世田谷区地域経済発展ビジョンを策定しました

世田谷区地域経済発展ビジョンは、世田谷区地域経済の持続可能な発展条例で掲げる理念の実現に向け、より具体的な将来像とその実現のための具体的方策等を示すものであり、地域経済の持続可能な発展を推進していくための指針となるものです。合わせて、「世田谷区基本構想」、「世田谷区基本計画」を踏まえた、地域経済や産業振興の観点から「地域経済の持続可能な発展」を通じて、基本計画の目指すべき方向性に寄与するものであり、分野別計画（経済産業分野）の役割も担うものです。

ビジョンの背景

区では、区内産業の振興を図るため、2018年に「世田谷区産業ビジョン」を策定し、これに基づき、経済産業政策を実施してきましたが、その間、区を取り巻く社会経済状況は、デジタル化の進展やSDGsの理念の広がり、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより大きく変化しました。

こうした状況を踏まえ、経済的な成長のみならず、非経済的価値の重要性も踏まえた持続可能な発展を目指して、2022年に「世田谷区地域経済の持続可能な発展条例」を制定しました。こうした経済産業政策の新たな軸が設定されたことに鑑み、「産業ビジョン」を引き続き産業振興の基礎としながらも、条例にあわせた体系的な整理に加え、新たな課題への対応や時代の変化に応じた考え方や方策を取り込み、改めて大局的な視点に立ち、実行に移していくことが重要であることから、今般、そのための指針となる「世田谷区地域経済発展ビジョン」を策定しました。

地域経済発展ビジョン策定までの経過

令和5年2月、発展条例に基づき設置された「世田谷区地域経済の持続可能な発展を目指す会議」に対し、「地域経済の持続可能な発展を推進していくための基本的な考え方」について諮問しました。約1年間にわたる審議の後、答申が取りまとめられ、地域経済発展ビジョン策定の基礎となりました。

地域経済発展ビジョンにおける取り組み

地域経済発展ビジョンでは、「持続可能な経済環境で実現する世田谷のウェルビーイング」というビジョン(未来像)を掲げています。条例で定める4つの基本的方針について、各基本的方針が目指すべき具体的な状態や構成する重要な要素を「目指す姿」として設定し、「目指す姿の実現に向けた取組み」を整理しました。その上で、特に「目指す姿」の実現に向けて政策的観点から重要性が高い取組みであって、かつ、後述する「5つの大切な視点」を踏まえた手段・手法を通じて実施する取組みを「重点事業」として掲げ、中長期的に取り組んでいくことを念頭に、特に優先的に取り組みを進めていきます（※各重点事業はその目的により、複数の「目指す姿」に跨って実施する場合があります。）。