令和元年度 世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」 環境監査の結果について 1 目的、範囲及び実施概要 世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」が 適切に運用されているかどうかを判定するとともに、システムが有効に 機能しているかを検証するため、書類監査(41課及び全小・中学校、 幼稚園)、現場監査(20課、6校)による環境監査を実施した。 2 環境監査内容 (1)書類監査(令和元年5〜6月)  3年に1回を目安として選定した41課の取組みについて、「事前調 査票」に基づき書類監査を実施した。小・中学校、幼稚園は既存の報 告書等で確認した。 ●平成30年度及び令和元年度の行動計画の推進状況(エネルギー使用量、  コピー用紙の削減等)、職場の行動計画や研修内容等の職員への周知状  況、省エネルギーの推進状況、環境関連法令の遵守状況等について確認  を行った。 ●概ね適切に実施されており、省エネ行動については多くの職場で計画の  目標を達成している。コピー用紙削減については、目標には届かないも  のの、前年度比で減少している職場が半数以上となっている。 (2)現場監査(令和元年7〜8月)  20課及び6校を対象に、課長・係長による13の監査チームが、環境活動 責任者(課長)、施設環境マネージャー(校長)等に対して実施した。 ●令和元年度の取組み方針 (@区施設全体のエネルギー削減 A区役所全  体のコピー用紙の削減 B内部環境監査)を元に実施した。 ●概ね適切な実施であることを確認した。 (3)優良取組み事例の選定および表彰 ●現場監査では過去に優良取組み事例として選ばれた取組みを実践している職場  が多く見受けられ、優良な取組みが広く浸透していることが伺えた。本年度は  「優良取組み事例」として13職場を選定し、そのうち上位3位を表彰するこ  ととした。 3 現場監査での確認事項 (1)令和元年度現場監査対象(26部署) 世田谷総合支所健康づくり課、北沢総合支所*地域振興課、玉川総合支所保健福祉課、 砧総合支所健康づくり課、烏山総合支所生活支援課、経営改革・官民連携担当課、 情報政策課、経理課、施設営繕第一課、スポーツ推進課、環境計画課、環境保全課、 産業連携交流推進課、消費生活課、玉川清掃事務所、障害者地域生活課、児童課、感染 症対策課、交通安全自転車課、教育環境課、駒沢小学校、池之上小学校、城山小学校、 烏山北小学校、砧中学校、船橋希望中学校 (2)優良事項(20部署、以下抜粋) ・蛍光灯のスイッチの付番化及び、個別のプルスイッチ(ひも)の活用 ・サーキュレーターを活用した室温上昇の抑制 ・コピー用紙使用枚数の見える化ツールの活用 ・コピー機内に裏紙を常設することによる裏紙利用促進 ・タブレット活用による会議のペーパーレス化 ・風しん抗体検査申し込みの電子申請での受付開始 ・地域の方の協力により、児童が自然と触れ合う工夫(地域ボランティアによる花・植物の植樹など) ・「水の学習」の出前授業の実施 ・環境教育の授業風景や取組みのHPへの掲載 ・ごみ箱の色分けによる分別の徹底  (3)観察事項(3部署) ・マニフェストの照合欄の未記載、保管方法の不備 ・毒物・劇物の管理簿の記載不備 ・産業廃棄物管理票交付等状況報告書の東京都への提出漏れ (4)改善事項(1部署) ・産業廃棄物の保管場所について、区分け、保管場所の掲示がなかった。 ・保冷庫について、第1種特定製品として管理すべきところ行われていなかった。  改善事項については、改善されたことを後日報告書により確認した。 (5)提案事項(監査チームから対象部署・事務局への提案、対象部署の意見等 19部署、以下抜粋) ・内部会議資料などのタブレットや電子メール活用周知を提案した。 ・マイバッグ持参について職場としてより一層取り組むことを提案した。 ・各職員への意識啓発を積極的に行い、継続的・安定的に環境配慮への取組みを行っていくよう 提案した。 4 監査結果総括  「ECOステップせたがや」は運用開始から7年目を迎え、各職場での取組みが定着しており、 各課・学校等で概ね適切に取り組まれていた。  取組み別では、省エネルギーについて各施設での様々な省エネ行動の成果が見られた。次年度に 向けて、継続して取組みを推進する。  コピー用紙削減については、各職場で継続的な努力が見られ、削減目標には届いていないものの、 前年度に比べて減少に転じた職場が多く見られた。事務事業の増加等、職場単位では削減が厳しい 場合もあるが、区役所全体として更なる推進に努める必要がある。  環境関連法令の遵守については、概ね適切に実施されていたものの、昨年度に引き続き、廃棄物 処理法に関する観察事項・改善事項がみられた。このため、今後も法令に関する研修を継続して実 施すると同時に、環境関連法令の遵守状況調査において確認の強化を図り、参考となる事例や法改 正などの情報を適切に周知していく必要がある。  これまで優良取組み事例として紹介してきた取組みが多くの職場で取り入れられ、実践されており、 「ECOステップせたがや」が十分に浸透してきていると判断することができる。  今後も継続して環境マネジメントシステムの推進に取り組むことを提案する。 5 課題・今後の取組み (1)各職場における省エネルギーやコピー用紙削減の取組みについては、効果を感覚的に捉えるの    ではなく、できる限り数値データ化するよう提案する。 (2)廃棄物処理法に関する類似した指摘が繰り返し見られるため、事務局はこれまで同様に研修の    実施や情報発信を行うとともに、引き続き環境関連法令の遵守徹底を図ることを提案する。 (3)施設を持つ所管においては、指定管理者等の施設管理者による環境配慮行動及び法令遵守の実    践に向け、一層の情報の共有と連携を図ることを提案する。