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最終更新日 2026年6月8日

ページID 32631

気候変動への適応とは

「緩和策」と「適応策」

気候変動対策は「緩和と適応」の2本柱であり、どちらも重要であるとされています。

緩和策とは

気候変動の原因

日本の平均気温は、1898年以降100年あたり1.4℃の速さで上昇しています。この気温上昇がこれまでは自然によるものか、人間活動によるものか不確実な部分がありました。しかし、世界中の科学者が組織するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、2021年に公表した第6次評価報告書において、「人間の活動が地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がない」と発表しました。

つまり、私たちが生活をする中で、化石燃料を燃やす際などに発生する、二酸化炭素(以下、CO2)やメタンやフロンなどの温室効果ガスの大気中への排出によって、気候変動が起こっていることが確実視されているのです。

気温上昇の推移

これからどの程度、人間社会が気候変動対策に取り組むかにより、予測される将来の気温上昇は異なってきます。しかしこのままでは、世界の気温上昇は今後10~20年の内に1.5℃に達し、今世紀末までには3.3~5.7℃高くなる可能性があります。

温室効果ガスを削減する「緩和」に向けた社会の動き

2015年の国連の気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で「パリ協定」という国際的な枠組みが示されました。パリ協定では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内の上昇に抑える(1.5%目標)」という内容が掲げられました。

このため、温室効果ガスの排出を減らし、気候変動の原因をできるだけ抑えることを「(気候変動)緩和」といいます。具体的な取り組みとしては以下のようなものが挙げられます。


緩和策の例(出典:気候変動適応情報プラットフォーム HP) ・節電・省エネや、エネルギー効率のよい機器を使うことで、エネルギーの使用を減らす

・人々の意識やライフスタイルを通じてできるだけ温室効果ガスの排出を少なくする

 (例:なるべく車ではなく自転車や徒歩で移動する、徒歩で移動しやすいまちにする)

・再生可能エネルギーを活用する

・森林を保全したり、増やしたりする

(出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)HP)

 

日本では、温室効果ガスを減らすという意味で、「脱炭素」や「カーボンニュートラル」、「ゼロカーボン」といった言葉と同種の意味合いで使うこともあります。

急速に進む緩和の取組

パリ協定の目標を達成するためには、早期に大幅な排出削減が必要とされており、協定の枠組みのもと、各国は温室効果ガスの削減目標をたてて、協力しながら緩和の取組みを行っています。

日本も2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロとするなどの目標を掲げ、地球温暖化対策推進法を改正し、計画を策定するなど、取組みを進めています。なお、世田谷区では「世田谷区地球温暖化対策地域推進計画」において、2030年度に、2013年度比で57.1%の温室効果ガスの削減を目指すことを目標に掲げています。

この結果、日本では温室効果ガスの排出量は2013年度をピークに減少傾向に転じています。

「緩和」の課題と「適応」の必要性

しかし、世界各国の現在の削減目標や対策では、パリ協定目標の達成は難しいと指摘されています。また、仮に今すぐ温室効果ガスの排出を止めることができたとしても、これまでに排出した分の影響により、気候変動はすぐには止まりません。すでに生じており、かつ今後も進行することが危惧される気候変動の影響に備えるために、気候変動対策のもう一つの柱である「適応」も重要なのです。

適応策とは

影響に備える「適応」

適応策とは、気温上昇や降雨状況の変化、海面水位の上昇など、あらゆる気候変動の影響による被害の回避・軽減対策のことです。例えば、気温上昇に対し何も対策をしないと暑い時期に熱中症になる人が増加してしまいますが、人々が帽子や日傘を利用したり飲料補給をしたりするなど、しっかりと熱中症対策(暑さへの適応策)を行うことができれば、熱中症になる人の増加を抑えることができます。

適応策の例(熱中症対策)(出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)HP)

 

 

適応策の例(熱中症対策)

(出典:気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)HP)

なぜ今から「適応」が必要なのか

将来の気候変動の影響ははっきりと予測できないため、まずは緩和を優先して、適応は影響が出てから後回しでいいのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、現時点で人間活動により世界平均気温は約1.1℃上昇しており、今後10~20年の内に気温上昇は1.5℃に達すると予測されています。加えて、既に気候変動による様々な影響が生じている中では、適応を進めなければ更なる被害の発生が懸念されます。

また、効果が現れるまでに時間のかかる適応策もあります。例えば豪雨災害に備えて大規模な堤防を建設したり、居住地を高台に移転したりするという適応策は、十年単位の長期の準備期間が必要となります。どのような影響が現れうるかを把握し、どう備えるべきかの検討を早めに進めておく必要があります。

さらに、世界全体で取り組む緩和策とは異なり、適応策はそれぞれの地域の状況に即して行わなければ効果的なものとはなりません。自らの地域をよく知る住民一人ひとりが適応について考え、今から備えを進めておくことが大切です。

お問い合わせ先

環境政策部 環境政策課  

ファクシミリ:03-6432-7981