このページに知りたい情報がない場合は

世田谷区トップページ > 住まい・街づくり・環境 > 環境 > 環境教育 > 環境サポーター取材レポート > 世田谷区環境サポーター取材レポートvol.6~さがみこベリーガーデン

ここから本文です。

最終更新日 2025年12月1日

ページID 30064

世田谷区環境サポーター取材レポートvol.6~さがみこベリーガーデン

「さがみこベリーガーデン」のソーラーシェアリング型農業を視察してきました

今回、私たち環境サポーターが向かったのは、神奈川県相模原市から車で約30分の距離にある「さがみこベリーガーデン」。

「食とエネルギーを通じて自然と調和した地域の未来を創る」をモットーに、太陽光発電協会主催のソーラーウォーク大賞で優秀賞を受賞するなど、これまでに6つの賞を受賞し、地域共生型ソーラーシェアリングのモデル事例として全国的に紹介されています。

未来志向のブルーベリー栽培

さがみこベリーガーデンでは、現在36種類に及ぶ多様なブルーベリーを約1,100本栽培しています。ポット養液栽培を取り入れることで、本来4年かかるブルーベリーの収穫を3年に短縮し、早期収穫を実現しています。この方法は作業の省力化だけでなく、高品質なブルーベリーの安定的な生産を可能にします。

さらに、農業の取り組みに加えて、地域住民だけでなく、障がい者や中高生のボランティア、大企業に勤めるシニアなど、さまざまな人々が働ける職場を創出することで、地域社会の維持・活性化にも貢献しています。

今、注目のソーラーシェアリング

ソーラーシェアリングとは、農業と太陽光発電を同時に行う仕組みです。さがみこベリーガーデンでは、太陽光の約35%を発電に利用し、残りの65%をブルーベリーの生育に活用しています。このように土地を二重に活用することで、エネルギーと食料を同時に生み出すことができます。

ブルーベリーをはじめとする農業は、自然災害や水不足などの影響で、収益が突然ゼロになるリスクを抱えています。それに対し、ソーラーシェアリングは発電した電気を電力会社に売ることで安定した収入を確保しながら農業を継続することができる点が強みです。

日本では現在、耕作に使用されていない農地が増えていると言われています。さがみこベリーガーデンの試算ではこれらの使われてない農地をソーラーシェアリングにすべて転用したと仮定すれば、200GWものポテンシャルが見込まれるとのことです。

地域との共生を目指して

事業を始めた当初は、事業について地域の方々からの理解を得ることに苦労したと、さがみこベリーガーデンを運営する株式会社さがみこファームの小出さんは話します。地域の出身ではない者がやってきて、いきなり地域でなじみのないソーラーシェアリングの事業を行うことは、地域住民にとって、すぐに理解を示せるものではありませんでした。

そこで、地域住民からの信頼を得るために大切にしてきたのが、「よそ者としての自覚を持ち、当たり前のことを当たり前にやる」という考えでした。人影を見つければ、挨拶を欠かさず行い、地域の方から作物をいただいたときには、自分たちの農園の作物でお返しをする。こうした地域の方々との当たり前の付き合いを徹底することが、心を開いてもらうきっかけになったといいます。

現在、農園は災害時の電力供給や、小中学校と連携した体験プログラムの提供、シニアや障がいを持った方々の雇用を担うなど、地域の課題解決に様々な面で貢献しています。こうした地域との共生を重視した経営により、地域の方から応援される農園を築き、「ソーラーシェアリング型農業」という新たなビジネスのモデルを地域に作っていきたいと小出さんは語ります。

視察を終えて

環境サポーター しゅん

私たちを案内してくださった小出さんは、とても明るく気さくな方でした。こうした農園で働かれている方々の人柄も地域から応援される要因の一つなのだと思います。農園を見学するだけでなく、経営の苦労ややりがいについてお話しいただく中で、小出さんらの農園経営や地域との共生に懸ける思いを肌で感じることができました。今後は、農地を拡大し、レモンやイチジクの栽培を始めるとのことで、数年後、数十年後、どんな農園になっているのか、更なる発展が楽しみな農園でした。

環境サポーター ソヒ

今回の見学で出会ったソーラーシェアリング農場は、農業が単なる一次産業にとどまらず、太陽光発電や探究授業、体験プログラムなどのサービスを提供することで、実際に6次産業という新しい形の産業として成り立っており、その発展の様子を自分の目で直接見ることができ、とても意義深い経験となりました。

また、生活協同組合とともに運営する農場で発電した電気を販売することで、日本の主要電力会社の電気ではなく、この農場で作られた電気を自分で選んで利用し、事業を応援できるという点は、今まで考えたことのなかった新しい発見であり、このような取り組みがさらに広く知られ、多くの人々が関心を持つようになると良いと感じました。

環境サポーター ゆうと

1年間放置された耕作地を見て、農業を一度やめてしまうと、そこから復帰することがどれほど難しいのかを実感しました。雑草が生い茂り、中には木が生えている箇所もあり、再び農作物を育てられる状態に戻すには、相当な労力と時間が必要になると感じました。しかし、そのように荒れてしまった土地であっても、まだ知名度の低いソーラーシェアリングのために貸し出すことには、地主の方々にとって心理的な抵抗があるという点も理解できました。今回の学びを通して、そのような抵抗に対してどのように説明し、相手に納得してもらうのかという「説得の仕方」を考えることが非常に重要であると分かりました。単に土地を活用するというだけでなく、地域にとってのメリットを明確に伝えることや、何度も足繁く地主のもとに通って信頼関係を築くことが欠かせないのだと思いました。ソーラーシェアリングは、エネルギー事業であると同時に、地域社会と共に成長していく取り組みであるという点が、特に印象に残りました。

さがみこベリーガーデン(https://www.sagamico-bg.org/

所在地:神奈川県相模原市緑区青野原329

(環境サポーター しゅん、ソヒ、ゆうと)

お問い合わせ先

環境政策部 気候危機対策課  

ファクシミリ:03-6432-7981