このページに知りたい情報がない場合は
世田谷区トップページ > 区政情報 > 区の基本情報・オープンデータ > 区長の部屋 > 施政方針 > 令和8年第1回世田谷区議会定例会区長招集挨拶
ここから本文です。
最終更新日 2026年2月18日
ページID 31465
令和8年第1回世田谷区議会定例会にあたり、区議会議員並びに区民の皆様にご挨拶を申し上げます。
はじめに、2月8日に執行された衆議院議員選挙におきまして、不在者投票をされた12名の方に対して、投票用紙等を送付する際に、小選挙区選出議員選挙の氏名等一覧の選挙区を誤って送付するミスが発生したと、選挙管理委員会より報告を受けました。
今回のようなミスは、公平・公正な選挙の執行にあってはならず、ご迷惑をお掛けした選挙人の方をはじめ、有権者である区民の信頼を損ねるものであります。区としても今回のことを教訓に、改めて事務ミスの防止に努めてまいります。
私の令和8年(2026年)は、総合運動場陸上競技場を終着点とする「元旦歩こう会」への参加から始まりました。ちょうど能登半島地震から2年となるこの日には、「能登半島地震災害支援金」への募金を呼びかけ、多くの皆さまから温かい御厚志をお寄せいただきました。
これまでに水害を含む甚大な被害に見舞われた石川県輪島市および珠洲市に対し、総額4,000万円の寄附を行ってまいりました。引き続き、息の長い支援に取り組んでまいります。
次に、子育て世帯・若者夫婦世帯を対象とした住宅施策についてです。
近年の区の人口動態を見ると、子育て世帯の中心である30代から40代及び、0歳から4歳児世代の転出超過傾向が顕著です。背景には、昨今の住宅価格の高騰や家賃の上昇等により、子どもの誕生や成長などに応じた住み替えができず、やむなく転出する世帯が一定程度生じていると推察され、持続可能な人口構成を歪めているものと認識しています。
昨年度実施した「子育て世帯向け住まいに関するアンケート調査」結果においても、持ち家の取得などによって、多くの人が本区よりも西側の各自治体や近隣の県に転出する傾向が見られました。こうした現状を踏まえ、第四次住宅整備後期方針においても、「住まい・住環境の課題」の一つとして「子育て・家族形成期に適した住まい及び住環境づくりの推進」を取り上げています。
子育て世帯や若者夫婦世帯の転出超過に対して、私自身かねてより強い危機感を持っており、昨年の議会でも重要政策課題として議論されたところであり、区として取り組める具体的な住宅支援策を検討してまいりました。
東京都では、ファンドの運用とともに、約300戸の規模で子育て世帯等に対し、手頃な家賃で住宅を供給するアフォーダブル住宅の施策を進めていますが、現時点で本区の住宅ニーズに十分に対応できる供給規模にはすぐには届かないと考えています。
一方で、23区のマンション平均価格が新築・中古ともに過去最高を更新するなど、住宅価格の高騰が一段と進む中、賃貸も含めて子育て世帯等が区内での生活を継続する選択に向けたバックアップが必要です。
そこで、令和8年度当初予算案では、世田谷区での生活継続を望む子育て世帯等に対し、住宅の取得や民間賃貸住宅への住み替えなど、ライフステージの変化等に応じた暮らし方の実現を応援する「子育て・若者夫婦世帯の定住応援・住み替え応援事業」を新たに盛り込みます。
今年度より実施している多世代近居・同居推進助成事業と合わせ、“ずっと、世田谷。”のキャッチフレーズで一連の施策パッケージとして展開していきます。
子育て世帯や若者夫婦世帯が、世田谷で生活の拠点を築くという「人生の選択」を応援し、持続可能な地域の活力の維持・向上を図ってまいります。
また、これらの事業と並行して、区内の住宅需要の高いファミリー向け賃貸住宅のさらなる供給促進を図る施策が必要と考えており、令和8年度以降、これらの物件を制度的に誘導する政策の検討を進めてまいります。
区でこれまで進めてきた子ども・子育て支援策に加え、これらの住まいに関する支援をさらに強化していくことにより、子育て世帯や若者夫婦世帯が“ずっと、世田谷。”に住み続けたいと思える魅力ある住宅都市を目指してまいります。
次に、地球の一員として主体的に行動できる教育の推進についてです。
令和5年(2023年)、世田谷区は教育大綱で、「これからの時代、最大の課題は『人類と地球の共存』となる」として、国際社会の中で国や民族、宗教の違いを超えて、主体的に力を合わせ行動する力が求められていることを示しました。
区では、今年度取りまとめた「今後の区立小・中学校の国際理解教育のあり方」に沿って、学校教育の中で語学力等を強化するとともに、学校で学んだことを実践する場として、海外派遣等の体験活動を大幅に充実させ、令和8年度より実施してまいります。
新規事業であるアメリカ合衆国・オレゴン州ポートランド市への中学生派遣では、6日間のホームステイを予定しています。すでに3年続けて来日し、世田谷区の中学校と交流を重ねているポートランド市のマウント・テーバー校を訪ね交流します。今回は、学習テーマである「環境と最先端技術」を肌で感じるだけでなく、企業訪問や現地の方々との交流を通じて、英語を使い世界とつながる楽しさも体験してもらいたいと考えています。
英語教育においては、新たな個別対話の機会を設けます。小学校においては、タブレットを用いて、1対1で海外の講師と英語でやりとりするオンライン英会話を小学5・6年生の児童全員に実施します。自分の英語が伝わる体験を通して英語への抵抗感をなくし、英会話になじむ機会を提供していきます。
さらに中学校では、生徒にこの学びを継続させるため、AIを活用した英語教育強化事業を実施します。中学校全学年において、授業や自宅学習でAIによる会話練習や発話評価を取り入れ、生徒が「英語を話す」環境を整えます。また、海外の同年代の子どもたちとのオンライン国際交流を組み合わせることで、国際的な視野を広げ、実践的なコミュニケーション力を育成していきます。
これまで実施してきた、小・中学校全学年を対象としたALT(外国語指導助手)の派遣、小学4年生を対象とした英語体験出張教室、さらには給食や特別活動、学校行事など授業外での学校独自の国際交流活動を推進します。
英語を「学ぶ」だけでなく、異文化や多様な価値観に触れることで、児童・生徒一人ひとりが自信を持って世界とつながり、新しい価値を創造できる人材となれるよう育成していきたいと考えています。
次に、4月に開設する学びの多様化学校「北沢学園中学校」についてです。
改修工事を終え、4月から転入学する予定の生徒の体験活動が2月9日より始まりました。不登校を経験した生徒が、新たな多様化学校で、充実した学びを獲得できるように、教育委員会とともに取り組んでいきます。
北沢学園中学校では、学校教育法1条校でありながら、柔軟に編成できる教育課程の特例を活かした、キャリアデザイン科、マイデザイン科などの独自の教科を設け、「探究的な学び」に取り組みます。新たな試みとなるこうした教科については、教員だけでなく、世田谷区ならではの多彩な地域人材の参加と協力を得ていきたいと考えています。
区の社会資源の中でも大きな存在が大学ネットワークです。世田谷に17校ある大学(学部)の学長・学部長を対象として10年間継続してきた「大学学長の区長との懇談会」でも、昨年12月に北沢学園について紹介いたしました。早速、2月の体験活動にもインターンとして学生にご協力いただいている大学もあります。
すでに100を超える連携プロジェクトが集積しているネットワークを有機的につなげていくために、区長部局と教育委員会の連携した窓口を教育総合センター内に設けて、北沢学園をはじめ、区内各小中学校での連携を進める体制が進んでいます。
地域との連携も大事です。地域運営学校の仕組みは北沢学園でも導入します。生徒は全区から通学してきますが、学校運営については、地元の方々や学校利用団体の方々の参画をいただきます。教育委員会としては、学校行事である運動会に、小学生の放課後の居場所「きたっこ」の子どもたちや、地域の大人が参加する種目を設けたり、同校で実施予定の地域文化芸術交流会への地域からの出展を呼びかけることを予定しています。
また、同校を会場に開催されてきた北沢地域最大のイベントである「きたざわまつり」に学園生を参加させていただき、生徒と地域が交流する機会を設けられればと考えています。学校を核とした参加と協働を糧に、生徒の社会的な自立に向け、教育委員会とともに取り組んでまいります。
次に、図書館についてです。
新たな図書館サービスの取組みとして、図書館の開館時間に利用できない方のために、予約資料を無人で受け取れる図書館ブックボックスを令和6年度(2024年度)から下北沢駅に設置しています。
このサービスを始めてみると、34個の受取用ボックスが常に予約資料で埋まる状況であり、令和6年度(2024年度)における利用件数は約4,800件と、多くの方に利用されています。また、年代別では30代~50代の利用者が半数以上を占め、普段図書館を利用することが難しい生活をされている区民にも利用しやすい形態であり、ニーズが高い非来館型のサービスとして今後展開していきたいと考えています。
好評を受けて、令和7年(2025年)11月より、烏山区民センターのエントランス外側において、2か所目となるブックボックスの運用を開始しました。こちらも既に多くの方に利用されています。さらに、今年度内には、駅前にある経堂図書館や梅ヶ丘駅の高架下にも設置をしてまいります。
今後は、さらなる設置数の増や図書館近接地以外の場所への設置も進めていくため、新たな本の流通・配送の仕組みの構築に向けた準備を進め、区民ニーズにこたえていきます。
次に、梅丘図書館のリニューアルオープンについてです。
当初の予定よりコロナ禍で遅れていましたが、2年間にわたる改築工事を終え、2月8日に梅丘図書館が開館しました。羽根木公園の中にある立地特性を活かした、豊かな感性と創造力を育む図書館を目指し、新たな学びや出会い、一人ひとりに合った居場所づくりといったコンセプトのもとに、1階には、テラス付きの「カフェエリア」や創作活動ができる「ワークショップルーム」、2階には、インターネット予約が可能な約80席の「閲覧席」や、中高生世代の居場所として優先的に利用できる「ティーンズエリア」、3階には、自然を感じながら親子で読書が楽しめる「おはなしのへや」など、施設の規模を活かした多様な空間と最新の図書館サービスを取り揃えております。
あわせて、これまでは直接、行き来ができなかった羽根木公園と直接ブリッジでつながるとともに、早朝の時間帯も含めて利用できるエレベーターを設置することで、高低差のある公園との移動にも配慮した造りとしています。
生まれ変わった梅丘図書館が、図書館ビジョンに掲げる「知と学びと文化の情報拠点」の先進的なモデルケースとして、多くの区民にとっていつでも快適に安心して教養を深めることができる場であるとともに、交流や体験を通じて人と人がつながり、コミュニティ形成の拠点としても貢献していきます。
次に、本年11月に新庁舎に開設予定の「区民利用・交流拠点施設」についてです。
この施設は、「区民自治と協働・交流の拠点としての庁舎」を目指し、平成28年度(2016年度)の「本庁舎等整備基本構想」以来、すでに何度ものワークショップや検討会を経て、シンポジウム等、区民や区内で活動されている団体の皆様から様々なご意見をいただきながら対話を重ね、協働で作り上げてきている施設です。
交流拠点施設は東棟1階のガラス張りの区民交流スペースや、庁舎、そしてテラスに囲まれた開放感のある中庭広場、区民花壇がある東棟屋上庭園などで構成しており、「一体的な活動ができる、見える、つながる」ことが大きな特徴となります。いただいた意見や提案を反映し、可動する備品、キッチンカウンター、カームダウンスペースなども幅広く用意しています。
また、市民活動支援の拠点として、新たな活動へのスタートアップを支援するほか、多様な団体とのマッチング、情報発信等をバックアップします。区民が気軽に出向いても発見や出会いがあり、市民活動を体感でき、文化表現や活動成果の発信など、参加と協働の取組みをより進めることのできる、熱量の高い施設を目指します。
これらの施設の利用は、原則予約を必要とせず無料としました。あわせて賑わい創出のため、民間企業が営利目的であっても、一定のルールのもとで有料での施設を利用もできるなど、これまでに例のない新たなチャレンジとなります。
施設の開設にあたり、11月3日から23日の20日間にわたってオープニングイベントを実施します。市民活動に関わる団体等が企画段階から運営に参加し、施設を最大限活用して賑わいを創り出し、併せて今後の施設の利用も促してまいります。
次に、災害・防犯対策についてです。
防災対策について、国では令和5年(2023年)12月に中央防災会議対策実行会議の下、首都直下地震対策検討ワーキンググループを設置し、防災対策の進捗状況等を踏まえ、被害想定の見直し、新たな防災対策の検討を進め、昨年12月19日に新たな被害想定を公表しました。
一方、区においては令和7年(2025年)2月修正の地域防災計画を踏まえ、業務継続計画及びご遺体対応マニュアルの検討、物資配送訓練の実施など、『2030年度(令和12年度)までに、「首都直下地震等による人的・物的被害を概ね半減」する。』とした減災目標達成のための取組みを進めてきました。加えて、2030年度(令和12年度)までの重点的な取組みを8つのテーマに分け、テーマごとの目指すべき姿を設定し、年度ごとの取組みを具体化した災害対策強化プランを策定しました。
近年のこれまでにない豪雨災害のリスクに対し、中小河川の水位上昇に伴う避難情報の早期発信のシステム改修など、東京都との連携により早急な取り組みを進めてまいります。
また、防犯対策については、住宅の防犯機能と区民の防犯意識の更なる向上を図るため、令和7年度(2025年度)に「住まいの防犯対策サポート事業」を実施し、約1万3千件の住宅への防犯カメラ等の防犯設備や防犯物品の購入支援を行いました。
令和8年度(2026年度)についても約4億円を計上して防犯物品の購入支援を行うこととし、加えまして、引き続き、町会・自治会、商店街等への防犯カメラの設置助成など、各種防犯対策に取り組んでまいります。
次に、止水板設置等助成事業についてです。
昨年7月10日及び9月11日に発生した大雨では、記録的短時間大雨情報が発表され、区内では1時間当たり最大100ミリに迫る雨が降りました。これにより、下馬や奥沢、尾山台など複数の箇所で床上・床下浸水の被害が発生しました。被害にあわれた方々には、改めて心からお見舞いを申し上げます。
こうした浸水被害は、短時間に大量に降った雨水を下水道が処理しきれずに道路等にあふれ出し、土地や建物が水に浸かる内水氾濫が原因です。近年、気候変動の影響が顕在化しており、世界平均気温は2050年頃までに約1.5〜2.0℃上昇するとされ、降雨量の増加、台風の強大化等による浸水被害の拡大が懸念されています。
区では、これまでの土のうステーションの取組みに加えて、令和8年度(2026年度)から、住宅・事業所等における止水板設置費用の一部に対する助成事業を準備しています。助成の対象者は区民だけに限らず、区内の建築物等を所有または使用し、止水板を設置する方も対象となります。
設置する止水板は、工事を伴うタイプから、並べて置く簡易型のタイプまで、区民それぞれの事情に即して選択できるようにします。また、この助成制度は4月から開始する予定ですが、令和7年(2025年)7月10日の豪雨以降に既に止水板を設置された方も助成の対象としますので、既に止水板を設置された方や、今後設置を検討されている方は、ぜひご相談いただきたいと思います。
次に、生活保護世帯等へのエアコン購入費等の助成についてです。
ここ数年の猛暑や熱帯夜の増加に伴い、健康被害を予防する観点からも、熱中症から体を守ることの重要性が、かつてない程高まっています。区では、生活保護世帯等を対象にエアコン購入費等を助成する事業を新たに実施することといたしました。
現行の生活保護法では新規の購入は対象となりますが、買い替えや修理などで対象とならない場合もあります。先ずは、こうした制度の狭間にある生活保護世帯に対して助成を実施します。また、同様に、今後示される、東京都の補助事業の概要を踏まえ、低所得世帯へも助成の実施を検討しております。
対象の方々の健康被害を未然に防ぐとともに、物価高騰下における経済的負担の軽減という観点からも、積極的に事業を展開してまいります。酷暑の中での適切なエアコン使用は、もはや生命を守るために不可欠なものと言えます。
そのため、本来であれば、国が生活保護法を見直し、すべての生活保護世帯がエアコンの使用ができるよう、支給要件を整備すべきです。区としても、国に対し、生活保護法の改正を強く要望してまいります。
次に、等々力渓谷公園についてです。
東京23区で唯一の渓谷として親しまれてきた等々力渓谷は、首都圏はもとより、海外からの観光客にも人気を集めていました。しかし、令和5年(2023年)7月に倒木が発生し、渓谷全体の樹木調査を行った結果、多くの樹木の伐採や剪定が必要と診断されたため、園内の大部分を立ち入り禁止とし、遊歩道も通行止めにしてきました。
倒木の主な原因は、樹木内で「ナラ菌」という病原菌が発生し、水を通す機能を失う「ナラ枯れ」です。さらに、近年の猛暑や豪雨などの環境変化により、表土の流出や根の浮き上がりも進んでいる状況でした。そこで、専門家とともに現地調査や改善策を検討し、樹林地の環境改善や保全に向けた取り組みを始めています。
等々力渓谷で健全な樹林を育てていくためには、樹木を支える土壌改良が重要です。傾斜地に自然の石や丸太を用いて土中環境の改善を行っていく工法を進めました。斜面や水が溜まりやすい箇所に導水のための木の杭を打ち込むことで、土中の水の流れが良くなります。石積みや丸太組の造作は、表土の流出を防ぎ、土壌を安定させます。作業の中で、自然に土に還る落ち葉や伐採材を組み込むことで、時間の経過とともに土壌が豊かになり、土中環境が豊かに育まれ、渓谷の斜面地形を安定させていくものです。
等々力渓谷は急斜面が多く、伐採や剪定の作業には作業車や大型機械を使用できず、人力での作業が中心となったことで月日を要しました。ようやく再開の見通しが立ち、3月中には全面的に開放できる予定です。これまでに、「等々力渓谷プロジェクト」を呼びかけたところ、約5,000万円の寄附と温かい応援メッセージをいただきました。ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
次に、民間路線バス事業者への行政支援の実施についてです。
区では、これまで南北交通の補完や公共交通不便地域の解消を目的に、コミュニティバスの導入支援や、砧地区でのAIデマンドワゴンの実証運行など、地域交通の充実に全力で取り組んでまいりました。
一方、路線バスを取り巻く環境は依然として厳しく、コロナ禍による利用者減少やライフスタイルの変化、さらには「2024年問題」による運転士不足が深刻化しています。区内のバス事業者においても運転士の高齢化や離職が進み、改善の見通しが立たない中で、さらなる減便や路線の廃止が現実味を帯びてきています。特に、地域の足を支えるコミュニティバスの多くが不採算路線であり、運行継続が危ぶまれる極めて厳しい状況にあります。
深刻なバス運行の状況をふまえて、区は令和7年度(2025年度)に、今後5年間の方向性を示す「地域公共交通計画」を策定し、「誰もが安全・安心・快適に移動できる世田谷」を目指し、具体的な施策を盛り込みました。
さらに、より効果的な対策となるようバス事業者へのヒアリング等を丁寧に行うほか、他自治体における支援状況等も考慮した上で、この度、持続可能な地域公共交通の実現に向けて、民間路線バス事業者への「三つの柱」による新たな支援策を取りまとめました。
第一に、より厳しい状況にあるコミュニティバスの減便を未然に防ぐため、対象となる3事業者・8路線のコミュニティバス路線に対し、令和8年度から運行経費の50%を補助する制度を新たに創設いたします。地域の移動手段を守るため、バス事業者との連携・協働をさらに深め、公共交通ネットワークの維持に一層取り組んでまいります。
第二に、運転士の確保と定着を図るため、職場環境の改善に取り組む事業者への支援を実施いたします。具体的には、国土交通省が定めた「働きやすい職場認証制度」を取得した事業者を対象に、運賃収入に応じたインセンティブ型の「エールでつなぐ事業支援金」を創設します。労働環境の改善に努める事業者を区が“エール”で応援し、その取組みを区民の移動支援や公共交通の活性化へ“つなぐ”ことを目的としています。
第三に、バス運転士の仕事の魅力発信やバスの利用促進につなげるための広報支援を実施いたします。具体的には、区内を運行するバス車体全面に、運転士のやりがいや誇りを伝えるラッピング広告を掲出し、令和8年(2026年)10月から半年間、地域の皆様へのPRを行ってまいります。
これらの多角的な行政支援を通じて、地域の交通インフラを将来にわたって守り、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。
次に、道路ネットワークの整備についてです。
東京都と特別区および26市2町が協働で策定する「東京における都市計画道路の整備方針」の案が昨年12月に公表されました。区内では、次期計画期間における優先整備路線として、区が施行する路線6区間(約2.8キロメートル)、都が施行する路線7区間(約6.8キロメートル)を選定しており、いずれも現在の整備方針からの継続となっています。
あわせて、区は「せたがや道づくりプラン」の素案を公表しました。この中では、区が整備を進める主要生活道路の必要性を検証するとともに、都市計画道路を含む優先整備路線や準優先整備路線を選定し、事業着手に向けて取り組んでいくこと等を示しています。
引き続き、道路ネットワークの整備に向けて着実に取り組み、災害から区民の命と地域を守り、住みよい環境を支える道づくりを進めてまいります。
次に、予備費の充用についてです。
去る2月8日に衆議院議員選挙が行われましたが、今回は、解散から公示日までが4日、投票日までの期間が16日間と極めて短く、早急に準備を行う必要があったため、その執行経費について、当初予算に計上した予備費5億円のうち、約4億円を充用しております。
次に、令和7年度補正予算についてです。
令和7年度の一般会計第6次及び4つの特別会計の補正予算ですが、障害者自立支援給付費の増や、人事委員会勧告に基づく職員人件費の増をはじめ、事業進捗等を踏まえた経費の増減、公共工事の前倒し等を行うため、合計174億1,100万円の補正予算を計上するものです。
次に、令和8年度当初予算案についてです。
一般会計の予算規模は4,313億5,300万円、前年度に比べ7.9%の増となっております。歳入につきましては、特別区税は、ふるさと納税の影響を見込む一方で、賃金上昇・人口動向に伴う増収を見込み、前年度比で150億円の増としています。
歳出につきましては、本庁舎等整備や学校改築・改修などの公共施設整備費や、障害者自立支援給付や私立保育園運営などの社会保障関連経費などの増を見込むとともに、現下の物価・人件費高のなか、地域経済の好循環を生み出すため、適切な価格転嫁を行うなど、必要な予算を計上しております。
一般会計に3つの特別会計を合わせました予算額の合計は6,210億3,400万円、前年度比で5.8%の増となっております。
最後に、本議会にご提案申し上げます案件は、令和8年度世田谷区一般会計予算など議案34件、諮問1件、報告18件です。
何とぞ慎重にご審議の上、速やかにご議決賜りますようお願いしまして、ご挨拶とします。
世田谷区
電話番号 03-5432-1111
ファクシミリ 03-5432-3001