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最終更新日 2024年7月9日
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今年度2回目の記者会見を始めます。
まず、明るいニュースを紹介します。6月20日(木曜日)に、将棋の第9期叡王戦で伊藤匠(いとうたくみ)七段が藤井聡太(ふじいそうた)叡王を破り、初タイトルを手にされたことで、6月27日(木曜日)に表敬訪問にいらしていただきました。
伊藤匠新叡王は世田谷区出身で、幼少期から宮田利男(みやたとしお)八段の指導を受け、三軒茶屋将棋倶楽部で将棋の腕を磨かれました。区立弦巻小学校、弦巻中学校の出身でもあり、小学生の頃から頭角を現したとお聞きしました。令和5年度に藤井八冠に挑んだ竜王戦、棋王戦ではいずれも敗北を期していましたが、今回3度目の挑戦で初戴冠を果たされた姿は、とても素晴らしかったです。
本日の訪問では、指導にあたられた宮田利男八段とともにいらっしゃり、様々なエピソードをお話しいただきました。藤井八冠と同年代で、小学生の時には、当時の伊藤さんに負けた藤井さんが号泣したというエピソードも報道されていますが、伊藤新叡王のこれからの活躍が本当に楽しみです。世田谷区に生まれ育ち、区内の将棋大会などに参加いただいたことも振り返られて、そういう機会について一緒に考えていきましょうというようなお話もしました。これからの活躍に期待しています。
次に、耳で聴くハザードマップの運用開始について紹介します。
6月1日(土曜日)より、視覚障害のある方やロービジョンの皆さんに、水害リスクなどの情報を確認していただくため、耳で聴くハザードマップによる情報発信の運用を開始しました。
耳で聴くハザードマップとは、音声コード読み取りアプリ「Uni-Voice Blind(ユニボイスブラインド)」に実装されている防災コンテンツで、現在地とその周辺の災害リスク情報をすべて音声で読み上げていくものです。
簡単な操作手順を説明します。まずはお手持ちのスマートフォン等で「ユニボイスブラインド」アプリをダウンロードしていただき、画面上部の赤い現在地アイコンをタップし、次の画面でハザードマップボタンをタップします。ハザードマップ画面が表示され、GPS機能により現在地の洪水や土砂災害のリスク、最寄りの避難所などの情報が読み上げられます。また、区独自の機能として、「世田谷区防災ポータル」で発信される避難情報及び避難所情報を、「ユニボイスブラインド」アプリでもご確認いただくことができます。加えて、区が発行している「洪水・内水氾濫ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」に掲載している情報収集や避難行動などについても音声でお聞きいただけます。災害時に備え、事前にご確認いただければと思います。
関連して、令和6年4月から、視覚障害のある方々のデジタルデバイド解消等により日常生活や社会生活の充実を図るため、スマホ相談会を月に1度実施しています。視覚障害当事者が講師を務める相談会で、全国的にも珍しい取り組みです。電話やメール、アプリなどの基本操作を、個別形式で相談することができます。「耳で聴くハザードマップ」の操作についても相談できますので、活用していただきたいと思います。
次に、世田谷deボッチャについてです。
区は、東京2020大会を契機にパラスポーツを通した共生社会実現の取組みの一つとして、年齢や障害の有無に関わらず誰もが楽しめるボッチャの普及・啓発に積極的に取り組んできました。ボッチャは、車椅子の方や障害のある方、小さなお子さん、高齢の方でも一緒に行うことができ、壁を超えていくことのできるスポーツだと思います。毎年申し込みが増えており、区内でもボッチャの広がりを見せています。その一方で、定期的に活動ができる場や初心者が気軽に体験することができる場所が足りないという課題もありました。こうしたことから、令和6年6月より、新たに「世田谷deボッチャ」をスタートしました。ボッチャの場の拡充と利用者同士の交流を目的に、希望丘地域体育館を開放し、ボッチャの練習や初心者向けの体験を実施しています。毎週火曜日(第3週除く)にフリー練習、参加者同士の交流試合、日本ボッチャ協会の講師による講習会や会場で練習している選手との交流、地域のボッチャ団体による初心者向けレクチャーなどを行います。第1回目では、皆さんボッチャに熱中し、笑い声と歓声が絶えない楽しいひとときを過ごしていました。
次に、自治体間連携フォーラムについてです。
自治体間連携フォーラムは、都市部にある世田谷区が、全国の地方や都市と繋がり、実際に交流を重ねていく取組みです。コロナ禍ではオンライン開催でしたが、実際の交流を再開しています。今回は、北海道中川町にて、7月9日(火曜日)開催予定です。このフォーラムは、地方と都市部の参加自治体の連携交流を目指して、それぞれの課題・問題意識を意見交換する場として、平成27年より実施してきました。災害時の協力協定の締結や自然エネルギーの活用を基軸とした電力連携などにつながっています。
今年度のテーマは、「地域特性を活かした交流拠点による地域づくり」です。地域の交流拠点をきっかけに、新しいアイディアがうまれ、課題解決につながることもあります。今年の開催場所である北海道中川町は、区内の下高井戸商店街の中に、「ナカガワのナカガワ」というアンテナショップを運営されています。そして、日本大学文理学部との協働により、学生食堂で中川町の食材を使用する取り組みもしています。このように自治体間で交流を重ねていまして、今回のフォーラムの様子は、一般の方もウェブでご覧いただけます。事前申込の締切は6月30日(日曜日)となっております。
また、6月26日(水曜日)には、自治体間連携フォーラムの分科会から生まれた「自然エネルギー活用による自治体間ネットワーク会議」を開催しました。地方で自然エネルギーによる発電を行い、それを区で買い入れるという取組みを全国に広げようという趣旨で毎年開催しています。4自治体、5つの団体・民間事業者が参加し意見交換しましたが、ウェビナーでは、北海道から九州地方の62自治体に参加いただきました。自治体間の連携は、フォーラムを核としながら様々に広がっていることをお伝えしたいと思います。
次に、手づくりの渡し舟で多摩川を渡る「宇奈根の渡し」を紹介します。今年で11年目を迎え、5月19日(日曜日)に、天候にも恵まれて開催されました。
この渡し舟を復活させるイベントは児童館で発案されたものですが、昔は実際に、川崎市の宇奈根と世田谷区の宇奈根、同じ地名で、両方の宇奈根を行き来する渡し舟がありました。当時、その渡し舟を漕いでいた方が、子どもたちのために手づくりで舟を作り、漕ぎ方を教えていただいて11年前に始まったのが「宇奈根の渡し」です。オープニングでは、私も乗舟して川崎市の来賓の皆さんをお迎えにあがりました。当日は、約90名の子どもたちが渡し舟での遊覧を楽しみました。約7メートルもある舟を動かすのは、子ども実行委員と、後方にいる地域の大人の船頭です。水の事故がないよう、ボランティアの方々にご協力をいただきながら、子どもたちが頑張って漕いでいました。今年は、舟の乗船だけではなく、地域の方々や、中高生世代、青少年交流センターによる、ゲームや体験、軽食などの陸上コーナーも大変盛り上がっていました。子どもたちからは、「来年も乗りたい!」「舟を操る船頭さんになってお客さんを楽しませたい!」などの声が出ていました。さて、この「宇奈根の渡し」は、児童館の子どもたちがたまたま多摩川沿いを大田区の方まで一緒に歩いていった際、渡し舟に関する碑を見つけたところから始まり、「世田谷区子ども夢プロジェクト」により花咲いた企画であることも紹介しておきたいと思います。
次に、上用賀アートホールリニューアルオープンイベントの実施についてです。
平成6年の開設から30年目を迎え、音楽や演劇など、様々な文化的な活動の場として皆さんに利用いただいてきた上用賀アートホールですが、前回の記者会見において、設備の老朽化などにより、改修工事を実施したことをご報告しました。4月にリニューアル工事が終わり、5月26日(日曜日)に開催されたオープニングイベントでは、地元の皆さんの合唱や用賀地区にある学校の生徒による吹奏楽の演奏などが行われました。今回の改修により、照明機材やダンス練習ができるミラー、ドラムセット、ギターアンプ・ベースアンプなどを利用団体等の声を伺いながら導入しましたので、大いに活用していただきたいと考えています。
まず、ふるさと納税についてです。
すでに報道もされていますが、区のふるさと納税の令和6年度における流出額が、速報値で109億5,277万8,000円となっています。流出額は年々増加し続けていて、令和5年度は約99億円でした。数年前から流出が大きく増加しており、今年は増加が緩やかになりましたが、それでも約110億円というとても大きな金額です。
一方で、寄附をいただいたのは、令和5年度に約3億3,260万となり、流出額とは大きな開きがありますが、一定の広がりを見せています。令和4年度と比べて約4,680万円の増となっており、95%あまりを占めているのが、個人からの寄附のいわゆる「ふるさと納税」で、約3億1,651万円、返礼品を拡充した成果により、区外からの寄附金額が令和4年度の倍以上になりました。
また、区は、返礼品の取組みを始める以前から、児童養護施設等を出所した若者たちへの支援や医療的ケア児への支援といった社会貢献、地域支援型の寄附を呼びかけており、こちらも多くの寄附をいただいています。児童養護施設退所者等奨学・自立支援基金については、累積で2億8,000万円を超える支援をいただいています。
今回、ふるさと納税の新たな取組みとして「等々力渓谷プロジェクト~みんなで育む緑と水~」を紹介します。等々力渓谷は、武蔵野台地の南端を谷沢川が浸食してできた、長さ約1キロメートルほどの、東京23区唯一の渓谷で、国内にとどまらず、多くのインバウンドツーリズムの姿も見られるようになっています。令和4年7月、渓谷内でシラカシの大木が倒木しました。幸い人への被害はありませんでしたが、樹木医の方に調べていただいたところ、樹木の伝染病である「ナラ枯れ」の影響であると分かりました。通行止めし、安全を確保した上で、渓谷内の樹木約700本を調査したところ、約50本が剪定や伐採等の対処が必要であることが判明しました。渓谷内には、重機や車両が入れないため、ロープを使って木に登りながら伐採するといった、技術を持った人による作業が必要で時間を要することから、本日6月27日(木曜日)時点でも通行止めは続いていますが、令和7年度中の通行止め解除に向けて作業を進めています。専門家によると、ナラ枯れだけではなく表土の流出や根上がりも発生しており、樹木の生育環境の改善にも取り組む必要があり、区民の皆さんに参加してもらいながら、渓谷の自然の回復に取り組んでいきたいと思っています。
その中で、豊かな自然を守ってほしいという皆さんの声と、皆で自然環境を育んでいこうということで、ふるさと納税の制度を利用し、本日から令和7年12月31日まで、2,000万円を目標として「等々力渓谷プロジェクト」を開始します。今回、区内外から寄附を呼びかけていこうと考えており、区外の方からの寄附については、スイーツや世田谷Payのふるさとポイントなどの返礼品を選んでいただけただけますが、ふるさと納税の仕組み上、区民の方には返礼品をお渡しすることができません。そこで、区外の方はもちろん、区民の方にも、5万円以上寄附していただいた場合のお礼としてご用意した、本プロジェクトオリジナルの品である「インセクトハウス」を紹介します。豊かな生態系を育む昆虫のための小さな三角の家で、伐採木を使い、手作りしており、ハウス内に積まれた小木に虫が入ることができる穴があります。インセクトハウスは、溪谷に設置することで自然の再生を願う取組みで、時間の経過とともに朽ちて土に戻っていくものでもあります。希望があれば名前をつけていただくことも可能です。伐採木を再利用することや製作期間、経年劣化を考慮して先着250名とし、令和7年4月頃から令和9年3月末までの約2年間の設置を予定しています。
また、等々力渓谷プロジェクトのPRとして、プレートに皆さんの気持ちを自由に書いていただき、伐採材を再利用した掲示板に貼っていく取り組みも同時に行います。そこで、「渓谷の再生を願って」「新しい等々力渓谷待っててね」といった皆さんの思いを書いていただく「等々力渓谷に思いを乗せて」については、令和6年10月から令和9年3月末頃まで設置することで予定しています。メッセージの掲示は無料です。掲示板は、伐採木から製作するので枚数に限りがありますが、状況によって適宜増やしていこうと思っています。二子玉川分庁舎にある公園緑地課をはじめ、等々力渓谷の最寄りの窓口である玉川総合支所の等々力まちづくりセンターや、等々力渓谷公園内の日本庭園書院でも受け付けています。ぜひ参加をお願いします。
次に、子どものアイディア、子ども主体の活動応援ということで、「せたがや子どもFun!Fan!ファンディング」という取組みの開始について紹介します。
子どもの権利条約に基づいて、子どもたちの声を聞くということをしてきましたが、子どもたちからは「僕たちがいろいろ意見を言っても何か変わるのかな、何か実現するのかな」という声もありました。その、子どもたちのやりたいこと、挑戦したいことを、子どもたちが審査する公開審査で採択して、子ども基金で応援します。「わくわく」を子どもと地域の大人が体験することで子どもたちの夢が実現するという、そんな取り組みをしたいと思います。対象となる団体は、区内在住・在学・在勤の小学校1年生以上18歳以下の子どもたちの5人以上のグループで、複数世帯でメンバーを構成していること、また18歳以上の大人が2名参加していることが条件です。対象となる活動は、子どものアイディアで、子どもが主体であること、仲間や地域の人たちと一緒に取り組み、区内で実現する活動です。補助金額はひとつの団体へ20万円以内としています。公開審査会は7月28日(日曜日)の午後1時30分から、うめとぴあで行います。子どもたちの団体が3分間でプレゼンし、自分たちのやりたい活動を公開で、審査員となる子どもや若者、大人に対してアピールしていただきます。公開審査会において、補助する団体を決定します。
また、子ども審査員についても募集しています。子どもが主体となる活動にお金を出して応援するかどうかを、同世代の目で審査していただきます。子ども基金の寄附者の意向を踏まえて募集人数は6名とし、多数の場合は、抽選になります。区内に在住・在学・在勤している小学校5年生から18歳以下の方が対象で、報酬は1回あたり2,000円です。スケジュールとしまして、子ども審査員の応募締め切りが6月28日(金曜日)、子ども団体の応募締め切りが7月12日(金曜日)、そして7月28日(日曜日)に公開審査会を開催します。活動期間は8月中旬から来年の1月までで、令和7年5月頃に活動発表会を予定しています。
最後に災害時医療における地域広帯域移動無線アクセス、地域BWAの導入についてです。発災時において区は、うめとぴあにある保健医療福祉総合プラザに医療救援本部を設置し、医療救援活動の統括や調整を、区内の医療機関や医療団体とともに行います。
現状の医療関係団体との通信手段は、MCA無線とインターネットにおける一般の通信回線の活用のみです。今回導入する地域広帯域移動無線アクセス、通称地域BWAは、一般の通信回線とは異なる周波数帯の電波を使うもので、災害時に既存の通信手段が途絶してしまった場合にも、インターネットに接続することが可能となります。これにより、医療現場における情報通信手段の強化を図ります。
災害時には、傷病者の負傷の程度により各医療現場で手当等を受けることになりますが、このとき、災害時に緊密な連絡が必要となるそれぞれの現場に、この緊急医療救護所や災害拠点病院、災害拠点連携病院、災害医療支援病院、そして、うめとぴあにある医療救護本部、医師会など4医師会事務局にBWAのモバイルルーターとスマートフォンを配置します。
地域BWAの活用想定としまして、災害発生時に医療機関の稼動状況や被害状況、患者搬送の調整や支援要請等の入力・確認を行うシステムであるEMISを、地域BWAの安定したインターネット回線を活用することで、一般の回線が使用できない場合でも、システムに入力することが可能になります。また、スマートフォンを配置することで、通信アプリを活用し、医療本部と医療機関で連絡を取ることがスムーズになりますので、平常時には、通信・連絡調整訓練などでも活用していきます。
政策経営部 広報広聴課
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