世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画  表題 5章 鉄道路線沿線及び駅周辺の自転車利用環境整備 121ページ 5章 鉄道路線沿線及び駅周辺の自転車利用環境整備 5.1 本章の目的 4章「施策の取組み」については、区内全域を対象とした施策の基本的な考え方を示していますが、駅周辺においては、鉄道駅を中心として、大規模店舗や駅前商店街等が立地するため、多くの自転車が乗り入れ、駐輪や放置が集中して発生しています。そのため、自転車利用の用途・目的や自転車がアクセスする方向等も考慮しながら、自転車の利用環境の改善等を検討する必要があります。 また、各駅の自転車利用環境について検討するためには、自転車による駅へのアクセス範囲として「自転車駅勢圏」※18を考慮する必要があります。自転車による駅周辺へのアクセス条件は、徒歩による場合と異なり、駅からの距離だけで決まるものではなく、坂などの土地の起伏が大きく影響し、また、特に通勤・通学の場合には、鉄道路線に沿いながら、より都心に近い駅や急行停車駅にアクセスが集まる傾向があります。 ◇自転車の乗入台数の推計について これまで、計画における自転車の乗入台数の推計値については、計画検討年度の放置自転車実態調査結果を主に、前年度に至る放置自転車実態調査結果の推移等も勘案しながら、推計を行ってきました。 しかし、今回の計画については、直近の令和2年度までの区内駐輪場利用状況等を検証した結果、コロナ禍の影響を受けた実態データが令和2年度放置自転車実態調査結果だけでは不十分であることから、将来の自転車利用の傾向を推測するため、令和3年度の放置自転車実態調査結果を踏まえた上で、推計を行うこととします。 このため、今回の計画における推計値については、令和3年7月の計画策定時に掲載せず、令和3年10月から11月に実施予定の放置自転車実態調査の結果を加味した上で、「新たな生活様式」の社会への浸透状況を踏まえつつ、改めて令和3年度末までに推計を実施し、その結果を公表することといたします。 図104では、自転車の乗入台数の推移(世田谷区全体)のものを示しています。 資料は駅前放置自転車等の現況と対策、各年、東京都のものを基に作成しています。 駅周辺の隣接他区側の乗入台数も含みます。 世田谷区全体の自転車乗入台数は、平成22年度39,167台からから平成27年度44,980台まで増加傾向にあり、その後、令和元年度まで43,650台と減少傾向にあり、令和2年度36,274台と大幅に減少したことを図で示しています。 ※18 自転車駅勢圏の駅勢圏とは、駅を利用する需要が期待される範囲を指し、通常、徒歩の場合は駅から約1キロメートルまでの範囲内とされています。自転車の場合には、単に駅からの距離だけでなく、坂道などの土地の起伏、自動車交通量の大小等によって変わり、特に通勤・通学による駅へのアクセスの場合には、より都心・副都心方向に近い駅、急行停車駅等に集中する傾向があるため、円形ではなく、かなり偏った形となります。区では、駐輪場定期利用者、放置による撤去自転車引取者の住所分布等に基づき、自転車駅勢圏の広がりを推定しています。 122ページ 5.2 基本的な考え方と駅別の重点施策 基本的な考え方 区は今後10年間にわたり、関連する計画や事業との歩調を合わせながら、この計画に基づく取組みを推進し、基本理念の「人口90万人を超える住宅都市 世田谷にふさわしい安全・安心・快適な交通社会の実現に自転車を有効に活用するため、環境にやさしく身近な地域での生活に必要な『生活自転車』を、誰もが安全に利用しやすい環境に整備する。」の実現を目指します。 そのため、3章で示した4つの基本方針に基づき、各駅及びその周辺の特性を考慮しながら施策の優先度等を判断し、歩行者や自転車利用者が、安全で快適に移動できる環境を構築していきます。 8つの鉄道路線 区内には京王電鉄京王線、京王電鉄井の頭線、小田急電鉄小田原線、東急電鉄田園都市線、東急電鉄大井町線、東急電鉄目黒線、東急電鉄世田谷線、東急電鉄東横線といった8つの鉄道(東急電鉄世田谷線は軌道)路線が通っています。区内39 駅に加えて、目黒区内に位置する東急電鉄東横線・東急電鉄大井町線自由が丘駅も、区内に駅勢圏が及んでいます。 小田急電鉄小田原線豪徳寺駅と東急電鉄世田谷線山下駅、東急電鉄田園都市線三軒茶屋駅と東急電鉄世田谷線三軒茶屋駅、小田急電鉄小田原線下北沢駅と京王電鉄井の頭線下北沢駅は、ともに乗り換えの際に改札を通過する近接の駅ですが、駅勢圏がほぼ重なるため、この計画では、それぞれ1駅として表示します。 都市高速鉄道として首都圏の幹線に位置づけられている小田急電鉄小田原線9号、京王電鉄京王線10 号、東急電鉄田園都市線11 号の3路線は、都心からほぼ放射状に延びていて、都心から西方向に向かうほど路線間の距離が拡大していくため、これらの路線間には駅やバスの停留所から離れた、公共交通不便地域が点在する傾向にあります。 各駅を中心とした南北動線に沿った安全・安心な自転車利用環境の形成 区内では、都市高速鉄道の3路線が、東西方向の主な移動手段となっているのに対し、南北方向の移動については、駅を発着点とする場合も、駅付近を通過して他の目的地へ向かう場合も、自転車が移動の時間や距離の面から利便性が高く、バスやタクシーと並び、公共交通機関に準じた重要な移動手段となっています。区レンタサイクル、民間シェアサイクルの活用をはじめ、この南北動線を踏まえた安全・安心・快適な自転車利用環境の形成を図る必要があります。 大型自転車の増加等、新たな自転車ニーズへの対応 子育て自転車であるチャイルドシート付電動アシスト自転車が普及・浸透し、文字通り子育ての必需品化したのをきっかけとして、既存の駐輪ラックには収まらない大型自転車が増加しました。この傾向は、新型コロナウイルス感染拡大による自転車通勤、自宅から職場までの自転車による直接移動の増加により、さらに加速される可能性があります。これらの新たな自転車ニーズに対し、既存の駐輪場についても対応し、自転車利用環境の質の向上を図る必要があります。 123ページ 利用実態を踏まえた駐輪環境の整備 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、自転車による宅配サービスの利用急増、自転車通勤の増加等、様々な社会変化が起きています。駐輪環境の整備にあたっては、「新たな生活様式」の社会への浸透状況を踏まえつつ、利用実態を踏まえて駐輪環境の整備を検討する必要があります。また、夕方の買い物等の短時間駐輪への対応を図る必要があります。さらに、駅勢圏の広がりや自転車利用者の動線等を考慮し、駐輪場の適正配置をする必要があります。 5つの主要駅 5章では、計画期間は平成26 年度から概ね20 年間の世田谷区都市整備方針 第一部 都市整備の基本方針、計画期間は平成27 年度から概ね20 年間の世田谷区都市整備方針 第二部 地域整備方針における広域生活・文化拠点及び地域生活拠点から、区が進める地域行政の区分における各地域、世田谷、北沢、玉川、砧、烏山の自転車利用ネットワーク拠点として、今後、展開すべき5つの駅を主要駅とし、地域内及び地域間の自転車による移動の拠点として位置づけています。 図 105では 区内の鉄道路線と主要駅を示しています。 京王電鉄京王線では、千歳烏山駅、京王電鉄井の頭線では下北沢駅、小田急小田原線では、成城学園前駅と下北沢駅、東急電鉄田園都市線では、二子玉川駅と三軒茶屋駅、東急電鉄世田谷線では、三軒茶屋駅を示しています。 124ページ 取組み内容について 連続立体交差事業及び複々線化事業や都市整備の都市計画事業等の整備内容、駅周辺の放置自転車等実態調査及び区立駐輪場の利用状況調査等の結果から、各鉄道路線沿線の自転車利用環境の現状と課題を整理し、今後必要となる主な取組みを検討しました。 このほか、各地域の主要駅として位置づけた三軒茶屋駅世田谷地域、下北沢駅北沢地域、二子玉川駅玉川地域、成城学園前駅砧地域、千歳烏山駅烏山地域の各駅周辺の取組みについては、駅ごとに現状と課題を整理した上で、沿線別の取組みとは別に今後必要となる取組みを駅周辺の概況とともに示しました。 125ページ 京王電鉄京王線沿線の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 平成26 年(2014 年)に渋谷区の笹塚駅から調布市の仙川駅間の連続立体交差事業および鉄道付属街路事業が認可され、現在事業が進められています。 区内の代田橋駅、明大前駅(京王電鉄京王線)、下高井戸駅、桜上水駅、上北沢駅、芦花公園駅、千歳烏山駅は高架駅となり、開かずの踏切の解消により、鉄道の南北に分断されていた市街地が一体化され、また、沿線には側道が整備される予定です。 連続立体交差事業や街づくりの進捗にあわせて、区は鉄道事業者と連携して、新たに生じる高架下空間等を活用した、より利便性の高い駐輪場を整備する等、地域内あるいは地域間の交通手段として、自転車の利用環境の向上を図る必要があります。 対応の方向性は、 駅ごとの地区街づくり計画や地域の街並みの変化の方向性、またコロナ禍の影響による自転車の利用実態や駐輪需要を踏まえ、高架下空間の利用等、鉄道の連続立体交差事業にあわせ、鉄道事業者と連携した利便性の高い駐輪場の整備について検討します。あわせて、歩行者空間の充実や回遊性の確保を図るための駐輪場の配置の工夫や、新たに整備される側道を自転車が安全に通行できる空間の確保、民間シェアサイクルの導入等、自転車を利用しやすく、かつ歩行者・自転車にとっても安全・安心な自転車利用環境の形成を図ります。 成城学園前駅方面の南北動線の強化、コミュニティサイクルや民間シェアサイクル導入等により、利用しやすく、安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 経堂駅方面の南北動線の強化、コミュニティサイクルや民間シェアサイクルの導入等により、利用しやすく、安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 京王電鉄京王線沿線の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 126ページ 京王電鉄京王線、千歳烏山駅の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 千歳烏山駅周辺は、京王線の南北両側にそれぞれ商店街が高密度に広がり、商業・サービス、交流等の機能が充実し、区民の交流の「核」であるとともに、地域外に居住する区民も多く利用する拠点として、都市整備方針において「主要な地域生活拠点」に位置づけられています。 駅や商店街へ集中する自転車に対応して、これまで駐輪場を整備し、整備台数の拡充に努めてきました。 放置自転車の台数自体はピーク時に比べて大きく減少しており、主に通勤・通学等の自転車利用者に対する駐輪場は、整備台数として充足しているものの、夕方の時間を中心に駅前の短時間の買い物を目的とした放置自転車が依然として多く、令和元年度の放置自転車撤去台数は約4,600台と区内では最も多い状況が続いています。 このことから、「歩行者と自転車が安全に共存できる街」を目指した、千歳烏山駅周辺地区街づくり構想を踏まえ、京王線連続立体交差事業や駅周辺街づくりの進捗を見据えながら、官民が連携して需要に見合った整備台数の確保を図るとともに、短時間利用者を対象とした駐輪場の整備のあり方の検討を進める必要があります。 対応の方向性は、 「歩行者と自転車が安全に共存できる街」を目指した街づくり構想を踏まえ、歩行者と自転車が混在する駅前の商店街通り等について、自転車の安全利用に向けた環境整備やマナー向上に取組みます。 夕方を中心に、短時間の買い物を目的とした短時間の放置自転車が多いことを踏まえ、地域と協力しながら対策を検討します。 連続立体交差事業や駅周辺街づくりを契機として、またコロナ禍の影響による利用実態や駐輪需要を踏まえ、鉄道事業者と連携した駐輪場整備について検討するとともに、烏山中央自転車等駐車場のあり方を踏まえた駅周辺における駐輪場の検討を行う等、官民が連携して需要に見合った整備台数の確保を図ります。また、放置自転車の撤去活動や啓発等により自転車の適正利用を促進します。 急増する電動アシスト自転車等の大型自転車の利用需要に対し、既存駐輪場の対応を進めます。また、駅から少し離れた駐輪場や屋上階では空きもある状況から、利用率の低い駐輪場で料金制度の変更を図る等、多くの方の利用が促進されるような工夫を行います。 127ページ 京王電鉄井の頭線沿線の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 乗換駅かつ急行停車駅である下北沢駅は小田急電鉄小田原線で取り扱い、明大前駅は京王電鉄京王線沿線で取り扱いしています。下北沢駅、明大前駅以外の駅については、駅周辺への自転車利用が比較的少ない傾向が見られます。この理由として、駅周辺に大規模店舗や商店街等の大型集客施設が少ないことが考えられます。各駅の自転車利用実態や駐輪需要を踏まえ、自転車利用環境の向上を図ります。 対応の方向性は、 東松原駅は、以前に多かった放置自転車の台数が近年減少してきたことから、今後も放置状況を注視しつつ、放置防止や既存駐輪場の利便性向上を図ります。 池ノ上駅は、池之上小学校の建替にあわせ、現在、敷地内に整備されている駐輪場の質の向上を図り、利用利便性を高めます。 京王電鉄井の頭線沿線の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 128ページ 小田急電鉄小田原線沿線の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 東北沢駅から世田谷代田駅間で行われていた連続立体交差事業及び複々線化事業が、平成30年度(2018年度)に完了しました。先だって連続立体交差事業が完了した梅ヶ丘駅から喜多見駅については、鉄道事業者により鉄道高架下空間を利用して駐輪場が整備されています。 東北沢駅、下北沢駅、世田谷代田駅については、地下化された鉄道敷の上部利用について、利便性の高い駐輪場を鉄道事業者と連携して整備していくとともに、駅周辺まちづくりの進捗にあわせて自転車の快適な利用環境を確保します。 また、区内の南北動線の中心に位置する経堂駅のレンタサイクルポートの、令和元年度実績の利用率は130パーセント以上、と区平均より高いことから、今後もニーズを踏まえて、南北動線を踏まえた利用環境の整備を図る必要があります。 対応の方向性は、 駅ごとの地区街づくり計画や地域の変化の方向性を踏まえ、鉄道上部利用においては鉄道事業者と連携し、またコロナ禍の影響による利用実態や駐輪需要を踏まえ、新たな駐輪場の整備を検討します。また、大型自転車の利用需要に対し、既存駐輪場の対応を進めます。 千歳烏山駅、二子玉川駅方面の南北動線の強化、コミュニティサイクルや民間シェアサイクル導入等により、利用しやすく、安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 三軒茶屋駅方面の南北動線の強化、コミュニティサイクルや民間シェアサイクル導入等により、利用しやすく、安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 桜上水駅方面、桜新町駅方面の南北同線の強化について、コミュニティサイクルの利用促進を図るとともに、民間シェアサイクル導入等により、利用しやすく、安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 小田急電鉄小田原線沿線の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 129ページ 小田急電鉄小田原線・京王電鉄井の頭線、下北沢駅の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 下北沢駅周辺は、若者をはじめ多くの人が回遊でき、個々の魅力的な商店街や劇場などの商業・文化等の機能が充実し、区を超えた広域的な交流の場として、都市整備方針において、「広域生活・文化拠点」に位置付けられています。 下北沢駅は乗換駅かつ急行停車駅で、乗降客数が多い駅でありますが、乗り換え客の占める割合も高いことに注目する必要があります。 小田急電鉄の連続立体交差事業にあわせた周辺整備により、一定程度の駐輪場は整備されたものの、特に夕方や休日を中心として依然として乗入台数に対して整備台数が不足しており、また放置自転車が多く見られる状況です。令和元年度の放置自転車撤去台数は2,800台と区内では多い状況が続いています。 細く入り組んだ道路は、個性豊かな個店が多いまちの魅力とあいまって、高い回遊性と賑わいを誇る一方、自転車・自動車の交通量増への対応については課題を残しています。 これらのことを踏まえ、買い物利用や来街者の自転車への対応を図りながら、良好な歩行環境を保てるよう、バランスの取れた駐輪環境の整備を進める必要があります。すでに小田急電鉄の下北沢駅の地下化が完了しており、今後は駅前広場や計画道路の整備、周辺の建て替え等が進むことになります。こうしたまちの変化にあわせて、区や鉄道事業者による新たな駐輪場の整備、既存駐輪場の有効活用、附置義務駐輪場の効果的な整備等を誘導するとともに、これらの駐輪場の適正配置等により、自転車と歩行者(車いすやベビーカー等を含む)、自動車等の適切な共生を図る必要があります。 対応の方向性は、 連続立体交差事業及び複々線化事業等によるまちの変化にあわせ、またコロナ禍の影響による利用実態や駐輪需要を踏まえ、区や鉄道事業者等による利便性の高い新たな駐輪場の整備を検討します。 まちの魅力である回遊性を確保しつつ、歩行者、自転車、自動車が適切に共生できるよう、駅前広場や計画道路の整備、周辺の建て替え等にあわせ、附置義務を含む駐輪場の整備や適正配置等を図ります。 小田急電鉄小田原線・京王電鉄井の頭線下北沢駅の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 130ページ 小田急電鉄小田原線、成城学園前駅の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 成城学園前駅周辺は、駅西口の駅前広場や砧区民会館、まちの玄関口となる複合的な駅ビル等が整備され、商業等の機能が充実し、区民の交流の「核」であるとともに、地域外に居住する区民も多く利用する拠点として、都市整備方針において「主要な地域生活拠点」と位置付けられています。 かつては、駅前の商業施設の周辺に自転車等の放置がありましたが、駐輪場の整備台数の充足や、レンタサイクル、民間シェアサイクルの導入により、放置自転車の台数は減少しました。 対応の方向性は、 電動アシスト自転車、チャイルドシート付電動アシスト自転車等の大型自転車に対応した駐輪場の設備更新を行います。 駅前の放置自転車を既存の駐輪場へ誘導するため案内板等を活用します。 小田急電鉄小田原線成城学園前駅の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 131ページ 東急電鉄田園都市線沿線の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 田園都市線沿線は、駐輪場の整備台数の増加等により、放置自転車の台数は、ピーク時に比べて大きく減少しています。一方、夕方の時間を中心に、駅前の買い物を目的とした放置自転車が依然として多いことから、官民が連携して需要に見合った整備台数の確保を図るとともに、買い物等の短時間駐輪を対象とした駐輪環境の整備について検討する必要があります。 対応の方向性は、 桜新町駅は、コミュニティサイクル導入駅の経堂駅方面、等々力駅方面の南北動線と連携を強化し、利用促進を図ります。 二子玉川駅は、成城学園前駅方面の南北動線の強化、コミュニティサイクルや民間シェアサイクル導入等により、利用しやすく、安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 三軒茶屋駅は、民間シェアサイクルの導入支援、利用促進等により、小田原線方面との南北動線の強化を図ります。 駒沢大学駅は、駒沢大学駅周辺の放置自転車実態、またコロナ禍の影響による利用実態や駐輪需要を踏まえて、既存駐輪場の利用環境改善を進めるとともに、隣接する三軒茶屋駅とあわせて、駐輪スペースの確保を検討します。 電動アシスト自転車等の大型自転車の利用需要に対し、既存駐輪場の対応を進めます。 東急電鉄田園都市線沿線の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 132ページ 東急電鉄田園都市線・東急電鉄世田谷線、三軒茶屋駅の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 三軒茶屋駅周辺は、交通の要衝に位置するとともに、キャロットタワーが区の文化や観光の発信地であり、商業・サービス、業務、文化等の機能が充実し、多くの人でにぎわう区を超えた広域的な交流の場として、都市整備方針において「広域生活・文化拠点」に位置づけられています。また、2019年3月に策定された「三軒茶屋周辺まちづくり基本方針」では、「つたえる」「つなげる」「はぐくむ」を方針として掲げ、にぎわいの創出を目指しています。 駅周辺では、商業施設の前や世田谷通り、玉川通り、茶沢通り沿いに放置自転車が多い傾向にあり、令和元年の放置自転車撤去台数は約4,500台と区内では2番目に多い状況が続いています。また、玉川通りの南側の駐輪場が不足しています。官民が連携して需要に見合った整備台数の確保を図るとともに、買い物等の短時間駐輪を対象とした駐輪環境の整備について検討する必要があります。 また、駐輪場により利用率に差があるため、利用率が低い駐輪場については、利用促進策を講じることにより有効活用を進め、さらに自転車利用環境の向上を図ります。 なお、三軒茶屋北レンタサイクルポートは施設の老朽化により稼働率自体が低下し、利用率が低いため、施設整備や土地の有効活用を踏まえ、今後のあり方を検討します。 対応の方向性は、 三軒茶屋北レンタサイクルポートは施設の老朽化により稼働率自体が低下し、利用率が低いため、施設整備や土地の有効活用を踏まえ、今後のあり方を検討します。 短時間の買い物を目的とした放置自転車が多いことを踏まえ、官民が連携して買い物等の短時間駐輪を対象とした駐輪環境の整備を検討します。 一方、通勤・通学のため駅へアクセスする自転車の長時間駐輪については、隣接する駒沢大学駅とあわせて、駐輪スペースの確保を検討します。 また、電動アシスト自転車等の大型自転車の駐輪需要に対し、既存駐輪場の対応を進めます。さらに、利用率に応じた利用料金の見直し、放置自転車の防止と駐輪場への誘導の連携強化等により、既存駐輪場の利用を促進します。 東急電鉄田園都市線沿線・東急電鉄世田谷線の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 133ページ 東急電鉄田園都市線・東急電鉄大井町線、二子玉川駅の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 二子玉川駅周辺は、再開発事業等により都市基盤の整備や土地の高度利用、都市機能の更新が図られています。また、自然環境と調和し安全で魅力ある商業・業務・住居機能を備えた、区を超えた広域的な交流の場として、都市整備方針において「広域生活・文化拠点」に位置付けられています。 鉄道駅としても、田園都市線・大井町線の乗換駅かつ急行停車駅であるため、駅乗降客数が非常に多くなっています。通勤・通学による駅へアクセスする自転車の利用範囲を見ると、喜多見、宇奈根等、西側に広く伸びており、これらの地区は人口の増加が想定されるため、今後も駅への自転車乗入台数は増加すると考えられます。また、以前より兵庫島公園近辺に放置自転車が多数あり地域の課題となっています。これに対して、区では駅西側は、二子玉川西自転車等駐車場を改修し、整備台数の増加を図りました。 駅東側は、二子玉川東地区の再開発により多くの駐輪場が整備されたため、まだ収容能力に余裕があり、坂道を苦にしない電動アシスト自転車の普及・浸透により想定される、駅東側及び北側方面からの自転車利用の増加にも対応できると考えられます。 また、令和2年度より二子玉川における民間シェアサイクル実証実験が開始されました。二子玉川公園、多摩川河川敷等のまちなか観光資源があり、営業対象の店舗・事業所も多く存在する二子玉川では、ポートからポートへの短距離移動を基本とする民間シェアサイクルが効果を発揮することが期待されます。 対応の方向性は、 今後も増加すると思われる西側方面から駅周辺への自転車アクセスに、民間シェアサイクルの活用等により、対応を図ります。 駅近辺のポート確保により、民間シェアサイクルの利用利便性を高め、効果的な活用を図ります。 電動アシスト自転車の普及浸透により、今後増加すると考えられる東側・北側方面から駅周辺へのアクセスについて、既存駐輪場の有効活用や民間シェアサイクルの活用等により、対応を図ります。 東急電鉄田園都市線沿線・東急電鉄大井町線二子玉川駅の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 134ページ 東急電鉄大井町線・東急電鉄目黒線・東急電鉄東横線沿線の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 大井町線・目黒線・東横線の各駅は、前ページの二子玉川駅を除き、いずれも地形上、国分寺崖線の上に位置しています。そのため、鉄道路線南側からの駅へのアクセスが坂道となることから、駅利用者数に比べ、自転車乗入台数が少ない区域でした。しかし、近年、坂道を苦にしない電動アシスト自転車の普及・浸透により、乗入台数が増加し、また、チャイルドシート付電動アシスト自転車等の比率も九品仏駅・尾山台駅で40から50パーセントに達する等利用が高まってきています。 鉄道路線南側の国分寺崖線の坂下の区域では、マンション建設が続いており、今後も子育て家庭等を中心に人口の増加が想定されます。商店街やスーパーマーケットの多くは各駅周辺に位置することから、通勤通学における駅へアクセスする自転車、買い物等の利用の自転車の両方に対し、大型自転車対応を含め、需要に見合った駐輪環境の整備等が必要となります。 これらの駅の西端にあたる二子玉川駅周辺では、令和2年度から民間シェアサイクル実証実験を行っています。電動アシスト自転車を配備し、ポートからポートへの短距離移動を基本とする民間シェアサイクルは、駅利用圏に国分寺崖線を含む大井町線・目黒線・東横線沿線においても高い効果を発揮すると考えられ、今後の展開が期待されます。 対応の方向性は、 二子玉川駅周辺で実証実験中の民間シェアサイクルについて、大井町線方面への順次展開を目指します。 等々力駅の南北動線桜新町駅方面に沿った安全安心な自転車利用環境の形成を図ります。 国分寺崖線下からの自転車利用の増加及び大型自転車の増加への対応を図ります。コロナ禍の影響による利用実態や駐輪需要を踏まえ、区や鉄道事業者等による利便性の高い新たな駐輪場の整備を検討します。 東急電鉄大井町線・東急電鉄目黒線・東急電鉄東横線沿線の地図はせたがやアイマップを基に作成して掲載しています。 135ページ 東急電鉄世田谷線沿線の自転車利用環境整備 自転車利用環境の現状と課題は、 世田谷線は、南北動線を含む路線として京王電鉄京王線、小田急電鉄小田原線、東急電鉄田園都市線と結節しています。 駐輪場が整備されている駅は、松原駅、上町駅、世田谷駅の3駅となります。駅前放置自転車台数は少ないが、引き続き駐輪場への駐輪を誘導する等、適正な利用を図る必要があります。 対応の方向性は、 駐輪場の利用率が高くない駅については、周辺での買い物客等について、駐輪場への駐輪を誘導する等、適正な利用を促します。