令和4年第1回区議会定例会 会派意見

最終更新日 令和4年4月29日

ページ番号 197532

4年度予算に対する会派等の意見

4年度予算を審査するため、47名の議員で構成する予算特別委員会を設置し、3月8日から3月24日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。

ここでは、予算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された4年度予算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者


自由民主党世田谷区議団
=石川 ナオミ
公明党世田谷区議団=佐藤 ひろと
世田谷立憲民主党区議団=藤井 まな
無所属・世田谷行革110番・維新=大庭 正明
日本共産党世田谷区議団=中里 光夫
生活者ネットワーク世田谷区議団=金井 えり子
新風・せたがやの風=小泉 たま子
減税せたがや=あべ 力也
レインボー世田谷=上川 あや
世田谷無所属=ひうち 優子
Setagayaあらた=佐藤 美樹
都民ファーストの会=そのべ せいや
国際都市せたがや=神尾 りさ
区民を守る会=くりはら 博之
無所属=青空 こうじ

区長は明確な将来像を区民に示し持続可能な区政の実現に尽力せよ
―自由民主党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

新型コロナウイルス感染症の猛威は2年経つ今も収束が見通せない。この間、各自治体は首長を先頭に感染症対策と合わせ地域経済支援や学校休校対応など、かつてない苦境を乗り越えるべく奮闘してきた。翻って保坂区長はツイッターでの政府批判に始まり、庁内で議論すらせず「世田谷モデル」と称してテレビで喧伝(けんでん)した無症状者へのPCR検査や、議会をないがしろにし暴走した愚策ともいえる抗原定性検査キット無料配布に至るまで、その独善的な行動は大混乱を招いただけで区民の安心安全にはつながらなかった。一方、コロナ禍で止まったままの事業が山積しており看過できない事態だ。今こそ我が会派が幾度となく求めたリーダー像を体現し、事業を前進させるべきだ。区長は自らのビジョンを明確に示し組織で十分共有した上で、議会と真摯に議論し重要な判断を先送りせず決断せよ。

次期基本計画の策定に際しては、「今」の積み重ねが「未来をつくる」ということを区長は胸に刻み、議会の声を真剣に受け止め、区政運営に注力するよう強く要望する。

以下、我が会派が特に重要視する施策について申し述べる。

旧池尻中跡地活用について、我が会派はものづくり学校事業17年間の総括が不十分なまま検討を進める区長の姿勢を質すため、数々の問題点を指摘し、全庁的な見地での再考と議会の理解を得ず拙速に予算計上しないことを再三忠告してきた。しかし、区は結論ありきの検討でお茶を濁し、当初予算案に耐震改修経費などを計上した結果、多くの会派からも厳しく追及された。鈍感力に優れた保坂区長といえども計画が了とされない理由を理解したのではないか。区長は約束どおり現計画に基づく4月の運営事業者募集を取りやめ、経済効果の見立ての妥当性、類似事業との重複問題、校庭を含む学校施設の一体活用の必要性など、諸課題を整理し地域へ丁寧に説明するとともに、事業撤退にかかる基準の設定などについても独断専行を厳に慎み、議会の合意形成が取れるまで議論をし尽くせ。

DX推進と地域行政改革は区民サービス再構築における車の両輪だが、社会のリモート化の流れに区役所は取り残されている。自宅や身近な窓口での手続や相談の完結はもとより、申請主義から区民ごとに最適な情報とサービスを届けるプッシュ型行政に転換を図れ。災害対策や交通不便地域対策など地区特有の課題解決はまちづくりセンターを中心に地区主体で取り組め。DX推進と地域行政、本庁舎整備を統括する特命担当副区長を新たに選任し取組を加速せよ。

子どもの育ちと学びを支える環境の整備は決して滞らせてはならない。児童館未整備地区の解消に向けた整備計画を早期に策定せよ。学校改築は年2校から3校に増やし、校庭の人工芝化のモデル実施も行え。2023年に導入予定の統合型校務支援システムは、個人情報管理などの課題を整理し、児童生徒一人ひとりに応じたプッシュ型指導の実現に資するものとせよ。

4年度予算は歳入の根幹となる特別区税と特別区交付金の大幅な増加が見込まれるが、区財政は社会保障関連経費や老朽化した公共施設の更新経費、災害に強いまちづくりに向けた都市基盤整備への投資など、長期的に多額の支出が見込まれている。想定外の税収増に浮かれず持続可能な財政基盤の構築に向け、抜本的な事務事業の見直しや積極的な民間活用など徹底した行財政改革を進めよ。何より、区民の代表である我々区議会と虚心坦懐に議論の上、施策を立案し区民全体の福祉向上に資する区政運営を行うことを強く求める。

未来を見据えた行財政改革を進め未曽有の危機的状況を打破せよ
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見) 

4年度の区財政は特別区税が94億円、特別区交付金が121億円の前年度比増を見込むが、不安定な世界情勢やふるさと納税による減収などを踏まえると依然、予断を許さない状況だ。我が党が指摘する重複事業の見直し、公有財産活用による稼ぐ公共への転換などの道筋はいまだ不透明であり、結論を出せない、結果を求めない保坂区政の「参加と協働」の弊害と言える。誰のため、何のための行財政改革なのか、との目的を明確にした上で区政運営を進めよ。

以下、我が党が最重要課題と考える施策について意見を述べる。

第1に、未来への投資として全ての新BOP(ボップ)での時間延長を早期に実施するとともに、所得制限を撤廃した上で学校給食費と高校3年までの医療費の無償化を実現せよ。また、児童館未整備地区への整備は民間活用を前提に進めよ。

第2に、ワクチン接種会場の配置偏在や検査キット配布による混乱など、区の感染症対策には、これまでの教訓が全く生かされていない。改めて目的を明確にするとともに医療機関との連携を密にし、第7波に備えた万全の体制を築け。

第3に、コロナ禍での地域コミュニティーの衰退を克服するため、地区を強化すべきだ。まちづくりセンター所長が地区の総合責任者となり、あんすこ、社会福祉協議会、児童館との4者連携による実効性ある組織へ変革するため、まちづくりセンターの権限強化を地域行政推進条例に明記せよ。

第4に、首都直下地震に備え、社会状況の変化を踏まえた新たな災害協定の締結を検討せよ。既存の協定は危機管理部門による総点検を行い、実効性を確保せよ。

第5に、旧池尻中跡地活用は、区内の商業・工業・農業・建設業の4本柱を軸に地域産業活性化を図り、区民の暮らしに利益が還元される視点が重要だ。資源循環を通じた新規事業を支援するなど新しいモノやコトを生み出すイノベーションの拠点を築け。また議会との合意形成が成されるまではプロポーザルも耐震工事も進めるな。

第6に、外郭団体改革の取組からは、団体の自主・自立性の確立に向けた方向性が全く見えない。団体の果たす役割や存在意義を明らかにして存続の可否を判断せよ。

議会の提言を真摯に受け止め行政の改善と発展に力を注げ―世田谷立憲民主党区議団―(全ての会計に賛成する意見) 

ロシアのウクライナ侵攻に強く抗議する。避難民の受入れに備え、区営住宅や空き家の活用、寄附を募る仕組みづくりや地域団体と連携した言語対応などに取り組め。

災害対策に女性の視点を取り入れよ。在宅避難の促進に向け、家庭への蓄電池の設置補助を進めよ。

4年度予算は前年度に比べ約136億円増額の約3336億円となるが、新型コロナの影響で家計が急変した区民も多く、収入格差の拡大が懸念される。多額の医療費を負担している新型コロナの後遺症者への支援策を講じよ。感染リスクの高い介護現場の労働環境を整備し職員の負担軽減を図れ。子どものワクチン接種に係る正しい情報提供や相談窓口の案内を徹底せよ。新型コロナの影響を受けた区民や事業者への支援に注力せよ。

一時保育を更に充実させよ。子どもの医療費と学校給食費の完全無償化を図れ。特別支援教育やインクルーシブ教育を推進せよ。開設する不登校特例校分教室では子どもの権利を第一に、子育て世代にも寄り添う施策を展開せよ。

せたがやペイ登録店が導入による効果を実感できるよう更なる施策の充実を図るとともに、労働報酬下限額を1360円に増額するなど、社会情勢に鑑みた区内経済の活性化策を講じよ。持続可能な地域経済の実現に向け、大量生産や大量消費を見直すとともに就労支援を強化せよ。旧池尻中跡地活用事業では起業や既存産業を支援せよ。各種事業を民間委託する際は、区の公的責任を担保せよ。国が個人情報保護法を改正しても区独自の保護規定は堅持せよ。

都市整備領域でのDXを進めよ。みどり率33%の達成困難な状況を踏まえ抜本的な解決策を講じよ。

中高年のひきこもりや認知症、消費者被害、防災など所管を超えた取組が必要だ。地域ケア会議により多くの職員を参加させよ。

区は予算委員会での我々の提言を真摯に受け止め、行政の更なる改善と発展に生かすよう力を注げ。

区長は新実施計画の失敗を猛省し区民が納得できる区政を実現せよ
―無所属・世田谷行革110番・維新―(一般会計には反対、その他の会計には賛成する意見) 

平成26年度~令和3年度の8年にわたり、区の新実施計画の達成率が5割にも満たず終わったことは看過できない事態であり、我々は、区がこの失敗の原因を解明しないまま4年度事業を執行することを到底容認することはできない。

以下、新実施計画が失敗に終わった要因について示し猛省を促す。

まずは、副区長の頻繁な交代劇をはじめとした不安定な人事体制だ。この体制では誰が計画に責任を持つのか曖昧となりバラバラな保坂区政を露呈する結果となった。また、計画の進捗を丸投げし目先の話題づくりに終始した区長の下では計画が進むはずがない。区長たるもの区政運営に専念せよ。計画行政における情報公開の責務を果たす方法として区長記者会見を行う度に計画達成率を公表せよ。

現在、区は役所の論理で住民自治の充実を目指しているが、区民が望んでいることは、議会が届ける住民の声を区長が執行機関として着実にサービスとして実現していくことだ。しかし、今定例会の予算審議を通じ改めて区長の無責任な姿勢を目の当たりにし、我々は今後の区政を大変危惧している。

参加と協働の下で区政を運営せよ
―日本共産党世田谷区議団―(国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

区長は区民の命と健康を守ることを根幹に据えた区政運営を基本姿勢としてきたが、コロナ感染症対応は、全国に先駆け大規模PCR検査を進めてきた。保健所や検査体制を拡充し引続き取組め。

参加と協働は政策形成過程での参加や住民自治確立で課題がある。区立図書館や学童クラブへの民間活用で継続性・安定性・専門性などの公的責任が果たせるのか。参加と協働で再検討を求める。

コロナで疲弊する事業者や家計急変世帯への支援強化せよ。18歳までの医療費無料化実施せよ。多子世帯の国保料軽減拡充を国に求めると共に区独自に行え。不登校児、発達障害児対策強化、すまいるルームの教員加配を行え。地域行政推進条例に区民の権利、主体的参画を明記せよ。都市計画道路の必要性を住民参加で検証せよ。

次世代につなげる区政を実現せよ
―生活者ネットワーク世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見) 

今こそ、子どもや若者が平和と人権を学ぶ機会を設けよ。DX推進では区独自の個人情報保護制度を維持し、区民の参加を促せ。災害時の住民相互協力を視野に地域行政推進条例をつくれ。環境が未来の命にかかわる問題であることを理解し、全事業に環境配慮がいきわたるよう、区職員の意識向上に向けた研修を充実せよ。高齢者やエッセンシャルワーカーの感染症対策強化、子どもへのコロナワクチン接種についての公正な情報提供、副反応への早期対応に努めよ。性別や雇用にかかわる格差是正を図れ。介護人材確保とヤングケアラー支援、認知症対策を進めよ。福祉と教育所管が連携を強め子どもの権利を守れ。子宮(けい)がんワクチン接種については本人が判断できるよう、支援団体のリーフレットを使い学校で情報提供せよ。

区民理解の得られる区政を目指せ
―新風・せたがやの風―(全ての会計に賛成する意見)

区政運営を進める上で区民から理解を得る努力を惜しんではならない。政策決定の判断と過程を透明化し、区民に伝わりやすくせよ。また、重要政策は検討委員会任せにせず区が責任を持って実現せよ。区の貴重な財産である旧池尻中跡地の活用方法は全庁で再検討せよ。地域行政推進条例素案は地域行政部のみで検討した結果、まちづくりセンター機能の充実を図るだけの内容になっている。本庁機能のスリム化や支所の地域経営力の強化、地区での総合行政の展開などの視点を加え、全面的に見直せ。

命を守る区民第一の行政構築を!
―減税せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

新型コロナから区民の命を守るため症状の有無にかかわらずPCR検査を受けられる体制の継続と充実を図れ。4年度予算はDXにより古い行政からの脱却を目指す改革の予算だ。区長を先頭に職員が一丸となり、スピード感を持って区民第一の行政構築に邁進(まいしん)せよ。

公平な社会実現に真摯に取り組め
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

区が放置している6040件もの違法な道路占用物件への指導を速やかに行い、占用料徴収を怠るな。ワクチン予約サイトを色覚異常のある方でも見やすい仕様に改め、また区民の安全を守る視点で鉄道などの民間事業者と連携を強めるなど多様性に配慮した施策を進めよ。

区民を守れるよう迅速に対応せよ
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

区民が気軽にPCR検査を受けられる体制を拡充せよ。自転車の利用者増を踏まえ、安全対策の強化や民間と連携したシェアサイクルの普及を図れ。区立校に防災ヘルメットを配備せよ。生物多様性の保全に取り組め。中小企業支援などのコロナ関連施策を強化せよ。

行政におけるDXを加速せよ
―Setagayaあらた―(全ての会計に賛成する意見)

情報化社会を生きる子どもには、物事の本質を見抜き深く考える力が求められる。区立校ではタブレット活用による探究的学びの推進に引き続き注力せよ。教育現場に比べ行政全般でのDXは停滞している。区民に情報格差が生じぬよう十分留意し、DXを加速せよ。

抜本的な行財政改革に踏み出せ
―都民ファーストの会―(全ての会計に賛成する意見)

未来を担う若者の希望や財産を守るため、今後の歳出増を見据えた抜本的な行財政改革が急務だ。公有財産活用による収益確保や区民の資産情報に基づく個別最適な行政サービスの提供を実施せよ。事業手法の改善などにより予算拡充に頼らない政策実現を進めよ。

組織を変革し地域課題に対応せよ
―国際都市せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

昨今の複雑な地域課題に対応するため、庁内連携を強化し施策を拡充せよ。柔軟で迅速な事業執行に向け、機動的な組織を構築せよ。子どもが国際社会で何ができるかを考えるきっかけとなる国際交流事業を展開せよ。誰もが未来に向けて挑戦し続けられる社会を築け。

安心して暮らせる世田谷を築け
―区民を守る会―(全ての会計に賛成する意見)

災害に強いまちの実現に向け、インフラ整備に尽力せよ。NHKの悪質な訪問集金活動、卑劣な犯罪行為から区民を守る施策を強化せよ。虐待や貧困から子どもを守る取組を拡充せよ。誰もが安心して暮らせる世田谷の実現に資する取組に積極的な予算配分を行え。

子どもに寄り添った施策を行え
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

平和に係る取組や東京2020大会のレガシーを生かした施策を進めよ。子どもへ障害理解を促すため地域のバリアフリー化の事例を啓発せよ。子どもへのコロナワクチン接種に際しかかりつけ医での接種体制を拡充せよ。接種の有無でいじめが起きないよう学校で指導せよ。


代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • 支所=総合支所
  • あんすこ=あんしんすこやかセンター
  • Hi・na・(ひなた)ta=医療的ケア相談支援センターの愛称
  • 東京2020大会=東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会

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