世田谷区 舗装更新計画<概要版> T.計画の概要 □策定の目的・位置付け  区道の舗装を計画的かつ効率的に維持更新していくため、「世田谷区公共施設等総合管理計画」の個別計画として、舗装の維持、更新、管理の方針や具体的な取り組みの内容などを示した「世田谷区舗装更新計画」を策定する。 □計画期間  2018年度(H30年度)〜2027年度(H39年度)の10年間における具体的な取り組みと、長期的な視点でメンテナンスサイクルやライフサイクルコスト等の検討を行い、50年間の方向性を示す。 □計画の対象  区内の特別区道(総延長1,094km)の舗装。バス通り、緊急輸送道路などの151kmを「主要な区道」に、それ以外の943kmを「その他区道」に区分して、特性に応じた計画を策定する。 U.現状と課題 ・区道の延長は23区中最長の1,094km、面積は649万u、行政面積の11%を占める。 ・区は道路管理者として、道路の供用性を保つよう、膨大なストックの舗装を適切に管理しなければならない。 ・2006年度(H18年度)〜2015年度(H27年度)の10年間では、年平均6.7万uの舗装を更新。 現在のペースでは全区道の舗装更新に97年が必要。更新費用は年平均13.3億円。施工単価の高騰により更新面積は減少傾向。 ・舗装の状態を把握するため、路面性状調査、路面劣化調査を実施。劣化損傷の進行に対して更新が追いついていないことが判明。 ・舗装に関する区民の関心は高く、年間2〜3千件の騒音振動等の通報、苦情がある。 ※MCI:ひび割れ、わだち掘れ、平坦性の3項目より算出される舗装の維持管理指数。最大値が10で、劣化損傷により数値は低下する。 V.基本方針 (1)良好な舗装による安全で快適な道路利用環境の保持   舗装の適切な維持更新によって、現状の良好な水準を維持し、安全で快適な道路の利用環境を保つ。 (2)道路の特性に応じた計画的かつ効率的な維持管理   道路の特性に応じた方法により、計画的かつ効率的な舗装の維持管理を進める。 (3)予防保全型管理による修繕時期の平準化   舗装の維持管理の方法を事後保全型から予防保全型に転換し、計画的な舗装の更新によって修繕時期の平準化を図る。 (4)舗装の長寿命化によるライフサイクルコストの抑制   地盤条件や利用状況に応じた舗装構造と、表面の適切な補修により、舗装の長寿命化を図り、ライフサイクルコストを抑制する。 W.主要な区道の舗装更新計画 □管理基準の設定  良好な舗装の状態を維持するため車道部ではMCIが5.0を下回った段階で修繕を行う。 □長期シミュレーションによる課題  現状の予算規模及び管理手法により維持更新を続けた場合、50年後の車道部の平均MCIは3.6まで低下。現在の管理手法により良好な舗装の状態を維持しようとした場合、車道部、歩道部をあわせ年平均20.5億円 (50年間で1,025億円)が必要になる。 修繕時期の集中により過度な財政負担が生じることも想定される。※半永久舗装:表面の軽微な補修だけで、50年以上機能維持できる舗装。 □舗装の長寿命化と修繕時期の平準化  車道部では、ライフサイクルコスト縮減のため、半永久舗装※により長寿命化します。車道部、歩道部合計の更新経費は年平均11.1億円(50年 間で555億円)となり、50年間で470億円の縮減効果が見込まれる。また、車道部では、管理水準MCI5.0以下で補修することにより、平均MCIは6.0程度で維持される。定期的な点検の実施等、維持管理の方法を事後保 全型から予防保全型に転換し、計画的な維持更新により修繕時期を平準化する。 □計画期間の取組み(2018〔H30〕年度〜2027〔H39〕年度)  年間で車道部4.8万u(8.9億円)、歩道部0.7万u(2.2億円)の更新を進める。劣化損傷の進行している箇所、半永久舗装化する路線を優先し、計画的に工事を実施する。 X.その他区道の舗装更新計画 □管理基準の設定  ひび割れ率25%以上の箇所が発生しないよう、ひび割れ率が20%の段階で修繕を実施する。 □長期シミュレーションによる課題  舗装更新後、概ね45年程度でひび割れ率20%になると予測される。更新を一巡させるためには、毎年約10.8万u、年平均27.1億円(50年間で1,355億円)が必要。 □計画期間の取組み(2018〔H30〕年度〜2027〔H39〕年度)  近年、占用工事が多く行われており、その他区道の舗装は、占用工事による復旧により相当量が更新されている。これを踏まえ、当面、区では年間3.2万u(8.1億円)の更新を進める。 □世田谷区舗装更新計画(2018年度〜2027年度)〔平成30年度〜平成39年度〕  凡例:2018〜2022年度(平成30〜34年度)主要な区道工事予定【20.5万u、約20km】、その他区道工事予定【13.5万u、約26km】     2023〜2027年度(平成35〜39年度)主要な区道工事予定【27.5万u、約27km】、その他区道工事予定【27.5万u、約27km】  ※(1)本図は、世田谷区が管理する道路について、舗装の修繕の予定を示しています。    修繕の実施は、占用工事、その他関連する工事等と調整した上で確定します。    計画に示した箇所の他、想定よりも損傷の進行が早い等、早期の更新が必要と判断された箇所では、修繕を実施します。    維持工事は本図に含みません。  ※(2)本図で示した道路工事の予定は、5年毎に更新を行うものとします。  ※(3)社会情勢や経済状況等により、計画の内容に変更が生じることがあります。 Y.計画の実現に向けて □メンテナンスサイクルの構築  計画的かつ効率的な舗装更新を進めるために、点検⇒診断⇒措置⇒記録⇒次の点検…という流れのメンテナンスサイクルを確立し実行する。 □計画の見直し  社会状況等の変化に対応するため、5年毎の定期点検の結果や新たに発生する課題などを踏まえ、概ね5年おきに計画の見直しを行う。 □更なる効率化の取組み  舗装更新について、次のような取り組みにより、継続的に効率性を高めていく。  @その他区道における適切な舗装構造の検討  利用状況を反映した適切な舗装構造を設定し、長寿命化等によりライフサイクルコストを縮減する。  A占用工事との連携強化  施工予定の工事箇所を積極的に公表し、占用企業との工事調整を密に行うなど、占用工事との連携強化により効率化を図る。  B工事発注方法等の工夫  複数年度に渡る工事の発注、柔軟な工期の設定など発注方法等の工夫により、コスト縮減を進める。  C新工法、新技術の活用  ICTを活用した点検や高耐久性のアスファルト混合物による舗装など、新工法、新技術を積極的に活用し、更なる効率化に努める。 詳細な内容については以下の担当部署へご連絡ください。 土木部土木計画調整課 電話 03-6432-7955 ファクシミリ 03-6432-7993