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最終更新日 2024年11月26日

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区長記者会見(令和6年11月18日)

令和6年11月18日(月曜日)、保坂展人(ほさかのぶと)区長が記者会見を行いました。

動画はこちらからご覧になれます。

会見で使用したスライド資料は、こちらをご覧ください。(PDF:5,669KB)

 

令和6年11月18日区長定例記者会見
記者会見の様子

区長あいさつ

令和6年度第6回記者会見を始めます。

まず、区の組織改革組織運営についてです。区長就任以来、組織を「縦割りから横つなぎへ」、所管や領域を超えた「マッチング」を掲げてきました。この間の社会状況として、気候危機の激甚化や新型コロナウイルスをはじめとした感染症との戦いがあり、世界に目を向ければ、民族・宗教を超えた大きな紛争や戦争など大きな変化が起きています。

区も少子化社会の影響を強く受けています。区職員はここ10数年で団塊の世代と言われるベテラン職員が退職し、平均年齢が若返り、比率として若い世代の職員が多い状態となっています。その中で、若い世代が挑戦できるような組織風土になっているかと考えると、まだ課題があります。採用から数年後に退職する職員も少し目立つようになりました。

そこで、組織の体制を変えていくため、「新たな行政経営の移行実現プラン」を策定し、自発的な企画提案や事業実施ができる組織体制の構築を目指して、提案型プロジェクトチームを作りました。前例にとらわれない様々な発想で進めていくため、現在9つのプロジェクトに32名の若手職員が参画して検討を進めるなどの努力を始めたところです。

次に、イベントのご紹介です。まず、国際交流として年1回開催されている「せたがや国際メッセ」について、今年度は成城ホールで開催を予定しています。続いて、区をホストエリアとするラグビーチーム「リコーブラックラムズ東京」の協力のもと、ラグビーに親しんでもらう「世田谷ラグビーフェスティバル」の開催を予定しています。

さて、昨日執行された兵庫県知事選挙について、大きな出来ごとであったため少し感じたことをコメントしたいと思います。斎藤前兵庫県知事が、稲村前尼崎市長との激戦を制して返り咲いたという劇的な結果でした。SNSや動画共有サイトでの拡散力が大きいと言われていますが、民意が示されているという点を受けとめた上で、選挙として課題が残ったのではないかという2点について述べたいと思います。1つはSNSや動画を通して、稲村氏が「兵庫県庁舎建替えに1,000億円かける」という言説が流れ、稲村氏ご本人は前々知事の計画であるという反論をされていましたが、圧倒的な情報量の中でそれが消されていったように感じました。私も令和5年の世田谷区長選挙にて、庁舎建替えを私が実施すると400億円かかるが、一方の候補者が実施すると0円で建て替えできると広く情報が拡散していました。その論拠となっているのは、渋谷区や豊島区のように、庁舎の敷地を民間事業者に長期賃貸借することで得たお金を活用して庁舎を建設することで、建て替え費用ゼロを実現できるというお話しでした。世田谷区役所が立地している場所は、いわゆる住宅地域であり、用途地域として高さ制限もあるため、高い建物を建てることができず、現実的には不可能であるという議論がありましたが、選挙期間中もYouTubeの広告で拡散が進み、街頭においても「やはり400億円かかるのですか。」というお尋ねを受けたりしました。今回の兵庫県知事選挙で話題となったことの一例に過ぎませんが、選挙期間中、メディアは公平な報道や偏らない報道をするということで、双方の言い分を検証することがなく、情報がいわばむき出しのSNSやYouTube動画だけになってしまいます。メディア或いは第三者機関がファクトチェックをして、情報を正すという役割が早急に求められるのではないかと思います。2つ目として、令和6年7月執行の東京都知事選挙では巨大な掲示板が話題になりました。立花氏が大量の立候補者を擁立し、あまり想定されなかった事態として掲示板を売り出すといったことがあり、大きな問題を残したと思います。今回の兵庫県知事選挙では、公職選挙法の想定していない事態として、当選を目指さない立候補者が、斎藤候補を応援し、稲村候補を批判するということを繰り返し、街頭演説を展開しました。報道によると、当選を目指さないということが、公平な選挙を目指していく公職選挙法の趣旨から、果たしてありなのかということを考えさせられるわけです。Aという候補者を応援するために、BないしはB・C・Dといった複数の候補者が立候補してAを応援する、またライバル候補者を批判するということが仮に許されるならば、資金がたくさんあり、物量投下する陣営が勝つこととなるのではないか。公職選挙法はそれをさせないためにできているわけで、早急な議論が必要ではないかと思います。公平な選挙を阻害し、いわば公職選挙法の趣旨を外れるような危険性についてはしっかりと議論し、対応策を見るべきではないかということを感じました。

さて、次に総合教育会議についてです。「子どもたち一人ひとりの個性を引き出す多様な学び」をテーマとして、総務省の地域力創造アドバイザーをはじめ、各自治体で活躍をされている船木成記氏より基調講演していただきました。その後、「多様な学びの実践例」を、学びの多様化学校(不登校特例校)分教室校長である世田谷中学校の前田浩校長先生、そして学校現場に精通する先生方に紹介していただきました。第二部では前半の内容を踏まえ、私と教育長、教育委員と船木氏を交えて議論しました。総合教育会議も年数を重ねてきましたが、自治体により実施していないこともありますが、区長が招集して、教育委員が公開の席でディスカッションするということで、区では、教育大綱の策定という大きな流れを踏まえて議論しています。

今回は、地域づくりの視点から学びの意味をとらえ直すということで、兵庫県尼崎市の事例なども踏まえつつ、船木氏より「学習する地域づくり」について、地域が変わるという時に学校教育そのものも変わっていく必要があるのではないかとお話しいただきました。また、学びの多様化学校(不登校特例校)分教室「ねいろ」にて、子どもたちが生き生きと学んで成長していく様子や、教育総合センターを使ったSTEAM教育講座、ハローキャリアワークなどについて、先生方から発表していただきました。

後半では、そうした内容を踏まえて意見交換を行いました。学校だけではなく、まちや商店に子どもたちが出て行くことで大きな成果や気づきがあるということを改めて理解することができました。子どもと大人がフラットな場で、共に学びや気づきを分かち合う、地域の中で成長していくことは重要であることを確認し合いました。総合教育会議は年2回実施していますが、次回もより活発な議論をしていきたいと思います。

次に、姉妹都市交流についてお話しします。2024年はオーストリア・ウィーン市・ドゥブリング区と姉妹都市提携40周年ということで、姉妹都市提携再確認調印式典を行いました。10月21日から26日まで、私と区議会議長、議員団でドゥブリング区を訪問し、ダニエル・レッシュ区長と直接お会いして姉妹都市としての絆を再確認しました。ドゥブリング区の副区長や区議会議員の皆さん、水内龍太在オーストリア日本国大使、そして、提携時から多大な貢献をいただいてきた前ドゥブリング区長のアドルフ・ティラー氏など多くの関係者に参加していただきました。

このウィーンへ、世田谷区の小学生が毎年訪問しています。今回は5年生16人、引率4人で、マリアレギーナという学校を訪問して交流している場所を訪れてきました。1992年から訪問は続いており、当日はベートーベンの喜びの歌を、世田谷とウィーンの子どもたちが一緒にドイツ語で合唱し、大変素晴らしい歌を聞くことができました。

次に、ドナウ川の洪水予防対策施設にも訪問しました。ドナウ川はヨーロッパを横切る大きな川ですが、令和6年9月に大規模な水害があった際にはどのように対応したのか伺ったところ、事前にアルミニウム製の大量の資材を備えておき、すでにコンクリートが敷設された堤防となる場所の地面に柱を立て、その間にアルミの板を入れ止水版とし、それを3.5キロメートルにわたって組み上げて水害を免れたそうです。ちなみに、これを実施したのは11年ぶりだそうです。世界遺産でもあるドナウ川の景観を守らなければいけないということで、日本のような大規模な堤防はないですが、消防団がこのように大量の資材を倉庫に保管して実施しているとのことで、同じ洪水対策、治水事業でも異なる手法を知り大変参考になりました。止水板自体は、日本のマンションや地下鉄の出入口に使用されているものと同素材で大型のものということでした。その他、インクルーシブ教育を行う学校にも訪問しました。姉妹都市提携から40年を経て、今後も交流を続けていきたいと思います。

次に、大学学長と区長との懇談会についてです。開始して10年となりますが、毎年11月に開催しており、今年は11月7日(木曜日)に実施しました。区内には、17の大学・学部があり、その中には、ユニークな学部を有している大学も多くあり、各大学の持つ強みや専門性、保有する資源などを相互に活かして連携を進めています。

今回のテーマは「持続可能な未来に向けた目指すべき姿について」でした。毎回、多くの学長・学部長に出席いただいており、今回は大学の活動報告だけでなく、今後の交流連携に関しての提案などについて議論しました。学長・学部長からは、大学が区、区教育委員会、学校と連携するプロジェクトは100を超えているが、このようなネットワークがあることを、大学関係者でも知らない人がいる。ましてや区民はほとんど知らないだろうということで、来年に向けて、この連携関係を可視化できないかという議論がありました。例えば、「世田谷大学フェス」というような合同イベントの実施、ふるさと納税により区内大学の講義が受講できるといった品が出せないか、単位の交換といったこともできないかなど、様々な積極的かつ挑戦的な意見が出ました。この年に一度の懇談会とは別に、事務局レベルでも年に三、四回、情報交換や協議をしていることも申し添えたいと思います。

発表項目

新たな産業活性化拠点(旧池尻中学校跡地施設活用事業)の開設について

以前に世田谷ものづくり学校があった、旧池尻中学校の跡地活用について発表できる段階となりました。現在改修が進んでおり、令和7年4月下旬の開設に向けて準備が進んでいます。

この施設は、地域特性を活かした賑わいをつなぐ場、多様な企業・人材が新たな価値を創造する場、職住近接のため多様な働き方の支援拠点、未来を担う子どもへの新たな学びを実践する場という4要素をまわしながら活かしていこうというコンセプトで準備を進めています。施設名称は、HOME/WORK VILLAGE(ホームワークビレッジ)で、商標登録出願中です。

以前の世田谷ものづくり学校では校庭や体育館を使用していませんでしたが、今回は隣接する池尻小学校の校庭と区切り芝生を植えるなどして活用するとともに、体育館も活用していきます。エントランスホールには、コーヒースタンドのあるブックラウンジが一体化して整備され、施設の顔となるような空間とします。

1階部分には、飲食・物販店舗が15区画程度入居します。カフェやビール醸造、アパレル関係の事業者が入居予定で、誰もが気軽に訪れて利用できるオープンな区画としていきます。「チャレンジショップ」区画では、1週間や1か月などの期間限定でスペースを提供し、本格的な開業前のトライアル販売等を通じて事業者の起業・創業を支援する区画となります。

2階部分には、既存産業の活性化支援、起業・創業支援の区画としたコワキーングスペースとなります。事業者の実験的な活動が行われることも想定しています。月極・日極など様々な形で提供するとともに、インキュベーションマネージャーを常設し、利用者の様々な相談ごとへの対応や、他の事業者との橋渡しも担うなどして事業者同士の交流・連携を促進していきます。

スクール部分では、未就学児から小学生を対象とした、いつでも利用できる常設の学びの場や、事前募集による連続講座形式のスクール事業を年間通して実施します。先端技術や様々な事業をつくりあげていく大人の熱気に触れることで、自分の将来について考える機会をつくるなど、子どもたちの起業家精神を養う事業を展開していきます。また、セミナールームは、店舗の開き方や企業のノウハウ、あるいは様々な事業における課題などを、講師を招いてお話ししていただくといった利用や、入居者全体の交流イベントなどの実施を予定しています。

3階部分には、スモールオフィス、いわゆる貸し事務所を15区画程度整備します。現在、環境関連事業やものづくり関連事業等、社会課題の解決に向けたソーシャルビジネスに取り組む事業者を中心に入居を予定しています。

今回の施設は、コワーキングスペースや学びの支援もあり、ものづくり学校の発展系でもあります。違いとしては、ものづくりに特化した形から全産業に場を広げたというところです。多様な価値観が渦巻く現代において、必要とされる仕事は多種多様となり、公共サービスもどんどん変容していく時代に、この場だからこそ生まれたという事業やビジネスが生まれていくことを期待しています。

「世田谷アート×カフェスタンプラリー」の実施について

区内を訪れた方々にまちをめぐっていただくことにより消費を喚起し、地域活性化を図ることを目的に、区内美術館と東急電鉄株式会社のご協力のもと、美術館と東急電鉄の駅、そして区内のカフェをめぐるスタンプラリーを実施します。令和6年11月29日(金曜日)から令和7年3月2日(日曜日)までです。

せたがやPayアプリのスタンプラリー機能を活用した、デジタルスタンプラリーによって行います。各スタンプスポットで2次元コードを読み取り、スタンプを獲得すると、期間終了後、抽選で最大10,000円相当のせたがやPayコインが当たります。スタンプスポットは区内美術館5館、各美術館の最寄り駅6駅、カフェ30店舗程度です。皆さまの参加をお待ちしています。

エシカルが身近に存在するまちを目指す取り組みについて

次に、エシカルが身近に存在するまち「世田谷」へとして、「せたがや まごころリレー」をスローガンに、サブタイトルを「人・社会・地球の未来を想う、エシカルなつながり」、愛称「せたまご」として取り組んでいく予定です。

「エシカル消費」の「エシカル」とは「倫理的」という意味で、人や社会、地球環境、地域の課題に配慮すること、また、それらの課題解決に取り組む事業者を応援する消費行動を行うことで、地球の未来のためにとても大切なことです。主な行動例としては、マイバッグやマイボトルの使用、地産地消、被災地支援などがありますが、「エシカル」という言葉で考えると、使われる機会が多い消費行動以外にも、幅広いものが該当します。

消費者である区民の皆さんが、日々の暮らしの中で「エシカル消費」を実践するためには、事業者の皆さんによるエシカルな商品やサービスの提供と、消費者と事業者を結ぶ各種団体による普及啓発活動が重要です。

「エシカルが身近に存在するまち」を目指す取組みに協賛いただける区内事業者、各種団体等の皆さんをパートナーとして募集し、その取り組みをホームページでご紹介するとともに、広報活動に活用できるグッズなどを提供して普及啓発へのご協力をお願いするものです。

令和7年度以降は、パートナーの皆さんの交流や連携、学びの場を目的としたカンファレンスの実施なども考えています。

区内の事業所や商店、NPOなどの各種団体、学校など、10月から幅広くパートナーを募集していますので、ぜひとも、「せたまご」にご協賛いただきたいと思います。世田谷区、事業者、消費者それぞれの役割を果たして、持続可能な地域を目指していきます。

質疑応答

  • 記者
    旧池尻中学校跡地の施設「HOME/WORK VILLAGE」について、旧池尻中学校の校庭は、隣接する池尻小学校の校庭として使用されてきた。その中で、施設の整備計画が判明して以降、池尻小学校PTA等から議会へ陳情書が出されるといった経緯もあったが、その後のPTAとのやりとりや、現在、当事者がどのような考えであるのか伺いたい。
  • 区長
    以前に旧池尻中学校跡地を「世田谷ものづくり学校」として整備した際、校庭は池尻小学校が使い、体育館も池尻小学校の第2体育館として使用していた。今回、新たな活用を検討する中で広場空間が必要だということになった。それによって池尻小学校の校庭が狭くなるということで、子どもたちからお手紙をいただき、PTAの方々からも反対の要望をいただいた。区では説明会等を通じてご理解いただけるよう努力してきた。
  • 経済産業部経済課長
    PTAの方々には、令和6年4月にも工事の進捗等を説明させていただいた。その際、校庭に関して特段のご意見はいただいておらず、ご理解いただけたと認識している。地域住民の方には9月に意見交換会を行った。こちらでも校庭や体育館の使用について否定的なご意見はいただいておらず、近隣住民の方々のご理解もいただけていると認識している。
  • 記者
    会見冒頭での行政組織に関して、中途退職する若手職員が目立つがゆえに、やりがいを感じられる仕事の進め方にしていきたいと話されていた。現状、民間や公的組織を問わず人材の流動化が進んでいる中で、行政の担い手が力をつけてきた段階で転職する状況は、他自治体でも対応を考えていく必要があると思うが、世田谷区として今回の取組みはその対策の1つと言えるか。
  • 区長
    広く見ると日本の社会は、1980年代頃まで戦後安定期が続いたと思う。様々な社会変化はあったが、区役所はそれぞれの部署が国の省庁の法律と繋がり、分業かつ縦割りで対応してきた。1990年代、そして2000年代、さらにコロナ禍に突入してからは、その分業では対応が難しくなったため、横断的な新組織を作り、一時的としても、寄り集まってミッションを分け、一緒に取り組むようなチームプレーが迫られたが、基本は現在も縦割りの文化が残っている。現在の若い世代の中には、キャリアデザインという意識を非常に強く持っている職員もいて、2年や3年といった一定の経験を経て、転職サイトなどに登録している職員もいると聞いている。民間も人手不足であるため、公務員としての一定の経験を評価して採用を求めており、若い世代の中には、この先同じ業務を区役所で担っていくよりも、民間の方が魅力的だと感じて転職する人たちが出てきているのが現状であり、このままいくとさらに流出が増えていくだろうと危惧している。世田谷区役所を、若い世代がやる気や挑戦心を思い切りぶつけられる、より魅力的な組織とするため、庁内横断的なプロジェクトを作って予算要求する仕組みなど様々な工夫をしているが、まだスタート段階であり、定着したとまでは言えない状況である。そのため、今の時代に合わせ、変容する課題にスピーディーに対応できる柔軟な組織を目指して世田谷区役所は変わっていく、その大事な人材として若い世代をとても頼りにしたいのだ、というメッセージも送っていきたい。
  • 記者
    発表冒頭での兵庫県知事選挙への発言について伺いたい。選挙期間中、新聞やテレビでの報道では各立候補者の主張を平等に取り上げており、SNSに流れるような、検証されずにむきだしの情報が有権者にとっての情報になってしまっているとの言及においてメディアのファクトチェックについて話されていたが、具体的な提言などがあれば伺いたい。
  • 区長
    日本の選挙において、都知事選挙での石丸伸二候補、衆議院議員選挙での国民民主党や今回の兵庫県知事選挙と、最近になって本格的なSNS時代が到来したと思う。ただ、動画共有サイトやSNSが大きな力を持ったというだけでなく、今回はファクトの問題が出てきている。例えば、全く身に覚えのないことを、ライバル候補者の支援者等により拡散されたときに、一般の有権者では、なかなか真偽の判断ができない。何が本当か分からなくなったという声を兵庫県の方々からも聞いている。このような状態では、どんな政策をピックアップして比較すればいいのかが難しい。その中で、例えば政策として1,000億円で庁舎を建設するという主張をしているかどうかは白黒つけられる。このようなファクトに関することであれば、メディアの中で論点として一定の水準になったときに、各候補者の主張を紹介し、それをチェックするという形で適切に報道しても良いのではないか。報道の公平性など制限もあると思うので、第三者機関での実施もあり得るかと思う。このようなチェック機関がないと、陣営同士の反論の応酬ばかりで何が正しいのか分からなくなってしまうと思う
  • 記者
    杉並区の岸本区長が先日の会見にて、同性パートナー関連について国に2点求めていきたいと言及されていた。1点目が、同性パートナーの方が、事実婚同様の給付サービスを受けられるよう、制度改正して欲しいということ。2点目が、住民票の続柄の表記を、より同性パートナーの関係を適切に反映した新たな表記の設定について検討を求めるということだが、賛同自治体と連携していきたいとコメントされていた。保坂区長としてはこれに賛同されるおつもりか。
  • 区長
    賛同している。先日の特別区長会の席で岸本区長から、総務省あてに共同で要請したい自治体があればとのお話しがあった。23区の一定の塊として要請を出せるのではないかと考えている。1点目について、中野区と世田谷区で続柄を夫(未届)、妻(未届)という事実婚同様の表記とすること、その続柄の表記に関する説明も表示するなど、様々な工夫をしながらスタートした。しかし、夫(未届)、妻(未届)という言葉自体、事実婚のカップルについても言えると思うが、同性パートナーシップの表記としてふさわしいのか。総務省としては、事実婚と同性パートナーを同一表記にすることで、事実婚と間違えやすく、実務上の支障が生じる恐れがあるという通知を出しており、住民基本台帳事務処理要領の中で表記を例示しているが、例示の中に同性パートナーに相当する同居者、縁故者ではない何らかの文言を総務省としても考える必要があるのではないか。令和6年3月26日に最高裁判所は、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律の扱いで、同性パートナーを「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者」に該当し得るという判断を示しており、いわゆる事実婚のカップルと同性カップルの間に差別を設けてはならないということで、すでに国の機関としても、このような差別を取り払うという検討を始めている。単に間違えやすいから駄目だと指摘するだけではなく、ではどうするのかということを検討してもいいのではないか。間違えやすいという問題には、同性パートナーの続柄を夫(未届)、妻(未届)の表記としても、事実婚のカップルは社会保険等に加入できるが、同性パートナーは加入できないからという意味も含んでいる。最高裁判所の判決からも、同性パートナーも加入できるという方向で、検討の上、制度を変えていかなければいけないのではないか。過渡期である現在において、より良い改善を求めていく意図で、今回の要請の内容が固められたのではないかと理解している。
  • 記者
    複数自治体において、要望を出しに行くスケジュールなどはあるのか。
  • 区長
    岸本区長からは、今月中ぐらいを目途に自治体数が出揃えば、総務省に何らかの形でつないで、要望に行くといったお話しを伺っている。

お問い合わせ先

政策経営部 広報広聴課 

ファクシミリ:03-5432-3001