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最終更新日 2021年1月12日
ページID 10482
野毛大塚古墳は、区立玉川野毛町公園にある全長82メートルの帆立貝式前方後円墳です。周濠を含めると全長104メートルとなり、関東地方では群馬県の女体山古墳に次ぐ規模を誇ります。
近年の調査で、埋設施設が4基あることが確認されています。第一主体部は、粘土槨で覆われた長さ8メートルの割竹形木棺で、頸甲と肩甲を付属した長方板皮綴短甲(ちょうほういたかわとじたんこう)と三角板皮綴衝角付冑(さんかくいたかわとじしょうかくつきかぶと)のセットをはじめ、内行花文鏡(ないこうかもんきょう)・鉄剣・直刀・鉄鏃・竪櫛(たてぐし)・玉類・石製模造品などの副葬品が出土しました。その傍らに並ぶ第三主体部(第一主体部の次につくられた)は、箱型木棺で、第一主体部を凌ぐ量の武器類を出土しています。
墳丘からは円筒埴輪や朝顔形円筒埴輪のほか、鶏・壺・家・楯など形象埴輪も出土しています。また、造り出し部には、柵形埴輪と呼ぶ特殊な円筒埴輪が立てられています。特に、当時の先端技術を駆使した武具、武器類の見事さが注目を集めました。
調査の結果、野毛大塚古墳は、その特殊な墳形や出土品の多くの特長により、古市・百舌鳥舌墳群などの畿内王権との関わりが深いことが指摘されています。
(参考)「世田谷の歴史と文化」(平成17年3月31日、世田谷区郷土資料館発行)
(補足)掲載写真は世田谷区立郷土資料館所蔵のものです。
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