このページに知りたい情報がない場合は

世田谷区トップページ > 住まい・街づくり・環境 > 都市デザイン > 馬事公苑界わいのまちの魅力向上構想 > 東京農業大学との協働による公共空間魅力向上プロジェクトについて(世田谷区都市デザイン課×東京農業大学地域環境科学部造園科学科 ランドスケープデザイン研究室)

ここから本文です。

最終更新日 2020年7月7日

ページID 4206

東京農業大学との協働による公共空間魅力向上プロジェクトについて(世田谷区都市デザイン課×東京農業大学地域環境科学部造園科学科 ランドスケープデザイン研究室)

取組みの背景

世田谷区では東京2020大会の開催を契機とし、馬術競技会場となる馬事公苑とその周辺(馬事公苑界わい(注釈1))に多くの人が訪れることから、会場周辺のまちの魅力向上を目的とした『「馬事公苑界わい」まちの魅力向上構想』を策定しています。

まちの魅力を構成する要素として、屋外の公共空間が持つ役割が大きいと考え、都市デザイン課では馬事公苑前のけやき広場をフィールドとして、プレイスメイキング(注釈2)の手法により公共空間のあり方を模索しており、公共空間の魅力を高めることがまちの魅力向上につながるという発想から、本プロジェクトは始まりました。

本プロジェクトでは、けやき広場をはじめとした馬事公苑界わいにある公共空間を対象とし、東京農業大学との連携・協働によりそれら公共空間のあるべき姿を再考し、馬事公苑界わいのまちの魅力向上につながるアイデアを得ることを目的としています。

(注釈1)馬事公苑界わいとは

東京2020大会の馬術競技会場となる馬事公苑を中心に、その最寄りとなる5駅(千歳船橋駅、経堂駅、上町駅、桜新町駅、用賀駅)までを取り巻くエリアを「馬事公苑界わい」としています。エリア内にはすでに魅力あふれる風景や特色ある街並みなどが存在しますが、これらの魅力をより一層引き立たせ、また住む人や訪れる人が安全で安心して過ごせるまちを創り出していくことが求められています。

(注釈2)プレイスメイキングとは

プレイスメイキングは「あらゆる住環境において居心地の良い心的価値をつくり、生活の質を高める場所づくりの概念」と定義されています。本プロジェクトでは、プレイスメイキングの考え方を取り入れ、一方的に空間の設え(しつらえ)を提案するのではなく、そこで過ごす人々が居心地が良いと感じ、その場所に愛着を持つことができるようになることを目指した公共空間の検討を行いました。

けやき広場ではプレイスメイキングによる公共空間を活用した実証実験「Baji∞ichi(馬事市)」を行いながら、地域の人々や大学、NPO、民間企業等との協働により公共空間のあり方を模索しています。

馬事市

Baji∞ichi(馬事市)の様子

馬事市チラシ

PRチラシ

 

取組みの概要と成果

馬事公苑界わいにある15箇所の公園や広場といった公共空間を対象とし、調査・課題の抽出から将来像の検討を行いました。

対象とする公共空間

けやき広場、西原公園、南台公園、石仏公園、長島大榎公園、桜丘二丁目南広場、桜みんなの公園、桜木ふれあい緑地、桜丘すみれば自然庭園、世田谷二丁目ふれあい公園

弦巻区民広場、上用賀公園、上用賀三丁目公園、用賀くすのき公園、瀬田農業公園

調査

調査では、公共空間の現状把握を目的として、現地調査や図面調査により、公共空間の配置や外構などの空間構成、ベンチやトイレ、遊具などの工作物・設備の位置や数、植栽の種類や配置などを把握し、公共空間の現状を評価しました。

調査風景

調査風景

石仏公園調査

調査結果(石仏公園)

石仏公園調査

調査結果(石仏公園)

さらにいくつかの公共空間については、実際にどのように使われているか利活用調査を行い、空間で行われるアクティビティや利用者層などの把握から、課題の抽出を行いました。

けやき広場利活用調査
利活用調査結果(けやき広場)

分析

公共空間の現状や使われ方などを調査した結果、以下の3点が共通的な課題であることがわかりました。

公共空間の抱える課題

  • 禁止事項が多く、アクティビティが制限されることで効果的な活用がされていない。
  • 周辺の地域資源とのつながりや活用が意識されていない空間構成になっている。
  • 利用者同士の交流などが少なく、コミュニティ形成の場として機能していない。

これらの課題を解決に導くためのコンセプトとして、以下3つの視点をもとに、公共空間のあるべき姿を考えました。

  1. 空間の確保から活用へ
  2. 次世代につなぐ
  3. コミュニティの強化

提案

(けやき広場の例)

けやき広場は連なるケヤキ並木が印象的な世田谷通りと馬事公苑を結ぶ広場です。周辺には緑地や店舗、博物館や飲食店といった施設もあり、ケヤキ並木の木陰の下では読書や休憩、ペットの散歩など穏やかな使われ方がされている憩いの場所となっています。広場内にはいくつかベンチが置かれていますが、より一層人々がリラックスして過ごすことができ、多様なアクティビティを促すためのファニチャーを設置する提案です。

注意:下記はあくまで東京農業大学学生による提案イメージであり、将来の整備計画を示すものではありません。

けやき広場提案

けやき広場提案イメージ

けやき広場模型

けやき広場イメージ模型

展示・ワークショップ

プロジェクトの進捗や成果は、都市デザイン課主催のイベントや東京農業大学主催の展示会などで展示をしました。また、ワークショップでは子どもの視点からの公共空間の課題やあるべき姿について、貴重な意見をもらうことができました。

うままちプラス展示

うままちプラス展示
(令和元年8月)

食と農の博物館展示

食と農の博物館展示
(令和元年11月~12月)

食と農の博物館ワークショップ1
食と農の博物館ワークショップ(令和元年12月)

ワークショップ作品1
ワークショップ作品

職員との意見交換会

東京農業大学学生による成果がある程度まとまった段階で、区職員との意見交換会を行いました。学生から区の都市デザインや公共空間の整備・管理といった実務に携わる部署の職員に対し、学生の研究提案の成果となるプレゼンテーションを行い、実務目線での気付きや提案などに関して意見交換を行いました。

意見交換会

意見交換会の様子
令和2年2月

意見交換会

意見交換会の様子
令和2年2月

今後の展望

本プロジェクト終了後も、まちの魅力を高めるための検討を今後も継続していきます。具体的には、けやき広場を対象としてプレイスメイキングによる実証実験・実態調査などを継続して行い、人々が居心地よく、愛着を持って過ごせる場所となるにはどうしたらよいか、本協働プロジェクトの成果を様々なフェーズで取り入れながら、地域の人々とも一緒に考えていきます。また、本プロジェクトによる公共空間の調査結果などは、今後の公共空間の整備の際に基準となる景観ガイドライン等の作成に資するものとして、活用をしていきます。

お問い合わせ先

都市整備政策部 都市デザイン課  

ファクシミリ:03-6432-7996

最寄駅:東急田園都市線 二子玉川駅より徒歩11分、東急大井町線 上野毛駅より徒歩7分