玉川地域の大山詣と雨ごいの風習(1)

最終更新日 平成23年8月23日

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「ふるさと世田谷を語る」(世田谷区)より

奥沢の雨ごい

大山講というのがあり、夏日照りが続くと農家の人々は、二十里も離れた大山の阿夫利神社へ雨ごいにでかけました。何人かでリレーして行きますが、神社に着いて竹筒に神社のお水をもらってからが大変でした。一たん途中で休むとご利益がなくなるといわれ、竹筒を持った者は、疲れても眠くても、片時も休まずにリレーして奥沢村まで帰らなければなりません。無事に持ち帰った貴重な水は、水を張った桶に注いだ後、木遣歌をうたい、雨が降ることを祈って祝ったということです。

等々力の雨ごい

この講は伊勢原の大山阿夫利神社を信仰する講で、農業の人々にとってはもっとも心配される夏の日でりの雨ごいの祈願が中心になっていました。
雨ごいは選ばれた人たちが歩いて行き、後には自転車で大山参りをした後、竹筒に大山の水を貰ってくるのです。これに合わせて村では四斗樽六本に等々力渓谷の水を汲み上げておき、大山の水が届くとこの樽に大山の水も入れて「六根清浄」を百回唱えながら水をかけて雨を呼んだということです。この後、雨が降ると、お礼参りにもでかけたのでした。その後も8月に一泊してご来迎を拝み、お礼をもらってくる方法で続けられましたが、昭和28年ごろで途絶えているということです。

上野毛の雨ごい

大山講は夏、日照りが続いて作物に影響が出ると、雨ごいのために白装束姿で大山に出かけて水をもらってきて畑にまいたものでした。また、講元の田中家の門の前に木の灯籠を立て、灯をともして祈ったりしたこともあったそうで、この灯籠が覚願寺の本堂の下に置いてあったこともあるといいます。

野良田(中町)の雨ごい

夏の日照りには村から何人かの者が、この大山へ雨ごいに出かけました。使いの者は、青竹に杉の葉を入れて祈祷してもらった後、水を入れて帰りを急ぎます。一方村では人々がサカキの葉を持って境内に集まり、裸の人を中心にして皆が呪文を唱えながらお使いの者の帰りを待って雨ごいをしたということです。

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