令和6年第2回区議会定例会 代表質問
6月10日及び11日の本会議で、5名の議員がそれぞれの会派を代表して質問を行いました。その一部を要約してお伝えします。
- 相次ぐ特別職辞任への区長の見解
質問 保坂区政は区長が任命した特別職9名のうち約半数の4名が任期途中で辞任するという異常事態であり、区長に何らかの問題があると考える。区長の見解を示せ。
区長 いずれの方も5年以上務めており都の副知事の例とは異なる。
- 新教育長の目指す教育の方向性
質問 新教育長は区の教育行政のリーダーとして自身が目指す教育の方向性を明らかにすべきだ。どのような施策を最優先事項に据え、実現に向けてどう取り組むのか。
教育長 自ら判断し行動する力を育成する教育が必要と考える。
- 本庁舎整備の損害賠償額の最大化
質問 本庁舎整備工事の延伸期間に係る協議が調った今、損害賠償額の最大化こそが区民利益の最大限の保護につながる。大成建設との交渉に向けた区の決意を示せ。
副区長 損害額を可能な限り積み上げ、交渉をしっかりと進める。
- 恵泉通り全線開通の早期実現
質問 先般、恵泉通りの早期開通を望む陳情が300名以上もの方々から提出され、委員会で趣旨採択された。区長はこの結果を真摯に受け止め早期開通に全力を挙げよ。
区長 様々な対策を検討し、一日も早い開通に向けて指揮を執る。
- 町なかへのベンチの設置推進
質問 子育て家庭や高齢者、障害者など移動に不安を抱える方が安心して外出できるよう、町なかへのベンチの設置を進めるべきだ。数値目標を定め積極的に取り組め。
技監 毎年度5か所の設置を目標に、ベンチなどの確保を目指す。
- 高齢者の移動支援策の拡充
質問 高齢者が社会と関わりを持つことは健康増進に大きく寄与し、介護予防にもつながる。高齢者の外出を後押しするため、区は移動支援策の早期拡充に力を注げ。
高齢福祉部長 多くの方の外出促進につながるよう支援を図る。
- みどりの創出に向けた取組の推進
質問 みどり率の向上にはオール世田谷で臨むことが肝要だ。緑化助成制度を拡充するなどあらゆる手段を駆使し、区民や事業者と共にみどりの創出を一層進めよ。
副区長 区民や事業者と連携を図りみどりの量と質の向上を目指す。
- 自衛隊との強固な連携体制の構築
質問 災害から区民の命と財産を守るため、自衛隊と強固な連携体制を構築すべきだ。さきの議会で区はこれまで以上に緊密に連携すると答弁したが、進捗状況を示せ。
副区長 意見交換を行うなど連携強化が進んでいると実感している。
- 介護人材の確保に向けた支援
質問 介護施設の人手不足は深刻であり、運営に支障を来している施設も少なくない。安定的に福祉サービスが提供されるよう、外国人材の確保などの支援策を講じよ。
副区長 外国人材の確保を含め、区独自の支援策の構築に取り組む。
- 区内中小事業者の賃上げ支援
質問 昨今の大企業での賃上げの流れを区内事業者まで波及させるべきだ。都の設備投資支援事業に区が上乗せ補助を行うなど、賃上げにつながる支援を力強く進めよ。
経済産業部長 賃上げを含む事業者の発展に向けた施策を検討する。
- せたがやそだちによる農業振興
質問 区内産農産物「せたがやそだち」は農業理解促進に寄与しているが生産量に限りがある。更なる農業振興に向け、今後区はどのようなブランド展開を目指すのか。
経済産業部長 PRポスターの刷新などブランド価値向上に努める。
- シビックプライドの醸成
質問 高齢化に伴い地域活動の担い手不足が深刻化している。地域活動に区民の主体的な参加を促すため、地域に愛着と誇りを抱く「シビックプライド」の醸成を図れ。
区長 様々な地域の資源を活用し、シビックプライドの醸成に努める。
- 教員の働き方改革の推進
質問 横浜市は教員の長時間勤務の改善に向け、学校現場のニーズを柔軟に取り入れている。区もアンケート結果などを活用し教員に寄り添った働き方改革を推進せよ。
学校教育部長 現場の声に耳を傾け実感できる働き方改革を進める。
- 災害時の快適なトイレ環境の確保
質問 災害時の仮設トイレは衛生面などに大きな課題がある。緊急時でも快適な環境を確保できる移動型トイレトレーラーを導入せよ。
危機管理部長 他自治体の導入事例を参考に調査を行い、検討する。
- 在宅避難時のライフライン確保
質問 在宅避難に必要な支援を充実すべきだ。ライフライン断絶時でも電気や水を確保できるよう、家庭用の蓄電池や貯水タンクなどの設置費助成制度を創設せよ。
危機管理部長 基金の活用も視野に入れ、支援制度の検討を進める。
- 身近な地区での申請手続の実現
質問 全地区のまちづくりセンターで行政手続のオンライン相談が可能となる予定だ。区民の利便性を高めるため、相談した後に申請手続までできる体制を構築せよ。
地域行政部長 申請先の部署と確認し手続について適切に対応する。
- 新興感染症への対応力強化
質問 新興感染症の拡大防止には初動が重要だ。迅速な対応に向け、未知の病原体が出現した際の情報収集や分析などを行う国立健康危機管理研究機構との連携を図れ。
保健所副所長 効果的な連携に向け、調査研究や情報収集を進める。
- 介護認定業務のDX推進
質問 高齢化による介護需要の増大で介護認定業務の負担が増している。事務の効率化に向け認定調査への端末機器の導入や介護認定審査会のオンライン開催を進めよ。
高齢福祉部長 事務の効率化を実現するシステムの導入を検討する。
- 終活相談支援センターの創設
質問 身寄りのない高齢者など人生の最期を迎えるに当たり不安を抱える方は多い。遺言書の作成や遺品整理の準備などの終活を気軽に相談できる窓口を創設せよ。
区長 弁護士などと協力しながら相談支援の体制整備を検討する。
- スポーツ観戦を重視した施設整備
質問 大蔵運動場などの再整備では「稼ぐ公共施設」の視点が重要だ。全国規模の公式競技大会が実施できる基準の施設を整備し、区外からの集客率向上を図れ。
スポーツ推進部長 基礎調査の結果や区民の意見を踏まえて検討する。
- ごみのポイ捨て防止策の強化
質問 外国人観光客の増加に伴いポイ捨てが増え、まちの環境美化に取り組む地元の負担となっている。清掃費用を生み出す広告付きごみ箱の設置などに取り組め。
副区長 他自治体の成功事例を参考にポイ捨て防止の取組を進める。
- 地方自治法改正への区長の見解
質問 今般の地方自治法改正案には災害や感染症などの重大な事態が起きた際、国が自治体へ指示できる特例が盛り込まれた。地方分権に逆行する改正への見解を示せ。
区長 自治の根幹に触れる問題であり、私自身も声を発信していく。
- 誰一人取り残さない施策の推進
質問 高齢化の進展とともに孤立する高齢者が増えている。「誰一人取り残さない世田谷」の実現に向け、誰もが漏れなく福祉サービスを受けられる万全の体制を築け。
副区長 保健福祉センターを中心に細かなセーフティネットを築く。
- 教育改革に向けた教育長の決意
質問 インクルーシブ教育の推進や不登校対策など、区の教育課題は山積している。新教育長は何に重点を置き教育施策を進めるのか。
教育長 子どもが共に学び、共に育つことを土台に据えて取り組む。
- 気候危機対策の推進
質問 気候変動を抑制するにはCO2の排出要因となるプラスチックの資源循環が不可欠だ。燃えるごみとしての収集をやめ分別回収せよ。
清掃・リサイクル部長 具体的な事業手法について現在検討を進めている。
- 道路事業推進に向けた区の姿勢
質問 道路整備は災害対策の点から重要ではあるが、必要な用地買収は強行に進めることなく住民の立場で丁寧に交渉することが大切だ。用地買収への基本姿勢を示せ。
副区長 話し合いを重ね信頼関係を築きながら交渉を進めている。
- 犯罪被害者支援条例の制定
質問 区は犯罪被害者支援に係る条例を制定予定だ。被害者の適用範囲や支援への区民理解の促進など、課題を十分整理するとともに、当事者の声を反映した条例とせよ。
区長 支援の範囲など整理すべき点について今後十分議論していく。
- 国政選挙への区長の出馬意向
質問 衆議院の年内解散の可能性や参院選を来年に控えるなど、国政選挙が続く見通しだ。副区長や教育長の辞任が相次ぐ中、区長まで出馬して区政を投げ出すのか。
区長 任期中は区政の発展に全精力を傾注する所存である。
- 恵泉通り開通に向けた区の対応
質問 恵泉通りの早期開通を求める陳情が区議会に提出され、委員会で趣旨採択された。用地買収に協力した地権者などの想いに応えるため区は行政代執行を決断せよ。
副区長 多角的な交渉を進めながら行政代執行の課題整理も進める。
- 火葬料金の高騰化への区の認識
質問 火葬場を運営する企業の利益追求で火葬料金が値上がりし、多くの区民が不安を抱いている。この事態をどう捉えているのか。
地域行政部長 区民の方の負担は小さくないものと認識している。
- 学校の遮熱対策の推進
質問 酷暑に備え、学校の遮熱対策を計画的に進めるべきだ。屋外プールへの日よけシート設置に向けた進捗状況と今後の対応を示せ。
教育政策・生涯学習部長 まずは15校で効果検証を行い他校の対策を検討する。
- 庁舎整備延伸の和解に対する疑義
質問 新庁舎整備の延伸に伴い区は大成建設と和解に係る合意書を締結した。非があるのは大成建設であるにもかかわらず、なぜ区が和解に応じなければならないのか。
庁舎整備担当部長 弁護士にも相談し、法律上の和解に当たると整理した。
- 大成建設との賠償交渉の記録開示
質問 大成建設との賠償交渉が円滑に進んでいない状況を受け、交渉過程の記録を情報開示請求したところ黒塗りだらけであった。包み隠さず正確な記録を開示せよ。
庁舎整備担当部長 今後の交渉に差し支えるため必要な部分を開示した。
- 平和な社会の実現に向けた行動
質問 世界情勢が緊迫する今、区は平和な社会の実現に向け行動すべきだ。来年の平和都市宣言40周年を見据えたイベントなどを実施し平和へのメッセージを発信せよ。
副区長 平和社会の実現を希求し、イベントや企画展などを検討する。
- 土地利用規制法への区の対応
質問 土地利用規制法は自治体が持つ個人情報を本人同意なしに国が収集でき、区民の基本的人権を侵害するものだ。区は情報提供を求められた際にどう対応するのか。
政策経営部長 利用目的などを審査し法令に基づき適切に対応する。
- 地方自治法改定案への区長の見解
質問 今般の地方自治法の改定案は国の自治体への指示権を拡大し、地方自治を根底から破壊するものだ。改定案への区長の見解を示せ。
区長 自治体に対して絶対服従を求める内容であり、危惧している。
- 紙のお薬手帳の重要性
質問 マイナポータルと連携した電子版お薬手帳は処方薬がすぐに反映されず、医師に正確な情報が伝わらないおそれがある。区は紙の手帳の重要性を区民に周知せよ。
副区長 それぞれの利点を踏まえ、お薬手帳の普及啓発を進める。
- 終活支援に向けた相談窓口の整備
質問 葬儀や相続などの準備をあらかじめ行う終活は高齢者の不安や悩みの解消につながる。都の制度を利用し他自治体の先進例も参考に、終活の相談窓口を整えよ。
副区長 個人の尊厳を重視した相談ができる仕組みを検討する。
- 新庁舎での女性用トイレの増設
質問 新庁舎1期棟は女性用トイレの数が非常に少なく、改善を求める職員の声は多い。2期棟、3期棟の整備では増設を検討せよ。
庁舎整備担当部長 良好な労働環境を確保する視点で庁舎整備を進める。
(補足)代表質問や一般質問では下記のとおり省略表記を使用しています。