令和6年第3回区議会定例会 代表質問
9月17日及び18日の本会議で、5名の議員がそれぞれの会派を代表して質問を行いました。その一部を要約してお伝えします。
- 地域に根差した教育の推進
質問 区は教育大綱で「人類と地球の共存」などの仰々しい言葉を並べているが、子どもたちが育つ地域に根差した教育を進めることこそ重要だ。教育長の見解を示せ。
教育長 地域に根差した教育が進むよう、地域と学校の連携を図る。
- 利用者目線での行政改革の推進
質問 区は行政サービスの利便性向上を求める区民や事業者の声に応えるべきだ。貴重な意見を真摯に受け止め、利用者目線での行政改革を迅速果断に実現せよ。
副区長 より幅広く意見を集め、改善に生かせる仕組みを検討する。
- 教育DXによる教員の働き方改革
質問 子どもを取り巻く課題は複雑化しており、個別最適な指導の実現には教員が働きやすい環境を整える必要がある。教育DXを推進し教員の働き方改革を加速せよ。
教育総合センター長 教育DXを進め、子どもと向き合う時間を拡充する。
- 旧保健センター跡地活用の進捗
質問 旧保健センターは長期間閉鎖されたままであり、防犯面などから不安の声がある。跡地の活用に向けて区分所有者である医師会との協議は進んでいるのか。
保健福祉政策部長 建物の解体及び費用負担などについて基本合意した。
- 大蔵運動公園再整備の方向性
質問 区民が多様なスポーツを楽しめる環境を整えるべきだ。再整備予定の大蔵運動公園にはアーバンスポーツの普及も踏まえ区民が幅広く利用できる施設を整備せよ。
スポーツ推進部長 利用者などの意見を聞き、具体的な検討に取り組む。
- eスポーツの普及促進
質問 eスポーツが2026年に日本で開催されるアジア大会の正式競技に採用された。今後期待される機運の高まりに合わせて、eスポーツの普及促進に積極的に取り組め。
スポーツ推進部長 交流の場などの形成に資するよう活用を拡大する。
- 観光による区内経済の活性化
質問 昨今の観光分野の盛況を区内経済の活性化につなげるべきだ。区内の魅力あるスポットに訪れてもらえるよう、マーケティング戦略に基づいた観光施策を展開せよ。
経済産業部長 来街者を呼び込み、消費を促す仕掛けを検討している。
- 恵泉通りの早期開通の実現
質問 区長は「道路整備を強い決意で進める」との自身の答弁に責任を持ち、恵泉通りの早期開通を実現すべきだ。早急に都へ行政代執行を申請し都知事の判断を仰げ。
区長 当該地の自主的な明渡しを第一としつつ都との調整も進める。
- 災害用医薬品の備蓄体制の強化
質問 災害から区民の命を守るため医薬品の備蓄体制を強化すべきだ。備蓄庫の設置を進め、保管については使用期限切れを防げるランニングストック方式を導入せよ。
保健所副所長 医師会などと協議し同方式の導入について検討する。
- 私立認可保育園への運営補助
質問 私立認可園の多くでゼロ歳児に欠員が生じており、園運営が非常に厳しい状況だ。23区の半数以上で行われている欠員に対する運営補助を区でも早急に検討せよ。
子ども・若者部長 安定的な園の運営に資する支援策について検討する。
- 高齢者施設の地域偏在の解消
質問 区内の高齢者施設には地域偏在があり、身近な場所への整備を求める声は多い。住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、公有地を活用した施設誘致を進めよ。
副区長 積極的に国や都の公有地の確保に努め施設誘致を進める。
- HPVワクチンの接種促進
質問 子宮頸がんの予防にはHPVワクチンの接種が極めて重要だ。接種促進に向け、若年世代やその保護者へワクチンの有効性や安全性に係る正しい情報を発信せよ。
教育政策・生涯学習部長 有効性や安全性について適切な情報提供に努める。
- 避難所の衛生環境の確保策
質問 地震による液状化により、避難所ではマンホールトイレが利用できない事態が想定される。仮設トイレなどの迅速な配備に向けた協定を関係機関と締結せよ。
危機管理部長 他自治体や民間事業者との協力体制を構築していく。
- 復旧復興への体制づくり
質問 倉敷市では豪雨災害の際に復興業務を担う専管組織を設置し、被災者に寄り添う支援を展開した。担当部署の枠を超え復旧復興に力を注ぐ組織体制を検討せよ。
区長 他自治体の事例を調査、分析し組織編成の在り方を検討する。
- 私立幼稚園の経営支援の継続
質問 私立幼稚園の多くは園児の減少で経営が厳しい。幼児教育の資源を守るため、経営安定に向けた新制度移行支援事業を継続せよ。
副区長 当該事業を継続するとともに今後の支援策の議論を進める。
- 外国人材の受入促進に向けた支援
質問 人材不足が深刻な介護や建設などの業界では外国人材の活用が模索されている。事業者が受入体制を整えられるよう、セミナーの充実や相談窓口の設置を進めよ。
経済産業部長 事業者のニーズを確認し支援充実に向けて検討する。
- 教員の働き方改革の推進
質問 教員の負担軽減に向けた働き方改革を推進すべきだ。教育委員会が先頭に立って教科担任制の導入に取り組むとともに、学校現場の自主的な業務改善を促進せよ。
学校教育部長 現場の発想を後押ししながら改革への取組を進める。
- 要配慮児童への支援体制の強化
質問 学校での要配慮児童への支援体制が不十分だ。個々のニーズに対応するため、学校と療育機関が就学前から密な連携体制を構築し、切れ目のない支援を実現せよ。
教育総合センター長 一層の連携に向け関係所管と課題を整理し検討する。
- 児童生徒の海外派遣事業の拡充
質問 我が会派は多くの児童生徒が国際交流の機会を得られるよう、海外派遣事業の拡充を求めてきた。コロナ禍で中断していた台湾などへの派遣に向けた検討を再開せよ。
学校教育部長 各国の治安や情勢などに鑑み、実施の検討を進める。
- せたがやペイの機能拡充
質問 せたがやペイを地域通貨として一層普及させるには利便性の向上が不可欠だ。区民税や世田谷美術館の入館料などの公金支払に利用できるよう機能を拡充せよ。
経済産業部長 公金収納への採用について総合的に検討していく。
- 点在する交通不便地域の早期解消
質問 交通不便地域の解消に向け、砧地区でのデマンド型バスの実証運行を他地域にも展開すべきだ。実証運行実施に向けた検討が進むよう住民協議会の発足を支援せよ。
技監 協議会の早期設立を促し地域のニーズに即した対策を進める。
- 豪雨対策の目標数値
質問 豪雨災害が頻発する今、浸水被害防止に向けた対策が重要だ。雨水の貯留や浸透に資するグリーンインフラなどの整備を進めることでどの程度の効果を見込むのか。
豪雨対策担当参事 時間降雨10ミリ対応以上の雨水流出抑制を目指す。
- 公共サービスの担い手の所得向上
質問 都の最低賃金が引き上げられる中、区の事業で子どもや障害者の支援を担う方々の報酬は依然として低い。委託事業も含めて現状を把握し、報酬の適正化を図れ。
財務部長 最低賃金を遵守した委託費の算定に向け全庁に周知した。
- 介護事業者への事業継続支援
質問 区は介護事業者に対し緊急的に支援金を給付している。給付を機に事業者の状況を詳細に把握し経営相談を実施するなど、事業継続につながるよう支援せよ。
高齢福祉部長 給付金の使途などを把握し継続的な支援を検討する。
- 子どもの権利の理解促進
質問 子どもと関わりの深い学校現場でも子どもの権利が十分に根づいていない現状がある。福祉部門と教育委員会の連携を強化せよ。
副区長 権利学習を教員研修の重要なテーマとして定着させていく。
- 脱炭素地域づくりへの施策展開
質問 区は成城地区での脱炭素地域づくりを区内全域に展開する方針だ。実現に向けて区民や事業者を広く巻き込んだ取組を推進せよ。
副区長 住民参加を促し脱炭素の機運を醸成する取組を検討する。
- 教員の働き方改革
質問 教員が子どもと向き合う時間を十分に確保するためには、働き方改革が急務だ。多忙化解消に向けた取組の実効性を高めるため、成果を数値化し評価検証せよ。
教育長 多忙化解消への変化を教員が実感できるよう取り組む。
- 恵泉通り開通に向けた区長の姿勢
質問 土地占有者との交渉が難航している恵泉通り問題について、区長は関係者と会って話をしたというが占有者本人と話さなければ意味がない。区長が直接交渉せよ。
区長 早期に交渉を進展させたいと強く考え関係者の方と話をした。
- 恵泉通り周辺住民の利便性向上
質問 区は占有者の居住を理由に行政代執行はしない考えだ。せめて歩行者や自転車が通行できるよう家屋を除く部分の行政代執行を段階的に進めるべきではないか。
道路・交通計画部長 建物以外の部分的な更地化は難しいと考えている。
- 新庁舎の設計変更に伴う費用負担
質問 頻発する新庁舎の設計変更で建築費が増している。価格を含めて事業者選定した経緯から費用は事業者が負担すべきではないか。
副区長 設計者や施工者の責による変更は支払う対象としていない。
- 区民会館に設置した什器のコスト
質問 区民会館の机などは本庁舎整備に伴い伐採された樹木を再利用して作られたものだが、完成までに多額の経費を要したと聞く。什器1個当たりのコストを示せ。
庁舎整備担当部長 委託料の総額は約3467万円で、1個当たり約35万円だ。
- 子ども条例改正素案の見直し
質問 子ども条例改正素案には、子どもの意見はいかなる意見も肯定するかのように読み取れる内容が含まれている。表現を改めよ。
副区長 様々な意見を踏まえ、子どもたちと議論しながら整理する。
- 子ども条例改正への疑念
質問 区長は中学時代に大人から権利を侵害された思いから「麹町中学に死の花束を」という本を執筆した。その個人的な思いを子ども条例に持ち込んではいないか。
区長 子どもや若者も含め、多くの方々の意見を取り入れている。
- 災害用支援物資の備蓄場所の拡充
質問 区は発災から3日分の物資を備蓄する計画だが保管場所が不足している。整備予定の上用賀公園でのスペース確保を含め、あらゆる手段で備蓄場所を拡充せよ。
危機管理部長 区施設などの有効活用により保管場所を確保する。
- 7年度予算編成への区長の姿勢
質問 昨今の物価高騰が貧困を一層深刻化させている。区民の暮らしや福祉、区内事業者の経営をしっかりと支える予算を編成せよ。
区長 安心して住み続けられる世田谷の実現に向けて編成に当たる。
- 区施設の使用料見直しの進め方
質問 区が示した集会施設などの使用料の値上げが区民の学びや集う機会を奪うことになってはならない。施設利用団体の意見も聞き、値上げ据置きなどを含め検討せよ。
政策経営部長 11月に区民意見を募集するなど幅広く意見を募る。
- 介護職員の処遇改善
質問 介護職の賃金は全産業平均から見ても低く一層高まる介護ニーズに応じた賃金アップが不可欠だ。継続した処遇改善策を講じよ。
副区長 必要な支援策を見極め、機会を捉え国への要望も行う。
- 子ども条例改正素案の充実
質問 子どもの権利を明記した子ども条例改正素案を評価する。ネット上の権利侵害から子どもを守る点や性暴力から子どもを守るために必要な体の権利の点も加えよ。
子ども・若者部長 子どもの意見を踏まえた議論を重ね検討を進める。
- 千歳烏山駅周辺まちづくりの財源
質問 過去、二子玉川での再開発事業では、総事業費の一割に当たる約156億円の税金が投入された。千歳烏山駅南側地区再開発事業に係る区の負担はどうなるのか。
烏山支所長 区が一定の負担をしながら国や都の補助金も活用する。
(補足)代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。
- あんすこ=あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)
- ファミサポ事業=ファミリー・サポート・センター事業