令和6年第1回区議会定例会 会派意見

最終更新日 令和6年4月27日

ページ番号 209529

令和6年度予算に対する会派等の意見

令和6年度予算を審査するため、49名の議員で構成する予算特別委員会を設置し、3月6日から3月21日の間、延べ7日間にわたり質疑を行いました。

ここでは、予算特別委員会での質疑や要望、今定例会最終日に表明された令和6年度予算に対する各会派等の意見の一部を要約してお伝えします。

本会議での意見表明者


自由民主党世田谷区議団=加藤 たいき
公明党世田谷区議団=河村 みどり
立憲民主党・れいわ新選組世田谷区議団= オルズグル
日本維新の会・無所属・世田谷行革110番=大庭 正明
日本共産党世田谷区議団=たかじょう 訓子
都民ファーストの会・Setagayaあらた=佐藤 美樹
生活者ネットワーク世田谷区議団=関口 江利子
レインボー世田谷=上川 あや
世田谷無所属=ひうち 優子
国際都市せたがや=神尾 りさ
せたがやの風=つるみ けんご
国民民主党世田谷=石原 せいじ
参政党=岡川 大記
無所属=青空 こうじ

希望にあふれる世田谷を築くため戦略的な行政経営を展開せよ
―自由民主党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

2023年の日本のGDPはドイツを下回り世界第4位へ転落した。さらに2026年には少子化による人口減などの影響でインドにも抜かれるという。2023年の国内の出生数は75万8631人と過去最少であり、婚姻数も約49万組と2022年に比べ3万組以上も減少している。全国調査の結果では、結婚や理想の数の子どもを持つ大きな障壁として経済的な負担が一番に挙げられている。少子化は保育園の整備など従来の対策だけでは到底打開できず、我が会派は若者の可処分所得を上げるため、政府に対し子ども政策での所得制限撤廃などを提言してきた。区に対しては給付型奨学金の創設や若年夫婦への住宅支援の拡充などを求めてきた。6年度から実施する生活保護世帯への給付型奨学金においては、所得制限ではなく成績要件を設けるなど、努力次第で誰もが恩恵を受けられる制度を構築せよ。また、ファミリー世帯が家賃の安い郊外に転出している傾向に鑑み空き家などを活用した居住支援策を積極的に検討せよ。

我が会派は若い世代が希望を抱き、家庭や子どもを持てる社会を築くため今後も政府や区へ積極的に提言していく決意である。

以下、各政策へ意見を述べる。

まず、災害対策についてである。能登半島地震のあった石川県では、住宅の14%に当たる7万5千棟に被害があり、今なお8千人もの方が避難所生活を余儀なくされている。区は災害時に95か所の避難所を開設するが全区民の受け入れは不可能であり、在宅避難の推進が肝要だ。6年度に実施する防災カタログギフト配付事業は啓発方法を工夫し区民の自発的な備蓄行動につなげるとともに耐震化の案内も併せて行うなど、単発の事業にとどまらない効果を生み出せ。また医療救護体制の整備も課題だ。区内の災害拠点病院及び災害拠点連携病院には地域偏在があり、各地の傷病者に対応できないことが懸念される。さらに災害時ボランティアドクター制度に係る協定は20年以上前に締結されたものであり現状に即しているか疑問だ。改めて医師会などと連携し実効性を確保せよ。加えて首都直下地震に備え、不燃化の取組や緊急車両の通行などに不可欠な道路の整備を進めるべきだ。補助54号線は1期工事を着実に完了させ、2期3期区間も優先整備路線に位置づけて早急に事業化せよ。一向に開通しない恵泉通りについては区長が覚悟を決めて具体的な行動を起こせ。

次に公共施設整備についてである。年平均740億円という莫大な施設更新経費を捻出するため明確な目標値を持ち行財政改革を進めよ。また、包括管理業務委託の導入に際しては、災害時の対応なども考慮し、地域の実情に詳しい区内事業者の参画を狭めないよう慎重に検討せよ。地域のスポーツ施設不足対策として校庭の人工芝化や夜間照明の設置などに取り組み、学校施設がコミュニティの核となるよう地域への開放を進めよ。学校改築は敷地の高度利用や地下空間の活用も視野に着実に取り組め。

次に教育政策についてである。学びの多様化学校については、関係者の声を丁寧に酌み取って進めるとともに、不登校対策の根本的解決に資する取組の検討や学習塾との連携などによる教員の負担軽減策の強化に一層力を注げ。

次に本庁舎整備の遅延についてである。区民の利益を守るため、大成建設社長に対し、目に見えない損害も含めた賠償について誠意を持って応じるよう、区長自ら交渉せよ。また本件のような大型契約の変更に係る区長の専決処分については引き続き議論していく。

最後に、DX推進については担当副区長を置くなど体制を強化したものの、成果が芳しくない。区民の負担となっている窓口混雑を解消するため、行かずに、書かずに手続できるデジタル窓口を導入し、「待たない」窓口を実現せよ。

災害から得た教訓を生かし区民を守る施策を着実に進めよ
―公明党世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

元日に発生した能登半島地震により、いまだに多くの方が避難所生活を余儀なくされている。我が党は地方議員と国会議員が緊密に連携し、現地の声を具体的な支援策へとつなげ、1日も早い復興に向けて全力で取り組む所存である。

以下、我が党が6年度予算に賛成するに当たり、最重要課題と考える6点について意見を述べる。

第1に災害対策についてである。支援の手が届きづらい在宅避難者を把握できるシステムを構築するとともに、平時より公共施設に水を再生利用できる水循環器やコンテナ型宿泊施設を配備せよ。また、民間との災害時協力協定の総点検や福祉避難所へ要配慮者が直接避難できる仕組みづくりに取り組め。

第2に税金の使い方についてである。防災用品の備蓄を促すためのカタログギフト配付事業にかかる1億5000万円もの配送料の縮減に努め、要支援者対策などの真に必要な施策にこそ予算を投じよ。また、毎年赤字続きのシェアサイクル事業などの廃止を決断せよ。

第3に物価高対策についてである。賃上げが物価高に追いつかない現状を踏まえ、区民生活と中小個店への支援策として、年末商戦などの時期にせたがやペイによる大々的なキャンペーンを実施せよ。

第4に若者支援についてである。結婚を望みながらも出会いの機会がない若者のため、好評だった婚活イベントを継続的に実施せよ。また、奨学金の返還に苦慮し結婚に踏み出せない若者の声に耳を傾け奨学金返還支援事業などの対象拡大を検討せよ。さらに、次代を担う若者の意見を区政に反映させる若者議会の創設と青少年交流センターの全地域への設置を求める。

第5に未就学児の子育て支援についてである。認可外保育施設での乳児の死亡事故を重く受け止め、全ての子どもが安心して保育を受けられるよう、私立幼稚園や認証保育所などへの支援を充実せよ。

第6に地域行政についてである。地域課題解決のための予算を地区ごとに新たに計上したことを評価する。その取組や効果の見える化を図り、評価できる仕組みとせよ。また、まちづくりセンター自らが地区における課題を掘り起こし、解決に向けた計画を定めよ。

持続可能な地域社会を築くため時代に即した施策を展開せよ
―立憲民主党・れいわ新選組世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

5年度は生成AIやDX推進など、新たな時代の幕開けを実感した一方、能登半島地震を踏まえ地域力の重要性を再認識する年となった。我が会派は区民生活を持続可能なものとするため区民一人ひとりに寄り添う区政運営を求める。

区が委託契約している事業者が2月に突然撤退する問題が起きた。区民サービスに支障を来す事態を避けるため、社会経済状況を踏まえ事前に事業者の経営実態などを十分に把握せよ。また、労働報酬下限額の引上げが各事業者に与える影響について丁寧に調査せよ。

地域防災力の向上のためマンション住民と地域団体の関係構築を支援せよ。区内の全ての避難行動要支援者の個別避難計画を策定するとともに避難所での子どもの居場所や遊ぶ権利の確保に注力せよ。

男女共同参画社会の実現に向け、女性が働き続けられる環境整備や女性管理職比率の向上に努めるとともに、男性のセルフケア向上を支援しジェンダー平等を推進せよ。

区内認可外保育施設での乳児死亡事故を受け、保育の質向上や孤立家庭を支援する体制の再構築など、福祉の公的責任を果たすための仕組みづくりに力を注げ。保育の質ガイドラインの見直しや私立幼稚園における特別支援教育への支援を充実せよ。児童相談所における子どもの事情に応じた一時保護の在り方検討や子ども支援に係る民間団体との連携を推進せよ。

学びの多様化学校分教室「ねいろ」の実践を生かした学校改革を進め不登校支援を強化せよ。インクルーシブ教育の一層の推進に向け外国にルーツを持つ子どもと保護者への支援や宗教に配慮した給食の提供に努めよ。子どものプライバシー権の保障や学用品費を含む教育費無償化の拡充に取り組め。

気候危機対策に重要なみどりの確保に向け、生産者と区民が協働する活動への支援や国分寺崖線保全のための取組を一層拡充せよ。

空き家問題の解消に向け、管理不全空き家を早期に把握する取組を進めよ。人間中心のまちづくりを実現するため、DXを一層推進し多様な世代の意見を酌み取れ。

最後に、各計画の実施や検討に当たっては、多様な区民の参画を保障する視点を大切にせよ。

保坂区長は13年間の失政を認め実効性のある災害対策を進めよ
―日本維新の会・無所属・世田谷行革110番―(一般会計には反対、その他の会計には賛成する意見)

能登半島地震では、家屋倒壊や道路陥没などの甚大な被害がもたらされた。この教訓から、来る首都直下地震への備えが急務であることが再認識された。今般の6年度予算案は「身近な地区の防災力を高める予算」というが、保坂区長が就任して以来、防災対策が遅々として進まなかった13年間を振り返り、意見を申し述べる。

かねてより、我が会派は一刻も早い防災基盤の整備を求めてきた。その最たるものが新庁舎整備である。2008年頃には整備計画の骨格が完成していたにもかかわらず、区長の就任後に計画は中断された。その後、2016年に発生した熊本地震を機に庁舎整備の必要性を自覚したものの、「中庭から見える空間特性」という区長のこだわりが設計内容を複雑化させ、今般の大幅な工期延伸を招く事態となった。区長は予算特別委員会の場で大成建設の工事能力を見抜けなかったと答弁したが、その理由はそもそも区長自身が整備に後ろ向きで関心すらなかったせいではないのか。

さらに、災害対策で重要な道路整備への区長の姿勢に対し苦言を呈する。恵泉通りは整備開始から57年が経過する今も未開通の状態だが、区長は開通に向けた行政代執行を一向に決断しない。これは区長の無責任な政治姿勢の象徴的事例であり、我々は今後の世田谷区政を大変危惧するものである。

参加と協働による区政運営を進め区民福祉の一層の向上に尽力せよ
―日本共産党世田谷区議団― (国保会計と後期高齢者会計には反対、一般会計と介護会計と給食会計には賛成する意見)

保坂区政4期目に入り初めてとなる6年度予算では、災害対策をはじめ、生活困窮者対策や子ども若者への支援の強化が反映されたことを評価する。健全な財政運営の下、区民福祉の更なる向上に取り組むことを求め意見を述べる。

災害対策では住宅の耐震化を進めるとともに高齢者などの声を踏まえた在宅避難者支援プランを早期に策定せよ。平和への取組を推進するため平和都市宣言を刻んだ記念碑を新庁舎に設置せよ。生活困窮者の自立支援をワンストップで行える仕組みを構築せよ。教育費の無償化を進めるため就学援助の支給対象者を拡大せよ。包括的性教育を推進せよ。介護職員の処遇改善に努めよ。6年度から高齢者や中等度難聴者向けに始める補聴器購入費助成はニーズの高さを踏まえ制度を見直せ。CO2排出量実質ゼロに向け住宅の断熱化推進など全庁を挙げて区民の行動変容を促せ。新庁舎が区民に親しまれるものとなるよう取り組め。官製ワーキングプアを生む安易な民間委託はやめよ。道路整備は区民の参加と協働の下で進めよ。

子ども真ん中社会の実現を目指せ
―都民ファーストの会・Setagayaあらた―(全ての会計に賛成する意見) 

子育ての負担となっている旧態依然の制度の見直しに向け、学校や保育園での集金のキャッシュレス化やAI活用による保育園の入園選考の期間短縮に取り組むなど、従来の手法に捉われない仕組みを導入せよ。保育需要の実態と供給量のバランスを的確に把握しデータに基づく待機児童対策を講じよ。小1の壁の解消に向け、学校と学童保育の連携強化や認可保育園での学童保育の事業展開などを着実に進めよ。急速に変化する社会状況を踏まえ、将来の世田谷の課題を見据えて行政改革を加速せよ。

安心して暮らせる社会を構築せよ
―生活者ネットワーク世田谷区議団―(全ての会計に賛成する意見)

パレスチナ問題で現地の子どもが飢餓に苦しむ状況を傍観せず支援するよう政府に強く働きかけよ。災害対策では女性防災コーディネーターの養成や障害者の安否確認の仕組みを構築するなど万全の体制を整えよ。子ども条例に子どもの意見表明などの権利を盛り込み、意見を区政に反映する制度をつくれ。介護保険制度の改正により基本報酬が下がる介護事業所を支援せよ。女性管理職比率を高めるため、専門家の知見を取り入れよ。性暴力被害者に緊急避妊薬を無償提供するなど支援を強化せよ。

区民に寄り添った施策を展開せよ
―レインボー世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

障害者支援の充実に向け、日常生活用具の給付限度額を引き上げよ。区民の共有財産である美術品などの保管環境を改善せよ。道路に許可なく置かれた看板などの占用料を確実に徴収せよ。生活保護を受給していない低所得世帯の若者を給付型奨学金の対象に加えよ。

安全安心な世田谷のまちを築け
―世田谷無所属―(全ての会計に賛成する意見)

自転車の利用者増を踏まえ、安全教育の拡充やヘルメット着用の周知、道路の逆走防止に資する分かりやすいサインの整備等、安全対策を強化せよ。図書館カウンターやブックボックスの整備拡充、災害対策の強化、双子の育児支援等、区民福祉の向上に力を注げ。

真に区民主体の区政を展開せよ
―国際都市せたがや―(全ての会計に賛成する意見)

6年度予算で重点項目として掲げる政策は、いずれも区民が求める生き方を尊重し、区民との協働なくしては成り立たない。人間関係が希薄な社会で、牟田(むた)悌三(ていぞう)さんが残された「お互いさま宣言」のように、個々の違いを認め合う社会に向けて、区政を運営せよ。

職員一丸で区の明るい未来を築け
―せたがやの風―(全ての会計に賛成する意見)

災害から区民を守るため、区は自助や共助を推進する立場として公助の役割を明確に示せ。地域行政推進条例に基づき、まちづくりセンターが区民生活を包括的に支援せよ。区職員が各々の力を存分に発揮し、区民の命と財産を守り抜く世田谷の構築を目指せ。

笑顔あふれる世田谷を築け
―国民民主党世田谷―(全ての会計に賛成する意見)

より良い行政サービスを提供できるよう、区職員が楽しくやりがいを持って業務に取り組める環境を整備せよ。区職員は区民との意思疎通を図り信頼関係を構築せよ。職員一人ひとりが区政課題に対し問題意識を持ち、本質的な課題解決に向け責任感を持って取り組め。

未来を見据えた施策を展開せよ
―参政党―(全ての会計に賛成する意見)

区立校では日本の将来のため愛国心を育む教育や農業体験を通じた食への関心を醸成する教育を充実せよ。子宮(けい)がんワクチン接種のリスクと有効性を独自に検証し区民周知を徹底せよ。庁内横断的な連携を強化し、柔軟かつ機動的に行動できる組織体制を構築せよ。

区民が笑顔で輝く世田谷を築け
―無所属―(全ての会計に賛成する意見)

区民サービス向上の担い手となる職員を確保するため、公務の魅力を高める取組を推進しPRせよ。子どもが楽しく学べる授業づくりを進めよ。世田谷いきいき体操など高齢者の健康増進につながる活動を周知せよ。認知症の方を支える家族同士の交流機会を充実せよ。


(補足)代表質問や一般質問、会派意見では下記のとおり省略表記を使用しています。

  • あんすこ=あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)
  • せたホッと=せたがやホッと子どもサポート

関連リンク

このページについてのお問い合わせ先

区議会事務局

電話番号 03-5432-2779

ファクシミリ 03-5432-3030