東京外かく環状道路(関越道〜東名高速間)に関する要望    東京外かく環状道路(関越道〜東名高速間)(以下、「外環本線」という。)は、本年4月に開催された第4回国土開発幹線自動車道建設会議の審議を経て整備計画に格上げされ、国土交通大臣が整備計画を決定するとともに、平成21年度補正予算の成立を受けて事業化した。  私達沿線区市長は、外環本線の整備について、幹線道路の交通渋滞解消による経済活動の活性化、通り抜け車両の減少による生活道路の安全性向上に加え、CO2排出量削減など環境改善への多大な効果や、交通ネットワークとしての迂回路機能としても期待している。  一方、外環本線については、沿線地域における様々な課題があることから、平成11年10月の東京都知事、平成13年1月の国土交通大臣の現場視察以来、地元住民との話し合いなど幅広く意見を聞く機会を設けながら、都市計画を変更し、検討を進めてきた経緯がある。  今回の国の補正予算の減額については、地元住民および沿線区市に対して事前の説明はなく、報道により最初に情報が伝達された状況であり、これまでの地元住民および沿線区市との話し合いの経緯を一切踏まえない、国の一方的な公表と捉えられるものである。、これまでの経過からいえば極めて遺憾な対応といわざるを得ない。  ついては、沿線各区市の外環本線及び周辺地域に関する下記事項について、都が確実に取り組むように緊急に要望するものである。 記 1 適切な情報提供について 外環本線の事業実施にあたっては、事前に地元住民や沿線区市に対し、適切かつ十分な情報提供を行うよう国に働きかけること。 2 「対応の方針」について 国及び都が、外環本線整備に伴う環境対策や蓋かけ部の環境整備などの地域の課題を、とりまとめ公表した「対応の方針」について、確実に履行するとともに、早期に事業説明会を開催するよう国に働きかけるなど、地元住民や沿線区市の意見を聞きながら進めること。 3 外環本線の確実な事業の実施について 今年度必要な予算を確保するとともに、平成22年度以降も事業費の安定的な確保に取り組み、早期完成に向けて着実な事業実施に努めるとともに、国に対して働きかけること。 4 周辺のまちづくりについて 外環の事業に伴い、区市が行う周辺のまちづくりに対し、都において、整備手法等に関する支援や協力を実施すること。 5 東名以南について 関越道から東名高速の区間について事業段階に至ったので、予定路線である東名高速から湾岸道路の区間についても、早期に具体化するよう国に働きかけること。 平成21年10月23日 東京都知事 石原 慎太郎 様 練馬区長 志村 豊志郎 杉並区長 山田 宏 武蔵野市長 邑上 守正 三鷹市長 清原 慶子 調布市長 長友 貴樹 世田谷区長 熊本 哲之