駒澤大学小野瀬ゼミナールの学生に「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」普及啓発用ポスターを作成していただきました

最終更新日 令和5年3月9日

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駒澤大学 経営学部 市場戦略学科の小野瀬拡教授のゼミナールで、インフォグラフィック(注)制作に取り組む学生にご協力いただき、令和2年10月施行「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」普及啓発用ポスターを作成していただきました。 

認知症当事者3名にもご意見を伺い最終的に選ばれたポスター作品は、今後、区内各地で掲示する等、「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の普及啓発に活用していきます。

(注)インフォグラフィック:わかりづらいデータや情報を、図やイラストでわかりやすく表現する手法

「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」について詳しくはこちらからご覧ください。

作成に至る過程

学生を交えた事前打ち合わせ(令和4年7月7日)

駒澤大学小野瀬拡教授と学生2名に区役所までお越しいただき、世田谷区認知症とともに生きる希望条例や、世田谷区の認知症施策の取組み概要などをお話しました。

打ち合わせには、駒澤大学に事前に参考資料として送付した「アクション講座(世田谷版認知症サポーター養成講座)」の広報チラシをもとにインフォグラフィックで作成したチラシを持参してくださり、「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」の普及啓発のための広報等について打ち合わせを行いました。

学生との打ち合わせの様子(1) 学生との打ち合わせの様子(2)

アクション講座(世田谷版認知症サポーター養成講座)の実施(令和4年9月28日)

ポスターの作成にあたり、学生の皆様に認知症についての正しい理解を持ってもらうため、「アクション講座(世田谷版認知症サポーター養成講座)」を実施しました。

アクション講座講義の様子

講座後、「若い世代に関心を持ってもらうための情報発信のツールや手法」をテーマにグループワークを実施。若い世代に向けた情報発信のために、「TikTokやYouTube、Instagramのリール(ショート動画)で発信する」「インフルエンサーに認知症関連のコンテンツを作成してもらう」など、学生目線でのユニークな提案などを発表していただきました。

講座を受けた学生からは、

「講座を受ける前は、認知症に対してネガティブな印象しかなかったが、ポジティブなことやできることがたくさんあって驚いた」

「認知症になってもまだまだ希望があることを知った」

などの感想があがり、学生の認知症に対するイメージが前向きに変わったように見受けられました。

講座の様子 集合写真

駒澤大学内投票の様子(令和4年11月1日~12月5日)

作成していただいたポスターのうち、ゼミ内投票で選ばれた上位作品が駒澤大学内で展示され、「より多くの人に伝わるポスターはどれか」をテーマに投票が行われました。

投票は駒澤大学内だけでなく学外の方を含む、約90名の方に投票いただきました。

投票いただいた方からは、

「学生さんの柔軟な発想が率直に素晴らしいです。心を惹きつける作品がたくさんあり、私自身もハッとさせられました。」

「認知症に対して怖いイメージしか持っていなかったのですが、ポスターを目にすることで認知症への向き合い方が変わりそうだと感じました。」

等、素敵なコメントもいただき、展示をご覧いただいた方々の認知症のイメージが変わるきっかけとなったのではないでしょうか。

駒澤大学内投票展示の様子

認知症当事者3名からご意見を伺いました(令和4年12月)

「世田谷区認知症とともに生きる希望条例」および「世田谷区認知症とともに生きる希望計画」では、認知症当事者の声を聴きながら、ともに考え、希望のある地域を作っていくことを大切にしています。希望条例の普及啓発ポスターをより良いものにするため、3名の認知症当事者の方にご協力いただき、当事者目線でのアドバイスをいただきました。

中には、元美術講師や趣味で絵を描かれている方もいらっしゃり、全体のデザインだけでなく、細かな色合いや文字のフォントまで、私たちではなかなか気が付くことができない、貴重なアドバイスをいただくことができました。

認知症当事者の方にお話を伺っている様子

貫田 直義さん
(テレビ局では多くの看板番組を制作。テレビ局社長を退職後、70歳で「ソファーのうしろからゴリラが」など幻視が現れ、レビー小体型認知症と診断される。)

「皆、力作です。大事なのは認知症の持つマイナスイメージを払拭すること。」





認知症当事者の方にお話を伺っている様子

澤田 佐紀子さん
(小中高や特別支援学級で30年以上美術を教える。60歳を過ぎたころから授業に困難を感じ、認知症を自覚。)
「学生さんのアイディアが素晴らしい。どの作品もとてもよいですね。」
「ポスターで大事なのは、インパクト!いかに人の興味を引き付けられるかどうかが大事。」


 

お話を伺った認知症当事者の方の写真

林 信之さん
(大手自動車メーカー勤務後、60歳で国際特許事務所をスタート。80歳まで現役だったが、ペースメーカーを入れたころから認知症の症状が出始める。)

「認知症は誰でもなりうるもの。長生きの証。」

「『認知症』に限らずに、誰にでも違いがあることをまずは知ることが大事。」

最終選定作品

認知症当事者の皆様のご意見を踏まえ、最終的に以下の2作品が選定されました。

学生作成ポスター(2)

鷲平 彩乃さん作品
(駒澤大学経営学部市場戦略学科3年)

コンセプト:認知症の方が道に迷った状況を迷路で表現し、世田谷区の取組みなので世田谷区の形の迷路にしました。

学生作成ポスター(1)

工藤 彩名さん作品
(駒澤大学経営学部市場戦略学科2年)

コンセプト:認知症は自分事であること、決してネガティブなものではないことを伝えられるようデザインしました。


学生二人がポスターをもって写っている写真

(写真左:鷲平彩乃さん 写真右:工藤彩名さん)

上記最終選定2作品のほか、学生が作成したポスターをまとめた合作版も作成し、普及啓発に活用していきます。

合作版

区では令和2年10月に希望条例を施行しましたが、希望条例の認知度がまだまだ低いことが課題となっています。希望条例の目指す「認知症になってからも希望をもって自分らしく暮らせる社会」を実現していくために、若い世代をはじめ多世代の方々に、まずは希望条例を知っていただきたく、今回学生の皆様にポスターを作成していただきました。学生の皆様にアクション講座(世田谷版認知症サポーター養成講座)を受講いただき、認知症についての理解を深めていただけたこと、そのうえで学生目線で普及啓発ポスターを作成していただけたことはとても貴重な機会となりました。

今回作成していただいたポスターは、区内各地で掲示を行うなど希望条例の普及啓発に活用してまいります。

掲示場所

  • 世田谷区役所本庁舎 庁内掲示
  • 世田谷区内広報板(令和5年2月21日~3月10日まで)
  • 東急田園都市線 駒澤大学駅(令和5年3月31日まで)
  • 小田急線 下北沢駅東口(令和5年3月31日まで) 等

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