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最終更新日 2021年4月29日
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3年度予算を審査するため、49名の議員で構成する予算特別委員会を設置し、3月10日から3月24日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。
ここでは、予算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された3年度予算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。
新型コロナの世界的大流行から1年が経過した。国内でワクチン接種が始まったがいまだ収束の明確な筋道が見えない中、感染拡大防止の徹底を継続するとともに経済にてこ入れする時期を見極めて景気循環を力強く促す必要がある。
過去を振り返ると、我々日本人は多くの苦難を乗り越えてきた。第二次世界大戦後に早期復興を実現し、高度経済成長期を経てからのオイルショック、バブル経済やリーマンショックなど景気の乱高下を繰り返しつつも世界有数の経済大国へと発展を遂げた。今を生きる我々は新型コロナに向き合い、未来志向の構造改革により日本という豊かな国を更に発展させ次世代に引き継いでいく。我が会派はこのような気概を持ち、今後の区政運営に携わっていく所存である。
3年度予算は新型コロナの影響により歳入の根幹を成す特別区税と特別区交付金の合計が前年度比で128億円の減収を見込むと同時に、特別区債発行額は100億円を超えるなど非常に厳しい状況だ。区は大幅な税収減に対応するため事務事業の本質的な見直しに取り組んだと言うが、工事の先送りやコロナ禍のやむを得ない事業休止が本質的な見直しと言えるか甚だ疑問だ。
2年度は約100億円の繰越金があったため、区は施設の改修工事などを前倒しすることで、3年度予算案の収支を均衡させることができた。しかし今後は、多額の繰越金が見込めないことを考慮すると、現状の事務事業の見直しに満足する余地など全くなく、4年度予算編成に向け強固な財政基盤の土台づくりが必要だ。区には、直ちに行財政改革を断行し持続可能な区政運営への筋道を区民にしっかり示すことを改めて強く求める。
以下、区が重点的に推進すべき施策について意見を述べる。
新型コロナのワクチン接種は区にとって過去に例のない大規模プロジェクトだ。区民への適時適切な情報提供はもとより、高齢者や障害者の施設入所者、接種会場に来るのが困難な方や外国人への配慮など、きめ細かな対応を徹底し、迅速かつ円滑に遂行せよ。また、区民生活支援と区内経済活性化も重要課題だ。収入激減などにより生活に困窮する方へのセーフティネットを充実するとともに、せたがやペイを活用した事業者支援を早期に軌道に乗せ、生活と区内経済を守る取組に尽力せよ。
教育政策では、児童生徒に一人1台のパソコンを配備するGIGAスクール構想の推進に際し、デジタルツールを使いこなせる人材を育成するとともに、子どもの知的好奇心と学習意欲をかき立てる工夫を凝らしたカリキュラムを確立せよ。公立小の学級編成を35人以下に引き下げる国の法改正に合わせ、児童数増が見込まれる小学校では増築改修を進め、個別最適かつ協働的な学びの場を確保せよ。
災害に強いまちづくりでは、元年の台風19号を教訓に風水害対策を強化するとともに、首都直下地震に備えた避難路整備や不燃化耐震化の促進、都市復興ビジョンの策定に取り組め。また、京王線連立事業や三軒茶屋の市街地再開発事業を進め、安全安心でにぎわいのあるまちづくりに力を注げ。
我々が今定例会で様々な提案をした旧池尻中跡地活用では、事業者任せで検討を進めるのではなく、区が責任を持って具体的な活用例を示した上でアイデアを募集せよ。
区議会では現在、我が会派の提案に基づき議員による区職員に対するハラスメントを防止する条例を検討している。区民の代表である議員一人ひとりが襟を正し、区長をはじめ職員と切磋琢磨し持続可能な区政運営の実現に邁進するよう、我々は早期制定に尽力する。
区はコロナ禍の3年度予算で約128億円もの大幅な減収を見込むが、職員配置の適正化や公共施設運営の民営化の加速、行政財産を活用した税外収入の確保などの発想はなく、行政思考の予定調和を脱せずに他自治体の後塵を拝している。
以下、我々が最重要課題として捉える施策について意見を述べる。
第1に新型コロナウイルス感染症対策についてである。ワクチン供給の数量や時期が不確定でも、事前準備を着実に進めなければならない。国と連携したワクチン接種記録システムの運用や各会場でのシミュレーションを通じた上で円滑な接種体制を構築せよ。区民からの問合せについては特別定額給付金事業でのコールセンター対応の反省を教訓に、柔軟に対応できる体制を早期に整えよ。
第2に行財政再建についてである。コロナ禍で財政が逼迫する中、3年度予算編成では事業見直しにより136億円の歳出を削減したが、実質的には事業の先送りが多く、新規事業についても決定プロセスが不透明である。生活困窮世帯の子どもへの支援事業や旧池尻中跡地活用の調査、区立図書館の在り方などについては、区民ニーズとコストの両面から分析し、区民目線で真に必要なサービスに予算をつけよ。また、せたがやペイの地域通貨としての付加価値の創造や都予算での個店支援拡充を求める。
第3に地域行政制度についてである。区が示す地域行政推進条例骨子案は目指すべきまちづくりの姿が十分示されておらず、条例の目的も不明確だ。コロナ禍による地域コミュニティーの衰退を克服する鍵は我々が求めてきた地区の強化であり、行政のデジタル化を効果的に取り入れるなど、地区を支える支所の役割と責任を明確にし、地域行政制度を再構築せよ。
第4に災害対策についてである。区民の命を守るための迅速な状況判断と的確な情報発信に向け、自衛官OBを起用せよ。また、避難行動要支援者の命を守る福祉避難所の開設時期の再考や福祉専門職を活用した個別避難計画の早期作成、ペットの同行避難体制の構築など着実に取り組め。
第5に持続可能な取組であるSDGsの推進についてである。SDGsの目標を2030年に達成するため、全庁一丸となった体制構築が必要だ。食品ロス削減と連動した子ども食堂の永続的支援や福祉の相談窓口での「断らない相談支援」の実現、生活に困窮する女性の「生理の貧困」への早急な対応などの取組は、誰も置き去りにしないとの決意で一つ一つ着実に推進せよ。
新型コロナで一層悪化した雇用情勢下で働く非正規労働者の支援を拡充せよ。転出超過による人口減や税収減を踏まえ本庁舎整備を進めよ。利用率が低く維持費が高い公共施設運営を改善せよ。区有地でのキッチンカー事業など持てる資産で歳入を得る施策を進めよ。
DX推進は個人情報保護や新たな条例制定を念頭に、各所管のデータの蓄積から新たなサービスを開発しエビデンスに基づいた政策形成を図れ。災害情報をリアルタイムで共有できるシステム導入と災害弱者の支援に注力せよ。区の女性管理職比率30%を目標とせよ。
持ち帰り容器に環境に優しい植物性素材を推奨しプラごみを発生抑制せよ。らぷらすでの若年女性の支援を拡充せよ。せたがやペイの活用拡大に工夫を凝らせ。高齢者就労支援システムGBERの実証試験を進め課題の改善に努めよ。
法のはざまで支援につながりにくい若者や進学を望む困窮家庭の子どもへの支援を強化せよ。在宅介護従事者を新型コロナワクチンの優先接種の対象に加えよ。保育選考の基準を見直せ。発達障害児の通所施設などの拡充に注力せよ。
調布市に続き区内の外環道工事区間での空洞調査結果などを区民へ情報提供し不安を払拭して関係地域のまちづくりを進めよ。ひとり親家庭へ住宅セーフティネットの活用を促せ。自転車交通の活発化に際しナビライン等を整備せよ。
タッチ・ザ・ワールドは英語教育の拠点として再構築せよ。ICT支援員の質の確保に努めよ。不登校対策として指定校変更許可基準を緩和せよ。不適切な指導の再発を防止せよ。中学校の校則を生徒主体でつくる仕組みを築け。
高次脳機能障害者への支援を充実せよ。障害基礎年金の申請率向上に努めよ。子どもの発達特性に応じた切れ目のない支援体制を教育総合センターに設けよ。区施設の民営化は労働環境に配慮しながら行え。事業を終了した際は総括を議会に報告しそこでの反省を次の施策に生かせる体制を構築せよ。
区はジェンダー平等と多様性社会の実現に向けより一層尽力せよ。コロナ禍の今だからこそ議会と行政が知恵を絞り、無駄のない効果的な予算執行で福祉や教育、働く人へのたゆみない支援を継続せよ。
危機的状況の時こそ、冷静に状況を見極め、対応することがリーダーとしてあるべき姿だ。しかし、区長の代名詞とも言える「誰でも、いつでも、何度でもPCR検査」を議会との議論もなく、副区長にさえ知らせずに独走し喧伝したことはリーダーの資質を欠く行為だ。
3年度予算に新型コロナ対策として区長の「やってる感」だけの社会的検査を性懲りもなく計上した。我々は高齢者施設等での集団感染を防ぐにはウイルスの潜伏期間を考慮し検査を高頻度で徹底的に行うか、各施設内の感染拡大防止の直接的な取組支援に予算をつけるべきだと再三訴えてきた。よって、我々は、医学的根拠や合理的根拠に基づかない、感染防止にもつながらない税金を浪費するだけの予算案に対し組み替え動議を提出し一般会計予算に反対した。
また、集団感染を引き起こした事実があるか否かにかかわらず、感染拡大の原因が高齢者であるかのような無神経な発言を繰り返す区長の行為に強く苦言を呈する。
区長は合理的根拠のない施策を区の施策として職員に強いていることを自覚し姿勢を改めよ。
コロナ禍で目前の課題に追われる今だからこそ、高齢者人口が過去最大と見込まれる2040年の将来を見据え、変化に柔軟に対応できる区政運営を実行することが重要だ。
紙での業務を単にデジタル化するのではDXとはならずムダを生みかねない。学童クラブの入退室管理の為に約5000万かけ導入するシステムは既に類似ツールが学校に導入済みのため見直せ。地域行政推進条例の検討は議会の意見を踏まえ、出張所や地域行政審議会などの抜本的見直しを含め議論せよ。まちづくりセンターについては行政手続の電子化に伴う窓口の効率化と利便性向上を図るとともに、区は対面応対による価値を再認識再構築せよ。区の生産年齢人口が減少に転じた点を踏まえ、通勤通学などで区と関わる関係人口と連携協働した取組や自然エネルギーなどの自治体間連携、民間活用を推進せよ。図書館での民間活用は知と学びと文化の情報拠点としての考えを整理し検討せよ。高齢者が立ち寄れる居場所の創出は実態を踏まえ迅速に対応せよ。事業の担い手である職員が課題に柔軟に取り組む風通しのよい組織を築け。
新年度予算は、PCR検査拡充など感染症対策に重点を置き、暮らしや子ども達を支える積極的予算と評価する。高齢者施策では、介護保険料引き下げ、紙おむつ支給を守ったこと等を評価する。
コロナ禍から区民の命と暮らしを守ることが区政の最重要課題だ。感染を封じ込める検査の抜本的拡充、医療機関財政支援、事業者へ十分な保障が必要だ。社会的検査の間隔短縮と受検促進、保健師増員、介護従事者へのワクチン優先接種を行え。暮らしと営業を守るために、支援制度の周知、生活保護ケースワーカー等体制強化及び子どもの貧困対策等の強化を。国保料減免の継続と、対象から外れるフリーランス等への支援を。不登校や発達障害児支援強化を。外環道は事業の前提が崩れる重大事故だ。事業者に説明責任等求めよ。
脱原発・脱炭素の実現を図りながら子どもへのSDGs教育を充実せよ。プラスチックごみゼロ宣言を出すなどリデュース最優先で持続可能な社会を築け。公共施設での石けん利用を徹底せよ。クォーター制導入などで女性の活躍を促すとともにハラスメント対策などを充実せよ。リプロダクティブ・ヘルス/ライツの観点で性教育を進めよ。生理の貧困を解決せよ。インクルーシブ教育の実現に向け、普通学級に作業療法士を配置せよ。手話の言語としての位置づけに配慮し障害者差別解消条例を制定せよ。高齢者福祉の充実に向け介護サービスの質と量を確保せよ。住まい確保や経済的な支援が確実に届く仕組みをつくれ。性暴力を含む犯罪被害者の生活を支える体制を築け。社会的検査を有効活用した安全なワクチン接種環境を築け。
新型コロナに打ち勝つための3年度予算はワクチン接種をはじめ、様々な施策により全区民の命を守り生活を取り戻す希望の予算であり、デジタル化などの社会変化に応じる改革の予算でもある。区は区長の下、一丸となり着実に予算執行し区民救済の正義を実現せよ。
区は条例で差別禁止を掲げるが、同性カップルへの災害弔慰金の不支給などを是正しない。自主的に事業を点検し改めよ。不作為が続く若年がん患者への支援を早急に実現せよ。多額の道路占用料獲得につながる区道上空に突き出す看板などを調査しない愚行を見直せ。
新型コロナ対策としてPCR検査体制強化とワクチン接種を迅速に行う体制を構築せよ。自転車利用者増を踏まえ保険加入の義務化や安全対策の周知に加え、走行環境やシェアサイクル整備も進めよ。地域行政推進条例は地域の声を聞き全国の模範となる条例とせよ。
DXの全体像を設計しないと、税金がシステム業者の食い物にされる。民間人材の登用で、対等に議論できる体制を整えよ。何でも税金で事業化する前に、原因を探り、先に民間事業者を案内せよ。世代間格差を是正し、現役世代が子どもを希望できる環境を整えよ。
NHKの悪質な訪問集金活動や特殊詐欺などの卑劣な犯罪行為、子どもの貧困や虐待から区民を守り誰もが安心して暮らせる世田谷の実現に向け、積極的に予算を配分せよ。新型コロナ収束までの道筋が見えない中、取り得る全ての対策を区一丸となり迅速に進めよ。
新型コロナにより学校行事の中止や生活面での制限など、子どもはあらゆる我慢を強いられてきた。教育長のリーダーシップの下、未来を担う子どもが前向きになれる教育を推進せよ。高齢者のワクチン接種は集団接種だけでなくかかりつけ医での個別接種を実施せよ。
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