シックハウス症候群やくらしの中の化学物質について

最終更新日 令和5年12月27日

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シックハウス症候群とは

住宅の高気密化によって換気不足の状態になると、建材・内装材や防虫剤・殺虫剤・芳香剤・消臭剤など室内で使用されている化学物質で、空気が汚染されることがあります。この汚染された空気を吸い込んだために起こる体調不良などの様々な症状をシックハウス症候群といいます。

具体的には、次の項目に当てはまると、シックハウス症候群の可能性があります。

  1. 住宅の新築、改築、新たな家具や日用品などの使用がきっかけで症状が出るようになった
  2. 特定の部屋や建物で症状が出る
  3. 問題となった場所(住宅)から離れると症状が全くなくなるか改善する。
  4. 化学物質による室内空気汚染が認められる
  5. 特定の原因や病状が医学的に解明されている明らかな中毒、アレルギーなどではない

体内に入った化学物質は、自律神経や中枢神経の働きに影響を及ぼすので、自律神経失調症や更年期障害などと同じような症状が現れます。軽い場合は、風邪や疲れなどと同じような症状で分かりにくいこともあります。まず、医療機関を受診し、ほかの病気ではないことを確かめ、原因がはっきりわからなかった場合に、初めてシックハウス症候群を疑うことが必要です。

シックハウス症候群の主な症状

主な症状は以下のとおりです。

  • 頭痛・吐き気
  • 目・鼻・のどの刺激症状、粘膜の乾燥感
  • 皮膚の紅斑・かゆみ
  • 疲れやすさ、頭痛、精神的疲労、集中力の低下、記憶力の低下、めまい、吐き気
  • 嗅覚・味覚の異常
  • 過敏性の反応

シックハウス症候群の原因となる化学物質

様々な化学物質が室内空気の汚染源となりますが、もともと建材に含まれているものと居住者が持ち込んだものの2つに分けられます。 

  1. ホルムアルデヒド・トルエン・キシレンなど、住宅の合板・家具・接着剤・塗料等に使用されている化学物質
  2. 家具や防虫剤・殺虫剤、芳香剤・消臭剤など居住者が持ち込んだものから発生する化学物質

室内濃度指針値が定められている化学物質

厚生労働省が建材由来の揮発性有機化合物の発生量を抑制するために、健康に影響を及ぼす代表的な13の化学物質について室内空気中の濃度指針値を定めています。

建材や塗料、接着剤など住宅には、大変多くの化学物質が使われています。その中でも、最近は指針値がある化学物質は、住宅の建材等に使用されなくなってきており、むしろ指針値がない化学物質による健康影響が問題となっています。

居住者が住宅内に持ち込む化学物質としては、防虫剤の成分であるパラジクロロベンゼンが指針値を超えて検出されることがあります。

室内濃度指針値が定められている化学物質
化学物質名 指針値
(μg/m3)
家庭での主な用途
ホルムアルデヒド 100 合板・パーティクルボード・壁紙用接着剤など

トルエン

260 接着剤・塗料の溶剤及び希釈剤など
キシレン 200 接着剤・塗料の溶剤及び希釈剤など
パラジクロロベンゼン

240

衣類の防虫剤、トイレの芳香剤など
エチルベンゼン 3800 接着剤・塗料の溶剤及び希釈剤など
スチレン 220 ポリスチレン樹脂・ABS樹脂・合成樹脂塗料等に含まれる高分子化合物の原料
フタル酸ジ-n-ブチル 17 塗料、顔料、接着剤
クロルピリホス
(小児の場合)
1
0.1
防蟻剤(有機リン系殺虫剤)
テトラデカン 330 灯油、塗料等の溶剤
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 100 壁紙・床剤・各種フィルム・電線被覆等(可塑剤)
ダイアジノン 0.29 殺虫剤(有機リン系)
アセトアルデヒド 48 一部の接着剤や防腐剤
フェノブカルブ 33 防蟻剤(カーバメート系)

TVOC

(総揮発性有機化合物)

400

(暫定目標値)

対策

汚染原因と思われる化学物質を生活の周囲から取り除くことが対策の基本です。症状の原因と思われる建物や部屋から遠ざかる、あるいは原因と思われる家具などを撤去することが必要です。しかし、壁紙など建材の場合は取り除くためには工事が必要です。時間がかかりますし、取り除くことが難しい場合もあります。

居住者が日常的に行える対策として、室内の空気を換気することをお勧めします。

換気をしましょう

最も効果的な対策です。換気扇を使用したり、窓を2か所以上開けてこまめに換気することで、部屋の中の化学物質を外に出すことができます。

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化学物質に頼りすぎない生活を送りましょう

化学物質は建材だけでなく、身の回りの日用品からも発生します。普段から殺虫剤・防虫剤・芳香剤・消臭剤などをはじめとする化学物質に頼りすぎない生活スタイルを心がけましょう。最近は、香り付きの商品のにおいなどがきっかけで、体調が悪くなる方も増えています。

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規則正しい生活を送りましょう

規則正しい生活を送り、睡眠時間を十分に取りましょう。ストレスをためないように上手に気分転換をはかりながら、からだの抵抗力を高めることが大切です。日頃から軽い運動をすることや入浴することも有効です。 

いわゆる化学物質過敏症について

一般的には、微量の化学物質に反応し、非アレルギー性の過敏状態の発現により、身体症状や精神症状を示すものとされています。シックハウス症候群と混同されることもありますが、特定の化学物質のばく露がなくなっても症状が継続したり、全く異なる化学物質に対しても多彩な症状が生じることが特徴で、家を離れれば症状が改善するシックハウス症候群とは区別されます。現在のところ、発症のメカニズムについては、未解明な部分が多く、診断基準もはっきりとしていませんが、こういった症状で生活に支障をきたしている方がいます。

室内環境の相談窓口

保健所では、快適な住環境を保つための、効果的な換気方法を中心とした、カビ対策、ダニアレルゲン対策、シックハウス症候群などのアドバイスを行っています。世田谷保健所生活保健課(電話03‐5432‐2903)まで直接お問い合わせください。

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柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がするという相談があります。柔軟剤や香水などの香りの感じ方は人それぞれです。世田谷保健所では香りのエチケットについて知っていただくため、動画を配信しています。ぜひご覧ください。

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