平成30年度 世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」 環境監査の結果について 1 目的、範囲及び実施概要  世田谷区環境マネジメントシステム「ECOステップせたがや」が適切 に運用されているかどうかを判定するとともに、システムが有効に機能し ているかを検証するため、書類監査(54課及び全小・中学校、幼稚園)、 現場監査(20課、6校)による環境監査を実施した。 2 環境監査内容 (1)書類監査(平成30年5〜6月)  3年に1回を目安として選定した54課の取組みについて、「事前調査 票」に基づき書類監査を実施した。小・中学校、幼稚園は既存の報告書等 で確認をした。 ●平成29年度及び平成30年度の行動計画の推進状況(エネルギー使用  量、コピー用紙の削減等)、職場の行動計画や研修内容等の職員への周  知状況、省エネルギーの推進状況、環境関連法令の遵守状況等について  確認を行った。 ●概ね適切に実施されており、省エネ行動については多くの職場で計画の  目標を達成している。コピー用紙削減についても、目標には届かずとも、  前年度比で減少に転じている職場が目立った。 (2)現場監査(平成30年7〜8月) 20課及び6校を対象に、課長・係長による13の監査チームが、環境活 動責任者(課長)、施設環境マネージャー(校長)に対して実施した。 ●平成30年度の取組み方針 (@区施設全体のエネルギー削減 A区役  所全体のコピー用紙の削減 B廃棄物処理法の一層の遵守徹底)を元に  実施した。 ●概ね適切な実施を確認、優良事項の抽出等を実施した。 (3)優良取組み事例の選定および表彰 ●現場監査では過去に優良取組み事例として選ばれた取組みを実践してい  る職場が多く見受けられ、優良な取組みが広く浸透していることが伺え  た。「優良取組み事例」として10職場を選定し、そのうち上位3位  (5職場)を表彰することとした。 3 現場監査での確認事項 (1)平成30年度現場監査対象(26部署)  世田谷総合支所地域振興課、世田谷総合支所生活支援課、玉川総合支所 健康づくり課、研修担当課、人権・男女共同参画担当課、住民記録・戸籍課、 世田谷清掃事務所、生活福祉担当課、保育課、保育計画・整備支援担当課、 生活保健課、都市計画課、道路事業推進課、教育総務課、学務課、学校健康 推進課、学校職員課、教育相談・特別支援教育課、生涯学習・地域学校連携課、 選挙管理委員会事務局、弦巻小学校、烏山中学校、赤堤小学校、松丘小学校、 北沢中学校、三宿中学校 (2)優良事項(19部署、以下抜粋) ・部分消灯、窓へのエアーキャップ(気泡緩衝材)の貼付け、温度計の設置、  扇風機の利用等、日常の省エネ行動の徹底。 ・独自に作成したチェックリストにより全職員を対象としたセルフチェックを実施。 ・設備機器の管理マニュアルの作成や、稼働調整による省エネ。 ・省エネに関する研修の実施や、施設運営における省エネ情報の関係者間での共有。 ・資料の電子化や電子決裁の推進。 ・会議のペーパーレス化、保存文書の点検による総量削減。 ・裏紙や不要物品のあっせんによる再利用。 ・学校における児童主体のリサイクル、省エネの取組みの実施。 (3)観察事項(6部署) ・産業廃棄物管理票(マニフェスト)について、各票の流れを把握しにくい保管方法  となっていた。 ・所管している施設に対して、産業廃棄物の保管基準等の統一的な周知がされていない。 ・産業廃棄物管理票交付等状況報告書の東京都への提出漏れ。 ・執務室内に環境方針の掲示がない。 ・保管されている薬品(毒劇物)へのラベル貼り付け未実施。 ・環境事故対応マニュアルの職員への周知がなく、またマニュアル内容のうち、廃棄物  の流失の対応を職員のみで対応することとしている。 (4)改善事項(1部署) ・環境関連法令の遵守について、産業廃棄物の保管場所に囲いがなかった。産業廃棄物  の保管場所に法定の掲示がなかった  改善事項については、改善されたことを後日報告書により確認した。 (5)提案事項(監査チームから対象部署・事務局への提案、対象部署の意見等 19部署、以下抜粋) ・課全体で組織的に取組んできた結果について情報共有し、さらなる意識向上と取組み  継続につなげるよう提案した。 ・目標や結果を実数で管理ができるものにするよう提案した。 ・マニフェストについて綴り方を工夫し、より管理しやすくすることを提案した。 ・執務室内の目立つところに取組みを掲示することを提案した。 4 監査結果総括  「ECOステップせたがや」は運用開始から6年目を迎え、各職場での取組みが定着 しており、各課・学校等で概ね適切に取り組まれていた。  取組み別では、省エネルギーについて各施設での様々な省エネ行動の取組みの成果が 見られた。次年度に向けて継続して取組みを推進する。  コピー用紙削減については、各職場で継続的な努力が見られ、削減目標には届いてい ないものの、前年度に比べて減少に転じた職場が多くみられた。事務事業の増加等の事 情で削減が厳しい側面もあるが、区役所全体として更なる推進を図る必要がある。  廃棄物処理法の遵守については、平成30年度の年間の取組み方針として掲げており、 今年度は産業廃棄物の排出がある部署を中心に現場監査を実施した。概ね適切に実施さ れていたものの、保管場所については観察事項・改善事項に該当するケースがみられた。 このため、今後も法令に関する研修を継続して実施すると同時に、環境関連法令の遵守 状況調査において確認の強化を図り、不適切事例や法改正などの情報を適切に周知して いく必要がある。  これまでベストプラクティスや優良取組み事例として紹介してきた取組みが多くの職 場で取り入れられ、実践されており、「ECOステップせたがや」が十分に浸透してき ていると判断することができる。  今後も継続して環境マネジメントシステムの推進に取り組むことを提案する。 5 課題・今後の取組み (1)各職場における省エネルギーやコピー用紙削減の取組みについては、効果を感覚    的に捉えるのではなく、なるべく数値データ化するよう提案する。 (2)毎年、廃棄物処理法に関する類似した指摘が繰り返し見られるため、事務局はこ    れまで同様に研修の実施や情報発信を行うとともに、引き続き環境関連法令の遵    守徹底を図ることを提案する。 (3)施設の所管課においては、指定管理者等の施設管理者による環境配慮行動及び法    令遵守の実践に向け、一層の情報の共有と連携を図ることを提案する。