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最終更新日 2024年12月18日
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記者会見の様子
それでは、第7回の記者会見を始めます。
まず、日本時間の12月10日(火曜日)の夜、ノルウェーのオスロ市庁舎でノーベル平和賞の授賞式がありました。被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の代表委員であり92歳の田中煕巳(たなかてるみ)氏が、全身全霊を込めた静かで力強い演説をされました。13歳当時の長崎での被爆体験にも触れられ、親族の安否を探しに市内中心部に行くと、煉瓦造りの教会である浦上天主堂が破壊された様子や、横たわる焼け焦げたご遺体や水を求めて息絶えた人などを何十人、何百人と見たことを静かに語られ、世界中の人々が被爆の実相を改めて感じたのではないかと思います。演説の後半では、十数年後には直接の体験を証言できる人は数人になるかもしれない。だから、次世代にしっかり伝えていくことが重要だという発言もありました。
区も平和首長会議に加盟しています。また、田中氏の演説でも言及された核兵器禁止条約の早期批准を求めたいと思います。また、来年2025年は、戦後80年です。区も平和資料館を世田谷公園内に設けていますが、拡充も含めて行動していきたいと改めて思いました。
ノーベル平和賞には、以前ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が受賞したことがありました。今回の受賞は被団協の方々、被爆された方々、既に亡くなられた方も含めてのものだと思いますが、受賞の理由として、1つはこれまでの活動の努力、もう1つは、核戦争の危険が非常に近いとも言える現在の世界情勢のことも伝えられています。その通りにならないように、田中氏らの警鐘をしっかり平和に活かしていきたい、自治体として努力していきたいと思いました。
続いて、「世田谷みやげ」20周年記念についてお話しします。
「もらってうれしい世田谷みやげ」をキーワードに2006年にスタートし、来年2025年に20年目の節目を迎えます。12月1日(日曜日)には、世田谷みやげアンバサダーの山田五郎(やまだごろう)氏、世田谷みやげを選定する審査委員の小林涼子(こばやしりょうこ)氏の2名にご参加いただき記念トークショーを開催しました。
2025年版のカタログでは、厳しい審査を通過した13の品が新たに加わり、老舗の逸品から新規店舗の人気商品、体験メニューなども含めて118商品というバラエティに富んだ内容になっています。カタログはウェブサイトでも公開しています。せたがやPayを利用できる店舗には、せたPayマークが記載されていますので、ぜひ利用いただきたいと思います。
続いて、(仮称)世田谷区犯罪被害者等支援条例シンポジウムについてです。
区では現在、「(仮称)世田谷区犯罪被害者支援条例」の制定を目指し検討を進めています。条例に基づく支援として、ご遺族の方に向けた弔慰金や犯罪被害にあわれたご本人への支援金等の給付、日常生活が困難になった方への家事代行などの民間サービス利用にかかった費用の助成等も検討しています。
条例の検討にあたり、12月15日(日曜日)に「(仮称)世田谷区犯罪被害者等支援条例シンポジウム」を開催します。皆さんの中には、長崎県佐世保市で発生した小学6年生の女子児童が学校内で同級生に殺害された事件を覚えている方も多いのではないかと思います。平成16年の事件ですが、当時ジャーナリストとして活動していた私は大変ショックを受け、佐世保市に出向いて取材しました。その際、亡くなった女子児童のお父様にもお会いしましたが、今回はお兄様である御手洗氏をお招きし、帝京平成大学の大塚教授との対談形式でご講演いただきます。
そして、第2部のパネルディスカッションでは、平成12年末に区内で発生した世田谷一家殺人事件のご遺族であり、現在は、区のグリーフサポート専門部会委員としてもご協力いただいている入江氏にもご登壇いただきます。毎年12月末には追悼の集いが開かれ、警察がチラシを事件現場近くの駅で配布するなどしていますが、未解決のままで、区としても解決に向けて情報提供を呼びかけています。シンポジウムは、まだ席に余裕がありますのでぜひご取材いただければと思います。
次に、若者環境デー2024の開催についてです。
12月15日(日曜日)午前11時から午後3時までの時間で、希望丘地域体育館3階で開催します。高校生・大学生等のボランティア「環境サポーター」が中心となって企画・運営を行い、子どもたちとともに環境について考え行動する催しで、今年で3回目となります。
区内大学等の環境サークルに所属する若者が、気候危機を踏まえた行動変容をテーマに、かるたなどのゲームや松ぼっくりを使ったクリスマスツリーづくりを行うワークショップのほか、各団体の日頃の取組み、活動を紹介するポスターセッション、手回し発電機で電車を動かすコーナーや各コーナーを回って「環境はかせ認定証」を獲得できるスタンプラリーなども加えて、主に小学生が楽しみながら環境問題の理解を深めていく場となっています。
同日には、若者の環境活動家として著名な露木しいな(つゆきしいな)氏をお迎えし、若者同士で環境問題について意見交換する「若者環境フォーラム」をオンライン開催します。ぜひ、ご参加ください。
次に、世田谷区名誉区民顕彰式・記念イベントについてです。
令和6年9月に、桑島俊彦(くわじまとしひこ)氏、本夛一夫(ほんだかずお)氏、横尾忠則(よこおただのり)氏の3名を世田谷区名誉区民として顕彰しました。その功績をたたえ、祝福するために、世田谷区民会館にて「世田谷区名誉区民顕彰式・記念イベント」を開催します。
桑島氏は、区の商店街振興組合連合会や、東京都や全国の商店街振興組合連合会の理事長を歴任されました。本夛氏は、下北沢にある本田劇場をはじめ、演劇の空間を多くつくり出し大きく貢献されています。横尾氏は、長年区内にお住まいで、1960年代から世界的なアーティストとして活動され、令和7年4月には世田谷美術館にて新作の個展も予定されています。
記念イベントでは、区内伝統芸能団体によるお囃子や獅子舞、餅つきの披露なども行い、新年にふさわしい場にしていきたいと思います。また、区民の方の中には、世田谷区民会館がリニューアルしたことをよくご存じない方もいらっしゃると思いますので、東棟最上階の展望ロビーや区議会の本会議場をご案内する見学会の実施も考えています。現在、観覧者の追加募集を行っていますので、新しい年をこのイベントとともに盛り上げていきたいと思っています。
続いて、LINE活用による男性相談事業の拡充についてです。
「男女共同参画センターらぷらす」で実施している「男性電話相談」の受付時間において、令和7年1月中旬からLINEによる相談も導入して事業を充実していきます。らぷらすによる「男性電話相談」では、開始された平成30年度の2件から、令和4年度は53件、令和5年度には98件と年々利用者が増え、ニーズがあることが分かっています。現在、男性電話相談は月4回実施していますが、来年度から拡充していきたいと考えています。
さて、年末ということでふるさと納税が注目される季節となりました。
ふるさと納税については、毎年、都内自治体で多額の流出があり、世田谷区では、最新の流出額が約111億円と大変頭の痛い状況となっています。反面、世田谷の魅力を発信していく取組みを行うとともに、いただいた寄附金を社会的に意義のある取組みに活用していくことも進めています。
児童養護施設出所者等奨学・自立支援基金は、児童養護施設等を退所した若者が、大学や専門学校への進学、また自立する際に援助する取組みですが、支援を受けた若者からの声が紹介されていく中で、応援したいと遺贈していただくなど大変多くの寄附をいただきました。累計約3億2,000万円で、今後さらにきめ細かく寄附の使い道を示していきたいと思います。医療的ケア児の笑顔を支える基金は、医療的ケアが必要な子だけでなく、きょうだい児も支えようというプロジェクトで、令和6年において約1,300万円の寄附をいただいています。また、「せたがや動物とともにいきるまちプロジェクト」や遊び場を作ろうという「みんなでつくろう!!あそもりプロジェクト」なども少しずつ反響をいただいています。返礼品は、区内の有名レストランの味を自宅で楽しんでいただける食事セットや、五島美術館の入館チケット、世田谷をホームとするラグビーチーム「ブラックラムズ東京」のホームゲーム入場チケットを取りそろえるなど拡充しています。また、東急世田谷線の車体にラッピングをして、世田谷区民も世田谷区にふるさと納税できるということもPRしています。
100億円を超えるふるさと納税における流出額が増える兆候もあり、このふるさと納税についてできる限りのことをやっていきますが、現在103万円の壁の問題が自治体財政に影響するのではないかということも話題になっています。まずは、ふるさと納税ができる上限をしっかり設けて欲しいなど、特別区長会などを中心として、制度の緊急改革に関する要望を提言していきたいと思います。
区民窓口、出張所において、特に年度末には転入・転出される方が非常に多く、過去には大変長い時間お待たせをすることもありました。区議会等でも待ち時間の縮減について議論がでており、区として取り組んできたところです。これまでの待ち時間縮減の取組みとして、令和6年3月から4月に、住民票の写しなどコンビニ交付ができるものは、交付手数料を10円に減額しました。その結果、コンビニ交付実績が令和5年の同時期と比較して約1.5倍に増加し、窓口交付は4分の1減りました。コンビニ交付数が30,293通増えたことに伴い、窓口交付した場合と換算すると約30,000時間を区民の方にお戻しできましたので、今後も力を入れていきたいと思います。
証明書等の発行にあたっては10円以上の経費が発生するため、差額は区が負担しますが、窓口で長く待たされたことが区への第一印象とならないよう、様々な工夫をしていることを、区民の方にもぜひご理解いただけるよう取組みを続けていきたいと思います。
これを踏まえて、令和7年は、住民票の写しや印鑑登録証明書、納・課税証明書のコンビニ交付手数料を10円とする期間を、2月から5月の4か月間に拡大します。また、少しでも待ち時間を縮減するため、電子証明書の利用促進として、マイナンバーカード電子証明書手続きコーナーを区内31ヵ所に拡充しています。
転出時に来庁不要な引越しワンストップサービスについても、広報を強化することで利用を促進し、令和7年には利用率50%となることを目指しています。現在は、転出手続きにおいて約4分の1の方が利用しており、来年度は利用者を半分まで引き上げることで、さらに待ち時間を30分までに縮減していこうと考えています。窓口混雑回避のためにコンビニ交付手数料を10円にするという、人口が多く流動性が高い世田谷区ならではの政策ですが、それだけ手続きが必要な方が多く、従来のやり方ではお待たせしてしまうことから、プロジェクトを組み、改善に資するため、ご紹介したような取り組みを進めてきました。
ストリートファニチャーとは、道路や路面にベンチの設置など、道路を使った様々な取り組みを指す言葉です。三軒茶屋のまちの課題である、「滞在性の向上」を目指し、区では「三茶のミライ」という基本計画を策定しており、くつろぎの空間が育まれるまちの実現を図る取り組みとして、人工芝や椅子等を設置し、路上でくつろいでいただく、茶沢通りを利用した社会実験「三茶ストリートテラス」などを実施してきました。こうした取り組みをしてきた結果、さらにアイデアを出していただき、地域の憩いの場として質を高めていくストリートファニチャーデザインについて、コンペにより作品募集を行いました。8月から作品を募集し、33作品の応募をいただきました。1次審査を通過した7作品の公開審査を、12月21日(土曜日)に三軒茶屋キャロットタワー25階のスカイキャロットにて行う予定です。ここからどう絞られていくか、審査の様子を公開します。地元商店街の理事長や学識経験者の方、都市デザインについて専門的識見をお持ちの方に審査していただき、提案者がプレゼンテーションをして、優秀3作品を選出していきます。副賞として、最優秀賞はせたがやPayポイントを50,000ポイント、優秀賞は30,000ポイント、佳作には20,000ポイントが付与されます。
次に、区の空家等対策についてです。
これまで、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき取組みを進めてきました。累計で、著しく管理不全な状態と認められる空家13棟について、法に規定する「特定空家等」と判断しています。民法で定める財産管理制度の仕組みを活用したものや、法的手続きを重ねた結果、所有者が自ら解体したもの等、11棟は解消済みで、現在は2棟が対応継続中です。解消した中には、所有者が結局判然としなかった空家を解体するという、全国でも珍しい事例もありました。
令和5年の法改正により、そのまま放置すれば特定空家等に該当する恐れがある空家等に対して「管理不全空家等」という新たな規定が追加されました。区ではこれまでに、25棟を管理不全空家等と判断し、10棟はすでに所有者により措置が講じられ解消に至っています。現在、対応継続中である15棟についても、半数以上が所有者による解消に向けて動き始めているなど、所有者による対応が進み、法改正による一定の効果がうかがえます。
今回、空家になる前から所有者を支援し、空家の発生を抑止していく取組みとして「せたがや”家”の終活」というガイドブックを発行しました。空家が放置され、いわゆる特定空家等となって荒れ果ててしまわないように、どうすれば家じまいができるのかといったことを紹介しています。また、所有者自身の情報を整理するためのワークブック「本格終活シート」も用意しています。これに記入していただくことで、相続やその手続きなどを踏まえて家じまいができる実用的なものです。家の終活は、決断に迷ったり専門知識が必要だったりと、簡単には作業が進まないかもしれません。今回のガイドブックでは、具体的なエピソードを盛り込み、読みやすくしたうえで、相談窓口や専門団体へ相談しながら作業するようなつくりとしました。令和6年11月に発行したところ好評で、多くのお問い合わせをいただき、想定を上回る配布数となっています。高齢者に関する相談をお受けしている「あんしんすこやかセンター」での講座や、区内金融機関による終活セミナーで配布されるなど活用いただいており、ニーズを持つ方に、実用的に使っていただきたいと考えています。
そういった取組みの1つとして、12月22日(日曜日)に「日々の片づけ、家の終活に通ずる“年末超掃除フェス in SETAGAYA」を開催します。区の職員がサポートしながら、ガイドブックの使い方や本格終活シートの書き方を学べる相談ブースを出展し、収納王子コジマジック氏やWebメディア編集長によるトークショー、子どもから大人まで楽しく整理収納のコツが学べるワークショップが行われるほか、空き家の管理や家財整理、相続や資産について相談できるブースも設けられます。
ご両親が亡くなられるなど、残った家についてどうすればと悩んでいる方は多くいらっしゃるので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。私からは以上です。
政策経営部 広報広聴課
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