令和2年度  世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」環境監査の結果について 1目的、範囲及び実施概要 世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」が適切に運用されているかどうかを判定するとともに、システムが有効に機能しているかを検証するため、書類監査(46課及び全小・中学校、幼稚園)、現場監査(20課、6校)による環境監査を実施した。 2環境監査内容 (1)書類監査(令和2年5〜6月) 3年に1回を目安として選定した46課の取組みについて、「事前調査票」に基づき書類監査を実施した。小・中学校、幼稚園は既存の報告書等で確認を行った。 ●令和元年度及び2年度の行動計画の推進状況(エネルギー使用量、コピー用紙の削減等)、職場の行動計画や研修内容等の職員への周知状況、省エネルギーの推進状況、環境関連法令の遵守状況等について確認を行った。 ●概ね適切に実施されており、省エネ行動については多くの職場で計画の目標を達成している。コピー用紙削減については、目標には届いていないものの、組織的に継続して取り組んでいる職場が多く見られた。 現場監査(令和2年7〜8月) 20課及び6校を対象に、課長・係長による13の監査チームが、環境活動責任者(課長)、施設環境マネージャー(校長)等に対して実施した。 ●令和2年度の取組み方針(@区施設全体のエネルギー削減 A区役所全体のコピー用紙の削減 B第三者評価)に基づき、被監査部署へのヒアリング等を実施した。 ●概ね適切に実施されていることを確認した。 優良取組み事例の選定および表彰 ●現場監査では、過去に優良取組み事例として選ばれた取組みを実践している職場が見受けられ、優良な取組みが広く浸透していることが伺えた。 ●今年度は「優良取組み事例」として3職場を選定・表彰することとした。 3現場監査での確認事項 (1)令和2年度現場監査対象(26部署) 世田谷総合支所子ども家庭支援課、北沢総合支所拠点整備担当課、北沢総合支所健康づくり課、北沢総合支所子ども家庭支援課、玉川総合支所地域振興課、玉川総合支所区民課、玉川総合支所子ども家庭支援課、砧総合支所子ども家庭支援課、烏山総合支所地域振興課、烏山総合支所子ども家庭支援課、庁舎整備担当課、文化・芸術振興課、国際課、オリンピック・パラリンピック担当課、エネルギー施策推進課、介護保険課、障害施策推進課、障害保健福祉課、若者支援担当課、交通政策課、三宿小学校、多聞小学校、世田谷小学校、旭小学校、太子堂中学校、桜木中学校 (2)優良事項(15部署、以下抜粋) ・事務スペースの照明について、消灯担当を設置 ・モバイルPCを使用したリモート会議の開催、議事録作成等の事務の効率化、ペーパーレス化 ・裏紙利用の徹底(置き場所の固定、プリンターに常時セット、コピー用紙削減の啓発シール貼付) ・マイボトルやマイ箸の持参の恒常的な取組み ・体育館の温度調整(一時的に25度まで下げられるが、2時間経過すると28度になるように設定) ・保護者への資料を精査し、紙の必要性が低いものをホームページ掲載に変更 ・緑のカーテンや、校庭内のガーデンに児童が触れ合う等、児童に主体性を持たせる教育の実施 ・今年度新たに環境委員会を立ち上げ、学校美化を委員会における業務として意識付けた。 (3)観察事項(7部署) ・フロンを使用している機器等の点検記録簿の点検日の未記入 ・マニフェストの担当者名や照合欄の日付の未記入(6部署) ・マニフェストのE表のみを別に保管している。(2部署) ・イベント時に一時的に発生する産業廃棄物の保管場所への掲示が十分に確認されていない。 ・産業廃棄物保管場所と掲示板の位置が離れている。 ・毒劇物管理について、保管庫の表示は問題なかったが、容器の表示がされていないものがあった (4)改善事項(1部署) ・産業廃棄物の保管場所が他のごみ(可燃、不燃等)と同じ建屋となっており、囲いがなく他のごみとの区分が不十分だった。 ・保管場所の掲示の記載は適切だったが、大きさが規定に満たなかった。 ・改善事項については、改善されたことを後日報告書により確認した。 (5)提案事項(監査チームから対象部署・事務局への提案、対象部署の意見等 20部署、以下抜粋) ・「省エネルギー・省資源チェックリスト」を活用し、達成状況を掲示する等により、更なる取組みにつなげる。 ・職員の取組みへの意識づけ、モチベーションにつなげるためにも、行動計画には課としての数値目標を設定することが望ましい。 ・出先職場において、効果のあった取組みや手法を施設間で共有することで、さらに各施設での取組みが進む。 4監査結果総括 「ECOステップせたがや」は運用開始から8年目を迎え、各職場での取組みが定着しており、各課・学校等で概ね適切に取り組まれていた。 取組み別では、省エネルギーについて各施設での様々な省エネ行動の成果が見られた。次年度に向けて、継続して取組みを推進する。 コピー用紙削減については、各職場で継続的な努力が見られ、削減目標には届いていないものの、組織的に取り組んでいる職場が多く見られた。事務事業の増加等、職場単位での削減が厳しい場合もあるが、区役所全体としては、本庁舎等整備の中で、文書量の削減も含めた更なる取組みの推進に努める必要がある。 環境関連法令の遵守については、概ね適切に実施されていたものの、昨年度に引き続き、廃棄物処理法等に関する観察事項・改善事項がみられた。このため、今後も法令に関する研修を実施すると同時に、環境関連法令の遵守状況調査においてフォローアップを行う。また、こうした機会を捉え、法改正や参考となる事例などの情報を適切に周知していく必要がある。 これまで優良取組み事例として紹介してきた各取組みが実践されており、「ECOステップせたがや」が十分に浸透してきていると判断することができる。 今後も継続して環境マネジメントシステムの推進に取り組んでいく。 5課題・今後の取組み (1)各職場における省エネルギーやコピー用紙削減の取組みについては、効果を感覚的に捉えるのではなく、できる限り数値化し、客観的な評価につなげていくよう提案する。 (2)廃棄物処理法に関する類似した指摘が繰り返し見られるため、事務局は研修の実施や情報発信を行うなかで、引き続き環境関連法令の遵守徹底を促進していく。 (3)施設を持つ所管においては、指定管理者等の施設管理者による環境配慮行動及び法令遵守の実践に向け、一層の情報の共有と連携を図っていく。