平成31年第1回定例会 会派意見

最終更新日 平成31年4月27日

ページ番号 165439

31年度予算に対する会派等の意見

31年度予算を審査するため、49名の議員で構成する予算特別委員会を設置し、3月6日から3月22日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。
ここでは、予算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された31年度予算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者

自由民主党世田谷区議団=上山 なおのり議員

公明党世田谷区議団=諸星 養一議員

世田谷立憲民主党・社民党区議団=藤井 まな議員

日本共産党世田谷区議団=中里 光夫議員

無所属・世田谷行革110番・プラス=田中 優子議員

せたがや希望の会=小泉 たま子議員

生活者ネットワーク世田谷区議団=田中 みち子議員

減税せたがや=あべ 力也議員

レインボー世田谷=上川 あや議員

せたがやすこやかプロジェクト=すがや やすこ議員

世田谷無所属=ひうち 優子議員

無所属=青空 こうじ議員

議会軽視の姿勢を改めない区長に不信任の意を示す
―自由民主党世田谷区議団―(一般会計には反対、その他の会計には賛成する意見)

今期4年の保坂区政の暴走と迷走を振り返りつつ、今定例会で明らかになった課題を指摘する。

特別区で最大の人口を誇る世田谷区は、自治権拡充を大命題とし、都区のあり方を初めとした議論を常にリードし、解決するという強い意気込みで臨むべきだ。また、区の財政力や人材育成力、職員の業務遂行能力を一層高め、自主自律による自治体経営の土台を築くことはもちろん、議会と区長が切磋琢磨(せっさたくま)しながら緊張感を保ちつつ、90万区民の一層の福祉向上に向け、一丸となって取り組むべきだと我々はかねてより主張してきた。

そうした中、区長が再選直後の27年第1回臨時会の招集挨拶で、「区議会と区政は車の両輪であり、真摯な意見交換を重ね、区民生活を支える政策実現のために、区議会議員の皆さんと虚心坦懐に議論を深め、よりよき世田谷区政をつくり上げていきたい。」と声高らかに宣言したことから、区の一層の発展に向けた是々非々の議論を大いに期待していた。しかし、その直後から議会軽視とも言える粗雑な区政運営が常態化し、我々の期待は見事に裏切られた。

その発端は、補助54号線の2期・3期区間を突如、優先整備路線から外した行為だ。みずからが策定したせたがや道づくりプランを否定するもので、施策に一貫性がないことを露呈したばかりか、これまで積み上げてきた住民との信頼関係を踏みにじる暴挙であった。

本庁舎等整備では、区長は全部改築を求める声が多い議会との合意形成に努めず、整備手法すらも第三者機関に委ねたことで、いたずらに時間を浪費した上に、多くの職員の労力と経費も無駄にした。また、何の根拠もなしに現庁舎の中庭を囲む景観を世田谷らしさと勝手に決めつけ、その景観の継承にこだわる余り、整備手法が定まらないにもかかわらず、28年度当初予算案に庁舎の一部保存を前提とした調査費を計上するなど、区長の迷走、暴走ぶりが一層目立つようになったのもこの時期である。

我が会派が議会の機能を発揮して「区政の停滞を招いている保坂展人区長に対し議会の存在を軽視する言動を改めることを求める決議」と「庁舎の一部保存を前提とした当初予算の修正案」を提出し、多くの賛同を得て可決した背景には、区長が議会の意見に耳を傾けずに施策展開する暴走行為が「地方自治の危機」だとの思いを強く抱いた議員が多数存在したからだ。しかし、我々の警鐘は区長に届かず、その後多くの会派が区民への周知不足などを指摘する中、区長は解決を図らずに区営住宅管理条例ほか2件の改正案を拙速に議会へ提出した。このような乱暴な議会対応を繰り返す区長に対し、議会としてはこれらの議案を閉会中の継続審査にせざるを得なかった。区長の暴走はこれだけにとどまらず、区内を見渡す視野を持たず施策の優先順位もつけず安直に「学校統合に伴うスクールバスの運行」と「一般型ワークスペース補助事業」の経費を30年度当初予算案に計上したため、我々は予算の組み替え動議を提出し可決に至った。

さらに、区長は31年1月の外環道のシールドマシン発進式をまたしても到底理解できない理由で欠席した。同日に開催された特定政党の集会に参加するほうが、区長にはよほど重要なことだったようだ。発進式では国土交通大臣、都知事、関係区市の首長が次々と紹介される中、世田谷区長の姿がなかったことは言うまでもない。

我々が指摘し続けているように、多様化かつ複雑化する行政需要に的確かつ迅速に対応するには、日頃より礼を尽くし、国や都、関係機関との強固な信頼関係の構築が必要なことは明白だ。区長の辞書には「礼節」という文字が欠如しているようだ。7年前の着工式、2年前の区内でのシールドマシン発進式の欠席に続き、3度も礼を失する区長を、議員として、一区民として非常に恥ずかしく思う。

今期は不誠実な議会対応に終始しただけでなく、国や都と良好な関係を築こうとしない保坂区長の消極的な姿勢が如実にあらわれた。また、今定例会でも、幼児教育無償化に伴う区の財政負担額が定かでない中、申請率が5割程度の就学援助の現状を改善する対策を検討することなく学校給食費に係る費目の基準引き上げを強行実施するなど、一部の有権者の顔色をうかがうかのように、中途半端に施策展開する悪癖は治っていない。これでは90万区民全員の幸福を見据えた区政運営とは到底言えない。

これまで我々は行政の継続性と安定性を重視し、また区議会第一会派の責任として区民生活を守り、一時たりとも混乱させてはならないとの信念から、当初予算案に反対してこなかったが、「参加と協働」を標榜(ひょうぼう)していながら議会を軽視し続ける区長を、これ以上、信任することはできない。中途半端で粗雑な区政運営を繰り返す区長に対する不信任の意を示すため、31年度一般会計予算案に反対する。

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前例を打ち破り発想を転換する真の行政改革に取り組め
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

令和元年10月の消費税増税に加え、実質賃金や個人消費の伸び悩み、地方法人税の国税化の拡大、ふるさと納税による減収など、区財政は決して予断を許さない状況だ。

必要な事業に対して公共が担うべきなのか、民間に委ねるべきなのかを明確にしながら、児童相談所移管のこの機を捉え、前例を打ち破り、発想を転換する真の行政改革に危機感を持って取り組め。

以下、我々が最重要課題と考える施策について意見を述べる。

第1に、未来ある子どもへの投資と教育負担の軽減についてである。我が党は2年にわたり、幼児教育の無償化、学校給食費の無償化、児童館未整備地区の解消、休日及び夜間の認可保育園の開設、新BOP(ボップ)学童クラブの運営時間の延長を求めてきた。長期的な視点に立てば教育への投資は最大の成長戦略となることから、これら5つの政策を着実に推進せよ。

第2に、大介護時代の到来に備えた認知症の人にやさしいまちづくり条例の制定についてである。我が党は認知症者支援に係る条例の制定を求め、区長は前向きな姿勢を見せた。今後早急に認知症施策の推進体制を整備しなければならないことを踏まえ、よりスピード感を持って条例化に取り組め。

第3に、国際交流の推進についてである。区はせたがや文化財団の一事業部として国際交流を推進する体制を構築予定だが、理念や連携の議論のみで、2020年の本格実施の方針すら全く白紙の状態だ。区の地域特性をどう生かしどの分野に視点を絞って国際交流を進めていくのか、また、どの都市と交流を進めていくのかを明確にした上で、関係機関や地域団体との具体的な意見交換を行うため、早急に今後の方針を打ち出せ。

第4に、観光戦略についてである。他自治体では東京2020大会を好機と捉え、さまざまな観光戦略を打ち出しているが、区は映像発祥の地という絶好の地域資源を生かした観光戦略の構築には至っていない。事業を担っている産業振興公社の税金依存体質を変革できないのであれば、組織のあり方を早急かつ抜本的に見直せ。

第5に、公共事業を担う建設業への人材確保支援についてである。少子高齢化が進む中、高齢者や障害者のセーフティネットとして住環境の果たす役割は大きい。住まいとインフラを支える建設業の担い手不足が深刻化しているため公共事業を担う事業者への支援に尽力すべきだ。特に若者や女性、外国人への就労支援や定着支援を強化するなどあらゆる手段を講じよ。

数年後には区の人口は100万人に達する見込みであり、23区の先頭に立った理想の自治体のあるべき姿を構築すべきだ。東京2020大会を控え、本庁舎整備も始まる新しい時代がスタートする。このような時こそ、区長を初め職員と議会が、生まれ変わった姿で真摯に向き合いチャレンジすることを強く望む。

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施策の達成目標を明確に設定し未来を見据えた区政運営を進めよ
―世田谷立憲民主党・社民党区議団―(全ての会計に賛成する意見)

2期目の保坂区政が独自色を出し、他区ではまねできない取り組みを進めたことを評価する。
区は2022年までに障害者の法定雇用率を達成するとしながら誤算定を招き、2019年度目標が未達成だったことを猛省せよ。福祉作業所で働く障害者の賃金向上に取り組め。

プレミアム付区内共通商品券の発行額を12億円から9億円に減額したが、その効果検証はいまだ不十分だ。商品券の発行はやめ、区内産業全体に資する政策を示せ。

需要の増加が見込まれる介護現場で有効な人材確保策を打ち出せ。

100%再生可能エネルギーでの事業運営を目標に掲げる「RE100」自治体になることを目指せ。

住宅確保要配慮者支援を進めよ。

新聞教育などのリテラシー教育を導入した教科日本語は大幅に内容が変わった。この機に教科名称を変え、シチズンシップ教育を初め子どもの権利条約を取り入れた授業や将来を考える授業に見直せ。

4月からの特別支援教室の全校設置に際し、不足している学校包括支援員の増員を図るとともに、支援要員との連携強化を促せ。

我々が求めてきた給食費などの教育の無償化はその恩恵が広く行き渡る普遍主義の視点で進めよ。

遊びと学びの教育基金の創設に当たり、議会で補正予算が可決されることを前提に31年度当初予算案を提出したことは、議会軽視と言わざるを得ない。教育委員会はこれを猛省し、その姿勢を改めよ。

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社会保障の後退から区民を守り福祉施策の充実に全力で取り組め
―日本共産党世田谷区議団―(国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

我が党は区民と力を合わせ、保坂区政を進めるため奮闘し、区民の暮らしを守るために消費税増税の中止、国保料や介護保険料の引き下げの実現に向け全力を挙げる。

区が31年度予算案で保育園整備や就学援助の拡充、高齢者施設の整備など暮らしを守る施策を進め、安易な区民負担増ではなく、効率的な区政運営などで制度改正の実現を目指すとしたことを評価する。

自民党は区民サービスの廃止や縮小を求め、大型道路の整備を迫っている。暮らしや福祉を切り捨て、大型開発を優先する自民党区政への後戻りは許されない。

公明党は区立保育園や児童館などの民営化を再三求めているが、区立園は区の保育行政の根幹を支えており、児童館とともに児童虐待予防でも大きな役割を担っている。児童相談所の移管に伴いさらなる役割が期待され、行政力とネットワークの強化こそが必要であり、民営化は認められない。

区民の暮らしを守るため、次期区政に提案する。国保料や介護保険料の引き下げなどの負担軽減を図るとともに、国に制度改正を働きかけよ。子どもの命を守るため、身近な地域での子育て支援体制の拡充と、子ども家庭支援センターや区立保育園などのネットワークの強化を進めよ。区民の命と財産を守るため、住宅の耐震化を促進し、耐震シェルターなどの普及も進めよ。非常用電源装置の整備など避難所機能を強化せよ。

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「暴力は犯罪」との認識に立ち全ての暴力を根絶せよ
―無所属・世田谷行革110番・プラス―(全ての会計に賛成する意見)

31年度一般会計予算案に盛り込まれた「本庁舎等整備」と「児童相談所の開設」は区政の未来を左右する極めて重要な案件だ。

首都直下地震が懸念される中、災害対策機能の中核を担う本庁舎整備のおくれは許されない。景気が後退し新元号開始早々という局面で国が予定通り消費税増税を行うかなど、財源に悪影響を与えかねない要因が多い中、区が今後の非常事態に応じて改良可能な基本設計案を作成したことを評価する。

我々は教育現場での講師の暴力問題を再三指摘してきたが、全国で相次ぐ児童虐待事件から家庭でも暴力が横行している実態が浮き彫りになった。児童相談所を開設し、暴力から子どもを守る対策に尽力せよ。また、全国の高齢者虐待件数が過去最多となったことも踏まえ、区長は「暴力は犯罪」との認識に立ち乳幼児から高齢者まで全世代における暴力を根絶せよ。

さらに、幹部職員に暴言を吐くなどパワハラともとれる態度で職員に接する議員がいることが我々の予算質疑の中で明らかとなった。区は熊本市の例に倣い、政治倫理審査会の設置を検討せよ。 

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区は議会軽視の姿勢を改めよ
―せたがや希望の会―(全ての会計に賛成する意見)

人口増による税収増を見込むだけでなく、それに伴う支出増も分析し、将来を見通した施策を行え。

児童虐待の単なる相談充実は対症療法であり、目的と手段を混同している。虐待ゼロを目指し、見守り合うまちの実現に力を尽くせ。

弱者対策を政策の中心に据えるのではなく、区民一人ひとりの自立への支援を区政の基本とせよ。

区が区民の代表である議員への議会答弁において「区民の意見を聞いて進める」などと言うことは、議会の権能をないがしろにするものである。姿勢を抜本的に改めよ。

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誰一人取り残さない区政を進めよ
―生活者ネットワーク世田谷区議団― (全ての会計に賛成する意見) 

区債発行は真に必要な事業に限定せよ。区施設の長寿命化を進めよ。SDGs(エスディージーズ)の視点で寄附文化を醸成し健全財政を維持せよ。女性の多様な働き方が可能となる環境を整備せよ。子どもの権利を保障する取り組みを行え。児童相談所を開設し虐待の連鎖を断ち切れ。里親や養子縁組の推進体制を築け。官民連携で買い物支援や交通不便地域対策を行え。ユニバーサルデザインを推進せよ。プラスチックごみ発生抑制を図れ。教員の多忙化と保育待機児を解消せよ。東日本大震災の被災者支援を充実せよ。

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区民の参加と協働で施策展開せよ
―減税せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

地域行政の推進に係る条例の制定に当たっては、区民の草の根の活動が文化の世田谷の構築につながるよう、参加と協働のあり方を明確に示せ。文化系事業の財源確保にふるさと納税やクラウドファンディングを一層活用せよ。区長は退職金を受け取る方針を改めよ。

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多様性を尊重した施策を展開せよ
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

保育園入園選考書類などの父母の表記を保護者に変更せよ。区立校の制服着用は弾力的に行え。差別に係る相談窓口や障害者差別の紛争処理制度を区民に広く周知せよ。障害者手帳取得のための診断料助成を見直せ。罹災(りさい)証明書発行業務は効率性の高い仕組みとせよ。

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安心して生活できる環境を整えよ
―せたがやすこやかプロジェクト―(全ての会計に賛成する意見)

就学援助の申請率向上を図れ。給食費無償化での所得制限をやめよ。子どもの個性や才能を生かす教育を充実せよ。多様な保育需要に応えよ。無電柱化を進めよ。狭あい道路を解消せよ。みどり率向上を図れ。新たなドッグランを整備せよ。スポーツ環境を充実せよ。

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官民連携で魅力的な公園をつくれ
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

野毛町公園拡張整備に合わせたカフェ誘致など、官民連携で魅力的な公園整備を進めよ。自転車活用推進計画を策定せよ。条例で自転車保険の加入を義務づけよ。自転車ロードレースを開催せよ。保育園改修時の安全対策を徹底せよ。専門家と連携し空き家対策を行え。 

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登下校時の子どもの安全を守れ
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

2分の1成人式と14歳の成人式は多くの児童生徒や保護者、地域の方が参加できるよう工夫せよ。登下校時の子どもの安全確保に向け、小中学校や地域と連携した実効性ある対策を講じよ。平和のとうとさを次世代に継承するため、平和の花運動を一層充実せよ。

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(補足)代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • 保育部長=保育担当部長
  • 清掃一組= 東京二十三区清掃一部事務組合
  • 財調制度=財政調整制度
  • 東京2020大会=東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 支所=総合支所

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