世田谷区交通まちづくり基本計画 中間見直し・世田谷区交通まちづくり行動計画 (令和2年度〜令和6年度) 令和2年4月 世田谷区 はじめに  世田谷区では、平成14年(2002年)に、区の交通に関する施策の指針として「交通まちづくり基本計画」を策定し、誰もが安全で快適に移動できる交通体系や交通サービスの実現のために、様々な施策に取り組んで参りました。  交通は街づくりの重要な要素のひとつであり、交通に関わる施策や事業は、地域に即した街づくりから広域的なネットワークまで様々なスケールで、区民、交通事業者、区が協力・連携して総合的に取り組んでいく必要があります。  また、ICT(情報通信技術)の進展に伴い、MaaS(マース)、自動運転、超小型モビリティなどの新たなシステムや技術が、我々の想像を超える勢いで開発され、普及していく分野でもあります。  一方、区内では、高齢者人口が一貫して増加する見込みとなっており、公共交通が不便な地域における地域の公共交通の充実などにも取り組んでいく必要があります。  このたび、平成27年(2015年)に、10年後を見据えた新たな「交通まちづくり基本計画」を策定してから5年が経過したことから、社会情勢の変化、上位計画などの改定、各事業の進捗状況などを踏まえ、同計画の中間見直しを行いました。  本計画に基づき、引き続き区民と事業者と区の協働による「交通まちづくり」をより一層進めてまいります。本計画の策定にあたり、多くの方から貴重なご意見をいただきました。ご意見をいただいた皆様に、心より感謝申し上げます。 令和2年(2020年)4月 世田谷区長 保坂 展人 世田谷区交通まちづくり基本計画 中間見直し(令和2年度〜令和6年度) 世田谷区交通まちづくり基本計画 目次 第1章 概要 1ページ 1-1 目的 2ページ 1-2 「交通まちづくり」とは 2ページ 1-3 位置づけ 2ページ 1-4 中間見直しの背景 3ページ 1-5 中間見直しの視点 3ページ 1-6 目標年度 4ページ 1-7 対象とする交通手段 4ページ 第2章 交通の動向と課題 5ページ 2-1 交通に関わる区の現況・国内の社会動向・区民ニーズ  6ページ 2-1-1 交通まちづくりに関わる取り組みの状況  6ページ 2-1-2 区の現況 8ページ 2-1-3 国内の社会動向 31ページ 2-1-4 交通に関わる法令、上位計画 41ページ 2-1-5 区民ニーズ 51ページ 2-2 交通に関わる区の課題 57ページ 第3章 方針 59ページ 3-1 交通まちづくりの理念 60ページ 3-2 3つの目標 60ページ 3-3 6つの方針 61ページ 3-4 推進のための視点 64ページ 第4章 施策体系 67ページ 目標1.便利で円滑な移動 70ページ 【方針1.1】交通ネットワークの充実 70ページ 【方針1.2】誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保 78ページ 目標2.安全・安心な移動  85ページ 【方針2.1】歩行者と自転車の移動環境の確保 85ページ 【方針2.2】交通安全啓発の推進 88ページ 目標3.環境に配慮した移動 90ページ 【方針3.1】環境負荷の低い交通手段の利用促進 90ページ 【方針3.2】自動車交通における環境負荷の軽減 94ページ 施策体系表 96ページ 第1章 概要 1-1 目的 「世田谷区交通まちづくり基本計画」は、区の将来像を展望しつつ、誰もが安全で快適に移動できる交通体系や交通サービスの確立を目指して、区の交通に関わる施策の基本方針として策定するものです。 また「世田谷区交通まちづくり行動計画」は、交通まちづくり基本計画の実現に向けた具体的な取り組みを示すものです。 区の基本構想、基本計画及び都市整備方針などを踏まえることはもちろん、国、東京都などによる上位計画とも整合のとれた横断的・体系的な交通まちづくりを目指します。また、区民の参画のもと、NPO、交通事業者、交通管理者、道路管理者、その他関係機関との協力・連携による施策を展開します。 1-2 「交通まちづくり」とは 交通は街づくりの重要な要素のひとつであり、交通に関わる施策や事業は、区外も含めた広域的なネットワーク、区内全域のネットワーク及び地域に即して進められている街づくりを踏まえ、総合的に行われることが重要です。また、区民、交通事業者、区などの関係者が協力・連携して、交通問題に取り組んでいく必要があります。ここでは、このような取り組みを、「交通まちづくり」と定義しています。 「交通まちづくり」を進め、交通に起因する地域の様々な課題を解消することで、地域の活性化を図っていきます。 1-3 位置づけ 「世田谷区交通まちづくり基本計画」は、世田谷区街づくり条例(平成7年(1995年)条例第17 号)第10 条を根拠とし、「世田谷区都市整備方針(平成26 年(2014年)4月)」に定める街づくりに関する目標を実現するため、分野別整備方針・計画として策定するものです。 「世田谷区交通まちづくり基本計画」では、交通まちづくりに関わる施策の方針を示すこととし、施策の取り組みにあたっては、実施計画や関連する計画及び「世田谷区交通まちづくり行動計画」に基づき、限られた財源の中でも効率的に施策を実施できるように配慮しつつ進めていきます。 また「世田谷区交通まちづくり行動計画」は、上記「世田谷区交通まちづくり基本計画」の実現に向け、年次ごとに各施策の事業の内容を具体的に示すものです。 図 1 基本計画・行動計画の位置づけ 1-4 中間見直しの背景 区では、平成14 年(2002 年)9月に「世田谷区交通まちづくり基本計画」を定め、以後、改定を重ねてきました。 平成27 年(2015 年)3月には、平成27 年度(2015 年度)からの10 年後を見据えた、新たな「世田谷区交通まちづくり基本計画」(以下、本計画)を策定しました。 さらに平成28 年(2016 年)6月には、この計画の実現に向けた具体的な取り組みを示した「世田谷区交通まちづくり行動計画」(以下、行動計画)を策定しました。 平成27 年度(2015 年度)に策定した本計画について、策定から5年が経過したことから、平成27 年度(2015 年度)以降の社会情勢の変化、関連上位計画の動向、施策・事業の進捗状況などを踏まえ、本計画の中間見直しを行い、後期行動計画と合わせて、策定するものです。 1-5 中間見直しの視点 本計画策定以降、交通に関わる新たな法令の制定や、国・都による上位計画が策定されたため、これらとの整合を図ります。 特に国は、「ユニバーサルデザイン2020 行動計画」(平成29 年(2017 年)2月)、「交通バリアフリー基準及び公共交通機関の移動等の円滑化整備ガイドラインの改正」(平成30 年(2018 年)3月)、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部改正」(平成30 年(2018 年)5月)など、超高齢社会の到来や令和2年(2020 年)東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催後を見据えた移動の円滑化等整備に向けて動いており、区としても促進していきます。 また、公共交通不便地域対策の検討にあたり、これまでのモデル地区での調査・検討を踏まえ、区民、交通事業者、区が連携・協力した中で、他分野の取り組みや民間などとの連携も視野に進めていきます。 さらに近年は、スマートフォンや交通系IC カードの普及、各地における自動走行システムの実証実験の実施など、ICT(情報通信技術)が交通と密接に結びつくようになっており、これら交通をとりまく技術などの進展に対応していきます。 1-6 目標年度 本計画は、概ね10 年後の交通の姿を展望し、交通まちづくりの方針をとりまとめるものです。 本計画は、当初計画期間(平成27 年度(2015 年度)〜令和6年度(2024 年度))の後半5ヵ年を対象とし、目標年度を令和6年度(2024 年度)とします。 1-7 対象とする交通手段 本計画は、主に人の移動に関わる事柄について、公共交通、自家用車、自転車、徒歩などを対象にしています。 また、本計画における「公共交通」は、鉄道、バス、タクシーに加えて、カーシェアリング、コミュニティサイクル(がやリン)など、不特定多数の利用者を対象とした公共的交通サービスを含めたものとして定義しています。 図 2 本計画で対象とする交通手段 第2章 交通の動向と課題 2-1 交通に関わる区の現況・国内の社会動向・区民ニーズ 2-1-1 交通まちづくりに関わる取り組みの状況 行動計画に示された取り組みの進捗状況(把握結果)をもとに、本計画策定後の交通まちづくりに関わる取り組みについて、本計画の6つの方針の枠組みで表に整理します。 表 1 交通まちづくりに関わる主な取り組み ※この表の「本計画の6つの方針」は、世田谷区交通まちづくり基本計画(平成27 年度(2015 年度)〜令和6年度(2024 年度))(平成27 年(2015 年)3月)に示された6つの方針です。 方針 交通ネットワークの充実 ・バリアフリー経路の充実に向け、鉄道事業者への働きかけを実施。 ・ホームドアの整備を促進。また、ホームドアの整備に向けた鉄道事業者への働きかけを実施。 ・駅前広場の整備を推進(小田急線下北沢駅、世田谷代田駅、成城学園前駅京王線明大前駅、千歳烏山駅等)。 ・「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づき、自転車通行空間の整備を推進。 ・歩道の整備を推進。 ・「世田谷区無電柱化整備5ヶ年計画」に基づき、無電柱化整備を推進。 ・「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路の整備を推進。 ・新規バス路線の導入を実施(平成28 年度(2016 年度)1 路線)。 ・既存バス路線の運行時間帯等の拡充に向けた働きかけを実施。 ・バス停留所施設の整備を促進(ベンチの設置、事業者への上屋設置の働きかけ)。 ・ユニバーサルデザインタクシーの普及を促進。 ・公共交通不便地域対策の調査・検討を推進(狭隘道路における交通手段の検討等、モデル地区で地域住民と連携した取り組み)。 ・帰宅困難者対策を実施(二子玉川駅前滞留者対策連絡会による取り組み、東京都帰宅困難者対策条例の取り組みの区民への周知)。 方針 円滑な道路交通の確保 ・小田急電鉄小田原線(代々木上原〜梅ヶ丘駅間)の連続立体交差事業を促進(平成30 年度(2018 年度)完了)。 ・京王電鉄京王線(笹塚〜仙川駅間)の連続立体交差事業を促進。 ・「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路の整備を推進(再掲)。 ・小田急電鉄小田原線、京王電鉄京王線の連続立体交差事業に伴う駅周辺まちづくりを推進。 ・小田急線上部利用計画区域内における道路、緑地・小広場の整備等を推進。 ・世田谷ナンバー等を活用した交通安全啓発活動を実施。 方針 自転車利用環境の向上 ・「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づき、自転車通行空間の整備を推進(再掲)。 ・「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画(中間見直し)」に基づき、新たな自転車等駐車場整備を検討。 ・自転車等駐車場の整備、開設(新烏山南・下北沢東・駒沢第二・千歳船橋西自転車等駐車場の開設、二子玉川西・桜新町自転車等駐車場の増設等)。 ・大規模店舗等へ自転車等駐車場の整備を指導。 ・新たなコミュニティサイクルシステムの導入を検討。 ・三軒茶屋中央コミュニティサイクルシステムを開始。 ・サイクルマップを配布するとともに、まちなか観光でサイクルマップを活用。 ・放置自転車の撤去、クリーンキャンペーンの実施、整理誘導員等により放置自転車防止を啓発。 ・新たな自転車安全利用推進員の育成を推進。 ・小・中学校向けや一般向けの交通安全教室を開催。 ・子育て世帯、区内大学、区内事業者向けの自転車安全講習会を実施。 方針 歩行空間の整備 ・「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路の整備を推進(再掲)。 ・「世田谷区みどりの基本計画」に基づき、緑道の整備(改修)を推進。 ・歩道の整備を推進(再掲)。 ・「世田谷区無電柱化整備5ヶ年計画」に基づき、無電柱化整備を推進(再掲)。 ・まちなか観光への活用として、区ホームページを活用した観光マップ集等の紹介、歩行空間ネットワークの観光ホームページ及び観光アプリへの反映を実施。 ・ユニバーサルデザインによる歩行空間を整備(歩道の新設や改良、緑道の整備等)。 ・はみ出し看板・商品などの是正のため、管轄警察署及び商店街組合・各土木事務所との合同パトロール、区報による周知等を実施。 ・交通安全の啓発活動を推進(「交通安全宣言都市せたがや区民のつどい」の開催等)。 ・歩行空間の安全性確保に向けて、ゾーン30 の導入取り組み支援、通学路防犯カメラの設置を実施。 方針 環境負荷の低い交通手段の利用促進 ・「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路の整備を推進(再掲)。 ・遮熱性舗装を整備。 ・「世田谷区みどりの基本計画」及び「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路緑化等を推進。 ・広報等により、公共交通機関の利用を促進。サイクルマップの配布により、自転車の利用を促進。 方針 自動車交通における環境負荷の軽減 ・燃料電池自動車を公用車に導入。移動式水素ステーションを開設。 ・超小型モビリティの試験運行を実施。 ・エコドライブ、カーシェアリングなどについての情報を発信。 2-1-2 区の現況 (1) 人口 世田谷区の人口は23 区内で最も多く、平成31 年(2019 年)1月現在、91 万人近くとなっています。 世田谷区将来人口推計(平成29 年(2017 年)7月)によると、区の総人口は増加が続く見込みとなっています。世代別では、年少人口(15 歳未満人口)と高齢者人口(65 歳以上人口)が一貫して増加する見込みとなっています。 生産年齢人口(15〜64 歳人口)は令和20 年(2038 年)まで増加しますが、その後、減少に転じる見込みとなっています。 図 3 東京23 区の人口 出典:住民基本台帳による東京都の世帯と人口(東京都、平成31 年(2019 年)1月)を基に作成 図 4 区の将来人口の変化 出典 実数値:世田谷区統計書 平成30 年版(世田谷区、平成31 年(2019 年)3月)、推計値:世田谷区将来人口推計(世田谷区、平成29 年(2017 年)7月)を基に作成 (2) 公共交通不便地域の状況 区内の鉄道は東西方向に発達しており、これを補完する南北方向はバス交通に依存しています。都市計画道路などの道路整備が進んでいない地域では、バス路線の密度が低く、南北方向の強化が課題となっています。 最寄りの鉄道駅やバス停留所から一定以上の距離がある「公共交通不便地域※」は、区内の20.2%を占めています。特に、区の西側の地域では、東西方向に走る各鉄道路線の間隔が広くなるとともに、バスの通れる道路が少ないことから、公共交通の利便性が低くなっています。 図 5 区の公共交通不便地域の状況 ※公共交通不便地域:世田谷区では最寄りのバス停留所から200m以上、かつ鉄道駅から500m以上離れている地域を「公共交通不便地域」としています。 公共交通不便地域の割合 20.2%(令和元年(2019 年)11 月現在) (3) 鉄道 ○ 混雑率 東京圏では、ピーク時混雑率※180%以内を目標にしており、平成28 年度(2016 年度)は小田急電鉄小田原線が192%、東急電鉄田園都市線では184%と、慢性的な混雑状態が続いていましたが、小田急電鉄小田原線は代々木上原〜登戸間の「複々線化」(平成30 年(2018 年)3月)により混雑率が減少し、平成29 年度(2017 年度)は151%、平成30 年度(2018 年度)は157%と目標値を下回っています。 一方、京王電鉄京王線と京王電鉄井の頭線の平成30 年度(2018 年度)の混雑率は、本計画で示した平成24 年度(2012 年度)と比べると増加しています。また、東急電鉄田園都市線の平成30 年度(2018 年度)の混雑率は、平成24 年度(2012 年度)と同様の182%であり、目標値を依然上回る状況にあります。 図 6 鉄道の朝ピーク時の混雑率 資料:混雑率データ(国土交通省、〜平成30 年度(2018 年度))を基に作成 注)混雑率は、以下の区間が対象となっています 京王電鉄京王線:下高井戸→明大前間 京王電鉄井の頭線:池ノ上→駒場東大前 小田急電鉄小田原線:世田谷代田→下北沢間 東急電鉄田園都市線:池尻大橋→渋谷間 東急電鉄大井町線:九品仏→自由が丘間 注)東急電鉄東横線、東急電鉄目黒線については、混雑率データのある区間(東急電鉄東横線:祐天寺→中目黒、東急電鉄目黒線:不動前→目黒)が都心に近く、区内での混雑状況と異なると考えられるため、整理対象から除外しています。 ※混雑率について ・混雑率とは、列車の混み具合を示す数値であり、輸送人員÷輸送力×100(%)で算出され、最混雑時間帯1時間の平均値が用いられます。 ・運輸政策審議会 答申第19 号では、「大都市圏における都市鉄道のすべての区間のそれぞれの混雑率を150%以内とする。ただし、東京圏については、当面、主要区間の平均混雑率を全体として150%以内とするとともに、すべての区間のそれぞれの混雑率を180%以内とすることをめざす」とされています。 ・混雑率の目安は、下図のとおりです。 出典:三大都市圏の混雑率(国土交通省) ○ 鉄道と道路の交差 道路と平面交差している鉄道路線では、踏切の遮断による慢性的な交通渋滞が生じ、日常生活に大きな影響を与えています。そのため、区内では連続立体交差事業などによる踏切の解消が進められています。 連続立体交差事業が行われた小田急電鉄小田原線では、平成24 年度(2012 年度)に区内の踏切がなくなったことで、平成26 年度(2014 年度)以降は平面交差箇所数が0箇所となっています。 平成30 年度(2018 年度)では、区内の鉄道と道路との平面交差箇所数は、平成26年度(2014 年度)と変わらず55 箇所(世田谷線を除く)となっており、そのうち「開かずの踏切」※は43 箇所(平成26 年度(2014 年度)調査)となっています。 また、京王電鉄京王線(笹塚駅〜仙川駅間)でも、連続立体交差事業が進められており、令和4年度(2022 年度)に完了予定となっています。事業完了までには、区内23 箇所の踏切が解消される予定です。 なお、「開かずの踏切」解消のためには、東京都及び関係区市から国その他関係機関に対して予算の確保と事業の実現を要望していくことが必要なため、「東京都連続立体交差事業促進協議会」に参加し、道路と鉄道との連続立体交差化に向けて取り組んでいます。 図 7 鉄道と道路の平面交差箇所の経年的な変化 出典:平成19 年(2007 年)、平成26 年(2014 年)は本計画の値を踏襲し、平成30 年(2018 年)は世田谷区土木施設現況調書 平成30 年度(世田谷区、令和元年(2019 年))を基に作成 注)私道との交差箇所は含んでいません。 ※開かずの踏切:ピーク1時間あたりの遮断時間が40 分以上の踏切のことです。 ○ ホームドアの整備 区では、平成11 年(1999 年)より鉄道駅における車いす対応エレベーター等整備を補助する制度を設けていましたが、東京都が平成26 年度(2014 年度)よりホームドア等整備に関する補助を本格実施したことを受け、区でもホームドア等整備を促進するため、平成28 年(2016 年)4月より、前述の制度にホームドア等整備補助を一体化させた新たな制度を開始しています。 現在、区内の全ての駅(41 駅)のうち、ホームドア整備済みの駅は14 駅あり、今後は3駅でホームドアの整備が予定されています(令和2年(2020 年)2月現在)。 表 2 区内の鉄道駅ホームドア整備状況(令和2年(2020 年)2月現在) 整備済み 路線名 東急電鉄目黒線 奥沢駅 東急電鉄大井町線 九品仏駅、尾山台駅、上野毛駅、二子玉川駅 東急電鉄田園都市線 池尻大橋駅、三軒茶屋駅、駒沢大学駅、桜新町駅、用賀駅、二子玉川駅 小田急電鉄小田原線 東北沢駅、下北沢駅(地下1階)、世田谷代田駅、梅ヶ丘駅 整備予定 東急電鉄大井町線 等々力駅(令和元年度(2019 年度)下期) 小田急電鉄小田原線 下北沢駅(地下2階)(令和2年度(2020 年度)) 京王電鉄井の頭線 下北沢駅(令和3年度(2021 年度)) (4) バス 区内では、4社・1局(東急、小田急、京王、関東、都交通局)により、路線バスが81路線運行されています(平成30 年(2018 年)4月現在)。 その内、コミュニティバス※は、本計画策定後の平成29 年(2017 年)1月に等々力・梅ヶ丘路線が追加されたことにより、10 路線が運行されています(平成31 年(2019年)4月現在)。 区内の路線バス(コミュニティバスを含み、都営バスを除く)の年間輸送人員は、昭和50 年代(1975 年〜1984 年)から平成11 年(1999 年)頃にかけて減少し、以降は概ね横ばいの状況でしたが、近年は増加傾向にあります。 年間走行距離は、昭和50 年代(1975 年〜1984 年)から平成11 年(1999 年)頃にかけて減少傾向であり、以降は概ね横ばいの状況にあります。 図 8 バスの年間輸送人員・年間走行距離の推移 出典:平成24 年(2012 年)までは「世田谷区交通まちづくり基本計画」(平成27 年(2015 年)3月)の値を踏襲し、平成25 年(2013 年)以降は世田谷区政概要(世田谷区)を基に作成 注)都営バスは、輸送人員が公表されていないため、含まれていません。 ※コミュニティバスとは ・法的に明確に定義された概念ではありませんが、市・区・町・村などの自治体が住民の交通手段を確保するために運行するバスサービスです。国土交通省ホームページには「地域の住民の利便向上などのため一定地域内を運行するバスで、車両仕様、運賃、ダイヤ、バス停位置などを工夫したバスサービス」と記載されています。 ・世田谷区のコミュニティバスの特徴としては、区は運行に関わる経費の補助は原則的に行なわず、走行環境整備支援や区民・関係機関との調整、広報などを行います。 表 3 区のコミュニティバス一覧 注)運賃について、現金は現金や回数券で支払った場合の運賃、ICはICカードで支払った場合の運賃です。 図 9 区のコミュニティバス路線 出典:国土数値情報(「バスルート」、平成23 年(2011 年))、世田谷区資料を基に作成 1 路線名称 玉堤循環路線(タマリバーバス) 系統番号 等01 運行区間 等々力〜玉堤〜等々力 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 東急バス(株) 運行開始日 H10年10月 2 路線名 南北路線 系統番号 成06 運行区間 成城学園前駅西口〜榎〜千歳烏山駅南口 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 小田急バス(株) 運行開始日 H13年6月 3 路線名 希望ヶ丘路線(八幡山ルート) 系統番号 八01 運行区間 八幡山駅〜希望ヶ丘団地〜八幡山駅 運賃現金210円(小児110円) 運賃IC210円(小児105円) 運行事業者 京王バス東(株) 運行開始日 H13年10月 4 路線名 宇奈根地区路線 系統番号 狛12 運行区間 狛江駅南口〜こまえ苑・喜多見中学校〜宇奈根 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 小田急バス(株) 運行開始日 H15年3月 5 路線名 希望ヶ丘路線(千歳船橋ルート) 系統番号 歳25 運行区間 千歳船橋駅〜大東学園〜希望ヶ丘団地 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 小田急バス(株) 運行開始日 H15年3月 6 路線名 祖師谷・成城地域循環路線(せたがやくるりん) 系統番号 なし 運行区間 祖師ヶ谷大蔵駅〜砧総合支所(成城学園前駅入口)〜祖師ヶ谷大蔵駅 運賃現金210円(小児110円) 運賃現金210円(小児105円) 運行事業者 小田急バス(株) 運行開始日 H17年12月 7 路線名 喜多見・宇奈根地区コミュニティバス 系統番号 玉05 運行区間 二子玉川駅〜天神森橋〜宇奈根地区会館〜二子玉川駅 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 東急バス(株) 運行開始日 H19年4月 8 路線名 経堂・八幡山路線 系統番号 経02 運行区間 経堂駅〜八幡山駅 運賃現金210円(小児110円) 運賃IC210円(小児105円) 運行事業者 小田急バス(株)/京王バス東(株) 運行開始日 H26年1月 9 路線名 喜多見・宇奈根地区コミュニティバス(喜多見住宅延伸系統) 系統番号 玉04 運行区間 二子玉川駅〜喜多見公園〜二子玉川駅 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 東急バス(株)H26年2月 10 路線名 等々力・梅ヶ丘路線 系統番号 等13 運行区間 等々力操車所〜世田谷区民会館〜梅ヶ丘駅 運賃現金220円(小児110円) 運賃IC220円(小児110円) 運行事業者 東急バス(株) 運行開始日 H29年1月 (5) タクシー 世田谷区は、タクシー営業区域※としては「東京都特別区・武三交通圏」に含まれ、東京23 区・武蔵野市・三鷹市のタクシー事業者が営業しています。 また、令和元年(2019 年)9月現在、世田谷区にはタクシー会社が15 社あります。 区内の一部のタクシー会社は、ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)や陣痛時に妊婦の方を病院まで送迎する出産支援タクシー(陣痛タクシー)、学童保育や塾、実家への送迎など、子どもを安全にエスコートし送迎する子育て支援タクシーといった、利用者のニーズに応じた多様なサービスを導入しています。 図 10 ユニバーサルデザインタクシー 出典:国土交通省関東運輸局ホームページ 図 11 子育て支援タクシー 出典:国土交通省関東運輸局ホームページ ※タクシー営業区域:タクシーは、道路運送法により営業を行う区域が定められており、発地と着地がともに営業区域外の旅客の運送はできません。 ※ユニバーサルデザインタクシー:健康な方はもちろんのこと、足腰の弱い高齢者、車いす使用者、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の方など、誰もが利用しやすい“みんなにやさしい新しいタクシー車両”です。 ※出産支援タクシー(陣痛タクシー):事前にタクシー会社に登録し、陣痛が起きた時に、事前登録した情報を元に安心・安全に自宅から病院まで送迎するサービスです。 ※子育て支援タクシー:保育園や学校、塾など子どもを迎えに行けないときに保護者の代わりに迎えに行ったり、緊急時の夜間救急病院への送迎、荷物が多くなりがちな乳幼児を連れた外出のサポートなどのほか、急な破水や陣痛時の対応、産前・産後の通院など妊娠中の方や出産後の方にも安心してご利用いただける“子育てに優しい”タクシーです。 (6) 道路 ○ 区内道路の整備率 区内の道路整備に伴い、平成31 年(2019 年)3月現在、地区幹線道路と主要生活道路の完成延長は合計73.3 qで、計画延長に対する完成延長の割合(整備率)は37.2%です。 表 4 区内の地区幹線道路と主要生活道路の整備率 出典:せたがや道づくりプラン(平成28 年3月見直し版)(世田谷区、平成28 年(2016 年))、道路整備白書(世田谷区、平成31 年(2019 年))を基に作成 注)整備率=完成延長÷計画延長×100(%) ○ 道路種類別道路率 区内の単位面積あたりの道路面積の割合(道路率)は14.2%であり、23 区内では江東区と並んで19 番目に位置しています。 図 12 道路種類別道路率 出典:東京都道路現況調書 平成29 年度(東京都、平成30 年(2018 年))、特別区の統計平成30 年版(公益財団法人特別区協議会、平成30 年(2018 年))、全国都道府県市区町村別面積調(国土地理院、平成29 年(2017 年))を基に作成 ○ 橋梁 区が管理する橋梁は、平成27 年(2015 年)4月現在、160 橋となっています。 供用年数については、平成26 年(2014 年)3月時点で、0〜29 年を経過する橋梁は55 橋(34.6%)、30〜59 年は78 橋(49.0%)、60 年以上は26 橋(16.3%)を占めます。また、供用60 年以上の割合が16.4%となっていますが、20 年後には62.3%、30 年後には65.4%と、供用60 年以上の橋梁が65%前後に達すると見込まれています。 図 13 橋梁の供用年数 出典:世田谷区橋梁長寿命化修繕計画(世田谷区、平成26 年(2014 年)3月)を基に作成 図 14 60 年以上経過した橋梁の割合 出典:世田谷区橋梁長寿命化修繕計画(世田谷区、平成26 年(2014 年)3月)を基に作成 (7) 自動車交通(道路交通) ○ 道路の交通量 区内の幹線道路の交通量は、環状方向の環八通りや環七通りでは、各地点とも12時間あたり4万台を超えています。玉川通り、甲州街道、目黒通りでは、12 時間あたり3万台前後となっています。 交通量の推移をみると、環八通り(上用賀5-12)、環七通り(若林5-32、代田2-17)で増加がみられますが、全体的に平成22 年(2010 年)から平成27 年(2015 年)にかけては交通量が減少しています。 図 15 主な道路の交通量推移 出典:道路交通センサス(国土交通省、平成2年度(1990 年度)〜平成27 年度(2015 年度))を基に作成 注)平成27 年度(2015 年度)の交通センサスでは、交通量の調査地点が平成22 年度(2010 年度)以前のものと異なっています。ここでは比較のため、各年次で同一地点の区間に関連付けられている交通量を使用しましたが、実際の観測地点は表中の地点とは異なる場合があります。 注)交通量は、昼間12 時間(午前7時〜午後7時)の値です。 ○ 道路の混雑度 区内の主な道路について、混雑の程度を示す指標である「混雑度※」をみると、環七通り、環八通り(上用賀5丁目)では「慢性的に混雑が発生する」1.75 以上となっているほか、淡島通りでは1.30 と「ピーク時とその周辺時間帯で混雑が生じる可能性が高い」状況となっています。 環七通り、環八通り(上用賀5丁目)、淡島通り、玉川通りは、平成22 年(2010年)から平成27 年(2015 年)にかけて混雑度が悪化しています。 表 5 主な道路の混雑度 出典:道路交通センサス(国土交通省、平成2年度(1990 年度)〜平成27 年度(2015 年度))を基に作成 ※混雑度:道路の混雑の程度をある区間について平均的に示す指標のことです。設計基準交通量に対する日交通量の比で表されます。なお、混雑度の目安は以下のとおりです。 ○ 交通渋滞の発生状況 東京都内における交差点流入路別の交通渋滞発生状況「ワースト50 交差点」において、区内の交差点を見ると、本計画でも引用した平成24 年(2012 年)時点では8箇所でしたが、平成29 年(2017 年)では12 箇所の交差点が該当しています。 平成24 年(2012 年)に渋滞距離が1q以上だった瀬田交差点(内回り)や大原二交差点(外回り)は、平成29 年(2017 年)も依然として渋滞距離が1q以上あります。 表 6 交差点流入路別の交通渋滞発生状況「ワースト50 交差点」 平成29年 順位1 瀬田 環八通り 内方向 順位2 大原二 環七通り 外方向 順位4 上馬 玉川通り 上方向 順位8 瀬田 環八通り 外方向 順位13 環八東名入口 環八通り 内方向 順位16 若林 世田谷通り 上方向 順位19 駒澤大学駅前 玉川通り 上方向 順位29 砧中学校前 多摩堤通り 西方向 順位31 二子玉川 多摩堤通り 東方向 順位31 三本杉陸橋 世田谷通り 上方向 順位37 砧中学校前 世田谷通り 下方向 順位42 世田谷警察署前 玉川通り 上方向 平成24年 順位1 瀬田 環八通り 内方向 順位2 大原二 環七通り 外方向 順位5 瀬田 環八通り 外方向 順位6 三本杉陸橋 環八通り 外方向 順位12 上馬 玉川通り 上方向 順位18 若林 世田谷通り 上方向 順位21 三本杉陸橋 環八通り 内方向 順位44 砧中学校前 世田谷通り 下方向 出典:平成24 年中・平成29 年中の都内の交通渋滞統計(警視庁、平成26 年(2014 年)、平成31 年(2019 年))を基に作成 (8) 自転車 ○ 放置自転車数の推移 駅周辺などに放置されている大量の自転車・バイクは、交通安全上、防災上の障害となっています。このため区では、昭和59 年(1984 年)3月に「世田谷区自転車条例」を制定し、この条例に基づき、放置自転車対策事業を行っています。 区内の36 駅周辺を自転車等放置禁止区域に指定し、放置自転車等の撤去を行っています。 区内駅周辺の放置自転車台数をみると、平成26 年度(2014 年度)の2,559 台から改善され、平成30 年度(2018 年度)は1,227 台まで減少しています。 図 16 区内における放置自転車の推移 出典:都内における駅前放置自転車の現況(東京都、平成24 年(2012 年)〜平成30 年(2018 年))を基に作成 表 7 区内の自転車等放置禁止区域の指定されている駅 京王電鉄京王線 代田橋・明大前・下高井戸・桜上水・上北沢・八幡山・芦花公園・千歳烏山 京王電鉄井の頭線 池ノ上・下北沢・新代田・東松原・明大前 小田急電鉄小田原線 東北沢・下北沢・世田谷代田・梅ヶ丘・豪徳寺・経堂・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵・成城学園前・喜多見 東急電鉄田園都市線 池尻大橋・三軒茶屋・駒沢大学・桜新町・用賀・二子玉川 東急電鉄目黒線 奥沢 東急電鉄大井町線 自由が丘・九品仏・尾山台・等々力・上野毛・二子玉川 東急電鉄世田谷線 下高井戸・松原・山下・上町・世田谷・三軒茶屋 出典:世田谷区ホームページを基に作成 注)複数路線で重複している駅があります。 ○ コミュニティサイクル・レンタサイクル 区内には、6駅7箇所にコミュニティサイクル・レンタサイクルポートがあります。 このうち5箇所のポート(桜上水南、経堂駅前、三軒茶屋中央、桜新町、等々力)では、どこでも借りられ、どこへでも返却可能なコミュニティサイクルシステム(愛称「がやリン」)を導入しています。 ※コミュニティサイクルは、借りた場所と異なる場所に返却できるもので、レンタサイクルは、借りた場所と同じ場所に返却するものです。 図 17 区内のコミュニティサイクル・レンタサイクルの状況 出典:世田谷区ホームページを基に作成 ※図中のポートごとの番号は、下表の番号と対応しています。 表 8 区内のコミュニティサイクル・レンタサイクル一覧 出典:世田谷区ホームページを基に作成 1 桜上水南レンタサイクルポート(IHIがやリン桜上水南ポート) 京王電鉄京王線桜上水駅 コミュニティサイクル 東京都世田谷区桜上水4-18-13 2 経堂駅前レンタサイクルポート(IHIがやリン経堂駅前ポート) 小田急電鉄小田原線経堂駅 コミュニティサイクル 東京都世田谷区経堂2-1-38先 3 三軒茶屋中央レンタサイクルポート(IHIがやリン三軒茶屋中央ポート) 東急電鉄田園都市線・東急電鉄世田谷線 三軒茶屋駅 コミュニティサイクル 東京都世田谷区三軒茶屋2-11先 4 桜新町レンタサイクルポート(IHIがやリン桜新町ポート) 東急電鉄田園都市線桜新町駅 コミュニティサイクル 東京都世田谷区桜新町2-7-15 5 等々力レンタサイクルポート(IHIがやリン等々力ポート) 東急電鉄大井町線等々力駅 コミュニティサイクル 東京都世田谷区等々力3-2-2 6 三軒茶屋北レンタサイクルポート 東急電鉄田園都市線 三軒茶屋駅 レンタサイクル 東京都世田谷区太子堂2-16-1 7 成城北第二レンタサイクルポート 小田急電鉄小田原線成城学園前駅 レンタサイクル 東京都世田谷区成城6-14-10 (9) 歩行空間 ○ 無電柱化 無電柱化は、都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出など、多くの整備効果があります。 区では、平成8年度(1996 年度)に「世田谷区電線類地中化整備4ヶ年計画」を策定し、その後、概ね5年ごとに計画を策定しながら、現在は、令和元年度(2019 年度)に策定した「世田谷区無電柱化推進計画」及びその実施計画である「世田谷区無電柱化整備5ヵ年計画」に基づき整備を進めています。 図 18 区内の無電柱化の状況 出典:世田谷区無電柱化推進計画(世田谷区、令和元年(2019 年)) 注)事業中の路線も含まれています。 ○ ゾーン30 区では、生活道路における自動車の走行速度を抑制する方法として、「ゾーン30」の導入を促進しています。特に平成25 年に世田谷区内で初めて導入された玉川3・4丁目では、地域の発意に基づき準備・実施・効果検証などが進められました。 図 19 区内のゾーン30 規制区域 表 9 ゾーン30 規制区域一覧 出典:世田谷区ホームページを基に作成 導入年次 1 玉川3・4丁目 平成25年 2 玉川田園調布1丁目 平成26年 3 赤堤2丁目 平成26年 4 喜多見3・5丁目 平成26年 5 弦巻3丁目 平成26年 6 代沢1丁目から3丁目等 平成27年 7 喜多見5・6丁目、大蔵5丁目 平成27年 8 野沢3・下馬3丁目 平成28年 9 赤堤1丁目 平成28年 10 玉川3丁目 平成28年 11 鎌田4・大蔵6丁目 平成29年 12 成城2・3丁目平成30年 (10) 移動の傾向 ○ 発生・集中トリップ数の状況 区に関連する発生・集中トリップ※数は昭和63 年(1988 年)以降増加傾向にあり、平成20 年(2008 年)には約244 万トリップ/日になっています。内訳をみると、区内外の動きは増加しているのに対し、区内々は減少傾向にあります。 図 20 区に関連する発生・集中トリップ数の推移 出典:東京都市圏パーソントリップ調査(東京都市圏交通計画協議会、昭和63 年(1988 年)、平成10 年(1998 年)、平成20 年(2008 年))を基に作成 ○ 区内外交通の方向別トリップ数の推移 昭和63 年(1988 年)以降、千代田区・中央区・港区方向、都外方向などの区外との交通(区内外交通)が増加しています。 図 21 区内外交通の方向別トリップ数の推移 出典:東京都市圏パーソントリップ調査(東京都市圏交通計画協議会、昭和63 年(1988 年)、平成10 年(1998 年)、平成20 年(2008 年))を基に作成 ※トリップ:人がある目的をもって、ある地点からある地点まで移動する単位をトリップといいます。目的が変わるごとにトリップも変わり、1回の移動でいくつかの交通手段を乗り換えても1トリップと数えます。目的が変わると2トリップになります。 ○代表交通手段別のトリップ数の推移 代表交通手段※別にみると、区内の動き(区内々交通)では、「徒歩」と「二輪車」が多く、区内移動の3分の2を占めています。また、平成10 年(1998 年)から平成20 年(2008 年)にかけては各交通手段とも減少していますが、バスは増加しています。 区内から区外への動き及び区外から区内への動き(区内外交通)では、「鉄道」と「自動車」の割合が高くなっていますが、平成10 年(1998 年)から平成20 年(2008年)にかけては、「鉄道」は増加、「自動車」は減少しています。 図 22 代表交通手段別のトリップ数の推移 出典:東京都市圏パーソントリップ調査(東京都市圏交通計画協議会、昭和63 年(1988 年)、平成10 年(1998年)、平成20 年(2008 年))を基に作成 注)25 ページの図 20、図 21 のトリップ数から、その他・不明を除いています。 注)二輪車:自動二輪車、原動機付自転車、自転車のことです。 ※代表交通手段:1つのトリップがいくつかの交通手段で成り立っているとき、このトリップで利用した主な交通手段を指します。主な交通手段は、鉄道、バス、自動車、二輪車、徒歩の順に優先順位が定められており、利用した交通手段のうち、より上位にあるものが代表交通手段となります。 (11) 交通事故 ○ 交通事故の経年変化 区内の事故件数、負傷者数は、平成28 年(2016 年)まで減少傾向にありましたが、それ以降は死者数ともに概ね横ばいの状況となっています。 図 23 区内の交通事故の経年変化 出典:平成30 年(2018 年) 東京の交通事故(警視庁交通部)を基に作成 ○ 高齢者が関わる交通事故、自転車が関わる交通事故 区内で高齢者(65 歳以上)が関わる交通事故件数は、平成28 年(2016 年)まで減少傾向にありましたが、平成29 年(2017 年)は増加に転じました(図 24)。 また、区内で自転車が関わる交通事故件数は、平成25 年(2013 年)から平成27 年(2015 年)にかけて減少傾向にありましたが、近年は増加傾向となっています(図 25)。 図 24 区内の高齢者が関わる交通事故件数 出典:平成30 年(2018 年) 東京の交通事故(警視庁交通部)を基に作成 図 25 区内の自転車が関わる交通事故件数 出典:平成30 年(2018 年) 東京の交通事故(警視庁交通部)を基に作成 (12) 災害 世田谷区防災会議では、「災害対策基本法」第42 条の規程に基づき、地域防災計画を作成しています。この計画では、世田谷区の地域並びに住民の生命、身体及び財産を災害から守るために、区及び防災関係機関がその全機能を有効に発揮して、震災予防、震災応急対策、災害復旧など、一連の災害対策を実施することを定めています。 震災編では、大規模地震発生時に鉄道などの運行停止により大量の帰宅困難者が発生し、ターミナル駅に乗客などが集中することが想定されています。 震災による区の被害想定は、以下の通りです。 <震災による被害想定> ○想定する地震 ・種類:東京湾北部地震 ・震源:東京湾北部 ・規模:マグニチュード7.3 ・震源の深さ:約20km から35km ○気象条件 ・季節・時刻・風速:冬の夕方18 時、風速8m/秒 ○被害想定の傾向 ・都では、最大震度7の地域が出るとともに、震度6強の地域が広範囲に発生する。世田谷区では、震度6強の地域が広範囲に発生し、区北部の一部で震度6弱となる。 ・建物被害(全半壊、焼失)は、震度6強のエリアと木造住宅密集地域を中心に発生する。 ・死亡は揺れ及び火災を原因とするものが多く、負傷は建物倒壊及び火災を原因とするものが多い。 ・道路や鉄道の橋梁などの被害は、震度6強以上のエリア内で発生する。ほとんどの鉄道は一時運行停止し、また、緊急輸送道路の渋滞も発生する。 ・ライフラインの被害は、区部東部に被害が多く、世田谷区では、区部東部と比較して被害が少ない。 ・避難者は、1日後にピークを迎える。 ・鉄道などの運行停止により、大量の帰宅困難者が発生するとともに、ターミナル駅に乗客などが集中し、混乱する。 ・エレベーターの閉じ込めが発生する。 出典:世田谷区地域防災計画[平成29 年修正](世田谷区防災会議、平成29 年(2017 年))を基に整理 (13) 環境 ○ 温室効果ガス排出量の推移 区の平成28 年度(2016 年度)の温室効果ガス排出量は、オール東京62 市区町村共同事業による推計では、2,880 千t-CO2eq※でした。このうちCO2 排出量は2,671 千t-CO2eq で、全体の約93%を占めます。 温室効果ガス排出量は、平成17 年度(2005 年度)以降の約10 年間は、年度による変動はありますが、平成24 年度(2012 年度)以降は減少傾向にあります。 図 26 区の温室効果ガス排出量の推移 出典:特別区の温室効果ガス排出量(1990 年度〜2016 年度)(オール東京62 市区町村共同事業、平成31 年(2019年))を基に作成 ○ 移動式水素ステーションの開設 区では、平成29 年(2017 年)4月に、公用車に燃料電池自動車(FCV)を導入しました(95 ページ参照)。 また、FCVの水素充填及び普及啓発を行うため、平成29 年(2017 年)12 月に、東京都二十三区清掃一部事務組合および事業者と連携し、世田谷清掃工場敷地内に「移動式水素ステーション」を開設しました。 図 27 区内の移動式水素ステーション ※CO2eq:単位のCO2eq とは、“CO2 equivalent”の略であり、地球温暖化計数(GWP)を用いてCO2 相当量に換算した値です。百万t- CO2eq は百万t の二酸化炭素相当量となります。なお、吸収源は除いています。 ※「移動式水素ステーション」とは、移動可能な占用トラック(25 トン車)の荷台に水素充填装置を積載し、条件を満たした設置場所で燃料電池自転車(FCV)に水素を充填するものです。法的資格を有するスタッフが、充填業務と保安体制にあたります。 ○ 環境に配慮した新たなモビリティの利用促進の取り組み <超小型モビリティ>(35 ページ参照) 国土交通省は、地域の手軽な移動の足として主に近距離輸送に利活用される超小型モビリティについて、安全・環境性能が低下しない範囲で道路運送車両の保安基準を一部緩和し、公道走行を可能とする「超小型モビリティの認定制度」の取り組みを進めています。この制度では、走行する区域の地方公共団体などが、公道を走行する超小型モビリティについて、国からの認定を受ける必要があり、世田谷区では、トヨタ自動車(株)が開発した超小型2人乗り電気自動車「i-ROAD」について、平成28 年(2016 年)3月に国から認定を受け、実証実験に協力をしています。 図 28 実証実験をしたトヨタi-ROAD <パーソナルモビリティ>(36 ページ参照) 二子玉川地区交通環境浄化推進協議会、東京急行電鉄(株)、セグウェイジャパン(株)は、二子玉川地区における交通安全マナー普及啓発などを目的に、平成28 年(2016 年)9月から平成30 年(2018 年)3月まで、次世代モビリティである「セグウェイ」(搭乗型移動支援ロボット)の街中ツアーを実証運行しました。 この事業は、経済産業省の産業競争力強化法に基づく「企業実証特例制度」を活用しており、区は、この事業について協力(後援など)をしました。 図 29 セグウェイツアーin 二子玉川 ※「企業実証特例制度」とは、民間企業が新事業活動を行うために必要となる規制改革を国に要望し、特例措置を適用する制度です。 2-1-3 国内の社会動向 (1) 超高齢社会への対応 ○ 高齢化率の推移 日本の高齢者人口(65 歳以上の人口)及び総人口に占める高齢者の割合(高齢化率)は、いずれも年々高くなってきています。今後、総人口が減少する中で高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、令和18 年(2036 年)には3人に1人が高齢者となると推計されています。 超高齢社会の到来に伴い、高齢者の交通手段を確保すること、交通のユニバーサルデザイン化・バリアフリー化を一層推進することが求められます。 図 30 日本の総人口と年齢構成の推移・予測 出典:令和元年版 交通政策白書(国土交通省、令和元年(2019 年))に加筆 ○ 高齢者の一人暮らし、高齢者のみの世帯数 超高齢社会の到来に伴い、一人暮らしの高齢者(65 歳以上)は、男女ともに増加しています(図 31)。 また、高齢者(65 歳以上)のみの世帯数も増加傾向にあります(図 32)。 図 31 高齢者の一人暮らしの人の推移・予測 出典:令和元年版 高齢社会白書(内閣府、令和元年(2019 年)) 図 32 65 歳以上の人のみの世帯数の推移 出典:平成30 年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省、令和元年(2019 年))を基に作成 ○ 高齢者の外出・交流と健康 一人暮らし(単身世帯)の高齢者は、家族や友人との会話の頻度が低く、日常的な人との交流が少ない傾向にあります(図 33)。 また、人との触れ合いが少ない「社会的孤立状態」と、外出頻度が低い「閉じこもり」の双方の傾向が重なっている高齢者は、死亡リスクが高まるという研究結果が発表されています(図 34)。 高齢者の外出を促し、人や地域との交流を深めることで、「社会的孤立状態」や「閉じこもり」の予防と、健康増進が期待されます。 図 33 高齢者の家族や友人との会話の頻度(世帯別) 出典:平成30 年版 高齢社会白書(内閣府、平成30 年(2018 年))を基に作成 注)「わからない」、「不明」への回答はなし(すべて0.0%)のため、除いています。 注)2.0%以下の数値は表示していません。 図 34 高齢者の孤立・閉じこもり傾向と生存率の関係 出典:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所プレスリリース「高齢期の社会的孤立と閉じこもり傾向による死亡リスク約2倍」(平成30 年(2018 年)7月) (2) 訪日外国人旅行者・外国人住民への対応 近年、訪日外国人旅行者(インバウンド)数が急増しており、平成30 年(2018 年)は6年前の平成24 年(2012 年)と比べると3.7 倍に急増しています。政府は様々な施策を講じており、今後も増加することが見込まれます。公共交通機関においても、多言語表記など、訪日外国人旅行者への対応が求められます。 また、区内の外国人住民数も増加しており、平成26 年(2014 年)から令和元年(2019年)の6年間のうちに、約7,000 人増えています。区内においても、外国人住民が移動しやすい環境の整備が必要になっています。 図 35 訪日外国人旅行者数の推移 出典:令和元年版 交通政策白書(国土交通省、令和元年(2019 年))に加筆 注)ビジット・ジャパンは、訪日外国人旅行者の増加を目的とした、国土交通省が中心となって行っている官民一体の訪日プロモーション事業です。 図 36 区内の外国人住民数の推移 出典:世田谷区資料を基に作成 (3) 交通の担い手確保の重要性 モータリゼーションや少子高齢化・人口減少が進む中、公共交通利用者は地方部を中心に減少を続け、交通事業者のみの力では公共交通を維持することが困難となっています。しかし、地域の存続・活性化のためには交通手段の確保が不可欠であり、地域の交通手段の確保は地域の課題として取り組まなければならない状況となっています。 持続可能な地域公共交通ネットワークを実現させるためには、地方公共団体、交通事業者及び地域住民、それぞれの主体が、自らの地域公共交通の課題をしっかりと認識し、地域全体の問題として捉え、地域の実状に合った交通体系の構築に協力して取り組んでいくことが必要です。 出典:平成30 年版 交通政策白書(国土交通省、平成30 年(2018 年))をもとに一部修正 (4) 自然災害対策の重要性の高まり 日本の国土は、気象、地形、地質などが厳しい状況下にあり、毎年のように地震、水害・土砂災害などの自然災害が発生しています。近年では、平成28 年(2016 年)4月熊本地震、平成30 年(2018 年)6月大阪府北部地震、同9月北海道胆振東部地震、また、平成27 年(2015 年)9月関東・東北豪雨、平成29 年(2017 年)7月九州北部豪雨、平成30 年(2018 年)7月豪雨(西日本)など、自然災害が相次いでいます。 気候変動の影響による水害・土砂災害の頻発・激甚化や、南海トラフ巨大地震・首都直下地震などの巨大地震の発生も懸念されることから、自然災害対策の重要性はますます高まっています。 図 37 全国(アメダス)の1 時間降水量50mm 以上の年間発生回数 出典:気象庁ホームページ掲載の図に加筆 注)気象庁では、1時間降水量50MM 以上を「非常に激しい雨」と定義しています。 (5) 環境志向の高まり 平成28 年(2016 年)11 月に発効したパリ協定は、今世紀後半に人為的な温室効果ガス排出の実質ゼロ(人為的な温室効果ガス排出量と吸収量を均衡させること)を目指しており、世界全体での「脱炭素社会」の構築に向けた転換点となりました。 国はパリ協定への対応として、地球温暖化対策計画を策定し、長期的目標として、令和32 年(2050 年)までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すとしています。 また、電気自動車などの次世代自動車の普及促進を図るため、エコカー減税などの税制上の優遇措置や、導入の補助などが実施されています。脱炭素社会に向け、環境に配慮した交通まちづくりが求められます。 図 38 日本の温室効果ガス排出量と中長期目標 出典:平成30 年版 環境・循環型社会・生物多様性白書(環境省、平成30 年(2018 年)) (6) 自動車だけでなく人も重要視した道づくり これまで自動車中心に考えられていた道路について、今後は自動車交通の一層の円滑化を進めるとともに、歩行者や自転車の通行を重視した、人優先の安全・安心な道づくりも求められます。近年の人優先の道づくりに関わる国の動向としては、以下のようなものがあります。 <人優先の安全・安心な歩行空間の形成> ・関係機関と連携し、通学路における子どもの安全・安心を確保する取り組みを推進。 ・交通が著しくふくそうする道路又は幅員が著しく狭い道路について、電柱が車両や歩行者の通行の支障となっているときは、道路上における電柱の占用を禁止する取り組みを実施。 <安全で快適な自転車利用環境の創出> ・より一層安全で快適な自転車の利用環境整備のため、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を周知。 ・平成30 年(2018 年)6月に策定された自転車活用推進計画に基づき、自転車の活用の推進に関する取り組みを推進。 <質の高い歩行空間の形成> ・歩くことを通じた健康の増進や魅力ある地域づくりのため、歩行者専用道路及び休憩施設の整備などを支援。 <柔軟な道路管理制度の構築> ・自動車交通の一層の円滑化と安全に加え、安全な歩行空間としての機能や地域のにぎわい・交流の場としての機能などの道路が有する多様な機能を発揮し、沿道住民などのニーズに即した柔軟な道路管理ができるよう、各種取り組みを実施。 出典:令和元年版 国土交通白書(国土交通省、令和元年(2019 年))を基に一部修正 (7) 交通手段の多様化 ○ 新たなモビリティの動向 近年、カーシェアリングや配車アプリによる相乗りタクシー(実証実験)、超小型モビリティなど、新たなモビリティの開発、普及により、交通手段が多様化しています。新たなモビリティの概要は、以下の通りです。 <超小型モビリティ> 超小型モビリティは、従来の自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な交通手段となる1人から2人乗り程度の電動車両です。超小型モビリティは、道路運送車両法において、以下の2種類に分類され、Aについては、条件付きで公道走行が可能となっています。 @第一種原動機付自転車(定格出力0.6kw 以下) A基準緩和された(認定制度により認定された)軽自動車(定格出力0.6kw 超) 出典:地域と共生する超小型モビリティ勉強会とりまとめ(国土交通省、平成30 年(2018 年))を基に一部修正 <パーソナルモビリティ> パーソナルモビリティとは、従来の自動車の枠にはまらない、より小型で低速の乗り物を指して使われている言葉で、最新の蓄電池技術やロボット技術が応用されているものが多く、サイズや速度、法令上の扱いが異なる様々なモビリティが含まれます。 高齢者や障害者の移動補助として手軽に使える、1〜2人が移動するには自動車よりも省エネ、排気ガスを出さないといった特徴から、次世代の交通手段として国内外のメーカーが開発に力を入れています。 注)上記の「超小型モビリティ」も含めてパーソナルモビリティとして扱う場合もありますが、ここでは図のようなセグウェイや電動車いすなど、主に1人乗りの、超小型モビリティよりも低速でコンパクトな移動支援機器を指します。 図 39 パーソナルモビリティ(セグウェイ) 出典:セグウェイジャパン(株)提供資料 <カーシェアリング> カーシェアリングとは、会員制により特定の借受人に対して、自家用自動車を貸し渡すことをいい、利用者である会員は、自ら自動車を所有せず、必要な時に自動車を借りることとなり、日常の比較的短時間の利用を中心に、ビジネス、買い物、セカンドカー的な使用がなされています。 国土交通省では、道路空間を有効活用しながら、公共交通との連携を強化させる取り組みとして、東京都千代田区及び港区においてカーシェアリングステーションを設置し、公共交通の利用促進の可能性を検証する社会実験を実施しました。 出典:令和元年版 交通政策白書(国土交通省、令和元年(2019 年))を基に一部修正コラム 物流に関わる交通手段の自動化・省力化・無人化 交通分野の自動化に向けた取り組みは、自動車にとどまらず、陸海空のすべてのモードで行われています。物流分野では、配送拠点の自動化・省力化は進展していますが、エンドユーザーとの商品受け渡しには多くの人手を要しており、深刻な人手不足が続いています。この状況に対して、ドローン(小型無人機)や自動運転トラックに期待がかかる中、より安価な配送サービスとして、「宅配ロボット」などと呼ばれる自律走行する小型配送ロボットを用いた配送の実証も始まっています。 なお、ドローンについては、利用者と関係省庁が一体となって協議する「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」において、更なる安全確保に向けた制度設計の方向性、技術開発のロードマップが取りまとめられ、今後、ドローンを使った荷物配送の実現に向けた検討などが進められることになっています。 出典:令和元年版 交通政策白書(国土交通省、令和元年(2019 年))を基に一部修正 ○ 住民主体の交通 交通事業者や区市町村による公共交通供給が不十分な地区においては、地域住民による組織が自発的に交通手段を提供する取り組みが増加しています。多くはNPO などによって行われ、道路運送法上では利用者を限定した公共交通空白地有償運送の形を採りますが、一部の地域においては、利用者を限定しない一般乗合旅客運送事業の形で行われる場合もあります。 出典:住民主導型コミュニティ交通の立ち上げに関する実証研究―徳島市応神ふれあいバスの試み(加藤博和、福本雅之、平成24 年(2012 年))を基に一部修正 ○ 公共交通の連携 近年、公共交通が連携してサービスを提供する動きが広まっています。鉄道とカーシェアリングが連携した「レール&カーシェア」は、目的地の最寄り駅までは鉄道を利用し、最終目的地まではカーシェアリングを利用するもので、IC カードで鉄道を利用した人などを対象に、沿線のカーシェアリングの利用料金が優待される仕組みなどもあります。 注)区内では、豪徳寺駅、経堂駅、千歳船橋駅、成城学園前駅が対象駅となっています。また、鉄道とシェアサイクルを連携させる動きもあります。駅から自宅、あるいは駅から会社・学校などへの交通手段として自転車を貸し出す「サイクルシェア」は、個人での自転車の所有やメンテナンス、駅駐輪場の確保などが不要になるほか、駐輪自転車の絶対数の減少による、放置自転車対策への寄与も視野に入れています。定期乗車券を持っていると、サイクルシェアの定期利用料金が割引となる「定期利用特典」なども設定されています。 図 40 小田急線のレール&カーシェアの利用イメージ 出典:タイムズ24(株)ホームページ 図 41 サイクルシェアの利用イメージ 注)区内では、二子玉川駅が対象駅となっています。 (8) ICT(情報通信技術)と交通との融合 ETC やカーナビの普及をはじめ、近年ではスマートフォンや交通系IC カードの普及、インターネットへの常時接続機能を備えたコネクテッドカーなど、ICT(情報通信技術)が交通と密接に結びつくようになってきています。今後、交通に関わる取り組みを進めるうえでも、ICT の動向を念頭におくことが必要です。 近年のICT に関わる国の動向としては、以下のようなものがあります。 <スマートフォンなどを利用した交通に関する情報の提供> ・スマートフォンや各種情報案内設備などを利用した交通に関する情報の提供方策を検討。 ・施設や経路のバリアフリー情報などの移動に必要なデータを多くの方の参加により継続的に整備・更新する手法の検討を実施。 <交通系IC カードの普及・利便性向上> ・交通系IC カードの利用エリアの拡大や事業者間での共通利用、エリア間での相互利用の推進策を検討。 <ビッグデータの活用による交通計画の策定支援> ・交通関連のビッグデータの活用による交通計画の策定支援策を検討。 出典:令和元年版 交通政策白書(国土交通省、令和元年(2019 年))を基に一部修正 コラム バリアフリー情報共有アプリ「WheeLog!」 一般社団法人WheeLog が提供する「WheeLog!」は、アプリの利用者が車いすで通れる道やバリアフリー対応施設の情報を投稿し、利用者同士でバリアフリーマップを作るアプリです。 平成30 年(2018 年)には、町田市と連携し、市がオープンデータとして提供しているトイレのバリアフリー情報を登録するとともに、登録後のデータに、写真や気づいた点などを追加していく街歩きイベントを開催することで、市民による情報の充実化が図られました。 図 42 「WheeLog!」アプリの機能の例 施設や設備のバリアフリー情報を地図上に自由に投稿できる「スポット投稿」 車いすで通った道のりを地図上に描くことができる「走行ログ」 出典:WheeLog!ホームページ さらに、近年、MaaS(マース:Mobility as a Service)と呼ばれるサービスが注目されています。 MaaS は、様々な移動手法・サービスを組み合わせて1つの移動サービスとして捉えるもので、ワンストップでシームレスな移動が可能となります。加えて、様々な交通手段・サービスの個々のサービス自体と価格を統合して、一つのサービスとしてプライシングすることにより、いわば「統合一貫サービス」を新たに生み出すものであり、価格面における利便性の向上により利用者の移動行動に変化をもたらし、移動需要・交通流のマネジメント、さらには供給の効率化も期待できます。 例えば、ある1つのスマートフォンアプリを立ち上げれば、全国の交通手段の検索から予約・決済までができるようになり、さらには病院や飲食店、行政サービスなどの予約・決済もワンストップで行えるようになります。 出典:都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会 中間とりまとめ(都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会、平成31 年(2019 年)3月14 日)を基に一部修正 (9) 自動運転車への期待の高まり 自動走行システムについては、公共交通の運転手不足への対応や高齢者などの交通制約者の交通手段の確保、ラストワンマイルの交通手段※としての応用といった社会的意義と、自動車産業の競争力向上や関連市場の拡大などの産業的意義の両面から、期待が高まっています。 政府は、令和7年(2025 年)を目途に高速道路での完全自動運転システムの市場化、物流での自動運転システムの導入普及、限定地域での無人自動運転移動サービス(レベル4のもの)の全国普及などを目指しており、近年では、自動運転の実証実験が国内各地で実施されています。 図 43 2025年完全自動運転を見据えた市場化・サービス実現のシナリオ 出典:官民ITS 構想・ロードマップ2019(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議、令和元年) ※ラストワンマイルの交通手段:鉄道駅やバス停などと、自宅や目的地を結ぶ交通手段を指します。 (10) 多様なニーズへのタクシーの対応 近年、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーや子育て支援タクシーなど多様なサービス展開や配車アプリの運用開始により、タクシーを取り巻く環境が大きく変化しています。近年のタクシーに関わる動向としては、以下のようなものがあります。 <ユニバーサルデザイン(UD)タクシー> ・高齢者、車椅子利用者、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の方、大きな荷物を持つ外国人旅行客など、誰もが利用しやすいように設計されたタクシー車両。 <子育て支援タクシー> ・顔なじみの乗務員、料金後払い対応などにより、子どもだけでの乗車を可能にするサービス。 ・主に学校、塾、自宅間の送迎に利用され、新生児・乳幼児を連れている場合にも乗車可能。 <出産支援タクシー(陣痛タクシー)> ・事前に情報を登録することで、24 時間365 日いざという時に素早く確実に病院へ向かうことが可能で、タクシーに乗ってからの乗務員への道案内も不要。 <国による実証実験> ・事前確定運賃:配車アプリを活用し、タクシーに乗車する前に運賃を確定することで、運賃に関する不安をなくし、タクシーを使いやすくする。平成29 年(2017年)に実施。 ・相乗りタクシー:配車アプリを活用して複数の利用者を1 台のタクシーにマッチングし、タクシーを一人で利用するより割安な運賃での利用を可能にする。平成30 年(2018 年)に実施。 ・変動迎車料金:時間帯ごとのタクシー需要を判断し、それに応じて段階的に価格を変動することで、多様なニーズに柔軟に対応。平成30 年(2018 年)に実施。 ・定額タクシー運賃:利用可能区域や利用回数などの条件の範囲内で、一定期間、定額で乗り放題にし、各地域の実情に応じた移動ニーズに対応。平成30 年(2018年)に実施。 出典:東京のタクシー2019(一般社団法人 東京ハイヤー・タクシー協会、令和元年(2019 年)6月)、国土交通省ホームページを基に整理 2-1-4 交通に関わる法令、上位計画 1) 区の上位計画 (1) 世田谷区基本構想(平成25 年(2013 年)9月 区議会議決) 世田谷区基本構想は、今後20 年間の公共的指針として平成25 年(2013 年)9月に策定されました。 ○ 将来像 信頼関係に支えられてだれもが安心して暮らすことができる都市 ○ 位置づけ 今後20 年間の公共的な指針=公のものとして皆で共有する目標 ○ 基本理念 自治をより確かなものにする ○ 九つのビジョン 基本構想では、今後の目標や理念を九つのビジョンにまとめています。 一、個人を尊重し、人と人とのつながりを大切にする 一、子ども・若者が住みやすいまちをつくり、教育を充実する 一、健康で安心して暮らしていける基盤を確かなものにする 一、災害に強く、復元力を持つまちをつくる 一、環境に配慮したまちをつくる 一、地域を支える産業を育み、職住近接が可能なまちにする 一、文化・芸術・スポーツの活動をサポート、発信する 一、より住みやすく歩いて楽しいまちにする 一、ひとりでも多くの区民が区政や公の活動に参加できるようにする ○ 実現に向けた方策 基本構想の実現に向け、以下の方策を掲げています。 <計画的な行政運営> ・基本計画や実施計画などを作成し、検証しながら推進 <地域行政と区民参加> ・区民の視点に立った課題の対応、区民参加の機会創出、区庁舎の整備推進 <自治権の拡充と持続可能な自治体経営> ・自治権を広げるとともに、財政基盤を強化 <区外との協力> ・広域的な課題への取り組み、災害時の協力体制の構築、国際交流の推進 (2) 世田谷区基本計画(平成26 年(2014 年)3月 策定) 世田谷区基本計画は、前述の世田谷区基本構想を踏まえ、今後10 年間の区政運営の基本的な指針として平成26 年(2014 年)3月に策定されました。 ○ 基本方針 基本構想が示す九つのビジョンの実現に向け、3つの基本方針を示しています。 <住民自治の確立―参加と社会的包摂―> ・区民が主体的に地域を運営する住民自治の確立に向けて、区民参加の機会を充実するとともに、住民の意思を尊重した区政運営を実施。 ・区民自らの意思で生き方を選択しながら地域社会に参加することができる、社会的包摂のしくみを構築。 <環境と調和した地域社会の実現> ・良好な生活環境を守り、次の世代に伝えるとともに、都市の新たな魅力や活力を創出。 ・生活を支える環境・エネルギーへの取り組みや災害への備えを、区民、事業者、行政それぞれが主体的に進め、環境と調和のとれた、復元力を持った地域社会を構築。 <自治権の拡充と持続可能な自治体経営の推進> ・地域の実情や区民のニーズを踏まえ、主体性や独自性を持った政策を展開。 ・特別区制度改革を進め、自治権の拡充をめざすとともに、行政経営改革に取り組むことにより、強固で安定した財政基盤を確立し、持続可能な自治体経営を実施。 ○ 分野別政策 基本計画では、「健康・福祉」「子ども若者・教育」「暮らし・コミュニティ」「都市づくり」の4つの分野別に課題や方針、施策の方向を示しています。 交通まちづくりに関わりが深い「都市づくり」についての概要は、以下の通りです。 <概要> ・住宅都市世田谷において、区民が安全で快適に暮らしていくための都市環境の保全とデザイン構築が必要です。 ・今後、みどりの保全創出や、住環境の向上、快適に安全に移動できる仕組みづくりなど、多くの取り組みの充実が求められています。 ・区民・事業者・区が一体となり、魅力あるまちづくりを進めていきます。 <政策> ・災害に強い街づくり ・みどりとやすらぎのある快適な住環境の推進 ・魅力ある街づくり ・交通ネットワークの整備 ・都市基盤の整備・更新 (3) 世田谷区都市整備方針 第一部「都市整備の基本方針」(平成26 年(2014 年)4月 改定) 都市整備方針は、「世田谷区街づくり条例」を根拠とした、都市づくり・街づくりにおける区の総合的方針であり、第一部「都市整備の基本方針」、第二部「地域整備方針」の二部構成となっています。 平成25 年(2013 年)9月に策定された世田谷区基本構想を踏まえ、第一部にあたる都市整備の基本方針が平成26 年(2014 年)4月に改定されました。 ○ 将来都市像 安全で快適な暮らしをともにつくる都市 世田谷 ○ 4つのまちの姿、5つのテーマ別方針 都市整備方針では、下図のように4つのまちの姿とそれを実現する5つのテーマ別方針を示しています。 図 44 4つのまちの姿と5つのテーマ別方針 出典:世田谷区都市整備方針 第一部「都市整備の基本方針」(世田谷区、平成26 年(2014 年)) 5つのテーマ別方針のうち、交通まちづくりに関わりが深い「X.誰もが快適に移動できるまちをつくる」の基本的な考え方については、次ページの通りです。 <基本的な考え方> ・誰もが安全で快適に移動できるよう、公共交通ネットワークを充実させるとともに、公共交通や徒歩・自転車の利用を進めることにより、自動車に依存しない社会への転換を図ります。 ・連続立体交差事業にあわせ、駅前広場や都市計画道路等を整備し、交通結節機能を強化します。 ・区民に身近な交通手段としてコミュニティバス路線を充実させます。また、自転車走行環境の整備を進めネットワーク形成を図ります。 ・各拠点や施設をつなぎ、都市の軸となる都市計画道路等の整備を進めます。 ・交通環境の質を高めるため、環境や景観に配慮した道路整備や駅舎整備などを行うとともに、ユニバーサルデザインによる整備を進めます。 図 45 「X.誰もが快適に移動できるまちをつくる」方針図 出典:世田谷区都市整備方針 第一部「都市整備の基本方針」(世田谷区、平成26 年(2014 年)) 2) 交通まちづくりに関わる主な法令、計画 (1) 交通政策基本法(平成25 年(2013 年)12 月 施行) 交通政策基本法は、交通に関わる施策について、基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定めるとともに、国と地方公共団体の責務などを明らかにし、交通に関わる施策を総合的かつ計画的に推進するものです。 この法律では、主に以下のようなことが定められています。 <第3条 交通の機能の確保及び向上> ・交通の機能の確保及び向上を図るに当たっては、できる限り、大規模な災害による交通の機能の低下の抑制及びその迅速な回復に資するとともに、当該災害の発生時における避難のための移動に的確に対応し得るものとなるように配慮しなければならない。 <第4条 交通による環境への負荷の低減> ・交通に関する施策の推進は、交通による環境への負荷の低減が図られることを旨として行われなければならない。 <第5条 交通の適切な役割分担及び有機的かつ効率的な連携> ・交通に関する施策の推進は、徒歩、自転車、自動車、鉄道車両、船舶、航空機その他の手段による交通が、それぞれの特性に応じて適切に役割を分担し、かつ、有機的かつ効率的に連携することを旨として行われなければならない。 <第6条 連携等による施策の推進> ・交通に関する施策の推進は、国、地方公共団体、交通関連事業者、交通施設管理者、住民その他の関係者が連携し、及び協働しつつ、行われなければならない。 <第9条 地方公共団体の責務> ・地方公共団体は、情報の提供その他の活動を通じて、基本理念に関する住民その他の者の理解を深め、かつ、その協力を得るよう努めなければならない。 <第32 条 地方公共団体の施策> ・地方公共団体は、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた交通に関する施策を、まちづくりその他の観点を踏まえながら、総合的かつ計画的に実施するものとする。 (2) 都市再生特別措置法の一部改正(平成26 年(2014 年)8月 施行) 日本の地方都市では急激な人口減少が、大都市では高齢者の急増が見込まれる中で、健康で快適な生活の確保や持続可能な都市経営が重要な課題となっています。 この課題に対応するためには、都市全体の構造を見渡しながら、都市機能の集約化を図り、かつ公共交通と連携した施策を講じ、コンパクトシティ+ネットワーク(都市機能と交通機能の一体化)の考えでまちづくりを進めていくことが必要であるとして、都市再生特別措置法の一部が改正されました。 (3) 東京都帰宅困難者対策条例(平成25 年(2013 年)4月 施行)、東京都帰宅困難者対策実施計画(平成24 年(2012 年)11 月 策定) 大規模災害が発生し、鉄道などの公共交通機関復旧の見通しがない中で、多くの人が一斉に帰宅を開始しようとすると、救助・救援活動などに支障が生じる恐れがあります。 このことから都は、「自助」、「共助」、「公助」の考え方に基づき、帰宅困難者対策を総合的に推進する「東京都帰宅困難者対策条例」を平成25 年(2013 年)4月に施行しました。 また、この条例の第2条に基づき「東京都帰宅困難者対策実施計画」を平成24 年(2012 年)11 月に策定しました。条例第2条の主な内容と実施計画における対策の柱は、以下の通りです。 <条例第2条 知事の責務> ・知事は、特別区及び市町村、事業者その他関係機関と連携し、大規模災害の発生時における帰宅困難者による混乱及び事故の発生等を防止するため、帰宅困難者対策について実施計画を策定し、総合的に推進しなければならない。 <実施計画 対策の柱> ・一斉帰宅の抑制 ・一時滞在施設の確保 ・安否確認と情報提供のための体制整備 ・混乱収拾後の帰宅支援 (4) 世界一の都市にふさわしい利用者本位の交通体系を目指して(平成27 年(2015年)1月 とりまとめ) 都は、東京の総合的な交通政策を検討することを目的として、東京の総合的な交通政策のあり方検討会を設置しており、平成27 年(2015 年)1月に提言として「世界一の都市にふさわしい利用者本位の交通体系を目指して」をとりまとめました。 ○ 目指すべき将来像 「世界一の都市・東京」に相応しい「世界一の交通体系」 ○将来像の実現に向けた取り組み 将来像の実現に向けた取り組みの概要は次ページの通りです。 <都市活動を支える主要な交通インフラの更なる充実> ・鉄道・道路ネットワークの充実 ・拠点間の円滑な移動の実現 ・港湾機能の強化 ・首都圏空港の機能強化 <まちづくりと連携した交通結節機能の充実> ・複雑な東京の交通結節点(駅や交通広場等)を利用者が使いこなせるよう改善 ・駅まちエリアマネジメント:多様な関係者が、駅や交通広場等の利便性向上を集中的・継続的に協調して実施 <成熟社会にふさわしい道路空間・水辺空間の利活用> ・賑わいのある質の高い歩行者空間を創出 ・歩行者及び自転車利用者の安全性を確保した道路空間を実現 ・区市町村等と連携した地区交通マネジメント:限られた道路空間の最適な利用について合意形成を図り、地区レベルの交通政策を推進 ・羽田空港と都心・臨海部を結ぶ航路の充実 (5) 都市づくりのグランドデザイン(平成29 年(2017 年)9月 策定) 都は、2040 年代の目指すべき東京の都市の姿とその実現に向けた、都市づくりの基本的な方針と具体的な方策を示した「都市づくりのグランドデザイン」を平成29 年(2017 年)9月に策定しました。 ○ 都市づくりの目標 「活力とゆとりのある高度成熟都市」〜東京の未来を創ろう〜 ○ 「戦略2 人・モノ・情報の自由自在な交流を実現」 計画では、7つの「都市づくりの戦略」を設定しており、特に交通と関わる「戦略2 人・モノ・情報の自由自在な交流を実現」では、以下のような内容が示されています。 <概要> ・地域の特性に応じて多様な交通モードと最先端技術を組み合わせ、世界一使いやすい総合的な道路・交通ネットワークを構築し、人・モノ・情報の自由自在な移動と活発な交流を実現します。 <政策方針> ・国内外の人・モノの活発な交流を支える空港機能を強化する ・人・モノがスムーズに移動できるよう道路から渋滞をなくす ・道路空間を再編(リメイク)し、ゆとりやにぎわいを生み出す ・満員電車をなくし、あらゆる人が快適に移動できるようにする ・鉄道ストックを基軸に誰もが移動しやすいまちをつくる ・高度に連携した効率的な物流ネットワークを形成する ・最先端技術を活用した情報都市空間を創出する (6) 道路交通法の改正(平成27 年(2015 年)6月、平成29 年(2017 年)3月 施行) 「道路交通法」は、道路交通をめぐる最新の情勢に対応して改正されています。 平成27 年(2015 年)6月の改正では、一定の危険な違反行為で3年以内に2回以上摘発された自転車運転者に対して、講習の受講が義務付けられました。また、平成29 年(2017 年)3月の改正では、高齢運転者による交通事故防止のため、認知症などに対する対策が強化されました。 平成27 年(2015 年)6月、平成29 年(2017 年)3月施行の改正の概要は、以下の通りです。 <平成27 年(2015 年)6月の改正> ・一定の病気等を理由に免許を再取得した時、有効期間は継続されていたものとみなす。 ・一定の危険な違反行為(信号無視、一時不停止、酒酔い運転等)をして3年以内に2回以上摘発された自転車運転者は、指定された期間内に講習を受けなければならない。 <平成29 年(2017 年)3月の改正> ・高齢者による交通事故を防止するため、認知症などに対する対策を強化。 ・準中型免許を新設 (7) 自転車活用推進法(平成29 年(2017 年)5月 施行)、自転車活用推進計画(平成30 年(2018 年)6月 策定) 自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「自転車活用推進法」が平成29 年(2017 年)5月に施行されました。第11 条では、特別区を含む市町村は、市町村自転車活用推進計画を定めるよう努めなければならないとされています。 また、この法律に基づき、自転車の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本計画として「自転車活用推進計画」が平成30 年(2018 年)6月に策定されました。第11 条の主な内容と、計画における目標は、以下の通りです。 <法律第11 条> ・市町村(特別区を含む)は、自転車活用推進計画を勘案して、区域の実情に応じた自転車の活用の推進に関する施策を定めた計画(市町村自転車活用推進計画)を定めるよう努めなければならない。 <計画における目標> ・目標1:自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成 ・目標2:サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現 ・目標3:サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現 ・目標4:自転車事故のない安全で安心な社会の実現 (8) ユニバーサルデザイン2020 行動計画(平成29 年(2017 年)2月 策定) 令和2年(2020 年)東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、ユニバーサルデザインによる共生社会を実現し、大会以降のレガシーとして残していくための施策を実行するため、平成29 年(2017 年)2月に「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が策定されました。 計画では、共生社会の実現に向けた2つの大きな柱として、ユニバーサルデザインの街づくりとともに、「心のバリアフリー」が示されています。 (9) 交通バリアフリー基準及び公共交通機関の移動等の円滑化整備ガイドラインの改正(平成30 年(2018 年)3月 改正) ユニバーサルデザイン2020 行動計画の策定を受け、「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準等検討委員会」により、平成30 年(2018 年)3月に交通バリアフリー基準及びガイドラインが改正されました。 駅などにおけるバリアフリールートの最短経路化の義務付け、大規模な駅におけるバリアフリールートの複数化の義務付けなどが示されています。 改正の主な内容は、以下の通りです。 ・バリアフリールートの最短経路化を義務付け ・大規模な鉄道駅については、バリアフリールートの複数化を義務付け ・乗継ぎルートについてバリアフリー化し、かつ、当該ルートの最短経路化を義務付け ・別事業者の乗降場との乗継ぎ円滑化も推進 ・旅客施設の利用の状況に応じたエレベーターの複数化・大型化を義務付け ・一定の場合において、車椅子使用者が介助なしに単独で乗降できるように段差、隙間を解消することを標準化 (10) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部改正(平成30年(2018 年)11 月 一部施行、平成31 年(2019 年)4月 全部施行) 令和2年(2020 年)東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として共生社会などの実現を図り、全国におけるバリアフリー化を一層推進していくため、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)」の一部が改正されました。 基本理念として、「共生社会の実現」、「社会的障壁の除去」に留意すべき旨が明確化されました。 国及び国民の責務には、高齢者、障害者などに対する支援が明記され、「心のバリアフリー」の取り組みを推進することとしています。 さらに、市町村による移動等円滑化促進方針(マスタープラン)制度の創設などが示されています。 改正の主な内容は、次ページの通りです。 ・理念規定を設け、バリアフリーの取り組みの実施に当たり、共生社会の実現、社会的障壁の除去に留意すべき旨を明確化 ・国及び国民の責務に、高齢者、障害者などに対する支援(鉄道駅利用者による声かけなど)を明記し、「心のバリアフリー」の取り組みを推進 ・公共交通事業者などによるハード・ソフト一体的な取り組みを推進 ・市町村が、個別事業の具体化を待たずにあらかじめバリアフリーの方針(移動等円滑化促進方針)を定める「マスタープラン制度」を創設 ・従来の公共交通機関に加え、新たに道路、建築物などのバリアフリー情報の提供を努力義務化 2-1-5 区民ニーズ 区民ニーズを把握するため、平成26 年度(2014 年度)から平成30 年度(2018 年度)までの区民意識調査、平成30 年度(2018 年度)の区政モニターアンケート結果を整理しました。 (1) 地域における日常生活での困りごと 「日常生活での困りごと」を見ると、平成29 年度(2017 年度)では、「道路が狭くて危険」は世田谷東部、世田谷西部、北沢東部、北沢西部、砧北部、砧南部の6つの地域で1位となっています。 また、「車など交通が激しい」は玉川北部、玉川西部の2つの地域で、「電車の踏切がなかなか渡れない」は玉川南部と烏山の2つの地域で1位となっています。 経年的に見ると、「道路が狭くて危険」が1位となっている世田谷東部、世田谷西部、北沢東部では、ほかに「車など交通が激しい」が、北沢西部では「電車の踏切がなかなか渡れない」が、砧北部では「車など交通が激しい」と「交通が不便」が経年的に上位に挙げられています。 一方、砧南部では「交通が不便」が上位に挙げられていますが、「車など交通が激しい」という回答は減少しています。 「車など交通が激しい」が1位となっている玉川北部では、ほかに「道路が狭くて危険」と「交通が不便」が、玉川西部では「道路が狭くて危険」が経年的に上位に挙げられています。 「電車の踏切がなかなか渡れない」が1位となっている玉川南部では、ほかに「道路が狭くて危険」が経年的に上位に挙げられています。 また、烏山では、ほかに「道路が狭くて危険」、「車など交通が激しい」、「放置自転車が多くて迷惑」と、他の地域に比べて多くの交通問題が挙げられています。 図 46 地域の区分 図 47・48 地域における日常生活での困りごと(経年的な変化) 世田谷東部 世田谷西部 北沢東部 北沢西部 玉川北部 出典:世田谷区民意識調査2014(平成26年(2014年)5月実施)〜世田谷区民意識調査2017(平成29年(2017年)5月実施)を基に作成。H29の回答割合を%で表示。 (2) 交通手段別にみる不便を感じていること 区内の交通を利用するにあたり、それぞれの交通手段別に不便を感じていることとして、以下のようなことが主に挙げられています。 ・鉄道:車内が混雑している、ホームドアがない、駐輪場がない・少ないなど・バス:運行便数が少ない、運賃が高い、バス路線図が広く周知されていないなど ・自家用車:道路幅が狭い、車道を走る自転車が危ない、道路が渋滞・混雑しているなど ・自転車:自転車が道路のどこを走るのかわかりにくい、駅のすぐ近くに駐輪場がない・少ない、公共施設や商店などに駐輪スペースがない・少ないなど ・道路:歩道が狭い・ない、自転車が歩道を走るため危ないなど 図 49 交通手段別にみる不便を感じていること 出典:区政モニターアンケート(平成30 年(2018 年)9月実施)を基に作成 (3) 交通面での区民の意識 交通ルール・マナーに関する区民の意識として、「相手が『歩きスマホ』をしていたせいで、危ない思いをしたことがある」が6割近くとなっています。また、「歩行時に自転車とぶつかった、あるいはぶつかりそうになったことがある」方は6割を超えています。 図 50 「歩きスマホ」での危険な経験 出典:世田谷区民意識調査2018(平成30 年(2018 年)5月実施)を基に作成 図 51 歩行時の自転車との接触有無 出典:世田谷区民意識調査2018(平成30 年(2018 年)5月実施)を基に作成 (4) これから区が力を入れるべき交通施策 これから区が力を入れるべき交通施策について、主に以下のようなことが挙げられています。 ・これからの区の交通施策:自転車走行空間環境の整備(自転車専用道路の整備など)、開かずの踏切解消(道路と鉄道の立体化など)、歩行者空間の整備など ・防災面からの交通施策:電線類の地中化促進、帰宅困難者対策など 図 52 これから力を入れるべき区の交通施策 出典:区政モニターアンケート(平成30 年(2018 年)9月実施)を基に作成 図 53 防災面から力を入れるべき交通施策 出典:区政モニターアンケート(平成30 年(2018 年)9月実施)を基に作成 2-2 交通に関わる区の課題 交通まちづくりに関わる取り組みの検証結果や、区の交通に関わる現状やニーズ、上位計画、社会動向などから、交通に関わる課題を以下のように整理しました。 図 54 交通に関わる区の課題 課題 ・誰もが利用しやすい交通手段・サービスの充実 ・高齢者が健康に生活できるまちづくり(移動手段の確保、外出の促進) ・公共交通が不便な地域における移動環境の改善 ・交通ネットワークの充実 ・開かずの踏切の解消 ・バスの利便性の向上 ・多様なニーズに対応するタクシーの利便性の向上 ・道路整備の推進 ・災害時における帰宅困難者対策 ・交通分野における災害時への対応など 対策の方向性 1.円滑に移動できる自動車交通・公共交通などの確保が必要 課題 ・歩行空間ネットワークの形成 ・ユニバーサルデザイン化の推進(歩行空間・心のバリアフリー) ・自転車走行空間の整備 ・適切な駐輪スペースの整備・確保 ・歩行者、自転車、自動車運転者に対する交通安全への取り組み ・自転車走行ルール遵守・マナーの向上など 対策の方向性 2.安全に安心して移動できる、歩行空間、自転車利用環境及び交通安全への取り組みが必要 課題 ・環境負荷の低い交通体系づくり ・新たな交通手段や環境に配慮した次世代自動車の普及促進 対策の方向性 3.環境に配慮した交通手段・仕組みが必要 第3章 方針 3-1 交通まちづくりの理念 区の交通の課題を踏まえ、様々な交通手段を活用し、誰もが快適に移動できる持続可能な交通を実現するため、区の交通まちづくりの理念を、次の通り定めます。 誰もが快適に安全・安心な移動ができる世田谷〜様々な交通手段を活用した、区民が参画する交通まちづくり〜 区はこれまで、「世田谷区都市整備方針」の将来都市像「安全で快適な暮らしをともにつくる都市 世田谷」の実現に向けて、交通を包含するまちづくりを総合的に進めてきました。 その一方で、本計画の第2章でも示したように、誰もが利用しやすい交通手段・サービスの充実、公共交通が不便な地域における移動環境の改善、交通ネットワークの充実、ユニバーサルデザインの推進など交通に関する様々な課題が存在しています。 社会変化に伴う交通へのニーズの多様化に対応し、鉄道、バス、タクシー、自転車、徒歩などさまざまな交通手段を活用した、区民が参画する交通まちづくりを進めます。 3-2 3つの目標 上に定めた理念のもとに、3つの目標を定めます。 なお、この3つの目標に優先順位はなく、それぞれが相互に関係しています。 目標1:便利で円滑な移動 総合的な交通ネットワークの充実や、誰もが移動しやすく人々の交流を促進する交通環境の確保により、便利で円滑な移動を目指します。 目標2:安全・安心な移動 歩行者と自転車の移動環境の確保や交通安全啓発の推進により、安全・安心な移動を目指します。 目標3:環境に配慮した移動 環境に配慮した道路整備の推進や自転車や公共交通など環境負荷の低い交通手段の利用促進、自動車交通における環境負荷の軽減により、環境に配慮した移動を目指します。 3-3 6つの方針 前項で定めた理念と3つの目標を踏まえ、6つの方針を定めます。この方針のもとで、各施策を進めていきます。 目標1:便利で円滑な移動 総合的な交通ネットワークの充実や、誰もが移動しやすく人々の交流を促進する交通環境の確保により、便利で円滑な移動を目指します。 方針1.1:交通ネットワークの充実 ・鉄道、バス、タクシーなどの交通ネットワークの充実を図り、誰もが利用しやすい交通体系の実現を図ります。 方針1.2:誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保 ・誰もが気軽に移動できるよう、交通機能の充実やユニバーサルデザイン化を推進し、移動環境の向上を図ります。 目標2:安全・安心な移動 歩行者と自転車の移動環境の確保や交通安全啓発の推進により、安全・安心な移動を目指します。 方針2.1:歩行者と自転車の移動環境の確保 ・安全な歩行空間や自転車通行空間の確保により、歩行環境や自転車利用環境の向上を図ります。 方針2.2:交通安全啓発の推進 ・誰もが安全・安心に移動できるように、交通ルールの遵守やマナーの向上を図り、交通安全啓発を推進します。 目標3:環境に配慮した移動 環境に配慮した道路整備の推進や自転車や公共交通など環境負荷の低い交通手段の利用促進、自動車交通における環境負荷の軽減により、環境に配慮した移動を目指します。 方針3.1:環境負荷の低い交通手段の利用促進 ・自家用車への過度な依存を減らすため、環境負荷の低い公共交通、自転車、徒歩などの交通手段の利用促進を図ります。 方針3.2:自動車交通における環境負荷の軽減 ・自動車によって生じる環境負荷を軽減するため、円滑な自動車交通の確保や環境に配慮した次世代自動車の普及を図ります。 ※世田谷区交通まちづくり基本計画(平成27 年度(2015 年度)〜令和6年度(2024 年度))(平成27 年(2015年)3月)での6つの方針に対し、以下の2点を修正しています。 @超高齢社会の進展に向けて、高齢者等の外出の促進を図るための方針を追加しています(方針1.2)。 A「目標2 安全・安心な移動」のタイトルにふさわしいように、自転車と歩行者の利用空間だけではなく、「交通安全啓発」に関する方針を追加しています(方針2.2)。 図 55 交通まちづくりの理念、目標、方針 理念 誰もが快適に安全・安心な移動ができる世田谷 様々な交通手段を活用した、区民が参画する交通まちづくり 3つの目標 1. 便利で円滑な移動 総合的な交通ネットワークの充実や、誰もが移動しやすく人々の交流を促進する交通環境の確保により、便利で円滑な移動を目指します。 2. 安全・安心な移動 歩行者と自転車の移動環境の確保や交通安全啓発の推進により、安全・安心な移動を目指します。 3. 環境に配慮した移動 環境に配慮した道路整備の推進や自転車や公共交通など環境負荷の低い交通手段の利用促進、自動車交通における環境負荷の軽減により、環境に配慮した移動を目指します。 6つの方針 1.便利で円滑な移動 1.1 交通ネットワークの充実 1.2 誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保 2.安全・安心な移動 2.1 歩行者と自転車の移動環境の確保 2.2 交通安全啓発の推進 3.環境に配慮した移動 3.1 環境負荷の低い交通手段の利用促進 3.2 自動車交通における環境負荷の軽減 <誰もが快適に安全・安心な移動ができる世田谷(イメージ)> 区内は幅員が狭い道路が多いためバスが通行できない区間が多く、20.2%の公共交通不便地域が残存しており、特に南北方向の公共交通が不足しています。 また、道路の幅員が狭いことにより、自動車、自転車、歩行者などが錯綜し、安心して移動できるとはいいにくい道路もあります。 これらの課題を踏まえ、駅前広場、関連する道路、自転車等駐車場などの整備により交通結節機能の強化を図ります。 また、鉄道、バスだけではなく、タクシーやコミュニティサイクル(がやリン)など、公共交通を軸に、徒歩、自転車、福祉移動サービスなどの交通手段を組み合せて、交通サービスの充実を図ります。 さらに、駅や歩行空間などのユニバーサルデザイン化や「心のバリアフリー」の普及啓発、交通安全啓発を進めることで、快適で安全・安心な移動を目指します。 図 56 誰もが快適に安全・安心な移動ができる世田谷(イメージ) 3-4 推進のための視点 交通まちづくりの目標の実現に向けて、以下の3つの視点で取り組みます。 この視点は、交通まちづくりの取り組み全体に関わります。 1) 区民の参画 交通まちづくりに関わる取り組みを進めるにあたり、区や交通事業者は、公共交通の充実や維持・確保に努めるとともに、区民は、積極的な公共交通の利用や必要に応じて区民が主体となり交通手段の確保に努めるなど、超高齢社会の進展に向けてそれぞれの役割を踏まえ、知恵や力を出し合い協力・連携します。 2) ユニバーサルデザイン 交通まちづくりに関わる取り組みを進めるにあたり、共生社会の実現に向けて、誰もが快適に安全・安心な移動ができるように配慮して取り組みます。 3) 災害時への対応 交通まちづくりに関わる取り組みを進めるにあたり、平常時の取り組みが災害への備えになることから、災害時も考慮して、それぞれの取り組みを交通事業者や区民と協力・連携して進めます。 <区民参画のための取り組み> @ 区民参画のためのルールづくり 区民、交通事業者、区のそれぞれが責任ある役割を担って交通まちづくりを進められるように、ルールづくりに取り組みます。(憲章などの制定を想定) A 区民、交通事業者、区とのパートナーシップによる取り組み 区では、全国に先駆けて「街づくり条例」、「まちづくりセンター・ファンド」を整備し、住民と行政とのパートナーシップによるまちづくりを推進してきました。 交通まちづくりでも、駅舎などの整備にあたってのアイデアコンペやワークショップ、バス路線導入にあたっての走行実験などの区民参画の取り組みを行ってきました。 上記の区民参画のためのルールを踏まえ、区民、交通事業者、区のパートナーシップによる交通まちづくりの更なる展開を図ります。 B 交通に関わる新たな支援のあり方の検討 上記のパートナーシップによる取り組みを後押しするため、道路運送法に基づく地域公共交通会議を開催する等、区民などによる交通確保に向けた取り組みや、バス事業者に対して、運行支援のあり方などを検討します。 C 交通まちづくりに関わる区民の役割の普及啓発 上記のルールで定めた区民の役割を十分に担ってもらえるように、区民による公共交通の積極的な利用など、区民への普及啓発に取り組みます。 D 交通まちづくりに関わる情報の提供 交通まちづくりに関わる情報の周知に努めます。 第4章 施策体系 目標1.便利で円滑な移動 【方針1.1】交通ネットワークの充実 公共交通の利用環境の整備、南北方向の公共交通の強化、バスのネットワークや運行サービスの充実、タクシー利用環境の整備、災害時における公共交通の連携体制の構築などにより、交通ネットワークの充実を図ります。 1.1.1 鉄道利用環境の整備 @ 鉄道駅の利便性の向上 (再掲1.2.2A、3.1.1@) 鉄道駅での鉄道、バス、タクシーなどの乗換の利便性向上を図るため、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例などに基づいて、鉄道駅とその周辺地域とを結ぶバスや自転車などの利用環境や歩行空間の整備、駅前広場の整備などを推進します。あわせて乗換案内の提供やマップの作成など、分かりやすさに配慮した整備を進めます。 図 57 経堂駅駅前広場 1.1.2 南北方向の公共交通の強化 @ エイトライナーの導入促進 (再掲3.1.2@) 区部周辺を囲む交通手段の一環として、環状8号線を基軸とした南北方向の新たな環状鉄道(エイトライナー)の早期実現に向け、東京都や環状8号線沿線の北区・板橋区・練馬区・杉並区・大田区と連携して、検討を進めます。 図 58 エイトライナー路線図 出典:エイトライナー促進協議会事務局ホームページ A 南北方向のバス路線網の充実 (再掲3.1.2A) 南北方向の公共交通の強化に向けて、既存バス路線の再編や道路整備に合わせた新規バス路線の導入の促進により、南北方向のバス路線網の充実を図ります。 B 南北方向を結ぶコミュニティサイクルの活用・充実 (再掲3.1.2B) 南北方向を結ぶ交通手段として、バス交通や民間のシェアサイクルとの連携を図りつつ、コミュニティサイクルの活用・充実を図ります。 1.1.3 バス利用環境の整備 @ バス路線網の充実 (再掲1.2.2B、3.1.3@) 地域交通の利便性向上を図るため、バス事業者と連携し、新規路線の導入・既存路線の活用について検討を進めます。 バス路線の導入にあたっては、環境負荷に配慮した車両の導入を促進します。 また、バス利用環境(バス停留所や道路など)の安全性を確保するため、バス事業者や交通管理者などと連携して、必要な環境改善に取り組みます。 図 59 等々力・梅ヶ丘路線(等13) A バス走行空間の確保 (再掲3.1.3A) 「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路整備を推進して円滑なバス走行空間を確保します。 B バス路線維持に向けた取り組みの推進 (再掲3.1.3B) バスサービスの維持・向上に向けて、バス事業者と連携して区民に対する利用促進PRを行います。 C バス停留所施設の整備 (再掲3.1.3C) バスの利便性向上に向けて、区道のバス停留所において、ベンチ・上屋の設置に取り組みます。また、国道や都道についても、ベンチ・上屋の設置をバス事業者に働きかけるとともに、区としても、バス停ベンチの設置に向けた検討を進めます。 さらに、運行情報提供装置などの整備についても働きかけていきます。 図 60 三軒茶屋バス停ベンチ 1.1.4 タクシー利用環境の整備 @ タクシーの利便性の向上 (再掲1.2.2C) タクシー事業者と連携し、ICT(情報通信技術)などを活用したタクシーの利便性向上に繋がる取り組みや、サービスの質の向上を図る取り組み(乗務員のスキルアップ、優良タクシー制度の資格取得、子育て支援タクシーに関わる講習会などへの参加など)について、働きかけを行います。 1.1.5 自転車利用環境の整備 @ 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.2.2D、2.1.3@、3.1.5@) 「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」及び「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づき、歩行者・自転車利用者が安全で快適に移動で きるように、自転車通行空間の整備を推進します。具体的には、ネットワーク路線となる新たな道路整備や既存道路の改修などに合わせ、自転車専 用通行帯や自転車走行帯(ブルーゾーン)などを整備します。また、自転車走行帯などが整備できない道路については、自転車走行位置表示(ナビライン)などの設置を推進します。 ※ブルーゾーン:路肩を青く着色し、自転車の通行空間として位置付けたもので、世田谷区独自の呼称です。 図 61 自転車走行位置表示(ナビライン) A 自転車等駐車場、公共施設・商業施設の自転車等駐車場スペースの確保 (再掲2.1.3A、3.1.5A) 誰もが手軽に、安心して自転車を利用することができるよう、「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」に基づき、利用しやすい自転車等駐車場の整備、利用への誘導、既存の自転車等駐車場の有効活用を進めます。 また、一定の区域・規模の店舗には、自転車等駐車場の附置義務を課すとともに、民営自転車等駐車場整備については、建設費の助成を行います。さらに、鉄道事業者に対して自転車等駐車場の設置の働きかけや、商店街と協力しながら、買い物利用客の駐輪場所の確保を進めます。 B 自転車の放置対策の推進 (再掲2.1.3B、3.1.5B) 自転車等駐車場を設置した駅周辺を自転車等放置禁止区域に指定し、放置自転車の撤去などを行うことにより、放置自転車の削減を推進します。 また、自転車の放置を防止するため、区の広報誌、放置禁止などの看板設置、キャンペーンの実施などの啓発活動を行います。 1.1.6 円滑な自動車交通の確保 @ 道路の新設・拡幅整備及び維持・管理の推進 (再掲1.2.2E、3.2.1@) 「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路整備や交差点改良を行い、円滑な自動車交通の確保を図ります。 また、世田谷区が管理する区道について、「世田谷区舗装更新計画」に基づき、計画的で効率的な舗装更新を行います。 さらに、世田谷区が管理する橋梁(道路橋)について、橋梁の安全性を確保し、サービス水準を維持するため、「世田谷区橋梁長寿命化修繕計画」に基づき修繕を行います。 A 路上駐車対策の促進 (再掲3.2.1A) 路上駐車については、自動車交通を妨げるとともに、車道を通行する自転車の安全性を低下させることが考えられるため、交通管理者に対して違法駐車車両の排除、地域実態に応じた駐車規制の推進、パーキング・メーターの利用向上などの路上駐車対策を働きかけます。また、再開発事業や大規模商業施設の建設に際して、荷捌きスペースの設置を促進します。自動二輪車駐車場については、民間の整備を誘導・促進していきます。 B 自動運転車の導入促進 自動運転車について、技術開発、社会的な受容性、法令などの状況を踏まえ、実証実験の支援に向けた検討を行います。 また、実証実験場所(区道や公共スペースなど)の提供に向けた検討を行います。 コラム 自動運転車の導入に向けた実証実験の事例 自動運転車による高齢者などのモビリティ確保に向けた実証実験(多摩市) 多摩市の多摩ニュータウンでは、高齢者などを対象としたモビリティ確保の観点から、ニュータウンにおける公共交通ネットワークへの自動運転サービスの社会実装に向け、国が自動運転車両を用いた実証実験を実施しました。 実証実験では、レベル2相当(特定条件下での自動運転)の自動運転車が団地内の一定のルートを走行し、端末交通(自宅〜バス停など)として、高齢者や子育て世代の移動を支援しました。 図 62 多摩市における実証実験の概要 出典:国土交通省ホームページ(運行ルートの図は一部加筆) 都市部における自動運転バスの導入に向けた実証実験(豊島区) 豊島区では、都市部における自動運転バスの導入可能性や課題などを検証するため、国が自動運転バスの実証実験を実施しました。 実証実験では、多数の来街者や自動車交通がある池袋サンシャインシティ周囲の公道で、レベル2相当(特定条件下での自動運転)の自動運転バス(一部手動運転)を巡回させました。 図 63 豊島区における実証実験の概要 ・場所:サンシャインシティ外周 約1km ・実験期間:令和元年(2019 年)12 月13 日(金)、14 日(土) ・運行時間:10 時30 分〜16 時(1日6便程度) 出典:国土交通省ホームページ 1.1.7 道路と鉄道の立体化の促進 @ 連続立体交差化の促進 (再掲1.2.2F、3.2.2@) 東京都や鉄道事業者と協力・連携を図り、道路と鉄道の連続立体交差化の促進により、円滑な道路交通の確保を図ります。 京王電鉄京王線では、連続立体交差事業の促進により、開かずの踏切の解消を図ります。 また、東急電鉄大井町線などについては、踏切遮断による交通渋滞の発生、地域の分断、踏切事故の危険性などさまざまな問題を抱えており、その解決に向けて東京都、鉄道事業者などとの連携した取り組みを進めていきます。 図 64 京王線連続立体交差事業(笹塚駅〜仙川駅間)の概要 出典:京王電鉄京王線(笹塚駅〜仙川駅間)の連続立体交差事業及び関連する側道整備について(東京都、世田谷区、渋谷区、杉並区、京王電鉄株式会社、平成28年(2016年)2月) A 駅周辺の街づくり、駅前広場などの整備 小田急電鉄小田原線、京王電鉄京王線の連続立体交差事業にあわせて、駅周辺の街づくりに取り組むと共に、駅前広場や都市計画道路などの整備を推進し、交通結節機能の強化を図ります。 小田急電鉄小田原線の連続立体交差事業の鉄道地下化に伴い生じる線路跡地における、防災・減災の機能を備えた空間づくりとあわせ、下北沢駅を中心とした、にぎわいのある安全で安心な移動ができる快適な歩行者空間を創出します。 1.1.8 災害時における公共交通の連携体制などの構築 @ 交通事業者や区民との協力連携体制のあり方の検討 災害発生時の被災状況や、鉄道・バスの運行状況を区民に提供できるように、情報の収集・発信の方法について検討します。 また、交通事業者と連携して、移動時の被災を想定した避難マップなどの作成を検討します。 A 帰宅困難者対策の実施 東京都や交通事業者と連携して、区内の駅などの交通結節点を一時避難場所として活用するなど帰宅困難者対策に取り組みます。 方針1.2 誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保 ユニバーサルデザインに基づく取り組みの推進、活力あるまちづくりのための交通機能の充実、人々の外出と交流を促進する交通環境の充実、公共交通が不便な地域における移動環境の改善を図ることにより、誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境を確保します。 1.2.1 ユニバーサルデザインに基づく取り組みの推進 @ ユニバーサルデザインによる公共交通の取り組みの促進 (再掲2.1.2@) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例に基づき、鉄道駅のバリアフリー経路確保とあわせ、鉄道駅のホームにおける旅客の転落防止対策(ホームドアなど)の整備を進めます。 A ユニバーサルデザインによる歩行空間の取り組みの推進 (再掲2.1.2A) ユニバーサルデザインによる歩行空間の整備を推進します。 既存の歩道における視覚障害者誘導用ブロックなどの設置や段差の解消など、交通安全施設の適切な改修を行います。また、交通管理者に対してエスコートゾーン設置の働きかけを行います。 ※エスコートゾーン:視覚障害者が安全に最短距離で横断歩道を渡ることができるように敷設された突起体の列です。 図 65 ユニバーサルデザイン歩行空間ネットワークのイメージ 出典:国土交通省 歩行空間のユニバーサルデザイン ホームページ B 「心のバリアフリー」の推進 (再掲2.1.2B) 高齢者、障害者、子ども連れの方、重い荷物を持った方など、移動に様々な困難を抱える方が、安心して外出し、自立した社会生活を送ることができるように、区民一人ひとりがバリアフリーへの理解を深め、快く手助けをできる「心のバリアフリー」の普及啓発に努めます。 1.2.2 活力ある街づくりのための交通機能の充実 @ 地域の交通の拠点の充実 「世田谷区都市整備方針」において、「広域生活・文化拠点」として、全区的な「核」であると同時に、本区を越えた広域的な交流の場として位置づけられている、三軒茶屋、下北沢、二子玉川駅周辺地区の3地区について、各地区の街づくりとあわせて交通の拠点としての充実を図ります。 A 鉄道駅の利便性の向上 (再掲1.1.1@、3.1.1@) 鉄道駅での鉄道、バス、タクシーなどの乗換の利便性向上を図るため、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例などに基づいて、鉄道駅とその周辺地域とを結ぶバスや自転車などの利用環境や歩行空間の整備、駅前広場の整備などを推進します。 あわせて乗換案内の提供やマップの作成など、分かりやすさに配慮した整備を進めます。 B バス路線網の充実 (再掲1.1.3@、3.1.3@) 地域交通の利便性向上を図るため、バス事業者と連携し、新規路線の導入・既存路線の活用について検討を進めます。バス路線の導入にあたっては、環境負荷に配慮した車両の導入を促進します。 また、バス利用環境(バス停留所や道路など)の安全性を確保するため、バス事業者や交通管理者などと連携して、必要に応じた環境改善に取り組みます。 C タクシーの利便性の向上 (再掲1.1.4@) タクシー事業者と連携し、ICT(情報通信技術)などを活用したタクシーの利便性向上に繋がる取り組みや、サービスの質の向上を図る取り組み(乗務員のスキルアップ、優良タクシー制度の資格取得、子育て支援タクシーに関わる講習会などへの参加など)について、働きかけを行います。 D 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.1.5@、2.1.3@、3.1.5@) 「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」及び「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づき、歩行者・自転車利用者が安全で快適に移動できるように、自転車通行空間の整備を推進します。 具体的には、ネットワーク路線となる新たな道路整備や既存道路の改修などに合わせ、自転車専用通行帯や自転車走行帯(ブルーゾーン)などを整備します。また、自転車走行帯などが整備できない道路については、自転車走行位置表示(ナビライン)などの設置を推進します。 E 道路の新設・拡幅整備及び維持・管理の推進 (再掲1.1.6@、3.2.1@) 「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路整備や交差点改良を行い、円滑な自動車交通の確保を図ります。 また、世田谷区が管理する区道について、「世田谷区舗装更新計画」に基づき、計画的で効率的な舗装更新を行います。 さらに、世田谷区が管理する橋梁(道路橋)について、橋梁の安全性を確保し、サービス水準を維持するため、「世田谷区橋梁長寿命化修繕計画」に基づき修繕を行います。 F 連続立体交差化の促進 (再掲1.1.7@、3.2.2@) 東京都や鉄道事業者と協力・連携を図り、道路と鉄道の連続立体交差化の促進により、円滑な道路交通の確保を図ります。 京王電鉄京王線では、連続立体交差事業の促進により、開かずの踏切の解消を図ります。 また、東急電鉄大井町線などについては、踏切遮断による交通渋滞の発生、地域の分断、踏切事故の危険性などさまざまな問題を抱えており、その解決に向けて東京都、鉄道事業者などとの連携した取り組みを進めていきます。 1.2.3 人々の外出と交流を促進する交通環境の充実 @ 歩行空間ネットワークの整備 (再掲2.1.1B、3.1.4B) 歩道、地先道路、緑道などを組みあわせてネットワーク化することにより、歩いて楽しい「散歩道」の整備を推進します。 また、歩行空間ネットワーク、鉄道、バス、タクシーの乗り場・利用方法などについて、まちなか観光の情報とあわせて発信することを検討します。 さらに、歩行空間ネットワークについて、観光ホームページ及び観光アプリへの反映を促進します。 図 66 蛇崩川緑道とあじさい A 休憩場所の充実 外出中に“ひと休み”できる場がいろいろな所にあることで、多くの人が安心して区内を移動できるように、「世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)」に基づき、誰でも使えるトイレとベンチなどの休憩場所の充実を図るとともに、情報提供を推進します。 特に、ベンチについては、「座れる場づくりガイドライン」(世田谷区、平成30年(2018 年)3月)に基づき、公共施設の前面空間や公園、バス停、バス停に隣接する公園、環境空地などにも設置します。 また、区内の特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの協力により、散歩の途中で気軽に立ち寄れ、施設のトイレを利用したり休憩ができる「高齢者身近なお休み処」を引き続き提供します。 B コミュニティサイクル・レンタサイクルの活用・充実 レンタサイクルに比べ利便性の高いコミュニティサイクルシステムである「がやリン」の普及を推進するとともに、民間のシェアサイクルと連携し、区民の移動利便性の向上効果や「がやリン」との相互補完の可能性について、実証実験を行い検証します。 また、駅周辺の特性などを考慮しながら、コミュニティサイクルポートの新設を検討します。さらに、既存のレンタサイクル・コミュニティサイクルポートの改修や維持管理を行います。 まちなか観光においても、「がやリン」の利用を推進するため、サイクルマップの配布などを行います。 図 67 IHIがやリン桜新町ポート C 外出を支援する交通サービスの充実 鉄道やバスに加え、さらなる交通サービスの充実に向けて、ユニバーサルデザインタクシー(UDタクシー)、子育て支援タクシー、出産支援タクシー(陣痛タクシー)などの導入に向けた取り組みや利用者への情報提供を進めるため、タクシー事業者に働きかけます。 高齢者や障害者など移動困難者の通院、社会参加や余暇活動の充実を図るため、福祉移動サービスの利用促進を図ります。 ※福祉移動サービス:公共交通機関の利用が困難な方が外出する際、車いすでも対応可能な車両などを活用し、移動を手伝うサービスです。 1.2.4 公共交通が不便な地域における移動環境の改善 @ 地域の実情に合った交通手段の検討・導入 都市計画道路や駅前広場などの整備にあわせ、コミュニティバスの導入を検討していきます。 また、狭あい道路が多い公共交通不便地域(9 ページ参照)における地域公共交通の充実には、コミュニティバスの導入が困難な地域も多く、区民、交通事業者、区がそれぞれのもつ知恵や力を出し合い、協働で取り組む必要があります。 地域の課題を最もよく知る地域の方々が主体的に取り組み、地域の移動手段を『守り』『育てあげる』ことが重要です。 今後は、モデル地区での検証に加え、他分野の取り組みや民間などとの連携も視野に入れつつ、様々な交通手段を用いた取り組みなどの検討も行います。 その上で、人口特性や地理条件などの視点から精査した重点検討地域での区民主体による移動手段の検討など、区内の公共交通が不便な地域における移動環境の改善を進めていきます。 なお、区とバス・タクシーなどの旅客運送事業者や道路管理者及び交通管理者などで構成する道路運送法に基づく「世田谷区地域公共交通会議」を活用し、地域の実情に即した輸送サービスの実現に必要となる事項を協議していきます。 図 68 区民・事業者・区の主な役割イメージ 主な役割 区民 ・協議会を結成し、主体的に地域交通の内容を検討します。 ・利用促進に関するPR活動、その他の収入の運営・管理を行います。 世田谷区 ・区民が活動しやすい環境づくりを行います。 ・地域交通の検討のための情報提供や技術的な支援を行います。 ・運行のための支援を行います。 事業者 ・安全で快適な運行サービスを提供します。 ・地域に密着した地域交通への取り組みを行います。 コラム コミュニティタクシーの運行(小平市) 小平市では、コンパクトな地域内の交通手段として、ワンボックス車両を使用したコミュニティタクシー「ぶるべー号」を運行しています。 市内を4つの地域に分け、地域ごとに自治会、商店会、運行事業者などで構成される住民組織を結成し、小平市と住民が協働して地域のニーズに基づく運行計画を検討しています。 現在は3つの地域で運行しており、コミュニティタクシーの1日乗車券および回数乗車券の購入者に対して、地域の一部店舗で優待が受けられるクーポン券を配布しています。これらの取り組みにより、地域活性化やコミュニティタクシーの継続的な利用につなげています。 図 69 「ぶるべー号」の概要 出典:小平市提供資料 A 新たな交通サービスの活用の検討 自動運転車、パーソナルモビリティ、超小型モビリティなど、将来の交通サービスについて、技術開発、社会的な受容性、法令などの状況を踏まえ、活用や支援について検討します。 また、様々な移動手法・サービスを組み合わせて1つの移動サービスとして捉えるMaaS についても、技術開発など社会動向を注視するとともに、民間企業などとの連携も視野に入れつつ、必要に応じてその活用や支援について検討します。 ※1日乗車券、回数乗車券は、市のコミュニティバス「にじバス」と共通で利用可能となっています。 ※1日乗車券、回数乗車券の購入者には、「にじバス・ぶるべー号サンクスクーポン」を配布しており、クーポン参加店で割引等のサービスが受けられるようになっています。 コラム グリーンスローモビリティの活用 国は、環境への負荷が少なく、狭い路地も通行が可能で、高齢者の足の確保や観光客の周遊に資する「新たなモビリティ」として期待されているグリーンスローモビリティを推進しています。 グリーンスローモビリティとは、電動で時速20km 未満で公道を走る事が可能な4人乗り以上のパブリックモビリティのことで、導入により、地域が抱える様々な交通課題の解決や低炭素型交通の確立が期待されています。 自家用有償旅客運送としての活用(町田市) 町田市の鶴川団地では、ゴルフカート型の車両を活用し、買い物などの外出に困っている高齢者を対象とした送迎サービスを実施しています。 グリーンスローモビリティの自家用有償旅客運送による本格事業化は、全国初の取り組みです。 図 70 鶴川団地における自家用有償旅客運送の運行エリアと車両 運行エリア 鶴川2・5・6丁目団地(緑線で囲んだ地域)と鶴川団地センター名店街との間 出典:国土交通省ホームページ(運行エリアの図は一部加筆) 「まちなか交流バス」としての活用(豊島区) 豊島区では、池袋エリアを回遊する電気バス「IKEBUS」を運行しています。 「IKEBUS」は、池袋駅を中心として、区役所本庁舎、公園、商業施設など池袋の主要スポットをシームレスにつなぐ「まちなか交流バス」で、地域住民だけでなく、来訪者の移動手段としても活用され、賑わいを創出しています。 図 71 「IKEBUS」の運行ルートと車両 <運行ルート> Aルート(駅東口経由)とBルート(駅西口経由)の2種類 出典:豊島区ホームページ(運行ルートの図は一部加筆) 目標2.安全・安心な移動 【方針2.1】歩行者と自転車の移動環境の確保 歩行空間の整備、ユニバーサルデザインに基づく取り組みの推進、自転車利用環境の整備により、歩行者と自転車の移動環境を確保します。 2.1.1 歩行空間の整備 @ 都市計画道路、主要生活道路の歩道整備 (再掲3.1.4@) 都市計画道路(幹線道路、地区幹線道路)、主要生活道路については、歩道の設置、ガードレールの設置、路側帯の整備などによる歩車分離対策をすると共に、既存歩道の改良整備を推進します。 A 安全性の確保に向けた取り組みの推進 (再掲3.1.4A) 都市計画道路や主要生活道路の整備により、生活道路への通過交通の流入を抑制します。また、生活道路においては、車両速度の抑制や通過交通の抑制のため、地域と協働しながら「ゾーン30」※の導入を促進します。 また、児童が通学する際の安全を確保するため、関係機関への通学路の周知・徹底や、スクールゾーンなどの設定に努めます。 図 72 二子玉川で導入された新たな交通安全対策「ゾーン30」 対象エリア図の出典:区のおしらせ「せたがや」平成26 年(2014 年)2月1日号をもとに一部修正 ※ゾーン30:生活道路における歩行者などの安全な通行を確保することを目的として、区域(ゾーン)を定めて時速30 キロの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制やゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制などを図る生活道路対策です。 B 歩行空間ネットワークの整備 (再掲1.2.3@、3.1.4B) 歩道、地先道路、緑道などを組みあわせてネットワーク化することにより、歩いて楽しい「散歩道」の整備を推進します。 また、歩行空間ネットワーク、鉄道、バス、タクシーの乗り場・利用方法などについて、まちなか観光の情報とあわせて発信することを検討します。 さらに、歩行空間ネットワークについて、観光ホームページ及び観光アプリへの反映を促進します。 C はみ出し看板・商品などの是正 (再掲3.1.4C) 放置自転車や道路にはみ出している看板・商品などを是正するため、商店街などとの連携を強化し、安全に通行できる空間の確保を推進します。 D 無電柱化の推進 (再掲3.1.4D) 都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出のため、「世田谷区無電柱化推進計画」及び「世田谷区無電柱化整備5ヵ年計画」に基づいて、無電柱化整備を推進します。 2.1.2 ユニバーサルデザインに基づく取り組みの推進 @ ユニバーサルデザインによる公共交通の取り組みの促進 (再掲1.2.1@) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例に基づき、さらなる鉄道駅のバリアフリー経路確保とあわせ、鉄道駅のホームにおける旅客の転落防止対策(ホームドアなど)の整備を進めます。 A ユニバーサルデザインによる歩行空間の取り組みの推進 (再掲1.2.1A) ユニバーサルデザインによる歩行空間の整備を推進します。 既存の歩道における視覚障害者誘導用ブロックなどの設置や段差の解消など、交通安全施設の適切な改修を行います。また、交通管理者に対してエスコートゾーン設置の働きかけを行います。 B 「心のバリアフリー」の推進 (再掲1.2.1B) 高齢者、障害者、子ども連れの方、重い荷物を持った方など、移動に様々な困難を抱える方が、安心して外出し、自立した社会生活を送ることができるように、区民一人ひとりがバリアフリーへの理解を深め、快く手助けをできる「心のバリアフリー」の普及啓発に努めます。 2.1.3 自転車利用環境の整備 @ 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.1.5@、1.2.2D、3.1.5@) 「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」及び「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づき、歩行者・自転車利用者が安全で快適に移動できるように、自転車通行空間の整備を推進します。 具体的には、ネットワーク路線となる新たな道路整備や既存道路の改修などに合わせ、自転車専用通行帯や自転車走行帯(ブルーゾーン)などを整備します。また、自転車走行帯などが整備できない道路については、自転車走行位置表示(ナビライン)などの設置を推進します。 A 自転車等駐車場、公共施設・商業施設の自転車等駐車場スペースの確保 (再掲1.1.5A、3.1.5A) 誰もが手軽に、安心して自転車を利用することができるよう、「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」に基づき、利用しやすい自転車等駐車場の整備、利用への誘導、既存の自転車等駐車場の有効活用を進めます。 また、一定の区域・規模の店舗には、自転車等駐車場の附置義務を課すとともに、民営自転車等駐車場整備については、建設費の助成を行います。さらに、鉄道事業者に対して自転車等駐車場の設置の働きかけや、商店街と協力しながら、買い物利用客の駐輪場所の確保を進めます。 B 自転車の放置対策の推進 (再掲1.1.5B、3.1.5B) 自転車等駐車場を設置した駅周辺を自転車等放置禁止区域に指定し、放置自転車の撤去などを行うことにより、放置自転車の削減を推進します。 また、自転車の放置を防止するため、区の広報誌、放置禁止などの看板設置、キャンペーンの実施などの啓発活動を行います。 【方針2.2】交通安全啓発の推進 幼児から高齢者までライフステージに応じた段階的かつ体系的な交通安全啓発を推進します。このうち、区内では20〜40 歳代の自転車事故、および高齢者が関係した交通事故が特に多いため、これらの世代に対して、交通安全啓発の重点的な取り組みを行います。 2.2.1 交通安全への取り組みの推進 @ 交通安全教室の開催 警察や学校、町会・自治会やPTAなどの地域団体と協力・連携し、「交通安全宣言都市せたがや」区民のつどいを開催するとともに、春秋の全国交通安全運動、交通安全啓発活動に取り組みます。特に、高齢者の関係した事故を減らすため、高齢者が集まる機会の多い場を活用して、参加・体験・実践型の交通安全教室を実施するなど、高齢者に対する交通安全啓発を推進します。また、歩行の際の交通安全啓発活動として、社会問題となっている「歩きスマホ」を防止する啓発活動に携帯電話事業者等と協働して取り組みます。 自転車が通行する際の交通安全啓発活動として、小・中学校または地域において、警察や交通安全協会と協働して交通安全教室を開催し、平成24 年(2012 年)3月に制定した「世田谷区民自転車利用憲章」の普及浸透をはじめ、自転車安全利用の啓発を進めます。 また、自転車事故件数の多い20〜40 歳代の区民に対し、区内事業者、区内大学、子育て世帯などへの取り組みを通じて、重点的に自転車安全利用啓発を進めます。 世田谷区民自転車利用憲章 自転車は、環境に優しく健康にも良い、手軽で身近な交通手段です。 私たちは、自転車の事故をなくし、誰もが安全、安心で楽しく行き交う豊かな地域社会の実現を目指します。 私たちは、思いやりの精神と譲り合う心に基づき、ルールを守り、マナーの向上に努め、ゆとりと節度ある自転車利用を実践することを宣言し、ここに区民共通の行動規範として、世田谷区民自転車利用憲章を定めます。 一 私たちは ルールを学び 正しく 自転車に乗ります 一 私たちは マナーを守り 優しく 自転車に乗ります 一 私たちは ゆとりの心で 楽しく 自転車に乗ります 平成24 年(2012 年)4月1日 世田谷区 図 73 自転車講習受講証 A 「自転車安全利用推進員」の育成・支援 区民が自主的に自転車安全利用啓発に取り組むために、「自転車安全利用推進員」の育成・支援をし、きめ細やかで身近な啓発を進めます。 B 自転車の保険加入の促進 自転車運転中の加害事故によって法令上の損害賠償責任が発生した場合に、その損害賠償金や費用を補償する制度である「区民交通傷害保険(自転車賠償責任プラン)」の普及促進を図ります。 また、都条例改正による自転車保険加入の義務化(予定)にあわせ、自転車損害賠償保険への加入を総合的に促進します。 C 運転免許の自主返納の促進 高齢のドライバー及びその家族などを対象に、運転免許の自主返納を、警察と連携して促進します。 また、運転免許の自主返納後の移動を支えるため、シルバーパスの発行手続きの周知や、自家用車の乗り合い※、タクシーの相乗りといった様々な交通サービスについての周知啓発、および公共交通不便地域対策に取り組みます。 ※自家用車の乗り合い:区民が自分の車に近所の人を乗せて、無償で目的地まで乗せていく助け合いのことです。 目標3.環境に配慮した移動 【方針3.1】環境負荷の低い交通手段の利用促進 鉄道利用環境の整備、南北方向の公共交通の強化、バス利用環境の整備、環境対策の充実、歩行空間の整備、自転車利用環境の整備、環境対策の充実により、環境負荷の低い交通手段の利用を促進します。 3.1.1 鉄道利用環境の整備 @ 鉄道駅の利便性の向上 (再掲1.1.1@、1.2.2A) 鉄道駅での鉄道、バス、タクシーなどの乗換の利便性向上を図るため、世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例などに基づいて、鉄道駅とその周辺地域とを結ぶバスや自転車などの利用環境や歩行空間の整備、駅前広場の整備などを推進します。 あわせて乗換案内の提供やマップの作成など、分かりやすさに配慮した整備を進めます。 3.1.2 南北方向の公共交通の強化 @ エイトライナーの導入促進 (再掲1.1.2@) 区部周辺を囲む交通手段の一環として、環状8号線を基軸とした南北方向の新たな環状鉄道(エイトライナー)の早期実現に向け、東京都や環状8号線沿線の北区・板橋区・練馬区・杉並区・大田区と連携して、検討を進めます。 A 南北方向のバス路線網の充実 (再掲1.1.2A) 南北方向の公共交通の強化に向けて、既存バス路線の再編や道路整備に合わせた新規バス路線の導入の促進により、南北方向のバス路線網の充実を図ります。 B 南北方向を結ぶコミュニティサイクルの活用・充実 (再掲1.1.2B) 南北方向を結ぶ交通手段として、バス交通や民間のシェアサイクルとの連携を図りつつ、コミュニティサイクルの活用・充実を図ります。 3.1.3 バス利用環境の整備 @ バス路線網の充実 (再掲1.1.3@、1.2.2B) 地域交通の利便性向上を図るため、バス事業者と連携し、新規路線の導入・既存路線の活用について検討を進めます。 バス路線の導入にあたっては、環境負荷に配慮した車両の導入を促進します。 また、バス利用環境(バス停留所や道路など)の安全性を確保するため、バス事業者や交通管理者などと連携して、必要に応じた環境改善に取り組みます。 A バス走行空間の確保 (再掲1.1.3A) 「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路整備を推進して円滑なバス走行空間を確保します。 B バス路線維持に向けた取り組みの推進 (再掲1.1.3B) バスサービスの維持・向上に向けて、バス事業者と連携して区民に対する利用促進PRを行います。 C バス停留所施設の整備 (再掲1.1.3C) バスの利便性向上に向けて、区道のバス停留所において、ベンチ・上屋の設置に取り組みます。また、国道や都道についても、ベンチ・上屋の設置をバス事業者に働きかけるとともに、区としても、バス停ベンチの設置に向けた検討を進めます。 さらに、運行情報提供装置などの整備についても働きかけていきます。 3.1.4 歩行空間の整備 @ 都市計画道路、主要生活道路の歩道整備 (再掲2.1.1@) 都市計画道路(幹線道路、地区幹線道路)、主要生活道路については、歩道の設置、ガードレールの設置、路側帯の整備などによる歩車分離対策をすると共に、既存歩道の改良整備を推進します。 A 安全性の確保に向けた取り組みの推進 (再掲2.1.1A) 都市計画道路や主要生活道路の整備により、生活道路への通過交通の流入を抑制します。また、生活道路においては、車両速度の抑制や通過交通の抑制のため、地域と協働しながら「ゾーン30」の導入を促進します。 また、児童が通学する際の安全を確保するため、関係機関への通学路の周知・徹底や、スクールゾーンなどの設定に努めます。 B 歩行空間ネットワークの整備 (再掲1.2.3@、2.1.1B) 歩道、地先道路、緑道などを組みあわせてネットワーク化することにより、歩いて楽しい「散歩道」の整備を推進します。 また、歩行空間ネットワーク、鉄道、バス、タクシーの乗り場・利用方法などについて、まちなか観光の情報とあわせて発信することを検討します。 さらに、歩行空間ネットワークについて、観光ホームページ及び観光アプリへの反映を促進します。 C はみ出し看板・商品などの是正 (再掲2.1.1C) 放置自転車や道路にはみ出している看板・商品などを是正するため、商店街などとの連携を強化し、安全に通行できる空間の確保を推進します。 D 無電柱化の推進 (再掲2.1.1D) 都市防災機能の強化、安全で快適な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出のため、「世田谷区無電柱化推進計画」及び「世田谷区無電柱化整備5ヵ年計画」に基づいて、無電柱化整備を推進します。 3.1.5 自転車利用環境の整備 @ 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.1.5@、1.2.2D、2.1.3@) 「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」及び「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づき、歩行者・自転車利用者が安全で快適に移動できるように、自転車通行空間の整備を推進します。 具体的には、ネットワーク路線となる新たな道路整備や既存道路の改修などに合わせ、自転車専用通行帯や自転車走行帯(ブルーゾーン)などを整備します。また、自転車走行帯などが整備できない道路については、自転車走行位置表示(ナビライン)などの設置を推進します。 A 自転車等駐車場、公共施設・商業施設の自転車等駐車場スペースの確保 (再掲1.1.5A、2.1.3A) 誰もが手軽に、安心して自転車を利用することができるよう、「世田谷区自転車等の利用に関する総合計画」に基づき、利用しやすい自転車等駐車場の整備、利用への誘導、既存の自転車等駐車場の有効活用を進めます。 また、一定の区域・規模の店舗には、自転車等駐車場の附置義務を課すとともに、民営自転車等駐車場整備については、建設費の助成を行います。さらに、鉄道事業者に対して自転車等駐車場の設置の働きかけや、商店街と協力しながら、買い物利用客の駐輪場所の確保を進めます。 B 自転車の放置対策の推進 (再掲1.1.5B、2.1.3B) 自転車等駐車場を設置した駅周辺を自転車等放置禁止区域に指定し、放置自転車の撤去などを行うことにより、放置自転車の削減を推進します。 また、自転車の放置を防止するため、区の広報誌、放置禁止などの看板設置、キャンペーンの実施などの啓発活動を行います。 3.1.6 環境対策の充実 @ 環境負荷の低い交通の利用の促進 自家用車に依存しなくても暮らせる交通環境の整備を推進していくため、自家用車の利用抑制を区民と連携して進めていくとともに、環境にやさしい公共交通や自転車の利用を促進するためのPRを実施します。 A 環境に配慮した道路整備の推進 「みどりの基本計画」及び「せたがや道づくりプラン」に基づいて、歩道内の緑化や遮熱性舗装の整備など、環境の向上に資する道づくりを進めることで、歩行者、自転車にとって快適な交通環境を確保します。また、路面温度の上昇を抑制することにより、歩行空間や沿道の熱環境の改善、ヒートアイランド現象の緩和を図ります。 方針3.2 自動車交通における環境負荷の軽減 円滑な自動車交通の確保、道路と鉄道の立体化の促進、新しい自動車利用の取り組みの促進により、自動車交通における環境負荷の軽減を図ります。 3.2.1 円滑な自動車交通の確保 @ 道路の新設・拡幅整備及び維持・管理の推進 (再掲1.1.6@、1.2.2E) 「せたがや道づくりプラン」に基づき、道路整備や交差点改良を行い、円滑な自動車交通の確保を図ります。 また、世田谷区が管理する区道について、「世田谷区舗装更新計画」に基づき、計画的で効率的な舗装更新を行います。 さらに、世田谷区が管理する橋梁(道路橋)について、橋梁の安全性を確保し、サービス水準を維持するため、「世田谷区橋梁長寿命化修繕計画」に基づき修繕を行います。 A 路上駐車対策の促進 (再掲1.1.6A) 路上駐車については、自動車交通を妨げるとともに、車道を通行する自転車の安全性を低下させることが考えられるため、交通管理者に対して違法駐車車両の排除、地域実態に応じた駐車規制の推進、パーキング・メーターの利用向上などの路上駐車対策を働きかけます。また、再開発事業や大規模商業施設の建設に際して、荷捌きスペースの設置を促進します。 自動二輪車駐車場については、民間の整備を誘導・促進していきます。 3.2.2 道路と鉄道の立体化の促進 @ 連続立体交差化の促進 (再掲1.1.7@、1.2.2F) 東京都や鉄道事業者と協力・連携を図り、道路と鉄道の連続立体交差化の促進により、円滑な道路交通の確保を図ります。 京王電鉄京王線では、連続立体交差事業の促進により、開かずの踏切の解消を図ります。 また、東急電鉄大井町線などについては、踏切遮断による交通渋滞の発生、地域の分断、踏切事故の危険性などさまざまな問題を抱えており、その解決に向けて東京都、鉄道事業者などとの連携した取り組みを進めていきます。 3.2.3 新しい自動車利用の取り組みの促進 @ 環境負荷の低い自動車の利用促進 環境負荷が低く、災害時には非常用の電源として活用できる電気自動車や燃料電池自動車などのエコカーの導入、環境負荷が低く利便性が高い超小型モビリティなどの普及啓発を進めます。 コラム 公用車に燃料電池自動車(FCV)を導入 区では、平成29 年(2017 年)4月に、公用車に燃料電池自動車(FCV)を導入しました。水素で走るFCVは、走行時に水しか排出せず、地球温暖化の主な原因とされる二酸化炭素(CO2)や、大気汚染につながる窒素酸化物(NOX)などを排出しません。ガソリン車と比べて騒音や振動も少ないことから、環境にやさしい車と言われています。 図 74 公用車に導入した燃料電池自動車(FCV) 出典:世田谷区ホームページ コラム 超小型電気自動車のシェアリングシステム「Ha:mo RIDE」(豊田市) 豊田市は、トヨタ自動車株式会社との共働により、超小型電気自動車のシェアリングシステム「Ha:mo RIDE」を実施しています。公共交通と連携した端末の交通手段に、超小型電気自動車を活用することで、より低炭素な交通社会の実現をめざしています。 図 75 「Ha:mo RIDE」のイメージ 出典:トヨタ自動車株式会社ホームページ A 自動車利用の新しいあり方の普及啓発の促進 環境負荷の軽減を図るため、民間企業や区民などによるカーシェアリングやエコドライブなどの自動車利用の新たな取り組みについて普及啓発を進めます。 <施策体系表> 世田谷区交通まちづくり行動計画(令和2年度〜令和6年度) 目次 交通まちづくり行動計画について 101ページ 目標1.便利で円滑な移動 102ページ 方針1.1 交通ネットワークの充実 102ページ 方針1.2 誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保 114ページ 目標2.安全・安心な移動 119ページ 方針2.1 歩行者と自転車の移動環境の確保 119ページ 方針2.2 交通安全啓発の推進 122ページ 目標3.環境に配慮した移動 124ページ 方針3.1 環境負荷の低い交通手段の利用促進 124ページ 方針3.2 自動車交通における環境負荷の軽減 129ページ 交通まちづくり行動計画について 次ページ以降に各施策の取り組みを示します。 なお、取り組みについては行動計画の期間内を対象とし、以下の3つのパターンに分けて示しています。 これらの中には、令和6年度(2024 年度)以降も継続して行う取り組みもあります。 パターン1 目標年度・数値が決まっており、継続して施策・事業を実施するもの パターン2 状況に応じて施策・事業を実施するもの パターン3 年度毎に目標を定めて施策・事業を実施するもの ※取り組みの中で、都市計画事業の名称を略称で表記しています。正式な都市計画事業名称は、次の例のとおりです。 (例1)世区街○○号 → 東京都市計画道路事業区画街路世田谷区画街路第○○号線 (例2)補○○号 → 東京都市計画道路事業幹線街路補助線街路第○○号線 ※ が付いている取り組みは、再掲の項目です。 目標1.便利で円滑な移動 【方針1.1】交通ネットワークの充実 1.1.1 鉄道利用環境の整備(70 ページ参照) 所管部 北沢総合支所、砧総合支所、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 鉄道駅の利便性の向上 (再掲1.2.2A、3.1.1@) 駅前広場等の整備推進 取り組み 東北沢駅駅前広場 下北沢駅駅前広場(世区街10号)及び補助線街路(補54号) 世田谷代田駅駅前広場 祖師ヶ谷大蔵駅駅前広場 成城学園前駅駅前広場(世区街11,12号)及び補助線街路(補217号)・成城学園前駅駅前広場(世区街11,12号) 明大前駅駅前広場(世区街13号)及び補助線街路(補154号) 下高井戸駅駅前広場 桜上水駅駅前広場 千歳烏山駅駅前広場(世区街14号)及び補助線街路(補216号) 乗り継ぎ利便性の向上に向けた関係機関との調整 タクシー乗降場所の整備・調整 自転車通行空間の整備 取り組み 「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づく自転車通行空間の整備 歩行空間の整備 歩道整備の推進 「世田谷区無電柱化推進計画」、「世田谷区無電柱化整備5ヵ年計画」に基づき実施 1.1.2 南北方向の公共交通の強化(71 ページ参照) 所管部 経済産業部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ エイトライナーの導入促進 (再掲3.1.2@) 取り組み 交通政策審議会答申を受けた活動方針に基づく調査・研究 A 南北方向のバス路線網の充実 (再掲3.1.2A) 取り組み 新規及び既存路線の活用によるバス路線の導入に向けた検討 B 南北方向を結ぶコミュニティサイクルの活用・充実 (再掲3.1.2B) 取り組み 新たなコミュニティサイクル・レンタサイクルシステムの導入検討 コミュニティサイクルシステムの運用 サイクルマップの配布 まちなか観光における「サイクルマップ」の活用 1.1.3 バス利用環境の整備(72 ページ参照) 所管部 都市整備政策部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ バス路線網の充実 (再掲1.2.2B、3.1.3@) 取り組み 新規及び既存路線の活用によるバス路線の導入に向けた検討 公共交通不便地域対策の検討に基づく取り組み バス利用環境の安全性確保のための取り組み A バス走行空間の確保 (再掲3.1.3A) 取り組み 「せたがや道づくりプラン」に基づく道路整備の推進 B バス路線維持に向けた取り組みの推進 (再掲3.1.3B) 取り組み 広報等を活用したバス利用のPR C バス停留所施設の整備 (再掲3.1.3C) 取り組み 上屋の設置の促進 運行情報提供装置等整備の働きかけ 1.1.4 タクシー利用環境の整備(73 ページ参照) 所管部 都市整備政策部、道路・交通政策部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ タクシーの利便性の向上 (再掲1.2.2C) 取り組み タクシーサービスの向上に向けた働きかけ 1.1.5 自転車利用環境の整備(73 ページ参照) 所管部 各総合支所、都市整備政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.2.2D、2.1.3@、3.1.5@) 取り組み 「世田谷区自転車ネットワーク計画」に基づく自転車通行空間の整備 A 自転車等駐車場、公共施設・商業施設の自転車等駐車場スペースの確保 (再掲2.1.3A、3.1.5A) 取り組み 新たな自転車等駐車場整備の検討 大規模店舗等の自転車等駐車場の整備指導 民間自転車等駐車場建設費の助成 B 自転車の放置対策の推進 (再掲2.1.3B、3.1.5B) 取り組み クリーンキャンペーンの実施 整理誘導員等による啓発の実施 放置自転車の撤去 1.1.6 円滑な自動車交通の確保(74 ページ参照) 所管部 各総合支所、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 道路の新設・拡幅整備及び維持・管理の推進 (再掲1.2.2E、3.2.1@) 取り組み 「せたがや道づくりプラン」に基づく道路整備の推進 A 路上駐車対策の促進 (再掲3.2.1A) 取り組み 民間施設に対する荷捌きスペースの設置の促進 公共空間に対する荷捌きスペースの設置の推進 B 自動運転車の導入促進 取り組み 自動運転車の実証実験の実施に向けた検討 自動運転車の実証実験場所(区道や公共スペース等)の提供に向けた検討 1.1.7 道路と鉄道の立体化の促進(76 ページ参照) 所管部 各総合支所、みどり33推進担当部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 連続立体交差化の促進 (再掲1.2.2F、3.2.2@) 取り組み 京王電鉄京王線(笹塚駅〜仙川駅間)連続立体交差事業の促進 「開かずの踏切解消」に向けた関係機関への働きかけ A 駅周辺の街づくり、駅前広場などの整備 取り組み 小田急線上部利用計画区域内における道路、緑地・小広場の整備 駅周辺地区地区計画に基づく街づくりの推進(下北沢、経堂、成城学園前、喜多見) 駅周辺地区地区計画に基づく街づくりの推進(下高井戸、桜上水、芦花公園、千歳烏山) 駅周辺地区地区街づくり計画に基づく街づくりの推進(豪徳寺、千歳船橋、祖師ヶ谷大蔵) 駅周辺地区地区街づくり計画に基づく街づくりの推進(代田橋、明大前、上北沢) 東北沢駅駅前広場 下北沢駅駅前広場(世区街10号)及び補助線街路(補54号) 世田谷代田駅駅前広場 祖師ヶ谷大蔵駅駅前広場 成城学園前駅駅前広場(世区街11,12号)及び補助線街路(補217号)・成城学園前駅駅前広場(世区街11,12号) 明大前駅駅前広場(世区街13号)及び補助線街路(補154号) 下高井戸駅駅前広場 桜上水駅駅前広場 千歳烏山駅駅前広場(世区街14号)及び補助線街路(補216号) 1.1.8 災害時における公共交通の連携体制などの構築(77 ページ参照) 所管部 玉川総合支所、危機管理室、道路・交通政策部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 交通事業者や区民との協力連携体制のあり方の検討 取り組み 被災状況、鉄道・バスの運行状況の収集・発信に向けた取り組みの推進 避難マップの作成に向けた取り組みの推進 A 帰宅困難者対策の実施 取り組み 東京都帰宅困難者対策条例の取り組みの区民、事業所への周知 二子玉川での訓練の企画・実施、二子玉川ルールの周知、災害時の情報発信体制の検討 方針1.2 誰もが移動しやすく、人々の交流を促進する交通環境の確保 1.2.1 ユニバーサルデザインに基づく取り組みの推進(78 ページ参照) 所管部 障害福祉部、都市整備政策部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ ユニバーサルデザインによる公共交通の取り組みの促進 (再掲2.1.2@) 取り組み バリアフリー経路の充実に向けた鉄道事業者への働きかけ エレベーターの整備促進 ホームドアの整備に向けた鉄道事業者への働きかけ ホームドアの整備の促進 A ユニバーサルデザインによる歩行空間の取り組みの推進 (再掲2.1.2A) 取り組み ユニバーサルデザインによる歩行空間の整備 B 「心のバリアフリー」の推進 (再掲2.1.2B) 取り組み 「心のバリアフリー」の区民への普及啓発 1.2.2 活力ある街づくりのための交通機能の充実(79 ページ参照) 所管部 各総合支所、都市整備政策部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 地域の交通の拠点の充実 取り組み (下北沢)小田急線の上部利用と沿線の街づくり (三軒茶屋)三軒茶屋駅周辺まちづくり基本方針における、シームレスな交通結節点の形成 (二子玉川)バス事業者へ区外への中距離バス新設・増便の働きかけ A 鉄道駅の利便性の向上 (再掲1.1.1@、3.1.1@)(再掲 102 ページ参照) B バス路線網の充実 (再掲1.1.3@、3.1.3@)(再掲 105 ページ参照) C タクシーの利便性の向上 (再掲1.1.4@)(再掲 107 ページ参照) D 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.1.5@、2.1.3@、3.1.5@)(再掲 108 ページ参照) E 道路の新設・拡幅整備及び維持・管理の推進 (再掲1.1.6@、3.2.1@)(再掲 110 ページ参照) F 連続立体交差化の促進 (再掲1.1.7@、3.2.2@)(再掲 111 ページ参照) 1.2.3 人々の外出と交流を促進する交通環境の充実(80 ページ参照) 所管部 北沢総合支所、経済産業部、高齢福祉部、障害福祉部、都市整備政策部、みどり33推進担当部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 歩行空間ネットワークの整備(再掲2.1.1B、3.1.4B) 取り組み 「せたがや道づくりプラン」に基づく道路整備の推進 「世田谷区みどりの行動計画」に基づく緑道整備(改修)延長 R2 346m・R3 340m・R4 350m・R5 340m・R6 350m 歩道整備の推進 小田急線上部利用計画区域内及び下北沢駅周辺の歩行者空間等の整備・検討 観光パンフレット等の発行による、まちなか観光情報の発信 区HPを活用した観光マップ集等の紹介、歩行空間ネットワークの観光アプリへの反映 A 休憩場所の充実 取り組み 座れる場づくりの推進・誰でも使えるトイレとベンチ等の休憩施設のネットワーク整備 公共施設の休憩利用の周知 B コミュニティサイクル・レンタサイクルの活用・充実 取り組み 外出機会の創出を促し、快適な移動を支えるコミュニティサイクルの活用を検討 民間シェアサイクルとの連携による実証実験 C 外出を支援する交通サービスの充実 取り組み 福祉移動支援センター「そとでる」のサービスの周知 タクシーのUD化等の普及促進 1.2.4 公共交通が不便な地域における移動環境の改善(82 ページ参照) 所管部 道路・交通政策部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 地域の実情に合った交通手段の検討・導入 取り組み 公共交通不便地域対策の検討に基づく取り組み A 新たな交通サービスの活用の検討 取り組み 自動運転車の実証実験の実施に向けた検討 自動運転車の実証実験場所(区道や公共スペース等)の提供に向けた検討 超小型モビリティの利用の促進 目標2.安全・安心な移動 方針2.1 歩行者と自転車の移動環境の確保 2.1.1 歩行空間の整備(85 ページ参照) 所管部 北沢総合支所、経済産業部、みどり33推進担当部、道路・交通政策部、土木部、教育委員会事務局 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 都市計画道路、主要生活道路の歩道整備 (再掲3.1.4@) 取り組み 「せたがや道づくりプラン」に基づく道路整備の推進 歩道整備の推進 A 安全性の確保に向けた取り組みの推進 (再掲3.1.4A) 取り組み 自動車走行速度抑制の啓発 ゾーン30の導入取組み支援 通学路などでの児童の安全確保 B 歩行空間ネットワークの整備 (再掲1.2.3@、3.1.4B)(再掲 116 ページ参照) C はみ出し看板・商品などの是正 (再掲3.1.4C) 取り組み 放置自転車の撤去 管轄警察署及び商店街組合・各土木事務所との合同パトロール 広報紙・ホームページによる啓発 通報・巡回による改善指導 D 無電柱化の推進 (再掲3.1.4D) 取り組み 「世田谷区無電柱化推進計画」、「世田谷区無電柱化整備5ヵ年計画」に基づき実施 2.1.2 ユニバーサルデザインに基づく取り組みの推進(86 ページ参照) 所管部 障害福祉部、都市整備政策部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ ユニバーサルデザインによる公共交通の取り組みの促進 (再掲1.2.1@)(再掲 114 ページ参照) A ユニバーサルデザインによる歩行空間の取り組みの推進 (再掲1.2.1A)(再掲 114 ページ参照) B 「心のバリアフリー」の推進 (再掲1.2.1B)(再掲 114 ページ参照) 2.1.3 自転車利用環境の整備(87 ページ参照) 所管部 各総合支所、都市整備政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.1.5@、1.2.2D、3.1.5@)(再掲 108 ページ参照) A 自転車等駐車場、公共施設・商業施設の自転車等駐車場スペースの確保 (再掲1.1.5A、3.1.5A)(再掲 108 ページ参照) B 自転車の放置対策の推進 (再掲1.1.5B、3.1.5B)(再掲 109 ページ参照) 方針2.2 交通安全啓発の推進 2.2.1 交通安全への取り組みの推進(88 ページ参照) 所管部 土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 交通安全教室の開催 取り組み 「交通安全宣言都市せたがや区民のつどい」の開催等による交通安全啓発の推進 小学校・中学校・一般向け交通安全教室の開催 区内事業者、区内大学、子育て世帯等への自転車安全講習会の実施 イベント等での交通安全啓発 A 「自転車安全利用推進員」の育成・支援 取り組み 「自転車安全利用推進員」の育成・支援 B 自転車の保険加入の促進 取り組み 自転車保険義務化による加入促進 C 運転免許の自主返納の促進 取り組み 東京都高齢者運転免許自主返納サポートの周知 目標3.環境に配慮した移動 方針3.1 環境負荷の低い交通手段の利用促進 3.1.1 鉄道利用環境の整備(90 ページ参照) 所管部 北沢総合支所、砧総合支所、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 鉄道駅の利便性の向上 (再掲1.1.1@、1.2.2A)(再掲 102 ページ参照) 3.1.2 南北方向の公共交通の強化(90 ページ参照) 所管部 経済産業部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ エイトライナーの導入促進 (再掲1.1.2@)(再掲 104 ページ参照) A 南北方向のバス路線網の充実 (再掲1.1.2A)(再掲 104 ページ参照) B 南北方向を結ぶコミュニティサイクルの活用・充実 (再掲1.1.2B)(再掲 104 ページ参照) 3.1.3 バス利用環境の整備(91 ページ参照) 所管部 道路・交通政策部、都市整備政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ バス路線網の充実 (再掲1.1.3@、1.2.2B)(再掲 105 ページ参照) A バス走行空間の確保 (再掲1.1.3A)(再掲 105 ページ参照) B バス路線維持に向けた取り組みの推進 (再掲1.1.3B)(再掲 105 ページ参照) C バス停留所施設の整備 (再掲1.1.3C)(再掲 106 ページ参照) 3.1.4 歩行空間の整備(91 ページ参照) 所管部 北沢総合支所、経済産業部、みどり33推進担当部、道路・交通政策部、土木部、教育委員会事務局 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 都市計画道路、主要生活道路の歩道整備 (再掲2.1.1@)(再掲 119 ページ参照) A 安全性の確保に向けた取り組みの推進 (再掲2.1.1A)(再掲 119 ページ参照) B 歩行空間ネットワークの整備 (再掲1.2.3@、2.1.1B)(再掲 116 ページ参照) C はみ出し看板・商品などの是正 (再掲2.1.1C)(再掲 120 ページ参照) D 無電柱化の推進 (再掲2.1.1D)(再掲 120 ページ参照) 3.1.5 自転車利用環境の整備(92 ページ参照) 所管部 各総合支所、都市整備政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 自転車ネットワーク形成に向けた自転車通行空間の整備 (再掲1.1.5@、1.2.2D、2.1.3@)(再掲 108 ページ参照) A 自転車等駐車場、公共施設・商業施設の自転車等駐車場スペースの確保 (再掲1.1.5A、2.1.3A)(再掲 108 ページ参照) B 自転車の放置対策の推進 (再掲1.1.5B、2.1.3B)(再掲 109 ページ参照) 3.1.6 環境対策の充実(93 ページ参照) 所管部 環境政策部、みどり33推進担当部、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 環境負荷の低い交通の利用の促進 取り組み 広報等による公共交通機関の利用促進 サイクルマップの配布による自転車利用の促進 エコドライブ、カーシェアリングなどについての情報発信 A 環境に配慮した道路整備の推進 取り組み 「せたがや道づくりプラン」に基づく道路整備の推進 遮熱性舗装の推進 「世田谷区みどりの行動計画」に基づく道路緑化の推進・次期「世田谷区みどりの行動計画」に基づく道路緑化の推進 「世田谷区みどりの行動計画」に基づく生垣、フェンス緑化助成・次期「世田谷区みどりの行動計画」に基づく助成 「世田谷区みどりの行動計画」に基づく植樹帯助成・次期「世田谷区みどりの行動計画」に基づく助成 「世田谷区みどりの行動計画」に基づくシンボルツリー植栽助成・次期「世田谷区みどりの行動計画」に基づく助成 方針3.2 自動車交通における環境負荷の軽減 3.2.1 円滑な自動車交通の確保(94 ページ参照) 所管部 各総合支所、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 道路の新設・拡幅整備及び維持・管理の推進 (再掲1.1.6@、1.2.2E)(再掲 110 ページ参照) A 路上駐車対策の促進 (再掲1.1.6A)(再掲 110 ページ参照) 3.2.2 道路と鉄道の立体化の促進(94 ページ参照) 所管部 北沢総合支所、玉川総合支所、烏山総合支所、道路・交通政策部、土木部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 連続立体交差化の促進 (再掲1.1.7@、1.2.2F)(再掲 111 ページ参照) 3.2.3 新しい自動車利用の取り組みの促進(95 ページ参照) 所管部 環境政策部、道路・交通政策部 ◆後期計画(令和2年度(2020 年度)〜令和6年度(2024 年度)) @ 環境負荷の低い自動車の利用促進 取り組み 次世代自動車の区内利用の促進 超小型モビリティの利用の促進 A 自動車利用の新しいあり方の普及啓発の促進 取り組み エコドライブ、カーシェアリングなどについての情報発信 世田谷区交通まちづくり基本計画(中間見直し) 世田谷区交通まちづくり行動計画(令和2年度〜令和6年度) 令和2年(2020年)4月 編集・発行 世田谷区 道路・交通計画部 交通政策課 〒154−8504 世田谷区世田谷4−21−27 電話 03−5432−2544 ファックス 03−5432−3067 (広報印刷物登録番号 No.1847)