区のおしらせ「せたがや」平成31年1月1日号

スペシャルインタビュー
東京2020大会開会式・閉会式のチーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター 野村 萬斎さんに聴きました!

問合せ先:広報広聴課 電話番号:5432−2009 ファクシミリ番号:5432−3001

野村萬斎さん(狂言師)

撮影:江森康之
撮影:江森康之

3歳で初舞台を踏み、国内外で狂言の普及に貢献。現代演劇や映画、テレビドラマなどでも活躍。演出や構成も手掛ける。

世田谷とのゆかり

世田谷パブリックシアター芸術監督

 

東京2020大会をどのような大会にしたいとお考えですか?

 総合統括として主にコンセプトをつくっています。復興五輪ということでは、日本における災害というものを意識して、被災された方を元気づけるということも重要です。
 改めてオリンピック・パラリンピックを考えるとき、戦争を含めた人災・天災から来る痛みを持つ人間として僕らが、その痛みを抱えながらも生きていることを実感するのが、このスポーツ大会の一つの意義だと思うんですね。
 平和に生きているからスポーツができるのですよね。そうしたときに心の痛みを乗り越えてということもあるし、その心の痛みの元に対しても思いを馳(は)せたいし、災害で亡くなられた方もいるわけですから、鎮魂の意味と、だからこそ僕らが今生きていることへの感謝や再生ということを掲げて、生を謳歌(おうか)する大会にしたいですね。

子どもたち・若者たちに、東京でどのような体験をしてほしいと思いますか?

 東京にオリンピック・パラリンピックが来るというのは、非常に貴重な機会です。僕らは、先祖から脈々と何かを受け継いでここにいます。それは僕らだけじゃなく、世界各国の人も、いろんな歴史や文化や伝統を、意識しようがしまいがDNAに組み込まれているわけです。
 国を代表していらっしゃる人をもてなす心と、それぞれの国を尊重しあうこと、また日本人として僕らがどういう風なアイデンティティを持っているのかを考える機会にしていただきたいですね。

オリンピック・パラリンピックを通じて、世界にどのような希望を残したいとお考えですか?

 今、世の中が非常に複雑化して多様になって、地球の裏側のこともすぐ知ることができますが、お互いを尊重しあうこと、多様性を目の当たりにすること、そして自分のポジションを自覚することで平和であることの重要性を皆さんで噛み締めていただきたいし、それが残ることが一番のレガシーかなと思います。
 そして、僕自身が問題意識を持っているのは地球という星がこれから百年あるのかなということです。かつて戦争が頻繁に起こっていた時代、人間が個人的な利益を求め、一つの国がその国の利益だけを求めたことで、色々な事が起こったというのが事実だと思います。
 利益はいろんな意味で無視できないけれど、自分たちのためだけではなく、地球という大きさで見ないと、いつの間にか地球が住めなくなって、その時に月を植民地のように荒らしていると結局人間は変わらないことをしていることになる。まず地球にちゃんと住めるということを考える、そういうオリンピック・パラリンピックにしたいと思います。

演出を通して、日本のどのような一面を世界へ発信していきたいとお考えですか?

 日本というのは面白い国でね、シルクロードの終焉(しゅうえん)地というか端っこでしょ。そこから先は海だから、僕のイメージだと文化が色々堆積する。そして、大豆が納豆や豆腐になったりするように、違うものになるわけです。そういう文化が日本にあると思うんですよ。その特殊性を大事に、一つのものをアレンジしていく精神をお見せしたいと思います。
 元々日本人が、少ない資源の中で色々な工夫をしながら、自然と共生して生きるみたいなことも、地球が危ないという感覚の中では重要なメッセージじゃないかなと思っています。

萬斎さんご自身は、大会終了後、どういう風になっていたいとお考えですか?

 勉強させていただく人生だと思っているので、このことを契機に日本や世界のこと、地球や宇宙のことと広がりつつも、個々の人間のことも、自分や家族のことも考えなきゃいけないですね。
 人間は考えれば考えるほど面白い。辛いことや苦しいことがあっても、そこをうまく切り抜けていくことを考える。それが生きていくということなのかなと思いますね。

今まで芸事一筋という人生を歩まれてきたと思いますが、人生の方向性をどのように見つけましたか?

 自分らしく生きる術(すべ)として、自分の職業を選べるといいでしょうね。僕はたまたまそういう家に生まれ、家業を好きになれたことが幸せだったと思うし、古典は古典で受け継いでやるけれども、世田谷パブリックシアターで実験的な試みをするとか、狂言や能ではできないことに挑戦することも舞台芸術としては同じだとか、広く考えもします。
 一つのことを同心円的に広い目線で見ることや大きい括(くく)りで考えてみるとか。大きいばかりがいいわけじゃなくて、時に小さい括りを考えて相対化していくというかね。広く世の中とのバランスを見ていくという感覚。それは職業に限らず、自分と社会との関わり方にも同じことが言えるのではないかと思います。

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