地域包括ケアシステムについて
地域包括ケアシステムとは
国は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を目途に、高齢者が尊厳を保ちながら、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。
この地域包括ケアシステムにおいては(1)医療(在宅医療等)、(2)介護(介護保険サービス等)、(3)予防(介護予防や健康づくり等)、(4)住まい(生活の基盤として必要な住まいの整備)、(5)生活支援(見守りやサロン活動、配食サービス、権利擁護等)が、日常生活の場で一体に提供されることを目指しています。
出典 厚生労働省
世田谷区の目指す地域包括ケアシステム
地域包括ケアシステムの対象
- 区は、これまで「誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域社会の実現」を目指し、公的サービスの充実とともに、支えあい活動等の区民や地域の活動団体等と協働した多様な取組みを進めてきました。平成26年3月には、世田谷区地域保健医療福祉総合計画を策定し、区の目指す地域包括ケアシステムは対象を高齢者だけではなく、障害者、子育て家庭、生きづらさを抱えた若者、生活困窮者など対象を広く捉えて推進することとしました。
- また、地域包括ケアシステムは、支援を必要とする人だけのものでなく、元気な高齢者や学生、主婦など幅広い区民参加のもとで地域包括ケアシステムを推進します。
多様なサービスや基盤の創出
- 国は、地域包括ケアシステムにおいて、要介護高齢者の地域生活を支える要素として、(1)医療(2)介護(3)予防(4)住まい(5)生活支援の5つを挙げています。誰もが安心して地域で暮らし続けるためには、こうした多様なサービスや基盤が必要であり、公的サービスとともに、区民や地域の活動団体等との連携・協働による新たなサービスや基盤を創出します。
- 公的サービスの基盤整備については、総合計画を受けて策定した、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、ノーマライゼーションプラン、障害施策推進計画、子ども計画等により、公的サービスの基盤整備を計画的に推進します。
- また、医療連携の取組みをさらに推進し、身近な地区において、医療と介護・福祉サービス等が一体的に提供できる仕組みづくりを進めます。
相談支援の充実と区民等の参加促進
- 支援の必要な人を早期に発見して支援につなげていくとともに、介護、障害、経済的な課題等の複合化した問題を抱える人に対して、縦割りでなく、総合的な支援ができる仕組みづくりを進めます。
- 地域の課題を地域の力で解決できるよう、相談支援の中から地域の課題を把握し、区民や地域の活動団体、事業者、NPO等との連携・協働やマッチングによる、新たなサービス等の創出を進めます。
地域包括ケアシステムの構築
- 包括的・継続的なケアマネジメントにより、公的サービスをはじめ、地域の人材や社会資源(注意1)を活かした、総合的な支援ができる環境づくりを目指します。そのために、地域ケア会議(注意2)において事例検討等による事業者等のケアマネジメントの力の向上を図るとともに、地域の課題を把握・検討し、政策形成に結びつける仕組みづくりを進めます。
(注意1)社会資源とは建物、施設、公的サービス、地域住民(団体、事業者、NPO等)の主体的な活動やネットワーク等を指します。
(注意2)支援が必要な方に地域で包括的・継続的支援を効果的に実施していくため、多職種により構成される会議。世田谷区では、地区、地域、全区のそれぞれで実施しています。
- 区が目指す地域包括ケアシステムは一朝一夕には構築できませんが、団塊の世代が後期高齢者になる2025年も視野に入れ、身近な地区全体で支えあい、助け合う力を創出していきながら、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指していきます。
地域包括ケアの地区展開の取組み
区が目指す地域包括ケアシステムの考え方のもと、まず、まちづくりセンターに、あんしんすこやかセンターと社会福祉協議会が入り、身近な福祉相談の充実と、地区の人材や社会資源の開発・協働を行う「地域包括ケアの地区展開」を実施しています。令和4年5月からは、三者に児童館が加わり、子ども分野における地域資源開発にも力を入れて取り組んでいます。これまでの実施状況については、下記リンクをご覧ください。
また、各地区では、地区の社会資源、住民ニーズ、生活課題等を広く把握・分析し、抽出した地区課題への対応について、区民・関係機関等と共有するために「地区アセスメント」を作成しています。詳細は地区アセスメントのページをご覧ください。