令和7年第1回区議会定例会 代表質問
2月19日及び20日の本会議で、5名の議員がそれぞれの会派を代表して質問を行いました。その一部を要約してお伝えします。
- 将来を見通した行財政運営
質問 7年度予算は4000億円に迫る規模まで肥大化しており、将来の財政需要に備え事業を精査したとは到底思えない。不断の行財政改革と計画的な財政運営を徹底せよ。
政策経営部長 経費節減の意識を高め持続可能な財政運営に努める。
- マンション防災の推進
質問 区は我が会派が求めてきたマンションでの防災対策の強化を7年度から進める方針だ。共助の意識の向上や在宅避難の推進に向けて具体的にどう取り組むのか。
危機管理部長 共助につながる資器材の供与や啓発事業を進める。
- 学校の空調設備の適切な更新
質問 区は普通教室などの老朽化した空調設備を更新する計画を進めている。猛暑から子どもの命を守るため、当該計画終了後の10年度以降も継続的に設備を更新せよ。
教育政策・生涯学習部長 更新計画終了後の新たな計画を早急に取りまとめる。
- 都市整備分野でのデジタル化推進
質問 区が実施予定の土木や建築に係る手続や資料のデジタル化は他区に比べ内容に乏しく、開始時期も2026年以降と遅い。利用者目線で内容を充実し迅速に実行せよ。
副区長 改善の余地があり、可能なところから随時実施を検討する。
- 建設業の人材確保策の強化
質問 区民生活を支える建設業は就業者数が大幅に減っており高齢化が著しい。人材確保に向け、区内の高校や大学などと連携して若者世代へのアピールを強化せよ。
副区長 都立高の授業で魅力を伝えるなど若年者へアプローチする。
- せたがやペイの機能拡充
質問 商店街のスタンプ事業は使用機器の更新などに多額の経費負担を要する中、工夫を凝らして実施されている。負担軽減に向け、せたがやペイに同機能を実装せよ。
経済産業部長 課題を整理した上で区として必要な支援に取り組む。
- エコ農産物の活用拡大
質問 化学肥料などの使用を抑えたエコ農産物は環境負荷の低減に有効な一方、安定供給の面に課題がある。エコ農産物の活用拡大に向け、生産者への支援を充実せよ。
経済産業部長 土壌改良剤を補助対象に加えるなど充実に努める。
- 高齢者の健康増進施策の充実
質問 健康寿命の延伸や認知症の予防には高齢者の身体活動と社会参加の促進が重要だ。楽しみながら取り組むことができるダンスなどを健康増進施策に取り入れよ。
副区長 参加しやすい講座の企画や地域での居場所の創出を進める。
- スポーツを通じた障害理解の促進
質問 聴覚障害者の国際スポーツ大会であるデフリンピックが11月に東京で開催される。障害理解の促進を図る絶好の機会と捉え、区民への啓発に着実に取り組め。
スポーツ推進部長 啓発事業の周知やデフスポーツの体験などを進める。
- 火葬場不足への早急な対応
質問 23区では死亡者数が増加しており、今後深刻な火葬場不足に陥ると想定される。この状況を重く受け止め、整備に向けた議論が進むよう区長会などで提言せよ。
地域行政部長 他区とも連携して対応の検討や研究を進める。
- 清掃・リサイクル事業の在り方
質問 区は9年度に不燃ごみを全量資源化し、12年度中にはプラスチックの分別収集も行う予定だ。実施体制や財源などの課題も含め、事業に今後どう取り組むのか。
副区長 民間事業者との連携を強め、事業の確実な実施に取り組む。
- 子どもの権利条例の実効性の確保
質問 子どもの権利条例の実効性を確保するには、大人の理解が不可欠だ。様々な機会を捉えて継続的に啓発に取り組み、子どもの権利が守られる世田谷を実現せよ。
副区長 子どもが権利を実感できる地域社会の構築に向け尽力する。
- 避難所での温かい食事の提供
質問 避難所生活を送る上で心身の健康を保つには温かい食事が重要だ。ガスが止まっても提供できるよう、学校の給食調理室にプロパンガスが使える設備を導入せよ。
教育政策・生涯学習部長 学校の特殊な調理機器に活用できるかなど検討する。
- 火葬場建設の推進
質問 国内での死者数が2040年にピークを迎えるに当たり、火葬場の建設は急務だ。建設する際の住宅との距離規定を緩和するとともに近隣区と連携して新設を目指せ。
地域行政部長 他自治体へのヒアリングなどを重ね整備を検討する。
- 住宅の防犯対策の強化
質問 我が会派の提案を受け、区が住宅の防犯対策費用助成を始めることを評価する。防犯物品を期日までに購入した区民が確実に補助を受けられるよう取り組め。
危機管理部長 区民が申請の機会を逸することがないよう工夫する。
- 区営住宅での訪問詐欺対策
質問 区営住宅で商品を次々と売りつけられる訪問詐欺があったと聞く。防犯対策の強化に、カメラ付インターホンを標準仕様にせよ。
都市整備政策部長 都営住宅などの状況も参考に設置の検討を進める。
- 障害者の余暇活動の充実
質問 18歳以上の障害者が社会参加できる機会を充実すべきだ。区独自の補助制度を立ち上げ、NPOや企業と連携しながらアートや音楽などを楽しめる場を創出せよ。
副区長 障害者の豊かな社会参加の実現に向けて調査検討を進める。
- 中高生への学習スペースの提供
質問 中高生が学校以外で集中して学習できる環境を整えるべきだ。安全面に配慮し、管理者が常駐する区施設の空きスペースに電源やWiーFi(ワイファイ)を設置して開放せよ。
子ども・若者部長 支所とも連携し課題の把握や運営の工夫を検討する。
- 保育待機児解消に向けた対策
質問 区内で保育待機児が度々発生する現状から保育需要の見込みが甘いと言わざるを得ない。各地域の保育ニーズを的確に見定めた上で計画的に保育施設を整備せよ。
副区長 先を見通した保育待機児対策に全力で取り組んでいく。
- 地域活性化に向けた観光施策
質問 茶沢通りが海外雑誌に掲載され注目を浴びている。これを機に多くの外国人観光客に訪れてもらえるよう地域活性化戦略として日本文化の体験機会を創出せよ。
区長 地域と融合した体験型メニューの充実も重要と考えている。
- 区民生活を支える建設業への支援
質問 区は建設業の人材確保や定着支援として、従業員が資格を取得する際の費用を助成している。補助事業の拡充に当たっては、現場のニーズを踏まえた内容とせよ。
副区長 需要に即した制度となるよう対象資格や補助率を拡大する。
- 公共調達に対する区長の認識
質問 大規模自治体である当区が有機米を調達し給食に使用することは有機農業の普及を促し、持続可能な社会の実現に資する。公共調達の意義を区長はどう考えるか。
区長 経済振興やエシカル消費に資する側面があると認識している。
- 子どもの権利委員会の実効性確保
質問 区は子どもの権利委員会を設置予定だ。子どもと日常的に関わる学校での権利保障の実現に向け教育委員会の役割を明確にせよ。
子ども・若者部長 若者委員などの意見を聞き効果的な連携を検討する。
- 就学相談の体制の見直し
質問 就学相談は発達特性のある子どもの支援が目的だが、就学先を判定される場と捉え避ける保護者は少なくない。適切な支援につなげるため、相談体制を見直せ。
教育総合センター長 安心して相談できるよう広報の充実などに取り組む。
- 介護事業者への継続的な経営支援
質問 区は経営改善を図る介護事業者を募集し、伴走して支援に取り組む予定だ。毎年新たな事業者を募集するなど、持続的かつ網羅的に支援する仕組みを構築せよ。
高齢福祉部長 成功事例を共有するなど主体的に事業に取り組む。
- 住民参加によるまちづくりの推進
質問 千歳烏山駅周辺まちづくりは多様な住民の参加の下で進めるべきだ。参加しづらい方の意見も取り入れられるよう工夫を凝らせ。
副区長 子育て世代などの声も聞けるよう周知や運営を工夫する。
- オンラインでの参加と協働の推進
質問 区政運営への参加と協働を一層推進すべきだ。時間や場所に制約されず、意見交換や議論が可能な住民参加型デジタルプラットフォームの活用を検討せよ。
区長 住民参加型の合意形成の具体化に向けて検討を進めていく。
- 本庁舎の整備方針への疑義
質問 旧区民会館の外観を残したまま庁舎整備を進めた結果、工期の延伸や議会棟の利便性の悪化を招いた。外観の保存を決めた区長の判断は正しかったと言えるのか。
区長 学識経験者による設計者選定委員会の審査を尊重し決定した。
- 本庁舎整備の着工が遅れた要因
質問 庁舎整備が遅れた要因は前熊本区政で着工準備が整っていたにもかかわらず、保坂区長が就任後に構想を潰したことにある。区長はそのことを自覚しているのか。
区長 様々な議論を経て進めており構想を潰したとは考えていない。
- 庁舎整備遅延に対する区長の見解
質問 さきの質問で区長は構想を潰していないと答弁したが、現に就任後1年半の間、庁舎計画担当部を廃止している。それでも構想を潰していないと言い張るのか。
区長 指摘内容と事実を突き合わせて正確に検証していただきたい。
- 恵泉通り全線開通の早期実現
質問 恵泉通り未開通区間にある家屋残り一軒は立ち退き料を受け取ったにもかかわらず、明渡し期限から8年が経った今もなお占有し続けている。事態の解決を急げ。
区長 粘り強く交渉を進めながら、解決に向けて決意を持って臨む。
- 火葬場建設に係る区の対応状況
質問 我が会派はさきの議会で火葬場の建設を求め、区は火葬専用の施設にすれば費用を抑えられるなどと答弁した。進捗を示せ。
地域行政部長 23区の問題と捉え特別区長会事務局と情報共有した。
- 火葬場建設に向けた予算の確保
質問 火葬場建設への取組を着実に進めるべきだ。7年度予算案に火葬場関連予算が含まれていないが補正予算を組む予定はあるのか。
地域行政部長 研究に必要な経費が生じる際は庁内で検討する。
- 区民の暮らしを守る予算を
質問 失われた30年での税と社会保険料の負担増に加え、物価高騰が区民生活を苦しめている。区民生活の実態に心を寄せ、区民の暮らしを守る区政運営に力を尽くせ。
区長 区民生活を守るために必要な予算を重点的に計上している。
- 低所得者へのエアコン買換え補助
質問 壊れたエアコンの買換えが困難な低所得者にとって夏の暑さは命に関わる。買換えによるCO2削減効果も踏まえ、環境と福祉の施策推進の視点で支援策を検討せよ。
環境政策部長 福祉部門と連携し都の買換え補助制度を周知する。
- 介護人材確保に向け更なる支援を
質問 介護人材の確保に向けて昨年末に実施した事業者への支援給付事業は賃金アップに一定の成果があった。依然厳しい状況を踏まえ恒久的な処遇改善策を講じよ。
高齢福祉部長 国や都に実情を伝え、実効性のある支援を検討する。
- 区施設の使用料値上げの撤回を
質問 区民生活が厳しい中での使用料値上げはやめよ。区施設は区民の自主的活動を支える共有財産だ。受益者負担の考えを改めよ。
政策経営部長 改定額は小さく区民参加と協働の趣旨は阻害しない。
- 介護困難ケースへの対応強化を
質問 介護困難ケースに対応する職員の欠員でノウハウの継承、公的責任を果たせるか。介護職経験者の活用と育成を進め、重層的支援や福祉緊急対応を強化せよ。
保健福祉政策部長 特別支援チームによる現場職員への支援を強化する。
- 核兵器のない平和な世界の実現を
質問 核戦争の危機が高まっている。日本こそ核兵器廃絶の先頭に立つべきだ。区長は政府に核禁条約締約国会議への参加を求めよ。
区長 平和首長会議での締約国会議参加の要請文の採択に賛同した。
(補足)代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。