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最終更新日 2025年7月1日

ページID 25363

【昼間講座:人間コース】2025年度後期世田谷市民大学

日程(全12回)

9月5日~11月21日

毎週金曜日

3時限:戦後日本の知識人と市民運動

講師:和田悠(立教大学教授)

時間:13時10分~14時30分

 戦後日本の社会を「市民」という視点から見つめ、その歴史的な特徴を考えます。「市民」は戦後日本における人間形成を考えるうえで重要なキーワードで、人間形成とは、戦争体験をふまえ、平和と民主主義の理念を学び、主権者として自己を形づくっていく歴史的課題でした。自己を形成するものとしての教育は、学校教育にとどまりません。本講義では、戦時下に学校教育を通じて「小国民」として育った人びとが、戦後にどのように平和と民主主義の担い手となっていったのかに照準を合わせますが、この課題は、自らを教育し直すという意味で「自己教育」の問題であり、その場は地域民主主義の実践や社会運動の取り組みのなかにもありました。社会全体に関わる課題だったのです。戦後日本のリベラルな知識人たちは、「市民」的な人間形成を大きな課題と捉えていました。しかし、そのアプローチは社会の変容とともに変化していきます。本講義では、「市民」的な価値を啓蒙しようとした知識人の自己認識と他者認識(教育観・民衆観)の変化をたどります。その際に、『私は赤ちゃん』『育児の百科』の著者として知られ、民衆との接点でリベラルな思想を展開した松田道雄を中心的に取り上げます。高度成長期の保育運動への彼の関わりにも注目し、保育という人間形成の問題にも考察を加えます。さらに、松田と親交のあった久野収、小田実、鶴見俊輔などを取り上げ、戦後日本の人間形成を多角的に捉えます。

4時限:子どもに関わる諸関係を考える:歴史社会学的な視点から

講師:小玉亮子(お茶の水女子大学教授)

時間:14時50分~16時10分

子どもという言葉には、対になる言葉があります。例えば、大人と子ども、親と子といったように。大人がいるから子どももいますし、親がいるから子どもがうまれます。しかし、実は、この逆も同じようにいえます。子どもの時代がなければ、大人にはなりません。子どもがいないと、親にはなりません。生徒がいてはじめて、教師になるともいえます。ここから、子どもは様々な関係のなかで存在しているのと同時に、大人も、人間それ自体も、様々な関係のなかにあると考えることができると思います。このような立場から、本講座では、子どもをとりまく諸関係が、現在、どのようになっているのか、そこにどのような課題があるのか考えていきます。現在の問題を考えるために、あえて、時間的・空間的に視野を拡大して、歴史社会学的な視点から検討してみようとおもいます。一体、わたしたちの現在は、どのような歴史的経緯をたどってきたのか、そして、それは、私たちだけの問題なのか、あるいは、もっと広く国際的な、ないしは地球規模の問題とも関連しているのではないか、ということに注目したいと考えています。

そのために、本講座では、いくつかの映画を手がかりに検討していきます。予定している映画は、次のようなものです。「奇跡の人」(1962)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ファニーとアレクサンデル」(1982)、「21世紀少年」(2008)、「ニューシネマ・パラダイス」(1988)、「オリバーツイスト」(1948)、「もののけ姫」(1997)、「フランケンシュタイン」(1931)ほか、です。もし、ご関心のある映画があったら、あるいは、お詳しい映画がありましたら、ぜひ、ご一緒に考えていければ、と思っています。 

 

(注意)

講義日は、都合により変更になる場合があります。

講師の肩書きは2025年4月1日時点のものです。

講座の概要は、担当講師の執筆によるものです。

また、人間4時限「子どもに関わる諸関係を考える:歴史社会学的な視点から」の9月26日の講座は休講の予定です。11月28日(金曜日)の同時刻に補講を予定しています。

 

お問い合わせ先

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電話番号   03-3412-3071
ファクシミリ 03-3412-3075
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〔市民活動推進課 電話番号 03-6304-3176 ファクシミリ 03-6304-3597〕