令和5年第1回区議会定例会 会派意見

最終更新日 令和5年4月29日

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5年度予算に対する会派等の意見

5年度予算を審査するため、47名の議員で構成する予算特別委員会を設置し、3月7日から23日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。

ここでは、予算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された5年度予算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者


自由民主党世田谷区議団
=阿久津 皇
公明党世田谷区議団=高橋 昭彦
世田谷立憲民主党区議団=中山 みずほ
無所属・世田谷行革110番・維新=大庭 正明
日本共産党世田谷区議団=中里 光夫
生活者ネットワーク世田谷区議団=田中 みち子
新風・せたがやの風=小泉 たま子
減税せたがや=あべ 力也
レインボー世田谷=上川 あや
世田谷無所属=ひうち 優子
Setagayaあらた=佐藤 美樹
都民ファーストの会=そのべ せいや
国際都市せたがや=神尾 りさ
区民を守る会=くりはら 博之
無所属=青空 こうじ

停滞する現区政を刷新し誰もが夢を持てる世田谷を築け
― 自由民主党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

コロナ禍の出口が見え始めた今、我が会派は新たな区民生活の在り方を見極め、世田谷区の発展に今後とも身を粉にする所存である。

以下、停滞し続ける保坂区政の今期4年を振り返り意見を述べる。

まず、新型コロナ対策である。区長は、議会はおろか庁内での議論すらせずPCR検査の拡充構想をマスコミで喧伝(けんでん)し世間を大混乱に陥れた。また、抗原定性検査キットを拙速にばらまいた結果、行政自ら会場を密にするなど、マイナスな印象ばかりが思い出される。

新庁舎建設では、区民の利便性や業務効率性を犠牲にし、空間特質なるものに区長がこだわり続けた結果、時間と経費を余計に要する工事となった。現在2か月もの工期遅れが発生し仕様変更も報告されるなど大きな不安を覚える。

区長肝いりの地域行政推進条例は検討に4年を要したにもかかわらず、行政サービスを向上する内容には程遠く、区民の失望を生むだけであり我が会派は反対した。結果的には可決されたものの、20名もの議員が反対するという世田谷区議会において前代未聞とも言える厳しい判断が下される事態となった。さらに、新実施計画事業の達成率は年々下がり続け、行財政改革にも非常に消極的だ。都市基盤整備事業は延伸に次ぐ延伸、新BOP(ボップ)学童クラブでの民間活用は1年先送り、公共交通不便地域対策においてはモデル事業すら実施できなかった。区民にとって死活問題である区政の重要課題の相次ぐ延期は、区長が重大な決断から逃げ続けていることにほかならない。こうした区長の姿勢が役所全体に伝播(でんぱ)し、少々の困難に挫折し簡単に事業を延期してしまう組織風土が構築されているのではないかと強く懸念している。

区政全般にわたり計画倒れが続く要因は、理想とする区の姿を持たない区長にある。区長は話題性のあるアイデアを表明し世間の注目を集めることにしか関心がなく、肝心な事業の実現に向けてはリーダーシップを発揮することもなく部下に中途半端な形で丸投げする。組織が疲弊しているのが今の区の実態だ。給食費無償化においても、いち早く検討を表明したものの27億円という財源を恒久的に生み出すには至らず、繰越財源を用いた単年度限りの緊急措置という着地点を見いだすことで精一杯だった。さらに、区の意思決定がないにもかかわらず、世田谷区が不登校の子どもの受皿を新設するとの記事が新聞に掲載され大きな混乱を招いた。区長が記者に対し、さも決定事項かのように自身の夢物語を語った結果ではないかと推察する。

そして何より衝撃的だったのは、区内保育園における虐待隠蔽である。区は保育の質にこだわってきた区長に忖度(そんたく)したかのごとく事実を伏せてきたが、議会からの虐待事案の総数公表を求める声にはあらがえず、区内15園で27件もの虐待が報告された。保育の質を担保し保護者や子どもの安心安全の確保に向け今後も実態を議会に報告し、虐待防止に努め信頼を回復することを副区長以下に強く求める。

改めて申し上げるが、区政は断じて区長の自己顕示欲を満たす手段ではない。区民の声に真摯に向き合い区民生活の向上に全身全霊を傾け、自身の言動に責任を持つ人でなければ区長は務まらない。

我が会派が目指すものは、区民が夢と希望と誇りを持てる世田谷の実現である。不確実な時代に対応し、子どもたちの将来に責任を持った区政を展開するためには、真に区民のことを思い、世田谷の未来を真剣に考え速やかに決断し実行できるリーダーが必要だ。この停滞した区政から脱却するため、我々は本気で行動していく。

区民生活を守る行財政改革を進めいまだかつてない難局を打破せよ
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

5年度の区財政は特別区税が58億円、特別区交付金が74億円の前年度比増収を見込むが、予想以上に進行する少子高齢化、物価高騰などの難局を迎えている。この難局を乗り越えるため区が「子ども全力応援」と銘打つ5年度予算を実りあるものとしなければならない。我が党が指摘する区の資産を有効活用した行財政改革においては、区民サービスへの還元が不十分だ。結論を出せない、結果を求めない保坂区政の「参加と協働」の弊害であり、誰のため、何のための行財政改革なのか、目的を明確にした上で区政運営を進めよ。

以下、我が党が最重要課題と考える施策について意見を述べる。

第1に、未来への投資として全ての新BOP(ボップ)学童クラブでの時間延長の実施や学校給食費と高校3年までの医療費の無償化を恒久的事業とし、教育費の負担を軽減せよ。また、産後ケア事業を拡充するとともに、児童館未整備地区への整備を民間活用で進めよ。

第2に、物価高騰に苦しむ区民生活を支えるためせたがやペイを活用した実効あるポイント還元事業を展開せよ。また、せたがやペイアプリの登録を機に電子機器に不慣れな区民へのスマホ教室を身近なまちづくりセンターで行え。

第3に、入札不調による公共事業の遅延などは無駄な事務経費を増大させ、区民生活にも支障があり看過できない。新公会計制度や民間活用、DXの推進により業務改善を図り、経費削減や人員の適正配置で行財政改革を前進させよ。

第4に、将来を担う若者の社会進出を支えるため、若者にとって重荷となる奨学金返還や就労準備に係る経費を区独自に支援し、区内事業者の人材確保にもつなげよ。

第5に、高齢者の健康寿命延伸に向け、社会参加メニューの利用券を配付する高齢者いきいきクーポン事業を創設せよ。また、高齢者の外出機会の促進に資する交通不便地域解消は事業者からの提案を募り、早急に対策を講じよ。

第6に、区民が安心して暮らせるまちづくりに向けた対策を強化すべきだ。災害対策では、避難行動要支援者への支援の在り方を見直し、実効性を高めよ。防犯対策では、防犯カメラ付自動販売機の設置や警察との連携を一層進めよ。

柔軟性のある組織体制を構築し未来を見据えた政策を展開
せよ
―世田谷立憲民主党区議団―(全ての会計に賛成する意見)

5年度の区の財政見通しは特別区税や特別区交付金の増収を見込む一方、世界的な景気後退やふるさと納税による減収が懸念される。今後も危機感を持った財政運営が求められる中、ふるさと納税の返礼品競争に加わらない姿勢を緩和、世田谷みやげの活用などにより約4億円の歳入を見込むことを評価する。区政の諸課題の解決に向け、官民連携による寄附の周知やESG債などの取組に一層注力せよ。1万人規模の職員を抱える自治体として官製ワーキングプアを生まない行政経営に取り組め。

子育て支援では国の異次元の少子化対策を注視し柔軟な予算措置を講じよ。給食費無償化は恒久的な制度とせよ。認可保育園における乳幼児への虐待防止策に注力せよ。医療的ケア児を支える人材を育成せよ。ヤングケアラーなど困難を抱える子どもへの支援を拡充せよ。デジタル技術を活用した一時保育事業を展開せよ。

社会に根強く残る男女の役割分担意識と少子化の相関関係に鑑みた施策を展開せよ。区管理職の女性比率を高め多様性のある区政運営に臨め。地域共生社会の実現に向け障害のある女性に配慮したショートステイ事業などを展開せよ。

物価高騰などで経営が悪化する商店や介護事業所への支援を強化せよ。旧池尻中跡地で実施するスタートアップ事業では地域課題の解決に資する企業の育成を図れ。

これまでの桜丘中や不登校特例校分教室の取組を検証し区全体の教育を抜本的に改革せよ。インクルーシブ教育のガイドラインを障害当事者参加の下で作成し、教員の理解促進を図れ。子どもが通いたくなる学校づくり、教員の働き方改革、教員不足解消に注力せよ。

地域行政では住民参加型予算など区民の参加と協働に力点を置いた取組をDX推進と共に展開せよ。

区は予算委員会での我々の提言を真摯に受け止め、急激な社会変化にも柔軟かつ庁内横断的に対応できる組織体制を構築せよ。

保坂区長は12年間の失態を認め首長の資質がないことを自覚せよ
―無所属・世田谷行革110番・維新―(一般会計には反対、その他の会計には賛成する意見)

5年4月の区長選挙は世田谷区政を刷新する好機である。区政を停滞させた保坂区長の12年間を振り返り、意見を申し述べる。

保坂区政は、長期計画を達成できない、窓口改革が一向に進展しないなど、看板倒れの政策ばかりであった。また、区内の保育園で虐待事件が多発する要因は、過去にドリームジャズバンドでの指導者による体罰事案を「暴力の手前」などと擁護した保坂区長にある。しかし、区長はこうした事態も議会で謝れば済むとの甘い認識だ。最近では区立校の給食費無償化を5年度の限定的な実施とし、次年度以降は今後考えるとしたことなど、決断力のなさだけでなく逃げ腰な姿勢まで露呈する始末である。

行政の役割は民間企業では成し得ない課題を解決することであり、そのためには職員が「区民を笑顔にしたい」という思いを原動力に業務に邁進(まいしん)することが必要である。しかし、区長は職員の意欲を高めるために鼓舞するどころか問題を丸投げするだけであり、リーダーの資質を欠くと言わざるを得ない。

以上、議会や職員と信頼関係を築けなかった区長へ苦言を呈する。

区民の命と暮らしを全力で守れ
―日本共産党世田谷区議団―(国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

岸田政権が進める軍事費倍増は戦争への道だ。平和都市を掲げる区は平和の発信や他国との友好関係の構築に尽力せよ。本庁舎整備は区民の参加と協働の下で進めよ。物価高騰に苦しむ事業者への支援を強化せよ。コロナ対策の継続を国や都に求め区独自の対策も進めよ。多世代に目を配り誰一人取り残さない施策を展開せよ。住民自治の確立を目指し地域行政を推進せよ。羽根木区民集会所の廃止を見直せ。次期区政に向けて以下提案する。若者支援の拡充に向けて給付型奨学金の対象拡大、住まいや居場所の確保などに注力せよ。補聴器購入費助成を早期実施せよ。交通不便地域解消に向けコミュニティバス導入を進めよ。ジェンダー平等の取組や気候危機対策を推進せよ。子どもの権利が守られ安心して子育てできる社会を目指せ。

ジェンダー平等な社会を目指せ
―生活者ネットワーク世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

女性の中にはDVや性暴力被害、性別を理由とした差別など、複雑多様な困難を抱える方が数多くいる。我が会派は真に女性が活躍できるジェンダー平等な社会の実現を求め意見を述べる。

国は困難を抱える女性への支援強化に向けた法律を施行予定だ。91万人もの区民を擁する区として女性への支援を一層推進せよ。そのために庁内連携を主導する旗振り役を早急に据え、基本計画策定や民間団体を交えた会議体設置を進め、誰一人取り残さない包括的な支援策の構築に着実に取り組め。

持続可能な開発目標「SDGs(エスディージーズ)」の達成にはジェンダー平等が不可欠だ。次期基本計画にもこの視点を反映しジェンダー主流化を着実に進めよ。行政から人権尊重の姿勢を発信せよ。区議会からもジェンダー平等の取組を推進せよ。

区の明るい未来に尽力せよ
―新風・せたがやの風―(全ての会計に賛成する意見)

無意味な責任分担の蔓延(まんえん)で責任の所在が不明確となり、区が思考停止状態に陥っていると予算審議を通じ指摘してきた。今の区政は手段と目標を勘違いしている。仮にも地域行政の発展という目標の上にDX推進という手段がくることがあってはならない。また、全体を見る力と責任を持って仕事に臨む姿勢も区には欠けている。連携という言葉に安心せず職員一人ひとりが主体的に行動し世界一の窓口サービスを目指せ。区の将来は志を持つ職員と議員との真摯な議論の上に成り立つと信じている。

区民正義の実現に向け邁進(まいしん)せよ
―減税せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

福祉向上を祈り5年度予算に賛成する。私は昨年腰を痛め悪化、歩くこともままならず、本年4月に入院・手術が必要との医師の診断の為、4月の区議会議員選挙への出馬を見送る判断に至った。まずは健康を取り戻すことに専念し、区民正義の実現に向け再起を誓う。

区民目線で福祉向上に注力せよ
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

難聴の高齢者に配慮した区施設整備やイベントの運営、交通弱者の安全確保に際して、当事者の視点に立ち積極的に取り組め。老朽化した文化財看板のずさんな管理や非常勤職員へのハラスメント相談先が周知不足である現状を区は責任を持って早急に是正せよ。

安全安心な世田谷のまちを築け
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

自転車の利用者増を踏まえ安全教育アプリ「(りん)トレ」の活用やヘルメット着用の周知など、一層の安全対策に努めよ。民間と連携してシェアサイクルを普及せよ。公園へのドッグランの整備、スポーツ施設や図書館カウンターの拡充など区民生活の向上に力を注げ。

子どもど真ん中の施策を展開せよ
―Setagayaあらた―(全ての会計に賛成する意見)

DX推進では、窓口業務などを単にデジタル化するにとどまらず世田谷の将来像を描き具体的な成果を上げるよう努めよ。子育て家庭への負担軽減策や地域で子どもを育むことにつながる施策を一層拡充するなど、子どもをど真ん中に据えた特色ある施策を推進せよ。

若者が希望を持てる社会を築け
―都民ファーストの会―(全ての会計に賛成する意見)

若者が経済的な理由で結婚や出産を諦めることのないよう社会保障費の負担軽減策を講じよ。出産のハードルを下げる取組を区独自に実施せよ。共働きやひとり親世帯が安心して生活できるよう専業主婦を前提とした昭和から続く旧態依然の制度を全面的に撤廃せよ。

世田谷らしさと魅力の向上
―国際都市せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

区が目指す世田谷らしい教育の実現に向け、都に教員人事権の移譲を求めよ。世田谷の魅力を高め発信せよ。高齢者や障がい者の福祉政策を充実せよ。リプロダクティブ・ヘルス/ライツへの保護者や教員の理解を促進させ、児童虐待ゼロや少子化対策の道筋にせよ。

安全安心な世田谷の実現を目指せ
―区民を守る会―(全ての会計に賛成する意見)

特殊詐欺被害に係る相談は区民に寄り添い対応せよ。工事中の事故など人的災害の未然防止に努めよ。区内産業の発展に向け、ふるさと納税の特設サイトの充実やせたがやペイの普及に取り組め。教育関連の新規事業を実施する際は教員の負担軽減を念頭に進めよ。

子どもの命を守る施策に力を注げ
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

マスク着用が自己判断となった今、学校でいじめが起きぬよう十分配慮せよ。子どもが生き生きと楽しい学校生活を送れるよう尽力せよ。通学中の交通事故防止に向け、危険箇所の周知や見守り活動の強化など、地域の宝である子どもの命を守る対策に一層力を注げ。


(補足)代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • あんすこ=あんしんすこやかセンター
  • 支所=総合支所

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