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最終更新日 2024年8月2日
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令和6年度3回目の記者会見を始めます。
最初に、防災カタログギフトについてお話しします。区では在宅避難の一助として、また、ご家庭で在宅避難の準備を話し合うきっかけにしていただくため、一人3,000円相当の防災用品が選べるカタログギフトを配付します。選べるギフトには、例えば、懐中電灯やラジオといった避難生活用品、家具転倒防止器具やガラス飛散防止シートなどの予防用品など、約100点を用意しています。対象は、令和6年5月1日時点で区内に住民登録のある方で、世帯主の方あてに、まとめてカタログギフトを配付します。在宅避難に関する物品が一人あたり3,000円相当で全てそろうわけではありませんが、このカタログギフトをご覧いただきながら、こういったものも必要だなと考えて追加で購入いただくなど、備えていくきっかけにもしていただきたいと思います。申し込み期限はカタログの到着から令和6年11月30日まで、商品の発送は令和6年11月1日から令和7年3月31日までです。
大震災発生時には、区立小・中学校など95か所が避難所になりますが、人口約92万人が住む世田谷区では、皆さんに避難所でお過ごしいただくことはなかなか困難なため、在宅避難を推奨していきたいと思います。
次に、第45回せたがやふるさと区民まつりについてです。
いよいよ、8月3日(土曜日)、4日(日曜日)の両日午前11時から午後9時の時間で、8年ぶりにJRA馬事公苑、けやき広場、東京農業大学「食と農」の博物館を会場として開催します。もともと馬事公苑で開催していましたが、馬事公苑がオリンピックに向けた改修及びオリンピック開催後の観客席撤去等の整備工事をしていた期間は、区役所周辺に会場を移して継続してきました。
催しのご紹介として、まず、世田谷通りから馬事公苑の間のけやき広場では「ふるさと物産展」が行われます。ふるさと区民まつりの特徴である、区と交流関係のある自治体の自慢の特産品、名産品などが並ぶ物産展です。区は、北海道から沖縄まで多くの自治体と関係を持っていて、それぞれの自治体に出展いただきアピールしていただく場となっています。
また、「みこし連合行進と太鼓の響演」、「子ども神輿と子ども山車」、玉川地域の皆さんの協力による盆踊りをはじめ、よさこい、阿波踊り、サンバのステージ「せたがやまつりざん舞」、打ち水なども8年ぶりに復活します。
また、まつりフィナーレとして、シシド・カフカさんが主宰する、el tempo(エル・テンポ)のコンサートをご用意しています。メインとなる芝生の「はらっぱステージ」にて、野外での気持ち良いコンサートも久しぶりに再開されます。
次に、特別区長会調査研究機構における調査研究の実施報告についてです。
7月4日(木曜日)に、特別区長会調査研究機構の第4回調査研究報告会が開催されました。区が提案した研究テーマ「特別区における女性を取り巻く状況と自治体支援の方策」の報告も行われ、私も参加しました。
区が提案したこのテーマは、令和5年度の基本構想に基づく基本計画の審議会を行う中で、高齢者の一人暮らしの問題や子育て支援などが自治体のテーマに挙がることが多いけれども、女性の孤立、特に若年女性の孤立については捉えられていないのではないかというお話がありました。そこで今回の研究テーマを提案し、文京区、豊島区、荒川区との共同で、Webアンケートやインタビュー調査に取り組んできました。調査報告書の中身を一部ご紹介すると、女性が直面する「生きづらさ」は、配偶者の有無と就業形態によってかなり異なっており、やはり、無職や非正規雇用の女性の「生きづらさ」は、より低くなっていることが分かりました。今回の研究は、東京都立大学の江原由美子名誉教授、杉田真衣准教授、お茶の水女子大学の脇田彩助教の3人の先生を中心に行われ、都市部の若年女性の働き方等の違いを踏まえながら、多くの件数を調査したという意味で、ぜひ注目していただきたいと思います。令和6年4月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援新法)」が施行されたことを受け、区では現在、「困難な問題を抱える女性への支援あり方検討会」を設置し、基本方針や政策内容について、検討を進めているところです。今回の調査結果も、今後の女性支援策に活かしていきたいと思っています。
次に、令和6年度「自治体間連携フォーラム」についてです。今回は、北海道の中川町で開催されました。中川町は、区内の下高井戸商店街との交流を媒介に日本大学文理学部とも交流されています。また、今回のフォーラムには、山形県舟形町、新潟県十日町市、北海道白老町、群馬県川場村、長野県豊岡村なども参加されました。フォーラムでは、十日町市の関口市長より、十日町市松代(まつだい)での棚田の再生ということで、「チーム用賀」という地域コミュニティによる援農ボランティアから発展し、世田谷区用賀に縁のある人達が耕作放棄地を耕して棚田の再生に取り組んでいるという報告がされました。地方の良さを活かし、都市部の、農業や自然に触れて暮らしを変えたい若者たちとの交流についての可能性も様々お話ししました。また、災害時には、お互い遠方ですが、手を組んで力を合わせていくことも重要で、区では30を超える自治体と交流しています。
次に、総合教育会議についてです。今回は、「これからのせたがやの学びについて」をテーマとし、新しい学びの多様性や教育改革をテーマに議論しました。
第1部では、国士舘大学の村上純一教授より基調講演をいただいた後、「魅力ある学校づくり研究校での事例」、「日本語を母語としない児童生徒の支援事例」の発表が行われ、第2部では、第1部の内容を踏まえた議論が行われました。
日本語を母語としない児童生徒の支援では、中国から日本語を十分に話すことができない生徒が中学校に行く際に、中国人留学生が、横でコミュニケーションのサポートをすることで学校に慣れてもらうといった実例が話されました。
魅力ある学校づくりの研究では、若林小学校での取組みで、子どもたちの夢を実現しようということで、若林特産のお饅頭を開発しようとか様々な夢を大人たちと協働していたり、近くの国士館大学で子どもたちがミュージカルを上演するといったことを報告してくれました。
総合教育会議では、学びの多様性ということで具体的に現場の声を受けながら議論をすることができました。
次に、ふるさと納税についてです。
前回の記者会見で、ふるさと納税における流出額の速報値が約109億円と申し上げましたが、最新の報告で、約110億7,000万円となりました。現在、総務省による、ふるさと納税におけるポイント還元を制限するという方針を巡り、賛否の議論がなされています。そもそもふるさと納税は、10万円寄附した場合には9万8,000円分が控除され、その上で返礼品を受け取ることができます。さらに、その寄附に伴うポイント付与が乗るか乗らないか、乗った方がお得ということはあるでしょうが、ポイントが乗らないからといって、ふるさと納税の流出が止まるのかというとそうではないと思います。また、寄附に伴うポイント還元は、ポータルサイト等の利用シェアを拡大する手法の一つであると思いますが、3割、4割もの高還元を長期的に継続することはできないと思いますし、ある程度シェアを取った段階で下げていくのではないかと思われ、この議論は、ふるさと納税の本質的な問題ではないと思います。
ふるさと納税は、富の再配分が機能していないという税制として不完全なところがあります。税には、高所得者が多く納税し、その税金で何らかの事情で困難を抱えている人々をサポートする、社会をフラット化する役割があります。ところが、ふるさと納税では高額納税者の方、納税額が多ければ多いほど、より多くの返礼品をもらうことができてしまいます。税のあり方として、所得に応じた控除額が青天井でいいのでしょうか。もちろん、色々なアイディアを駆使した返礼品の開発や第一次産業の生産物を楽しんでいただく取組みは随分普及しています。そうしたことも踏まえて、所得に応じた控除額の上限を設定するなど、ふるさと納税の仕組みを変えれば、区の約110億円という流出額は大きく減少するはずです。なぜ上限を設けないのか分かりません。様々な地元の名産・特産の返礼品を500万円分、1,000万円分と幾らでも利用できてしまうと、税の逆進性が大きくなります。裕福な方は利益を拡大していく一方、生活が厳しい非課税世帯ではふるさと納税をすることはできません。そういう意味で、上限を設定してはどうかと言いたいと思います。
また、ふるさと納税が初めて1兆円を超えたと言われています。寄附総額が1兆円を超えると仲介サイトの課金額も推定1,000億になるのかと思います。その1,000億がどこでどう使われているのかが、はっきりわかりません。世田谷区で言えば、流出額110億円のうち、11億円です。仲介サイトの課金額が一体、何にどう使われているのか。市場社会ですと、杯が大きくなればなるほど、値段は下がるというのが通常ですが、この仲介サイトに関しては、パーセンテージが上がっていく傾向にある。総務省は、このふるさと納税制度をポイント云々のところしか見ないのか。ふるさと納税の流出額について、国は地方交付税不交付団体に対して4分の3を補填しています。身近なところで言うと、横浜市は交付団体のため、4分の3を補填額として交付されています。隣の川崎市は、不交付団体のため、補填額の交付はありません。圧倒的に交付されているところが多いです。そうすると高級ワイン4本と高級なビーフステーキ4枚を購入する、そのうちワイン3本とステーキ3枚については国で持ちますから、どうぞ食べてくださいということだ。そんな税制って一体あるのだろうか。しかも補填の累積額がすでに3,600億円を超えたということで、ふるさと納税額が1兆円から、さらに1兆5,000億円に向かっていくと、補填額も5,000億円に向かっていくこととなる。そのような中で、地方の創生なり、人口集中の是正はできるのだろうかというのは本当に疑問に思います。
最後に、ふるさと納税は、自分を生んで育ててくれたふるさとに対しての気持ちを届けるというふうに言われています。世田谷区にも、世田谷で生まれ育った子が多い。しかし、世田谷区民は、世田谷区内のスイーツやお食事券といったものを返礼品として受け取ることはできません。要するに、世田谷区民は世田谷区にふるさと納税することはできるけれど、返礼品はもらうことができないという決まりになっています。それもおかしいのではないかという気がします。そこを撤廃したらどうだろうか。また、不交付団体と交付団体の差は本当にわずかであり、そんなに気前よく不交付団体へ4分の3を補填するのなら、世田谷区にも補填してもらえればと思う。流出額110億円の75%が補填されるため、流出額は相当減ってきます。このような根本的な問題にメスを入れないまま、この制度がどんどん膨張していることに大変危機感を覚えていますので、特別区長会等でも、さらに提言をしていきたいと思います。
世田谷区民会館の愛称を募集いたします。新たな文化芸術の拠点として、世田谷区民会館が地域の皆さんに親しんでいただけるようにリニューアルオープンしました。明るくて席も広く、大変音響も良くてリハーサルスタジオなどもあり使いやすい。定員が約900人で、音楽などを発信する場として地域及び東京のホールとして親しんでいただきたいと思っていますので、長く愛されるような愛称を、広く一般に呼びかけて募集します。募集期間は9月1日から12月15日までで、決定した愛称は、令和7年3月16日に開催するオープニングイベント、世田谷ジュニアオーケストラ特別演奏会の冒頭で発表します。
2つ目は世田谷区民会館の杮落としのイベントについてです。6つの企画を準備しており、8月11日の杮落し公演を皮切りとして、令和7年3月までの間に、世田谷ミュージックフェス、宮川彬良氏による世田谷音楽研究所特別編、また、東京フィルハーモニー交響楽団にイタリアから指揮者の方を招いてのクラシックコンサートなど、様々な企画をお届けしていく予定です。また9月1日からは一般開放も始まりますので、区民の方に積極的に使っていただきたいと思います。
3つ目は世田谷区民会館見学会についてです。すでに1回目を7月15日に開催したところですが、100人近い方が参加し、リニューアルした区民会館ホールを見ていただきました。第2回・第3回の見学会は7月28日・8月22日に予定していまして、見学会の様子は区のホームページでも公開する予定です。
生活習慣病の早期発見予防に繋がる健康づくりを支援することを目的に健康ポイント事業を実施しています。対象は、国民健康保険に加入している40歳から74歳の方です。日々のウォーキングや特定健診の受診など、健康づくりに取り組んで区に報告いただくと、抽選で1口3,000円相当のせたがやPayポイントが当たります。申込は8月30日までで、先着300名、オンラインでの申込が必要です。参加費は無料で、申込から報告までスマートフォンで手続きしていただけます。
「せたがやホッと子どもサポート」、通称「せたホッと」は開設して11年になります。子どもの人権を擁護し、救済を図るため、第三者機関として区と教育委員会が共同で、このせたホッとを運営をしています。つい先日、このせたホットの報告会がございました。せたホッとの大きな特徴は新規の相談件数で、相談300件のうち、67%の203件が子ども自身からの相談でした。相談を受けて、せたホッとでは例えばいじめとか、なかなか学校に、行けないでいるということで解決が必要だと判断した場合は、せたホッとの子ども人権擁護委員と専門調査員が、2人ないし3人で、学校に出向きます。そして学校の先生、校長先生、担任の先生と相談しながら、どこでどうしたらいじめや暴力、からかいというものがなくなっていくのだろうかと解決策を探していくのがせたホッとの仕事です。
今の子どもたちは、はがきをあまり見たことがないと思いますが、驚いたことに、一番多い相談がはがきによるものです。はがきを開けると相談内容が書けるようになっていて、個人情報保護シールを貼って投函する。これだけですが、メールや電話を抜いて、相談方法ではこのはがきが1位でした。スマートフォンを持っていない小学校1年生・2年生には、はがきにちょっと書いて、こんなことがあったということを届けてくれるのは大変効果的であったようです。また、令和5年度の総活動件数として、子どもからの相談を受けた、学校に連絡した、学校に行き保護者と話したことなどを1回1回数えて3,200件ほどとなっています。擁護委員3人、調査員5人が子どもの声を受けています。せたホッとで特徴的なのは、世田谷区の小学生に、せたホットを知っているか聞くと、大体知っているとこたえてくれます。発足当時の小学校6年生が作った「なちゅ」というキャラクターと、「せたホッと」という名前が相当浸透していて、周知用カードの配布などにもより、何かあったら「せたホッと」ということが11年で大分浸透してきました。また、あちこちで子どもオンブズパーソンの活動を広げていこうという動きがあります。先日開催されたシンポジウムで小金井市と西東京市の活動に携わっている方々が参加し、こういった機関の重要性についてお話しいただきました。また、いじめ等が起きた学校、或いはいろんな声が上がった学校で、いじめの授業をしています。せたホッと代表委員の方が、いじめはどうしていけないのか、いじめにはどうしたらいいのかという授業をしており、回数も重ねています。区では、そのような取り組みを11年続けてきたということを申し上げ、私からの発表を終わります。
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