表紙 世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画 令和3年度〜令和12 年度 世田谷思いやり自転車プロジェクト 令和3年7月 世田谷区 はじめに 「世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画」は、平成29年5月に施行された自転車活用推進法に基づいて新たに策定する「市町村自転車活用推進計画」と、いわゆる自転車法に基づいて、従来から区で策定してきた「自転車等の利用に関する総合計画」の2つを、一体的に策定するものです。 平成28年4月の「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」中間見直し時点では、大きな社会変化として東日本大震災による自転車への社会的関心の高まり、そして「自転車は車両。車道左端の通行が原則。歩道は例外」の再確認をはじめとする一連の制度改正がありました。今回の計画策定では、これに当たるものとして、自転車活用推進法の施行と、コロナ禍の影響と日常生活の変化が挙げられます。 自転車活用推進法は、身近な交通手段である自転車の活用による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康の増進等を図ることが課題であることに鑑み、自転車の活用に関し、基本理念を定めたものです。 国が平成30年6月に策定した自転車活用推進計画では、これまで、あまり自転車が活用されてこなかった自治体を含め全国を対象とした自転車の活用の推進として、自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成、自転車事故のない安全で安心な社会の実現、サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現、サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現によるインバウンド観光需要等に着目しています。これに対し、当区ではすでに自転車利用が普及している状況を踏まえ、改めて「自転車を活用する」とはどういうことかという視点で検討しました。 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響が区内の自転車利用にも及んでおりますが、これまで、計画における自転車利用将来推計につきましては、計画策定年度の放置自転車実態調査結果を主に、前年度までの放置自転車実態調査結果の推移等も勘案しながら、推計作業を行ってきました。 しかし、今回の計画につきましては、直近までの区内駐輪場利用状況等を検証した結果、コロナ禍の影響を受けた実態データが、令和2年度放置自転車実態調査結果だけでは不十分であることから、将来の自転車利用の傾向を推測するため、令和3年度の放置自転車実態調査結果を踏まえた上で、「新たな生活様式」の社会への浸透状況等を勘案しつつ、令和3年度末までに推計を行うこととしました。 このため、今回の計画策定時点では上記の推計値を掲載せず、推計実施後に改めて公表することといたします。 令和3年7月 世田谷区 計画の愛称について 今回の「自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画」では、地域の生活を身近で支える「生活自転車」(69ページから70ページ参照)を掲げたことから、区民にとって身近な計画を目指し、計画素案に対する区民意見募集(パブリックコメント)とあわせて、計画の愛称を公募しました。 346名の方からご意見をいただき、愛称につきましては、このうち141名の方からご応募いただきました(有効数)。「世田谷区自転車等駐車対策協議会」での選考の結果、候補の中から「世田谷思いやり自転車プロジェクト」が計画の愛称として選ばれました。 パブリックコメントでは、「支える自転車」を中心とした計画の内容を評価する声の一方で、「ルールやマナーを守らない自転車が危ない、こわい」、「このままの状態で自転車に増えてほしくない」、「歩行者の視点、歩道の安全確保を入れた計画としてほしい」とのご意見を多くいただきました。愛称に「思いやり」の語が選ばれた背景には、こうした現状があると考えています。 狭い道路の多い区内では、歩行者、自転車、自動車の通行空間を完全に分離することは難しく、歩行者<自転車<自動車という「交通弱者」の順序を踏まえ、歩行者、自転車、自動車が、お互いに配慮と思いやりをもってコミュニケーションを図り、道路上で安全・安心に共生を図る必要があります。 「思いやり」の語に込められたメッセージをしっかりと受け止め、歩行者、自転車、自動車が安全・円滑に移動できるバランスの取れた都市交通社会、「世田谷の自転車のミライ」を皆さんと共に目指してまいりたいと思います。 目次 1 章 計画の概要 3ページ 1.1 計画の目的 3ページ 1.2 策定の背景 3ページ 1.3 計画の位置づけ 3ページ 1.4 計画の期間 4ページ 1.5 計画の対象地域 5ページ 1.6 計画の対象内容 5ページ 1.7 計画の推進体制 5ページ 1.8対象とする交通手段5ページ 2 章 自転車等の利用の現状 11ページ 2.1 世田谷区の概要 11ページ 2.2 自転車等の利用及び利用環境の状況 17ページ 2.3 総合計画におけるこれまでの成果と評価・検証 52ページ 2.4 自転車に関わる法制度や上位関連計画の動向 53ページ 2.5 自転車を取り巻く社会情勢の変化 58ページ 2.6 計画の見直しの方向性 62ページ 3 章 計画の基本理念と基本方針 69ページ 3.1 計画の基本理念の考え方 69ページ 3.2 計画の基本理念 69ページ 3.3 計画の基本方針 72ページ 3.4 基本方針の考え方 73ページ 4 章 施策の取組み 77ページ 4.1 施策の取組みについて 77ページ 4.2 施策体系と個別施策の取組み 77ページ 4.3 施策実現の方策 116ページ 4.4 PDCAマネジメントサイクルによる計画の推進 118ページ 5 章 鉄道路線沿線及び駅周辺の自転車利用環境整備 121ページ 5.1 本章の目的 121ページ 5.2 基本的な考え方と駅別の重点施策 122ページ 京王電鉄京王線沿線の自転車利用環境整備 125ページ 京王電鉄京王線:千歳烏山駅の自転車利用環境整備 126ページ 京王電鉄井の頭線沿線の自転車利用環境整備 127ページ 小田急電鉄小田原線沿線の自転車利用環境整備 128ページ 小田急電鉄小田原線・京王電鉄井の頭線:下北沢駅の自転車利用環境整備 129ページ 小田急電鉄小田原線:成城学園前駅の自転車利用環境整備 130ページ 東急電鉄田園都市線沿線の自転車利用環境整備 131ページ 東急電鉄田園都市線・東急電鉄世田谷線:三軒茶屋駅の自転車利用環境整備 132ページ 東急電鉄田園都市線・東急電鉄大井町線:二子玉川駅の自転車利用環境整備 133ページ 東急電鉄大井町線・東急電鉄目黒線・東急電鉄東横線沿線の自転車利用環境整備  134ページ 東急電鉄世田谷線沿線の自転車利用環境整備 135ページ 参考資料 世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画の策定の経緯 ・検討体制 139ページ ・自転車等駐車対策協議会 139ページ 用語集 ・用語集 145ページ 関連条例 ・世田谷区自転車条例 151ページ ・世田谷区自転車条例施行規則 170ページ ・世田谷区レンタサイクルポート条例 180ページ ・世田谷区レンタサイクルポート条例施行規則 185ページ