企業融資あっせん制度における利子補給に係る予算の増額について、補正予算として提案いたします。

今後も、中東情勢を注視しつつ、対策本部を中心に区民の暮らしを守るために全力で取り組んでまいります。

 次に、広島市への中学生派遣事業についてです。

 昨年は、戦後80年という節目を迎え、世田谷区においても「平和都市宣言」から40周年、また、せたがや未来の平和館(区立平和資料館)が世田谷公園の地に移設開館してから10周年という節目の年でした。 

かつての戦争により、広島、長崎への原子爆弾による甚大な被害を始め、国の内外で多数の死傷者が出て、心身に多大な傷を負われた方々も無数にいらっしゃいます。

過去の戦争の悲惨な状況について、高齢となった体験者から直接証言を聞ける時間も限られてきており、若い世代への伝承は喫緊の課題となっております。そこで、区では今年度より区立中学校の生徒を対象とした「広島市への中学生派遣事業」を実施します。

本事業は、各中学校から代表1名、計30名の生徒を広島市へ派遣するものです。事前に生徒たちが、平和について話し合うなどして、自ら問題意識を持ち、考えを深めた上で現地を訪れます。現地では、広島平和記念資料館の見学や平和記念式典への参加のほか、公益財団法人広島平和文化センターが実施する「ヒロシマ平和学習受入プログラム」に参加します。ここでは、被爆体験者から当時の状況を直接お聞きする機会に加え、全国から集まる若者世代の参加者との交流の場も設けられています。核兵器による被爆の実相を伝える言葉に触れることで、核兵器のもたらす被害や平和の尊さへの理解を一層深めていきます。

派遣後には、これまで現地で学んだ知識や経験を各学校で報告し、生徒同士で共有するほか、一般の方々も参加いただける派遣生徒全体での成果報告会も予定しております。

また、今年度、広島市で開催する平和首長会議におけるシンポジウムに私も参加し発言する予定ですが、この派遣事業と合わせて、今後も広島市との交流を深め、ともに恒久平和の実現に向けて協力してまいりたいと考えております。

次に、公園緑地の取り組みについてです。

まず、等々力渓谷公園についてです。

令和5年(2023年)7月、等々力渓谷公園内においてシラカシの高木の倒木が発生し、区は、安全確保のため公園の一部を閉鎖しておりました。その後、危険木の除去や樹林地の保全作業を進め、公園利用の安全確保に一定の目途が立ったことから、令和8年(2026年)3月24日に利用を再開いたしました。渓谷沿いの遊歩道の開放を心待ちにされていた多くの方々に、再び清流や木々の新緑をお楽しみいただけるようになりました。

 区では倒木の後、直ちに等々力渓谷公園内の樹木について調査を実施しました。その結果、病害虫の被害や腐朽等により危険と判断される樹木が26本確認されました。渓谷は急傾斜地であるため、作業車両の進入ができない状況でしたが、ロープワークによる伐採や枯枝の除去を行いました。また、伐採した樹木は運搬可能な重さまで細かく切断するなど、人力による作業で対応しました。

さらに、等々力渓谷の樹林を支えてきた土壌の改善にも目を向けました。従来から、表土の流出などの課題があり、専門家の知見を得ながら、渓谷樹林地の健全化に取り組みました。具体的には、石や木材などの自然素材を用いた土留めの設置のほか、湧き水の流れを石組みや杭打ちで再生させるなど、自然環境に配慮した手法により、渓谷樹林地の土中環境の改善を図っています。

 また、こうした再生の取り組みに対し、「等々力渓谷プロジェクト」と題し、令和7年(2025年)12月末までふるさと納税による寄附を募ったところ、目標額を上回る約5,000万円の寄附をいただくとともに、多くの方々からメッセージをお寄せいただきました。ご支援いただいた皆様に、心より感謝申しあげます。

 今後も、利用者の皆様に渓谷の魅力を楽しんでいただけるよう、渓谷樹林地の適正な管理や土中環境の改善を継続し、将来にわたり親しまれる等々力渓谷の保全や再生に取り組んでまいります。

次に、玉川野毛町公園についてです。

玉川野毛町公園では、「ともにつくる、ともにあゆむ公園づくり」を基本方針として掲げています。参加と協働、区民発意を重視した取り組みを進める中で、「玉川野毛町パークらぼ」といった活動が生まれるなど、公園の設計や管理運営に区民の意見を反映しながら、公園づくりを進めてきています。

 現在、拡張予定地は、工事の最終段階に入ってきており、園路の舗装などの工事が順調に行われています。また、広い屋根下の空間がある運営施設が3月末に竣工し、開園に向けて物品や展示などの準備を進めています。さらに、公園利用者が気軽に訪れることができる軽飲食スペースも設置する予定です。

 この拡張予定地の開園につきましては、令和8年(2026年)7月18日を予定しており、当日は、地域にお住まいの方々や公園づくりにご協力いただいた「区民の会」をはじめ、野毛町パークらぼの取り組みを通して、公園のデザインや用途について熱心な議論を重ねてきた方々とともに、開園を祝う予定です。

また、新たな賑わいの創出を図るため、公園トイレや管理事務所などの公園施設とあわせて、飲食・物販などの便益施設の整備について、区立公園では初めてとなるPark-PFI制度を活用した事業を進めており、事業者の公募・選定を行ったところです。

今後も、区民や事業者と協働し、住民参加と協働による魅力ある公園づくりを進めてまいります。

 次に、(仮称)北烏山七丁目緑地の区民参加による緑地づくりについてです。

 (仮称)北烏山七丁目緑地は、周辺の寺院及び社寺林とともに地域の風景を特徴づける重要な要素となっており、長年地域住民から親しまれてきました。

また、現地での基礎調査では、動植物をあわせて765種が確認されており、貴重な生態系が残された緑地となっています。

基本計画では、良好な「環境」を維持するためには、人の「手入れ」が必要であるとする区の環境基本計画の理念を基に、「地域で守り、育み、活かす緑地」をコンセプトとしました。

既存の樹木や多様な自然環境を保全し、住民との協働のもとで育成、観察しながら、持続的な維持管理を図るとともに、緑地をフィールドとして地域交流や体験学習、健康増進などの活用をめざすこととしています。

 樹林地の特性を活かした歩行空間やグリーンインフラの整備を進めるとともに、生物多様性の拠点づくり、地域交流や体験・学びの場の創出など、みどりが持つ多様な効果を最大限に引き出す緑地整備を行う予定です。

この6月に事業者を選定し、今後、緑地の設計および管理運営について具体化を図り、令和11年度(2029年度)以降の順次開園を目指してまいります。

また、令和8年度(2026年度)上半期には、3回のフィールドワークを予定しており、樹林地や竹林の手入れを実施します。あわせて、日本女子体育大学および東京農業大学と連携し、区民や子どもたちが参加できる様々なプログラムを企画しています。

次に、主要生活道路106号線、通称「恵泉通り」についてです。

通称「恵泉通り」は、区内南北道路ネットワークの補完と地域防災性の向上を目的に、昭和41年(1966年)4月の事業着手以降、多くの地権者をはじめ、関係する皆様のご理解とご協力を得ながら、段階的に整備を進めてまいりました。

 一方、事業の進め方をはじめ、安全性や環境への影響などをめぐり、地域において様々なご意見が示されてきた経過があり、区は、任意協議を基本として、地権者との対話と交渉を進めてまいりました。しかしながら、一部の用地取得についてはご理解を得られないまま、長期間にわたり未開通の状態が続いてまいりました。

 区では、事業が未完成のまま長期化している状況に鑑み、任意による用地取得が困難な土地については、やむを得ず土地収用法に基づく手続きを進めることとし、平成22年(2010年)8月に東京都へ事業認定申請を行いました。

平成23年(2011年)、私は、熊本前区長から土地収用法に基づく手続きを進めている途中段階にあった本事業を引き継ぎ、平成24年(2012年)1月には東京都収用委員会に対し収用裁決の申請を行いました。

平成25年(2013年)1月には収用委員会の裁決により土地の権利を取得し、さらに平成29年(2017年)1月には土地の明渡裁決を得ました。一方で、係争が継続していた司法の場において、土地収用手続きが適正に進められたことが確認されたものの、一部の土地については自主的な土地の明渡しに至らず、交渉を続けてきました。

 この間、任意の明け渡しをめぐって、粘り強く取り組んでまいりましたが、途中、新型コロナウイルス感染症が拡大し、区が権利を取得した土地の明渡し交渉を一時控えざるを得ない状況となるなど、協議は難航していました。こうした中、令和6年(2024年)5月には、一刻も早い道路開通を求める陳情が出され、区議会において趣旨採択されました。

区としては、趣旨採択されたことを重く受け止め、早期解決を目指して、令和10年(2028年)3月末の事業完成を目標として定め、私自身が、先頭に立ってより早く事態が打開するよう努力してきました。

 また、交渉が整わない場合に備え、行政代執行に関する課題整理も並行して進めてきた一方で、あくまで合意の上での任意による土地明渡しが望ましいと考え、ご親族の皆様にも重ねて説明を行ってきました。当事者及び関係者の方々と、私自身も複数回にわたり直接お会いし、協議を重ねてきました。

双方の見解に相違がありましたが、相手方との信頼関係を築きながら、合意点を見つけるべく粘り強く協議を続けて、本年4月、区と相手方との間で、令和9年(2027年)3月末までに自主的に土地を明け渡すことなどについての合意に至りました。そして、双方において合意書を取り交わしました。

今後、更地化に向けて対応すべき課題は残されておりますが、60年にも及ぶ本道路整備事業の中で、行政代執行という強制力をもった方法ではなく、自主的な明渡しについて合意書を取り交わしたことは、極めて重要な到達点であると受け止めております。

令和10年(2028年)3月末の道路の完成に向け、開通後の交通安全に関する懸念の解消に努めるとともに、地域のやすらぎ・憩いの場所となるような道路・広場の整備にむけて、地域の方々の声を丁寧にお聴きし計画に反映するための街歩きやワークショップ等、地域との連携による取組みを加速させてまいります。

この間、長期に渡り事態が解決しないことで、区への不満や不信感から地域の分断を招いてしまったとのご指摘もいただいております。今後は、区民との信頼関係の構築がなにより重要であると考えております。新たな地域コミュニティの醸成につなげ、過去の対立を未来の協力へと転換し、分断を乗り越えた地域づくりの礎となる取組みを着実に進めてまいります。

次に、保育待機児童対策と子育て支援策の充実についてです。

この4月の保育待機児童は166人となり、昨年4月の47人から大幅な増加となりました。区ではこの間、令和8年(2026年)4月入園の申込者数が過去最大になったことを受け、2次選考に向けて既存保育施設の定員の弾力化による受入可能枠の拡大や、待機児童を受け入れる定期利用保育の実施など、できる限りの方策を講じてきたところですが、十分な受入可能枠が確保できず、多くの保護者の方のニーズに応えられなかったことを区長として大変重く受け止めております。

区では、昨年9月からの保育料等の第一子無償化など、東京都の子育て支援策の拡充に伴う影響も踏まえ、特に入園が厳しい1・2歳児について、新たな定員の確保が必要であると判断し、定員確保の取組みを前倒して、令和9年(2027年)4月及び令和10年(2028年)4月開設に向けた施設整備を進めているところです。また、既存保育施設における更なる定員確保を図るため、都の補助制度を活用した施設への補助経費について、今定例会において補正予算案をご提案しています。まずは、喫緊の課題である保育待機児童の解消に向けて、保育施設整備等を全力で進めてまいります。

一方で、在宅子育て家庭を含めた全ての子育て家庭に対し、子育て支援策をバランスよく進めていくことが不可欠であると考えています。

この4月からは、区独自に在宅子育て家庭等の未就学児を対象とした一時預かり事業等の利用料を無償化しています。本年10月からはファミリー・サポート・センター事業においても、利用料の無償化とともに、担い手の確保等の事業の改善を図ってまいります。

また、4月から全国でスタートした国の給付事業である「こども誰でも通園制度」においても、東京都の補助制度を活用し、国が定める利用時間の上限に加えて、区独自で利用時間を上積みするなど、世田谷版のこども誰でも通園制度として、制度の充実を図ったところです。

これらに加えて、現在、ほっとステイの更なる拡充に向けた準備も進めているところであり、引き続き、全ての子育て家庭が世田谷区で安心して子育てができる環境の整備を進め、子育て支援策の充実に取り組んでまいります。

 次に、三軒茶屋に新たに開設する青少年交流センターの検討状況についてです。

 区内4か所目となるセンターでは、若者がいつでも気軽に立ち寄り、安心して自分らしく過ごせる「若者のオアシス」となる居場所をつくるとともに、若者のニーズに合わせて多様な人・コト・情報との出会いをコーディネートし、自分自身のライフスタイルの幅を広げられるよう「若者のコンシェルジュ」としてサポートを行います。また、地域にある様々な社会資源を繋ぐ「ハブ」ともなりながら、若者の居場所であり、かつ若者の可能性を広げていける施設となるよう、令和10年(2028年)3月の開設を目指してまいります。

 過去に、半年間かけて高校生・大学生世代が基本デザイン案を練ったことをベースに開設された希望丘青少年交流センター「アップス」と同様に、今回も利用者である若者たちが主体的な検討を行い、区は、施設整備や運営にその意見を反映します。

 「若者による検討会」には、一般公募と区のユースカウンシル事業からの参加により募った32人に参加いただき、中高生世代から30代の社会人までの幅広い年代構成となっています。第1回キックオフミーティングに私も参加しましたが、冒頭の自己紹介において、「若者として同世代の居場所づくりに関わりたい」「空間デザインを勉強しているので参加した。」等の意欲的な思いや考えを、メンバーそれぞれが熱く語っていたのが印象的でした。

 検討会は、今後も月に1回から2回程度開催し、実現したい機能、設計、空間デザインや備品などを、若者の視点で検討していきます。

その集大成として、12月20日には「検討結果報告会」を開催し、参加した若者自らが、広く区民の皆様に向けて検討結果を発表する予定です。

次に、「第47回せたがやふるさと区民まつり」についてです。

今年は、6月6日(土曜日)・7日(日曜日)の2日間、「JRA馬事公苑」および「けやき広場」を会場として『東京農業大学「食と農」の博物館』のご協力もいただき開催いたしました。

今年も、全国各地から世田谷区と交流のある29自治体にご参加いただき、「ふるさと物産展」では各地の特産品を販売していただくほか、クイズを交えたお国自慢大会などのイベントにも多くの方にご参加いただき、大いににぎわいました。

また、各ステージでは、抽選により出演が決定した多くの団体の皆様に、パフォーマンスや音楽をご披露いただき、さらに、区民団体や商店街による出店では、子どもから高齢の方まで楽しめる多彩なブースが並びました。

「国際コーナー」においては、例年以上に多くの大使館や団体にご出展いただくとともに、各国のPRやステージパフォーマンスも行われ、国際色豊かな新たな魅力を感じていただける場となりました。

加えて、「からぴょん」とともに楽しむ盆踊りや阿波踊り、各地から参加する「みこしと太鼓の連合行進」などが、まつりを一層盛り上げました。最終日のフィナーレコンサートでは、アニメソングで広く知られる影山ヒロノブさん、遠藤正明さん、きただにひろしさんをお迎えし、「はらっぱ広場」のステージにて素晴らしいパフォーマンスをご披露いただきました。

会場が一体感に包まれ、「ふるさと世田谷」を感じて頂ける機会を提供することができ、大きな事故もなく終了できたこと、会場を提供いただいたJRA馬事公苑をはじめ、ご協力頂いた交流自治体や区内団体、関係機関、実行委員会の皆様に厚く感謝いたします。

次に、環境政策についてです。

近年、記録的な猛暑や豪雨による災害の激甚化など、地球温暖化の影響は、区民の生命と暮らしに直結する危機であり、私たちの生活におけるリスクを一層高めています。

加えて、国際情勢の不安定化に伴うエネルギー価格の高騰は、家計や地域経済に大きな影響を及ぼしています。このように、気候危機とエネルギー危機が重なり合う中、脱炭素の取組みは単なる環境対策にとどまらず、防災、経済、健康を支える重要な基盤となります。

住宅都市である世田谷区においては、脱炭素の取組み、循環型社会づくり、そして気候変動への対応を相互に連携させながら推進し、環境負荷の低減と資源の有効活用を図り、区民の暮らしの質の向上につなげていくことが不可欠です。

このため、区では本年度より、環境部門と清掃部門を統合し、これらの取組みを一体的かつ効果的に実施できる体制を整えました。

今後は、廃棄物の発生抑制に加え、資源循環のさらなる強化に取り組むとともに、区内約18万棟に及ぶ建物の屋根を活用した再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。区内でエネルギーを創出し、効率的な蓄電を図り、区内で活用することで、災害時の電力確保による防災力の向上を図るとともに、エネルギーコストの域外流出を抑制し、地域経済の好循環を一層推進してまいります。

また、令和12年度(2030年度)から開始予定のプラスチック分別回収に向けて準備を進め、限りある資源をより効果的に活用しながら、二酸化炭素排出量の削減に取り組みます。さらに、コンポスト事業の推進による生ごみの資源化、太陽光発電設備の導入、省エネ改修、再生可能エネルギー電力への切替えを進めてまいります。

加えて、本年度も実施しているエコ住宅補助金により住宅の断熱化を支援し、光熱費削減による経済性の向上に加え、住宅の快適性を高めてまいります。夏の暑さや冬の寒さによる身体への負担を軽減し、熱中症やヒートショックの予防といった健康面にも大きく寄与するなど、本区にとって効果の高い分野を明確にし、重点的に取り組んでまいります。

さらに、住宅の脱炭素化モデルの構築を目指し、地域、区民、事業者との連携のもと、さまざまな挑戦を進めてまいります。技術面、制度面、費用面などの課題について、現場での実証や協働を通じて解決策を見いだし、その成果を区内全体へと展開してまいります。

次に、世田谷区耐震改修促進計画の改定についてです。

区では、平成19年(2007年)に「世田谷区耐震改修促進計画」を策定し、建築物等の耐震化の取組みを続け、区内の住宅の新耐震基準における耐震化率は、令和7年度(2025年度)末で95%に到達しています。

しかし、区内にはまだ耐震性が不十分な旧耐震基準の住宅も約2万2千戸存在しており、平成12年(2000年)までに建てられた新耐震基準の木造住宅にも、大地震により被害が生じる可能性があります。そこで、耐震化をより促進するため、令和8年(2026年)4月に「世田谷区耐震改修促進計画」を改定しました。今回の改定では、更なる被害軽減に向けて新たな目標や区の取組みを示し、合わせて、支援制度の見直しを行い、助成内容を拡充しました。また、支援制度の一部について、Webで申請受付を開始し、手続きの利便性を改善する取り組みも実施しています。

引き続き、本計画に基づく普及啓発や支援を実施し、区内建築物の耐震化の促進に取り組んでまいります。

次に、自転車の青切符制度開始についてです。

4月1日より、16歳以上を対象とした自転車運転に関する交通反則通告制度、通称、青切符制度が始まりました。

自転車は、環境にやさしく、健康にも良い区民の身近な移動手段であります。一方で、区内の令和7年度(2025年度)交通事故件数1,619件に対して自転車が関与した件数は861件と半数を超えて発生しています。また、警察庁の発表では、自転車運転中の死亡又は重傷事故のうちの約75%が信号無視や携帯電話の「ながら」運転といった自転車側にも違反があったため事故が発生しているとのことです。

こうした状況からも、本制度は、警察官が自転車の違反運転に対して、指導し、青切符を交付することにより、利用者への交通ルールの遵守、そして安全運転の意識を促し、交通事故の減少に繋げることを目的として開始されました。

また、近年、街中で急増している電動キックボードに代表される、特定小型原動機付自転車については、今般の自転車の青切符制度導入以前から、青切符制度の対象となっておりますが、利用者の交通ルールやマナーの理解不足から、交通違反や迷惑運転などが非常に多く見られる状況にあります。

区は警察と連携し、引き続き、運転時のヘルメット着用及び区民交通傷害保険の加入促進に加えて、自転車をはじめ、電動キックボードなどの特定小型原動機付自転車の交通ルールや青切符制度の罰則内容等について、広く区民への周知を行い、自転車運転による交通事故が1件でもなくなるよう、交通環境の向上に努めてまいります。

次に、令和8年度一般会計補正予算(第1次)についてです。

東京都の施策と連動した低所得者に対するエアコン購入費等助成や障害福祉サービス事業所等に対する熱中症予防支援など、速やかに対応すべき施策について、歳入歳出それぞれ10億1,500万円の補正予算を計上するものであります。

最後に、本議会にご提案申し上げます案件は、令和8年度世田谷区一般会計補正予算(第1次)など議案15件、同意21件、報告6件です。

何とぞ慎重にご審議の上、速やかにご議決賜りますようお願いしまして、ご挨拶とします。

お問い合わせ先

世田谷区
電話番号 03-5432-1111
ファクシミリ 03-5432-3001