保健医療福祉総合プラザ 雨水流出抑制効果・暑熱緩和効果の調査結果

最終更新日 令和6年2月29日

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保健医療福祉総合プラザ じゃかご樋とテラス緑化による雨水流出抑制効果・暑熱緩和効果の調査結果

1 調査の目的

世田谷区立保健医療福祉総合プラザにおけるじゃかご樋とテラス緑化のカスケード連結施設による雨水流出抑制効果および暑熱緩和効果の評価検証を目的とする。

2 調査内容

1)雨水流出抑制効果の評価検証

じゃかご樋と屋上・テラス緑化のカスケード連結による緑化が雨水流出抑制に果たしている効果について、一連のシステムの一部を切り出したモデル区間を設定し、検証を試みる。

モデル区間を対象に、降雨量と流出量、浸透・貯留に関する水分量のデータを実測し、じゃかご樋とテラス緑化の連結システムによる雨水流出抑制効果について評価する。とくに、降雨パターンに応じた効果の発現のされ方に注目し、立体緑化が雨水流出抑制において果たしている機能について定量的に把握する。

2)暑熱環境緩和効果の評価検証

じゃかご樋と屋上・テラス緑化による夏期の暑熱緩和効果について、代表的な地点の温熱環境を観測することにより検証を試みる。とくに、じゃかご樋とテラス緑化の組み合わせによる放射熱環境の改善に注目し、その効果を評価する。

観測項目・観測対象・観測場所
観測項目 観測対象 観測場所
降雨量 敷地における降雨量 屋上
雨水流出量

屋上・テラス緑化からの通水管において

オーバーフローする雨水の流出量

屋上(1か所)

4階テラス(1か所)

3階テラス(1か所)

土壌水分量 表層部土壌の水分量(体積含水率) 屋上~2階テラスの各所
土壌浸透能 表層部土壌の浸透能 屋上~2階テラスの各所

観測期間

前半 2022年7月5日(火曜日)~2022年8月19日(水曜日)

後半 2022年9月1日(木曜日)~2022年10月7日(金曜日)

分析対象降雨
名称 期間 詳細
単独集中降雨(1)

2022年

8月4日

6日間雨が降らなかった後の総降雨量29.8mm

時間最大20.4mmの降雨

単独集中降雨(2)(単独降雨(1)より7日間無降雨後)

2022年

8月12日18時~

13日

単独集中降雨(1)より7日間雨が降らなかった後、

総降雨量52.4mm、時間最大14.0mmの降雨

梅雨期(長期間連続多雨)

2022年

7月12日~13日

梅雨の間に6日間連続して降雨があった期間のうち、累積影響の少ない最初の2日間とし、総降雨量105.0mm、時間最大37.4mmの降雨

台風14号(短期間集中豪雨)

2022年

9月18日~20日

総降雨量157.0mm、時間最大37.0mmで台風14号による降雨

台風14号の到来前は7日間連続して降雨無し

台風15号(短期間集中豪雨)

2022年

9月23日~24日

総降雨量142.6mm、時間最大48.6mmで台風15号による降雨

台風14号と台風15号の合間である9月21日と22日は、台風一過により降雨無し

3 調査結果と評価

1)雨水流出抑制効果の評価

・流出抑制率

3フロア(屋上、4階、3階)で、単独集中降雨(1)(2)に対して95.5%~89.93%の流出抑制があった。梅雨期に対して73.14%、連続した台風14号、15号でも50.25%~8.77%の流出抑制があった。

・流出遅延時間

単独集中降雨(1)(2)で少なくとも30~54分、梅雨期で18分、連続した台風14号、15号で12~15分程度、遅延させている可能性があった。2階テラス緑化と雨水貯留槽での貯留も加味すると、集中した降雨時に下水道による排水時間を確保する効果として、さらなる遅延効果を発揮していると考えられる。

2)暑熱環境緩和効果の調査結果及び評価

・放射熱指標としてのグローブ温度と気温の差(2022年8月23日)の最大値は、地上植栽脇12.3℃、3階じゃかご樋脇6.4℃、3階じゃかご樋間4.8℃、2階じゃかご樋脇2.1℃の順に高く、2階の並列じゃかご樋による冷却効果が特に大きかった。

・3階じゃかご樋脇の表面温度(2022年8月19日14時頃)は約25℃であり、地上植栽脇の44.7℃に対して19.7℃、3階テラス緑化のコンクリート植栽桝の表面温度32.1℃に対して7.1℃低かった。

4 今後の課題

雨水流出抑制効果については、建物全体での効果検証のほか、じゃかご樋の独立的な検証をどのように実施できるかが課題である。また、暑熱環境緩和効果については、フロアに応じて日の当たり方や植栽の影響等異なると考えられることから、水平的にも垂直的にも、多地点での観測を行い比較することが必要である。

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