令和3年第3回区議会定例会 会派意見

最終更新日 令和3年11月13日

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2年度決算に対する会派等の意見

2年度決算を審査するため、43名の議員で構成する決算算特別委員会を設置し、9月30日から10月14日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。

ここでは、決算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された令和2年度決算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者


自由民主党世田谷区議団
=おぎの けんじ議員
公明党世田谷区議団=いたい ひとし議員
世田谷立憲民主党区議団=中山 みずほ議員
無所属・世田谷行革110番・維新=桃野 芳文議員
日本共産党世田谷区議団=たかじょう 訓子議員
生活者ネットワーク世田谷区議団=高岡 じゅん子議員
新風・せたがやの風=小泉 たま子議員
減税せたがや=あべ 力也議員
レインボー世田谷=上川 あや議員
世田谷無所属=ひうち 優子議員
Setagayaあらた=佐藤 美樹議員
都民ファーストの会=そのべ せいや議員
国際都市せたがや=神尾 りさ議員
区民を守る会=くりはら 博之議員
無所属=青空 こうじ議員

世田谷の明るい未来の実現に向け明確な将来像を描き区政運営せよ
―自由民主党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

令和2年度は、特別定額給付金やワクチン接種など新型コロナへの対応により7度の補正予算が組まれ一般会計の歳出額は4000億円を超えた。一方、歳入面はふるさと納税により56億円損失したが、特別区税の納税者増に伴い前年度比22億円増加して、財政運営上はコロナショックを回避した。しかし、区内の生産年齢人口の増加は鈍くなる見通しであり、歳出面の財政構造を変革しなければ、区政運営が困難に陥る危険性がある。2年度の「事務事業等の緊急見直し」に満足せず不断の見直しを行え。なお、我が会派は区が安易に先送り対象とする学校改築や道路整備こそ最優先事業と考える。いかなる状況でも将来への投資を怠るな。また、1119億円に上る過去最高額の基金残高や適正水準を超えた6.1%の実質収支比率が示すとおり、財源が有効活用されず不用額の割合が増加した。予算編成の際は適正な積算を徹底せよ。更に、新実施計画全169事業の達成率は35%にとどまり、ここ数年10%ずつ低下する現状は行政評価が何ら区政運営に役立たないことの証左である。今後の評価手法を真剣に検討せよ。

以下、区が重点的に推進すべき施策について申し述べる。

コロナ禍で収益が伸びる業界と落ち込む業界に二極化する「K字回復」という現象は区民生活でも起きており、フリーランスや飲食業者、雇い止めを受けた非正規雇用者などにコロナの影響が直撃した。区民に寄り添ったきめ細かな支援策を早期に打ち出し、安定した区民生活基盤の構築に尽力せよ。

災害に強いまちづくりについて、「区民の生命と財産を守る」という確固たる信念の下、局地的集中豪雨や一昨年の台風19号の被害を教訓に、水害対策を一層強化せよ。区民が安全に安心して生活できるよう、三軒茶屋駅周辺まちづくりや京王線連続立体交差事業、主要生活道路整備など、相応の年月を要す事業も着実かつ迅速に進めよ。

旧池尻中跡地活用については、今回の決算特別委員会で、区が現行プランを見直すと表明した。区は各会派の様々な意見を吟味した上で、貴重な区有資産をいかに収益化し未来を見据えどう事業展開するのか、じっくりと検討して我々が応援したくなるプランを示せ。

地域行政推進条例の制定及び推進計画については、議会での議論の前に庁内で熟議を重ね実効性あるプランを練ることが先決だ。DXの取組と並行し新たな時代の行政サービス構築に向け全庁一丸となりかつてない迅速さで取り組め。

最後に区長に対し苦言を呈す。組織のリーダーには、自ら明確なビジョンを描き部下に的確に伝達する能力が必須だが、目下の重要課題である旧池尻中跡地活用や地域行政制度ですら、何を目指し、どう進めたいのか、我々に全く伝わってこない。関心ある施策なら反射的に飛びつき暴走する一方、興味が湧かないと区民や事業者の意見を聞くだけで部下に丸投げする悪癖を直ちに改め、92万区民を預かる者として理想論だけでなく現実的な将来像を明確に区民や庁内に示せ。また、自分の決断が政府のお墨つきを得たと、自民党国会議員を引き合いに出し他人の威を借りて正当化する行為は厳に慎め。更に、災害時に匹敵する緊急事態下の9月に宮崎副区長が任期途中で退任したにもかかわらず、区長は副区長や部長を増員しない上、この苦境を変革の好機と捉える感覚も欠如している。区の未来を形づくる組織と人員の在り方について、しっかりと思慮を重ねよ。

区制施行90年の節目である4年度の予算編成では、区民に安心感を届けるとともに、将来に向けて積極投資を行うことを強く求める。

今こそ真の行財政改革を断行し誰もが希望を持てる社会を築け
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

区には新型コロナの影響による減収を見込んだ行財政改革が求められる中、次期基本計画への橋渡しとなる未来つながるプランからは区の危機感が感じられない。コロナ禍の難局にある今こそ、新公会計制度を活用した全事業の大胆な見直しや事業の民間活用で生み出された財源を、区民生活に還元する真の行財政改革を断行せよ。

以下、我が党が最重要課題と考える施策について意見を述べる。

第1に、若者へのコロナワクチン接種促進に向け、行動様式に沿った接種体制の整備と正しい情報の周知に一層努めよ。また、感染再拡大に備え保健所が自宅療養者を確実に守り切る体制を構築せよ。

第2に、地域コミュニティーの再形成に向け避難行動要支援者の個別避難計画の作成などでは区民に寄り添うまちづくりセンターの姿勢を示せ。また、地区を支える支所の役割と責任を明確化し区民に信頼される地域行政を実現せよ。

第3に、旧池尻中跡地活用事業はコンセプトや運営方法が不明瞭だ。区民に利益を還元できる施設、区内産業の発展に資する事業となるよう計画を早急に再考せよ。

第4に、区立保育園の0~2歳児の定員減などを図り、欠員が続き経営難にある私立園の存続に尽力せよ。また、学童クラブの時間延長などのニーズに柔軟に対応するため我々が求めてきた新BOP(ボップ)民営化について早急に結論を出せ。

第5に、避難所の電源確保に向け国の補助を活用し太陽光パネルと蓄電池を配備せよ。また、被災者へ食糧を供給でき孤立も防げる食のネットワーク構築に向けロジ・ハブ拠点を大規模公園に設けよ。

第6に、法のはざまで支援を受けられず経済的負担を抱える若年がん患者を区が独自に支援せよ。また保健センターが、がん対策の拠点となるよう検診の充実を図れ。

第7に、開設予定の教育総合センターと乳幼児教育支援センターは庁内連携で取り組め。教育委員会は教育課題への先駆的な研究の成果を教職員支援に生かし、公教育の礎となる責任と役割を果たせ。

第8に、区は子ども・子育て応援都市として、コロナ禍の影響で家計が急激に悪化した世帯を学校給食費無償化の対象に追加するなど、教育格差の是正に尽力せよ。

持続可能な区政運営を早期実現し区民の生活を守る施策を展開せよ
―世田谷立憲民主党区議団―(全ての会計に賛成する意見)

コロナ感染再拡大に備え、ワクチン3回目接種の円滑な実施体制の構築に加え未接種者への誹謗(ひぼう)中傷などが起こらないよう十分配慮せよ。第5波の医療逼迫(ひっぱく)による自宅療養者増を踏まえ臨時医療施設での対応や酸素吸入、抗体カクテル療法などの実施に備えよ。生活困窮者への居住支援の拡充とともに生活保護を人権保障の点から確実に機能させよ。外出自粛による高齢者の健康状態悪化の改善に向け具体策を講じよ。以下、我々が最重要課題と捉える施策を述べる。

ふるさと納税対策では、70億円もの流出を踏まえ、金融機関と連携して遺贈寄附を募るなど暮らすまちへの寄附マインド醸成を図れ。

DX推進では、国が個人情報保護基準の一律化を図る際、本人が情報管理に関与する権利を区独自に設けよ。社会に資する産業分野などでのオープンデータ利活用や、根拠を明確にした政策を推進せよ。

CO2排出量実質ゼロへの取組では、環境に配慮した区内建物の普及に加え、区施設での年間エネルギー消費量収支ゼロを目指すZEB(ゼブ)化の道筋を早期に示せ。プラスチックの資源循環の仕組みをつくれ。

子どもの権利保障については、インクルーシブ教育の実現やヤングケアラーへの支援、性暴力防止、いじめ対策など今日的課題に迅速に対応せよ。不登校児童生徒の増加を踏まえ対策の強化とともに、学校現場の課題を総合的に捉えた上で教育の在り方を見直し第二次教育ビジョンに明記せよ。

障害福祉分野では、医療的ケア相談センターの開設で終わらせずに、保護者の就労支援も都と連携して強化せよ。障害者が権利の主体として生き生きと暮らせる社会を目指せ。重度障害者の介助支援を就業中も行うなど一層拡充せよ。

旧池尻中跡地活用ではこの間区と議論を重ねたが懸念点が解消されていない。まずは区が行うべき事業としての有用性を明確にせよ。

重要施策には全庁横断的に連携を図り縦割り行政を排して臨め。

区長はコロナ対策の失敗を猛省し実効性のある施策を展開せよ
―無所属・世田谷行革110番・維新―(全ての会計に賛成する意見)

我が会派は、新型コロナが猛威を振るい始めた昨年3月の議会で、区民に無用な混乱を招き行政への不信感が高まるような不用意な言葉や不正確な言葉は慎むよう区長に強く指摘した上で、2年度予算案に賛成した。しかし区長は、実現可能性がない「誰でも、いつでも、何度でもPCR検査」を副区長や区幹部に相談せず独走的にメディアで喧伝(けんでん)し区民を混乱に陥れた。2年度決算を認定するに際し、区長は首長としてあるまじき言動を慎むよう改めて強く指摘する。

また、高齢者施設などでの無症状者を対象にした区長こだわりの社会的検査に対し、我々は1回限り、もしくは月単位の低頻度な検査では感染を抑止できないと再三指摘した。案の定、集団感染は複数発生し、検査に感染抑止効果はないことが明らかになったが、区長は無症状者への検査拡大の執念を捨て切れず、今年9月から区立校の行事前などに1回限り検査を行う抗原定性検査を始めた。区民の血税をこれ以上浪費しないため、区長は効果が見込めない検査へのこだわりは捨て、この間の反省を総括し今後の対策に生かせ。

区民生活を守る財政運営を行え
―日本共産党世田谷区議団―(国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

わが党は、コロナ禍から区民の命と暮らしを守る施策を求めてきた。区の方針はこれと概ね合致、感染抑止に繋がる社会的検査、保健師増員やひとり親世帯支援等評価する。行革ではふじみ荘廃止に参加と協働が貫かれず、改善が必要。区財政は健全であり区民生活を守る運営を根幹に据えよ。

今後の感染対策は大規模検査、医療機関支援等充実を。保健所体制強化、酸素ステーション機能拡充等行え。再度の持続化給付金を国に求め、区独自支援を。今後の区政運営は新自由主義を乗り越え、住民の福祉増進の区政への発展を。図書館・学童クラブの民間活用、区立保育園定員減・再整備は、セーフティーネットの後退等懸念され、区民参加で再検討せよ。地域行政条例に住民参加の仕組を。介護職確保に注力せよ。

誰もが互いを尊重する社会を築け
―生活者ネットワーク世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見) 

昨年度、不要なオリパラ予算を削り、コロナ禍への対策に集中したことを評価する。まちづくりセンターでのワンストップ窓口を実現せよ。社会的検査を維持し保健所体制や地域医療連携を強化せよ。住居確保など困窮する母子家庭への支援を強化せよ。子どもの権利を守れ。セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツに係る性教育を全区立中で行え。公共施設での自然エネルギー活用を進め区民に波及させよ。予防型の化学物質汚染対策を講じよ。グリーンインフラ整備を進めよ。女性目線で災害対策を講じよ。障害者理解や差別解消に係る条例の検討に当事者を交え、同時に手話言語に係る条例も検討せよ。普通学級での医療的ケア児受入れを進めよ。プラスチックごみの資源化は世田谷清掃工場での中間処理を含め考えよ。

謙虚な気持ちで区政運営に臨め
―新風・せたがやの風―(全ての会計に賛成する意見)

行政は区内最大のサービス産業である一方、区民は選ぶことができない。区はこれを肝に銘じ、常に謙虚な気持ちで区政運営に臨め。区の政策の決定過程や責任の所在は極めて不透明だ。意識を改め議会への丁寧な説明に努め、信頼関係を構築せよ。DX推進と地域行政充実は実現への具体的な計画や組織体制を示し、強力な牽引(けんいん)役の下で一体的に進めよ。旧池尻中跡地は区全体で活用方法を検討せよ。都市基盤整備や子どもの教育は対症療法ではなく未来を見据えた明確な目標を定め、着実に推進せよ。

全庁一丸で区民福祉の向上を図れ
―減税せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

人口10万人当たりのコロナ陽性者数は23区中10位前後と早期発見や重症化防止に成功した社会的検査は東京最大の92万区民の命を守った施策と評価する。更に検査とワクチンの両輪で第6波に備えよ。区長の下、職員一丸で着実に事業執行し区民救済の正義を実現せよ。

多様性に配慮ある区政運営を行え
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

区条例で同性カップルへの差別は禁止だが家族扱いする医療機関は2カ所だけ。区は言いっぱなしの協力要請を改めよ。区教委の人権教育に係る答弁や行政計画も実体のない空文は明らか。是正せよ。在留資格を問わず提供できる行政サービスは人道支援を優先せよ。

スピード感を持って施策を進めよ
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

新型コロナの自宅療養者への訪問診療体制を早急に強化せよ。図書館全館での自動貸出しに向けICタグを導入せよ。区民が気軽にスケートボードを楽しめる環境を整えよ。区営住宅にエレベーターを設置せよ。大井町線の開かずの踏切解消に向け地下化を検討せよ。

区の未来を見据え政策を進めよ
―Setagayaあらた―(全ての会計に賛成する意見)

区の政策はDXの先の世田谷の将来像であるデジタルビジョンを明確に描いた上で進めるべき。手続のために来庁するニーズがなくなっても替わる行政の価値を見いだせ。環境と経済の効果を同時に狙うグリーンリカバリーの視点を持ち持続可能な世田谷を築け。

根拠に基づき区の将来像を築け
―都民ファーストの会―(全ての会計に賛成する意見)

区は科学的根拠を基に区政を運営せよ。コロナ対応を検証し柔軟性に富んだ組織を築け。デジタル化の進展により物理的境界のない今に即した区政運営を目指せ。家庭の経済状況による教育的格差の是正に取り組め。子どもが主体的に将来を選べる社会を実現せよ。

持続可能で魅力的な世田谷を築け
―国際都市せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

行政と民間の役割分担を明確化した上で官民連携を推進し、持続可能で魅力ある世田谷を築け。地域の人材による主体的なまちづくりを進めるため、区の未来を担う子どもや若者の育成に力を注げ。DXを推進し誰もが参加と協働の機会を得られる社会を目指せ。

区民が求める情報を迅速に届けよ
―区民を守る会―(全ての会計に賛成する意見)

新型コロナの第5波の経験を教訓に区民や事業者への支援拡充と保健所の体制強化を行い感染再拡大に備えよ。災害や卑劣な特殊詐欺から区民を守る取組、生活困窮者などへの支援では、助けを求める方に必要な情報が迅速に届くよう、広報体制の強化と充実を図れ。

子どもに貴重な経験の場を設けよ
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

登下校時の交通事故を防ぐため、全区立小で通学路の安全点検を継続的に行え。コロナ禍で様々なストレスを抱える子どもの心の健康維持に努めよ。子どもの貴重な経験となる宿泊行事の再開を前向きに検討せよ。美しいまちを保つためきれいな公共トイレを整備せよ。


代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • 東京2020大会=東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 環境リノベ事業=環境配慮型住宅リノベーション推進事業
  • うめとぴあ=梅ヶ丘にある全区的な保健医療福祉拠点の愛称
  • 支所=総合支所 

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