令和3年度  世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」環境監査の結果について 1目的、範囲及び実施概要 世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」が適切に運用されているかどうかを判定するとともに、システムが有効に機能しているかを検証するため、書類監査(55課及び全小・中学校、幼稚園)、現場監査(20課、6校)による環境監査を実施した。 2環境監査内容 (1)書類監査(令和3年5〜6月) 3年に1回の周期を目安として選定した55課の取組みについて、「事前調査票」に基づき書類監査を実施した。小・中学校、幼稚園は既存の報告書等で確認を行った。 ●令和2年度及び3年度の行動計画の推進状況(エネルギー使用量、コピー用紙の削減等)、職場の行動計画や研修内容等の職員への周知状況、省エネルギーの推進状況、環境関連法令の遵守状況等について確認を行った。 ●各職場で概ね適切に実施されていることを確認した。省エネ行動については多くの職場が計画目標を達成し、コピー用紙の削減については、過半数の職場が計画目標を達成した。 (2)現場監査(令和3年7〜8月) 20課及び6校を対象に、課長・係長による13の監査チームが、環境活動責任者(課長)、環境マネージャー(庶務担当係長等)、施設環境マネージャー(校長)等に対して実施した。 ●令和3年度の取組み方針(@区施設全体のエネルギー削減 A区役所全体のコピー用紙の削減 B廃棄物処理法の一層の遵守徹底)に基づき、被監査部署へのヒアリング等を実施した。取組み方針Bにより、廃棄物処理法については重点的に確認を行った。 ●概ね適切に実施されていることを確認した。 3現場監査での確認事項 (1)令和3年度現場監査対象(26部署) 世田谷総合支所街づくり課、北沢総合支所生活支援課、烏山総合支所区民課、烏山総合支所街づくり課、地域生活安全課、公共施設マネジメント課、地域行政課、番号制度・マイナンバーカード交付推進担当課、都市農業課、児童相談支援課、児童相談所副所長、都市デザイン課、建築調整課、住宅管理課、建築安全課、道路管理課、教育指導課、新教育センター整備担当課、区議会事務局、監査事務局、尾山台小学校、等々力小学校、玉堤小学校、祖師谷小学校、喜多見小学校、尾山台中学校 (2)優良事項(13部署、以下抜粋) (区長部局等) ・新型コロナウイルス感染症対策における電気を使用しない気化式卓上加湿器の活用 ・会議におけるZoomやSkypeの活用、紙の簡易決裁を文書管理システムの電子決裁へ変更 ・指定管理者の選定において、環境配慮を評価項目のひとつとする。 (学校) ・環境美化委員による節水や節電に関するポスターの作成及び校内への掲示 ・タブレットを活用し、宿題をAI型タブレット教材「キュビナ」で出し、授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」により提出した。 (3)観察事項(8部署、以下抜粋) ・産業廃棄物の保管場所に区分けがなく、他のごみとの区分が不十分だった。 ・産業廃棄物の保管場所の掲示板の大きさが法令の規定に満たない。 ・マニフェストの照合確認欄の記載漏れ(2部署) ・1つの契約のマニフェストを分けて保管している。 ・東京都への産業廃棄物管理票交付等状況報告の未実施 ・フロンを使用している機器等の点検記録簿の部分的な記載漏れ ・毒劇物管理簿の記載内容の不備  (4)改善事項(1部署) ・産業廃棄物の保管場所に掲示がない ・改善事項については、改善されたことを後日報告書により確認した。 (5)提案事項(監査チームから対象部署・事務局への提案、対象部署の意見等 23部署、以下抜粋) (監査チームから対象部署への提案) ・省エネルギー・省資源の取組みについて、職場内で定期的に進捗状況を共有することを提案 ・コピー用紙の使用枚数を部で一括管理している場合も、受払簿上の課の払出枚数を確認するなど、課の状況把握に努めることを提案 ・行動計画における目標設定の数値化を提案 ・行動計画において、実績の推移(増減の傾向)の確認や要因分析をすることで、今後の適正な目標設定につなげることを提案 (対象部署の意見等) ・電子化を進め、紙の利用を削減するためには、サーバ容量の拡充も必要である。 4監査結果総括 「ECOステップせたがや」は運用開始から9年目を迎え、各職場での取組みが定着しており、各課・学校等で概ね適切に取り組まれていた。 これまで優良取組み事例として紹介してきた各取組みが実践されており、「ECOステップせたがや」が十分に浸透してきていると判断することができる。 取組みごとの結果として、省エネルギーについては、各施設での様々な省エネ行動の成果が見られた。次年度に向けて、継続して取組みを推進する。 コピー用紙の削減については、会議資料のペーパーレス化やオンライン会議システムの活用など、DX推進方針に基づく取組みが推進されている職場が多く見られた。今後も、区役所全体の一層の取組みにより、電子化・ペーパーレス化を促進する。 環境関連法令の遵守については、概ね適切に実施されていたものの、昨年度に引き続き、廃棄物処理法等に関する観察事項・改善事項がみられた。このため、今後も、法令に関する研修を実施するとともに、事務説明会や研修等において、観察事項・改善事項に挙げられた点や、関連する注意事項等について重点的に取り上げ、一層の周知啓発を行う。また、環境関連法令の遵守状況調査におけるフォローアップや、法改正や参考事例等の情報の周知を継続して実施する。 5課題・今後の取組み (1)各職場における省エネルギーやコピー用紙削減等の取組みについては、行動目標の設定を数値化し、客観的な評価につなげていくよう提案する。 (2)廃棄物処理法に関する類似した指摘が繰り返し見られるため、事務局は研修の実施や情報発信を行うなかで、引き続き環境関連法令の遵守徹底を促進していく。研修については、オンライン化により、受講者の利便性を高め、受講しやすい環境を整える。