世田谷区自転車活用推進計画及び自転車等の利用に関する総合計画 令和3年度から令和12年度 概要版 世田谷思いやり自転車プロジェクト 構成は、次の4つのとおりです。 1 計画の概要 2 自転車等の利用の現状 3 計画の基本理念と基本方針 4 施策の取組み 以上です。 1ページ 1 計画の概要 計画の目的は、 身近で環境にやさしい自転車について、安全・安心・快適な利用環境を計画的かつ体系的に推進するための計画です。 1 自転車活用推進計画は、 平成29年5月の自転車活用推進法の施行により、自転車の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、同法第11条で策定が努力義務とされた区市町自転車活用推進計画です。 2 世田谷区自転車等の利用に関する総合計画は、 区の自転車施策の総合的な方針であり、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」第7条に定められた法定計画です。   計画の期間は、 令和3から12年度の10年間を対象としています。 策定後5年で中間見直しを実施します。   2 自転車等の利用の現状 自転車は生活に密着した利便性の良い乗り物である反面、課題も多く見受けられます。安全で快適に自転車利用を普及・促進するために、まず課題の整理を行いました。 使われ方の状況について 通勤、通学、買い物、子どもの送迎等、日常の中で幅広く利用 自転車交通事故の状況について 事故の傾向は、 区内事故件数は減少傾向から平成28年より増加傾向。都内ワースト上位を推移。 区内の自転車が関与する事故は、全国平均のおよそ2倍 20から40歳代の事故が半数以上を占める 事故の多い場所は、 幹線道路の交差点が多い 地域別だと三軒茶屋、下高井戸、八幡山、千歳烏山駅周辺等 自転車通行空間の整備状況について 「世田谷区自転車ネットワーク計画」において、自転車ネットワーク路線を選定し、優先して整備すべき路線を定めて整備推進 自転車利用環境の整備状況について 区内の駐輪場整備は進んでいるが、遠い、分かりづらい等の理由から利用率の低い駐輪場あり 夕方の駐輪ピークに対応できていない駅がある 大型自転車(チャイルドシート付電動アシスト自転車)の増加で1台当たりの駐輪スペースが増加(駐輪場の収容台数を減らしてスペース確保へ) 2ページ 区レンタサイクル、コミュニティサイクルの状況について 長時間利用(通勤・通学等)が多く、回転率が低い 民間シェアサイクルの状況について 区内でも複数の民間シェアサイクル事業者が事業展開 民間シェアサイクル実証実験を二子玉川エリアで実施(令和2年度より) 放置自転車対策の状況について 駐輪場整備に伴い、放置自転車は年々減少傾向 千歳烏山、三軒茶屋、下北沢駅等は放置自転車が多い 近年、大型自転車(チャイルドシート付電動アシスト自転車)の撤去割合が増加 区民の自転車に対する意識(区民意識調査による)について 区が力を入れるべき交通施策として「自転車通行空間の整備」を求める意見が非常に多い 自転車を取り巻く社会情勢の変化について 自転車利用に対する地球温暖化対策や渋滞対策からの関心の高まり 自転車利用に対する健康志向からの関心の高まり 自転車関連事故の下げ止まりと自転車対歩行者事故の問題化 地域を支える移動手段のひとつとして自転車への期待の増大 子育て世代や高齢者の移動手段としての普及浸透 大型自転車や電動アシスト自転車の増加等自転車の多様化 民間シェアサイクルの普及です。 資料として、大型自転車と軽快車の自転車のイラストを掲載しています。 新たな計画の策定の方向性について 区では計画を改定するにあたり、自転車を取り巻く状況や新たな課題、これまでの取組みを考慮し、計画検討を行いました。 これまでの計画の基本理念の継続 自転車活用推進法・同推進計画の理念を受け継ぎ、身近な生活を支える自転車への注目 自転車利用環境の総合的整備の継続 新型コロナウイルスの影響への配慮 自転車の役割に注目した施策体系 計画の進捗状況及び課題状況のモニタリングと施策・計画へのフィードバックです。 3ページ 3 計画の基本理念と基本方針 計画の基本理念は、 人口90万人を超える住宅都市世田谷にふさわしい安全・安心・快適な交通社会の実現に自転車を有効に活用するため、環境にやさしく身近な地域での生活に必要な「生活自転車」を、誰もが安全に利用しやすい環境に整備する。 です。 通勤や通学、買い物等の利用、さらには介護や宅配等の業務利用も含めた、身近な地域での生活を支える全ての自転車を「生活自転車」として独自に定義し、環境負荷の低減とユニバーサルデザインの視点を含め、誰もが安全に利用しやすい環境を目指します。 計画の基本方針は、次の4つのとおりです。 基本方針1は、自転車が安全・安心を守るまち、です。 交通安全意識・行動を徹底し、万が一の事故にも備え、自転車の安全・安心な利用を促進することにより、「自転車が安全・安心を守るまち」づくりを進める 基本方針2は、自転車が快適に走るまち、です。 安全で快適な自転車走行環境の整備とその利用の促進により、「自転車が快適に走るまち」づくりを進める。 基本方針3は、自転車がスマートにとまるまち、です。 駐輪場情報の提供や自転車シェアリングにICTを活用する等、駐輪環境の整備と放置自転車の防止により、適正な自転車利用を推進し、「自転車がスマートにとまるまち」づくりを進める。 基本方針4は、自転車が身近なくらしを支えるまち、です。 身近な生活における多様なニーズに対応でき、環境にやさしく健康増進に役立つ自転車の利用を促進し、「自転車が身近なくらしを支えるまち」づくりを進める。 基本方針の考え方について 本計画では、区の現況や特性に適合した自転車活用のあり方が改めて問われていることから、区において自転車が担う社会的役割に基づいて、「守る」「走る」「とまる」「支える」の4本の柱をたて、それぞれに基本方針を定めました。 守るでは、「自転車が安全・安心を守るまち」として、自転車交通ルール・マナーの普及啓発をします。 走るでは、「自転車が快適に走るまち」として、自転車交通ルール・マナーの普及啓発と自転車通行空間の整備をします。 駐まるでは、「自転車がスマートにとまるまち」として、駐輪場の整備、放置自転車対策の実施をします。 支えるでは、「自転車が身近なくらしを支えるまち」として、自転車交通ルール・マナーの普及啓発、自転車通行空間の整備、駐輪場の整備、放置自転車対策の実施、身近な生活を支え、健康・快適に自転車を利用するための環境づくりをします。 「生活自転車」とは。 この度の計画策定にあたっては、通勤や通学のための自転車利用のみならず、買い物等の利用、さらには介護や宅配等の業務利用等も含めた、身近な地域での生活を支える全ての自転車の利用を「生活自転車」として、区で独自に定義し、生活を支える様々な自転車利用を対象にして、誰もが安全に利用しやすい環境を目指します。 また、自転車利用について、改善や質の向上を図るためには、行政が「自転車の利用環境の整備」を図るだけでなく、自転車利用者が自ら率先して行動し、交通ルールやマナーを守り、路上に放置せず、必ず駐輪場を利用する等、自転車を安全・適切に利用することが不可欠です。 今回、自転車が区民生活に広く普及浸透している当区において、改めて「自転車を活用する」とはどういうことか検討した結果、私たちは「自転車にやさしいまち」を目指すだけではなく、「自転車がやさしいまち」を目指すべきだと考えました。 このため、自転車利用者に率先行動を呼びかけるとともに、行政は区民・事業者と協働して、そのための環境整備を進める等、双方向からの取組みが必要です。それを表現したものが、4つの基本方針です。 資料として、区のお知らせ 令和2年10月15日号より抜粋し、自転車散歩のススメの記事を掲載しています。 5ページ 4 施策の取組み 基本方針1自転車が安全・安心を守るまちについて 個別方針1は、交通安全に関する意識の向上と行動の徹底です。 施策1は、多様な世代に向けた交通安全意識の啓発です。 取組みは、幼児から高齢者の交通安全教室等の実施、事故が多い、20から40歳代への啓発強化です。 施策2は、自転車安全利用を支える区民の自主的な取組みの支援です。 取組みは、自転車安全利用推進員の育成・支援、広報等を活用した交通安全講習の促進です。 個別方針2は、事故への備えの徹底です。 施策3は、自転車保険の加入促進です。 取組みは、自転車損害賠償責任保険加入のPRです。 施策4は、ヘルメットの着用啓発です。 取組みは、13歳未満のヘルメット着用義務化の周知、「自転車乗るなら家族でヘルメット」の普及です。 施策5は、自転車の点検整備の促進です。 取組みは、点検整備のチェックポイントの周知、かかりつけ自転車店の普及促進です。 資料として、保護者対象の出前型自転車安全講習、自転車安全利用推進員の活動例(ろか公園踏切押し歩きキャンペーン)の写真を掲載しています。 そのほかに、区自転車条例改正PRのチラシを掲載しています。 基本方針2自転車が快適に走るまちについて 個別方針3は、安全で快適な自転車通行空間の整備促進です。 施策6は、自転車ネットワークの形成に向けた自転車通行空間の整備です。 取組みは、優先整備路線の計画的な整備推進、道路の適切な維持管理です。 施策7は、自転車通行空間の利用促進です。 取組みは、自転車通行空間の周知や利用啓発、警察と連携した路上駐車防止です。 個別方針4は、まちづくりと連携した取組みの推進です。 施策8は、まちづくりと連携した取組みの推進です。 取組みは、商店街での自転車利用のルールづくり、ゾーン30実施地域の交通安全活動と連携です。 資料として、従来型街渠とスリム型街渠の例で城山通りの写真を掲載しています。 基本方針3自転車がスマートにとまるまちについて 個別方針5は、地域のニーズに応じた自転車駐輪環境の整備です。 施策9は、既存駐輪場の利用促進です。 取組みは、買い物等の短時間駐輪への対応、大型自転車等に対応した設備の改善です。 施策10は、利用実態を踏まえた新たな駐輪場の整備です。 取組みは、駅周辺における駐輪場の整備充実、鉄道事業者との連携による駐輪場の整備です。 施策11は、自転車シェアリングの普及促進です。 取組みは、民間シェアサイクルの導入促進(区による支援の継続)、レンタサイクル、コミュニティサイクルの利用促進です。 施策12は、民間事業者との連携による駐輪環境整備の促進です。 取組みは、民間駐輪場の整備促進(整備費助成)、附置義務駐輪場の有効活用です。 個別方針6は、自転車の放置対策の推進です。 施策13は、多様な手法を用いた放置自転車防止への取組みです。 取組みは、駐輪場への案内誘導と放置自転車の撤去、放置自転車クリーンキャンペーンの実施です。 施策14は、放置自転車対策事業の効率化です。 取組みは、状況に合わせた撤去活動の見直し、引き取り手のない自転車の有効活用です。 資料として、大型自転車専用スペースが設置されている、桜新町自転車等駐車場の写真と桜上水駅にある、コミュニティサイクルポートの写真を掲載しています。 基本方針4自転車が身近なくらしを支えるまちについて 個別方針7は、環境にやさしく健康づくりに資する自転車利用の促進です。 施策15は、環境にやさしい自転車通勤や業務利用の増加への対応 取組みは、事業者の通勤者向け啓発活動への支援、業務利用への啓発の取組みの支援です。 施策16は、自転車を利用した健康づくりの推進です。 取組みは、自転車による健康づくり情報の発信、高齢者向け電動アシスト自転車教室実施です。 施策17は、自転車利用にかかわる情報発信の促進です。 ホームページの自転車関連情報の掲載、駐輪場における情報やサービスの提供です。 個別方針8は、多様なニーズに応じた自転車利用の促進です。 施策18は、まちなか観光における自転車の活用です。 取組みは、観光情報を活用する仕組みの検討、外国人向け自転車利用ルールの提供です。 施策19は、災害時における自転車の活用です。 取組みは、庁舎間の連絡・運搬用としての活用、シェアサイクル等の活用検討です。 資料として、世田谷区サイクルマップのリーフレットを掲載しています。 編集・発行は、世田谷区土木部交通安全自転車課です。 郵便番号158−0094です。 住所は、東京都世田谷区玉川1丁目20番1号です。 電話番号は、03−6432−7966です。 ファックス番号は、03−6432−7996です。 ホームページのリンク先は、https://www.city.setagaya.lg.jp/です。