せたがや道づくりプラン(道路整備方針)概要版 平成28年3月見直し版 プランの概要  世田谷区では、平成2年度に「道路整備方針」、平成8年度に「地先道路整備方針」を策定し、これまで計画的な道路整備に取り組んできました。しかし、区の道路整備の状況は十分ではなく、交通渋滞の解消や通り抜け車両による住環境の悪化などへの対策が課題となっています。さらに近年では、防災・減災対策の推進や高齢社会の進行、街づくりとの連携など、今後の社会変化に対応していくための道づくりの必要性も高まっています。   「せたがや道づくりプラン」は、これまでの「道路整備方針」及び「地先道路整備方針」の2つの方針を改定、統合し、平成26年度から平成35年度までの10年間で実施する道路の新設・拡幅整備に関する総合的な方針として策定するものです。  プランの位置づけ   「道づくりプラン」は、世田谷区街づくり条例第10条に規定する「都市整備方針」の分野別方針の一つとして策定するものです。  道づくりプランに示す内容   道路整備の基本方針    長期的な視点で必要と考えられる道路網の配置計画と、その計画を実現するための考え方を示します。   道路整備の目標    計画期間内における道づくりの目標を示します。   上位計画が掲げる都市の将来像の実現に向けて取り組むべき道づくりの方向性と、喫緊の課題解決などのために特に重点化すべき事項を整理しています。   道路の事業化に関する計画(事業化プログラム)    都市計画道路のうち特に早期に整備すべき路線など、道路整備の目標に基づいてプランの計画期間内に行う具体的な取り組みの内容を示します。     道づくりプラン及び関連する上位計画などの計画期間  せたがや道づくりプランにおける事業化プログラムの計画期間は、平成26年度(2014年度)から令和5年度(2023年度)の10年間とする。ただし、東京都・特別区・26市・2町が策定した「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」(計画期間平成28年から令和7年度)の事業化計画を反映するほか、関連する上位計画等の変更、街づくりの動向の変化などに応じて必要な見直しを行うものとします。    道路整備の現状  世田谷区は、道路整備の水準が低く、都市計画道路の整備率は約5割程度にとどまっています。道路網が不完全なことや狭い道路が多いことで、公共交通機関の利用しにくい地域があるほか、住宅地や商店街への通過交通の発生による環境の悪化、歩行者や自転車利用者にとって危険な場所があるなど、区民の日常生活にさまざまな影響を及ぼしています。また、防災面でも、延焼遮断帯、緊急輸送道路、避難路の不足などの問題があります。   道路整備の基本方針  道路網の計画は、計画区域で一体的に一括して策定するもので、その計画量は大きく、全ての整備には相当の時間が必要です。世田谷区では計画的かつ継続的な取り組みにより、東京都や周辺区市などの関係機関とも連携を図りながら将来道路網の実現を目指します。  将来の道路網計画   幹線道路・地区幹線道路(都市計画道路)、主要生活道路、地先道路が各々の機能を十分に発揮するよう、適切に組みあわせた段階的な道路網を構成します。      幹線道路・地区幹線道路( 都市計画道路)    都心部を中心にして放射状に配置され、周辺区の世田谷区では配置間隔が広く約1〜1.5キロメートルです。路線の多くは延焼遮断帯に指定され、災害時には避難路・物資の輸送路などの多様な機能を担います。整備は東京都と区が分担して行います。   主要生活道路    幹線道路・地区幹線道路に囲まれた区域内の交通の処理、バス交通網の確保、ミニ防災生活圏の形成などの観点から、およそ500メートル間隔で配置します。幹線道路・地区幹線道路を補完する役割を担っており、整備は世田谷区が行います。   地先道路(幅員6メートル以上)    消防活動困難区域が生じないよう、おおむね250メートル以下の間隔で幅員6メートル以上の道路を配置します。また、地域の交通需要や土地利用の状況のほか、防災拠点へのアクセス性も考慮した配置とします。整備は世田谷区が行います。 道路整備の目標  道づくりの方向性   基本構想や都市整備方針などの上位計画が掲げる将来像の実現に向けて、区が進むべき道づくりの方向性です。    ・防災・減災に寄与する道づくり    ・すべての人にやさしい道づくり    ・環境の向上に資する道づくり    ・人が集い街のにぎわいを高める道づくり    ・広域的な課題解決に資する道づくり  重点化すべき事項   道づくりの方向性に加えて、道路整備に関する現状認識や課題分析などを考慮し、計画期間内に重点化すべき事項を示します。    ・都市の骨格となる道路ネットワークの整備    ・防災対策に資する道路整備    ・多様な利用者の安全性を高める道路整備    ・街づくりの動きに連携した道路整備 事業家プログラム   「道づくりの方向性」及び「重点化すべき事項」に、これまでの取り組みの実績などの観点を加え、路線ごとに整備の優先性を評価し、道づくりプランの計画期間の今後10 年間で優先的に事業化を図っていく路線を選定しました。  都市計画道路  平成37年度までの計画期間である「東京における都市計画道路の整備方針」との整合を図り、第四次事業化計画で区施行の優先整備路線に選定した路線をせたがや道づくりプランの「優先整備路線」とします。また、優先整備路線の中でも特に早期整備が望ましい路線を示します。 主要生活道路  防災性の向上に資する路線や、すでに事業化に向けて取り組みを進めている路線などを「優先整備路線」とします。 交差点改良  渋滞解消効果や整備の実現性が高い交差点について、交差点改良の重点整備箇所として位置付け、事業化を目指します。  地先道路   平成26年度に策定した都市整備方針(第二部「地域整備方針」)に基づき、整備を行おうとする地区ごとに「地先道路整備計画」を策定します。 道づくりの推進に向けた取り組みの検討  ・安定した財源の確保   着実な道づくりを進めるため、国や東京都の補助金、交付金制度を積極的に活用し、安定した財源確保を図ります。  ・公有地の有効活用   事業費を抑制するため、事業用地の取得に国から譲与を受けた土地などの公有地を活用します。  ・東京都と連携した道づくり   東京都施行の路線の整備促進を積極的に働きかけ、沿道街づくりなどの事業協力を行います。  ・密集地域の主要生活道路への個別対応事業の適用   主要生活道路130 号線で取り組んでいる個別対応事業について、事業効果などを評価・検証し、密集地域の他の主要生活道路へ適用します。  ・事業中の路線における暫定的な整備   事業中の段階でも、一定の事業効果を発現させるような暫定的な整備に取り組みます。 「せたがや道づくりプラン(道路整備方針)」の策定に向けた区民アンケート調査結果(抜粋) 質問 日常的に利用している道路、または、住まい周辺の道路の、使いやすさ、整備状況、交通環境などに関する現状の「満足度」と今後の「重要度」は?(有効回答者数 n=1,275)  ・車の流れがスムーズで渋滞がないなど、移動の快適性【 交通渋滞などの解消】   (満足度)満足4%、やや満足9%、普通36%、やや不満35%、不満12%、不明・回答なし4%   (重要度)重要40%、やや重要31%、どちらともいえない16%、あまり重要でない5%、重要でない2%、不明・回答なし6%  ・バスなどの公共交通サービスの利用のしやすさ【公共交通サービスの利用しにくい地域の解消】   (満足度)満足11%、やや満足19%、普通37%、やや不満20%、不満9%、不明・回答なし4%   (重要度)重要36%、やや重要32%、どちらともいえない19%、あまり重要でない5%、重要でない2%、不明・回答なし6%  ・車道と歩道が分離されているなど、歩行者や自転車利用者の安全性【歩行者などの安全性の確保】   (満足度)満足3%、やや満足7%、普通19%、やや不満36%、不満32%、不明・回答なし3%   (重要度)重要59%、やや重要25%、どちらともいえない8%、あまり重要でない1%、重要でない0%、不明・回答なし5%  ・身近な生活道路への通り抜け車両がなく、交通騒音がないなど、良好な住環境の確保【住宅地などへの通り抜け車両の抑制】   (満足度)満足6%、やや満足14%、普通39%、やや不満25%、不満13%、不明・回答なし3%   (重要度)重要37%、やや重要32%、どちらともいえない21%、あまり重要でない3%、重要でない1%、不明・回答なし6%  ・行き止まりがなく、目的地まで複数の経路があるなどの目的地までの到達性【道路ネットワークの整備】   (満足度)満足6%、やや満足13%、普通47%、やや不満22%、不満9%、不明・回答なし3%   (重要度)重要22%、やや重要31%、どちらともいえない32%、あまり重要でない7%、重要でない2%、不明・回答なし6% 質問  世田谷区のこれからの道路整備について、課題ごとの区の考えについて、どう思うか?(有効回答者数 n=1,275)       ・超高齢社会へ対応した道路整備   【区の考え】安全で歩きやすい歩行者環境の創出やバスなどを利用しやすい道路ネットワークの充実が必要   共感できる59%、まあ共感できる30%、どちらともいえない6%、あまり共感できない2%、共感できない1%、不明・回答なし1%  ・地球環境に配慮した道路整備   【区の考え】交差点改良による渋滞解消など、自動車の流れをスムーズにする取り組みが必要   共感できる57%、まあ共感できる30%、どちらともいえない7%、あまり共感できない3%、共感できない2%、不明・回答なし1%  ・防災対策と道路整備   【区の考え】安全な避難路や火災の燃え広がりを防ぐ防災空間となるような道路の重点的な整備が必要   共感できる63%、まあ共感できる27%、どちらともいえない6%、あまり共感できない2%、共感できない1%、不明・回答なし2%  ・大規模な街づくり事業と合わせた道路整備   【区の考え】街づくりの事業とあわせて、近くの道路や駅前広場を一体的に整備することが必要   共感できる53%、まあ共感できる28%、どちらともいえない11%、あまり共感できない3%、共感できない3%、不明・回答なし2% 詳細な内容については担当部署へお問い合わせください。 道路・交通計画部道路計画課 電話 03-6432-7935 ファクシミリ 03-6432-7991