表紙 世田谷区移動等円滑化促進方針 (素案) 令和4年(2022年)12月 世田谷区 目 次 第1章 はじめに 1ページ 1.1 背景と目的 1ページ 1.2 位置づけ 2ページ 1.3 移動等円滑化促進方針とは 3ページ 1.4 世田谷区におけるユニバーサルデザイン推進の取組み 5ページ 第2章 現状と課題 8ページ 2.1 区の概況 8ページ 2.2 バリアフリー化の現状と課題 14ページ 2.3 促進方針の策定に向けた課題 19ページ 第3章 促進方針の基本目標と基本的な考え方 20ページ 3.1 促進方針の基本目標 20ページ 3.2 促進方針の基本的な考え方 21ページ 第4章 区全域における方針 24ページ 4.1 施設のバリアフリーの促進 25ページ 4.2 情報のバリアフリーの促進 30ページ 4.3 心のバリアフリーの促進 31ページ 4.4 商店街におけるバリアフリーの促進 33ページ 第5章 促進地区 34ページ 5.1 促進地区の選定 34ページ 5.2 促進地区のバリアフリー 40ページ 5.3 行為の届出制度 42ページ 第6章 促進方針の実現に向けて 44ページ 6.1 取組みの方向性 44ページ 6.2 促進地区における重点的な取組み 45ページ 6.3 実現に向けた取組み 45ページ 参考資料 47ページ 参考1 世田谷区移動等円滑化促進方針策定協議会 設置要綱 47ページ 参考2 世田谷区移動等円滑化促進方針策定協議会 委員名簿 48ページ 参考3 UD推進地区とは 49ページ 参考4 まち歩きワークショップの実施概要と主な意見 50ページ 参考5 主な基準等 56ページ 参考6 促進地区の福祉のまちづくりに関する主な取組み 58ページ 参考7 用語集 68ページ 1ページ目 第1章 はじめに 1.1 背景と目的 世田谷区では、区民のだれもが安心して暮らせるまち、人々とのふれあい、支えあいながら生き生きと活動できるまちをめざし、福祉のまちづくりを推進してきました。昭和56年の「国際障害者年」を契機に、世田谷区福祉のまちづくりのための施設整備要綱(昭和57年4月)制定後、梅ヶ丘駅周辺をモデル地区とした福祉のまちづくりの整備を進めるとともに、関連法や都条例制定にあわせ、平成19年3月に世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例(以下「UD推進条例」という。)を制定、それに基づく計画として世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(以下「UD推進計画」という。)を平成21年3月に策定、世田谷区ユニバーサルデザイン環境整備推進地区(以下「推進地区」という。)を中心にユニバーサルデザイン(以下「UD」という。)の考え方に基づく取組みを推進してきました。 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)の開催を契機として、ソフト面の対策強化や心のバリアフリーのさらなる取組みの推進、また、新たに移動等円滑化促進方針に関する制度(以下「促進方針制度」という。)を追加するため、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(以下「バリアフリー法」という。)が改正され(平成30年)、事業化の目処が立っていない地域においても、バリアフリー法に基づく移動等円滑化促進地区(以下「促進地区」という。)を定め、施設や経路を具体的に位置づけることで、バリアフリー化を促進していく枠組みが整いました。 本区は、東京2020大会におけるアメリカ合衆国のホストタウン、さらに共生社会ホストタウンに登録され、アメリカオリンピック・パラリンピック委員会のパラリンピアンとの交流事業など数多くの共生社会ホストタウン事業を展開してきました。その後、令和元年10月に「先導的共生社会ホストタウン」に認定されたことを受け、UDのまちづくりや心のバリアフリーの推進などにより、共生社会の実現に向けた取組みを推進していくこととしています。 そこで、UD推進条例の取組みをさらに推進するために、バリアフリー法に基づく「世田谷区移動等円滑化促進方針(以下「促進方針」という。)」を策定します。 2ページ目 1.2 位置づけ 本方針は、バリアフリー法に基づき策定するもので、障害者差別解消法に基づく条例、区の上位・関連計画との連携・整合を図った方針とします。 図1−1、促進方針の位置づけの図があります。 3ページ目 1.3 移動等円滑化促進方針とは 鉄道駅を中心とした地区や、駅や官公庁、病院、福祉施設など高齢者や障害者等が日常生活において利用する施設が集まった地区において、面的・一体的なバリアフリー化の方針を区市町村が示すものです。 なお、促進方針策定後、移動等円滑化の状況について概ね5年ごとに調査するとともに、社会情勢の変化、バリアフリーをとりまく環境、技術、人々の意識等を踏まえ、必要に応じて促進方針の見直しを検討します。   表 1−1 促進方針に示す事項 バリアフリー法で規定する事項 移動等円滑化の促進に関する基本的な方針 対応する内容 位置づけ、取り組むべきバリアフリーの考え方 バリアフリー法で規定する事項 促進地区の位置及び区域 対応する内容 促進地区の位置、地区の範囲、境界設定の考え方 バリアフリー法で規定する事項 生活関連施設及び生活関連経路並びに、これらにおける移動等円滑化の促進に関する事項 対応する内容 生活関連施設・生活関連経路の設定、高齢者、障害者等の当事者意見を踏まえたバリアフリー化促進に向けた配慮事項 バリアフリー法で規定する事項 移動等円滑化の促進に関する住民その他の関係者の理解の増進、及び移動等円滑化の実施に関するこれらの者の協力の確保に関する事項 対応する内容 住民その他の関係者における障害の理解や協力の必要性・重要性、取り組むべき心のバリアフリーの考え方 バリアフリー法で規定する事項 行為の届出に関する事項 対応する内容 旅客施設、道路の新設等の際の届出に関する事項 バリアフリー法で規定する事項 情報の収集、整理及び提供に関する事項 対応する内容 バリアフリーマップ等の作成・活用に向けた施設等からの情報収集の取組み バリアフリー法で規定する事項 その他必要な事項 対応する内容 上記以外のソフト施策、地域特性に応じた施策等 4ページ目 図 1‐2、促進地区・生活関連施設・生活関連経路のイメージの図があります 5ページ目 1.4 世田谷区におけるユニバーサルデザイン推進の取組み (1) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例 本区では、「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というUDの考え方に基づき、生活環境の整備を推進していくための基本的な事項を定めることにより、区民の社会的な自立及び社会参加の機会を確保し、より安全で安心して快適に住み続けることのできる地域社会の実現を図ることを目的として、UD推進条例を平成19年4月に施行しました。 UD推進条例では、不特定又は多数の者が利用する施設を公共的施設として定め、整備基準への適合努力義務、遵守基準への適合義務を課しています。 <公共的施設> 官公署の事務所等の公共施設、病院、劇場、集会場、物品販売業又はサービス業を営む店舗、鉄道の駅、学校、道路、公園その他不特定又は多数の者が利用する施設で、規則で定めるもの。   (2) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画 UD推進条例の理念を具現化するため平成21年3月、条例第7条に基づき、UD推進計画を策定し、その中で、生活環境の整備に関する目標、基本方針を基に毎年度、施策・事業の状況を点検し、評価と改善を行うスパイラルアップ(「点検→事後評価→改善の事業への反映」の手順を繰り返し、継続的な発展を目指す方法)の仕組みを取入れ、UDの取組みを着実に進めてきました。 UD推進計画では、整備の推進にあたり、公共的施設及び集合住宅の生活環境の整備を積極的に推進する必要があると認める地区を推進地区に指定しています。 (参考3:参照) 施設整備マニュアル 「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」で定められた基準について、図を用いながら具体的に分かりやすく解説した内容をまとめたA4サイズの冊子です。 推進計画について 平成21年に「世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画」を策定し、現在は、「世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)(後期)」として計画を進めています。 6ページ目 推進地区 図 1−3、推進地区の図があります。 UD推進計画をもとに作成 7ページ目 ■梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区  「やさしいまちづくり」をテーマに、区民参加による道路整備、サイン整備など様々な実績を積み重ねてきています。近年、都立梅ヶ丘病院の跡地を使い、保健医療福祉の拠点「うめとぴあ」が整備されるなど、世田谷区都市整備方針の中で《保健福祉の街づくり重点ゾーン》に位置づけられています。   ■区役所周辺地区  区役所周辺地区では、「ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業(東京都モデル事業)」として、松陰神社通りを中心に、区民主体による積極的なユニバーサルデザインまちづくりを進めてきました。  また、区役所をはじめ区民会館や保健所、図書館、法務局、都税事務所などの公共施設が多く立地しています。   ■千歳烏山駅〜芦花ホーム周辺地区  住民、事業者、行政の協働の場「烏山ネット・わぁ〜く・ショップ」を中心として、区と区民が協働で『できることから実現しよう』を合い言葉に、駒大グランド前バス停の改善、リーディングラインの整備などバリアフリー整備を実現してきました。   ■成城学園前駅周辺地区  住民組織「バリアフリーの街 成城を考える会」が中心となり、駅施設のバリアフリー点検の実施や、商店街の店舗・通学路のバリアフリーマップを作成しました。また、区と協働で成城学園前駅駅施設等のバリアの改善等を行い、駅周辺の商店街のバリアフリー化に取り組んでいます。   ■深沢1〜4丁目周辺地区  「ねたきりゼロをめざす会」が中心となり、『できることから始めよう』との掛け声で道路等の段差の改善等を進めるとともに、区と住民との協働で呑川緑道の整備について検討し、竣工させました。   8ページ目  第2章 現状と課題 2.1 区の概況 (1) 人口、高齢者、障害者、外国人、乳幼児の状況 1) 人口 * 本区の総人口は約92万人、総世帯数は約49万世帯であり、令和2年までは増加していましたが、近年は横ばいの傾向にあります。 図 2‐1、人口・世帯数の推移の図があります。 2) 高齢者 * 高齢者数(65歳以上)は186,486人で、高齢化率は20.3%であり、近年、高齢化率は横ばいの傾向にありますが、高齢者数は増加しています。 図 2‐2、高齢者数・高齢化率の推移の図があります。 出典:世田谷区HP統計情報館(各年4月1日) 9ページ目 3) 障害者 * 障害者数は31,342人で、総人口に対する割合は3.4%となっています。そのうち、身体障害者数は19,528人で、肢体不自由が最も多く8,891人となっています。また、知的障害者数は4,366人、精神障害者数は7,448人となっています。 図 2‐3、障害者数の推移の図があります。 出典:世田谷区保健福祉総合事業概要(令和4年9月) 4) 外国人 * 外国人人口は20,977人で、総人口に対する割合は2.3%となっています。新型コロナウイルス感染症の拡大以前は増加傾向にありましたが、現在は減少傾向にあります。 図 2−4、外国人人口・構成比の推移の図があります。 出典:世田谷区HP統計情報館(各年4月1日) 10ページ目 5) 乳幼児 * 乳幼児人口は40,550人で、総人口に対する割合は4.4%となっています。人口及び構成比のいずれも減少傾向にあります。 図 2−5、乳幼児人口・構成比の推移の図があります。 出典:世田谷区HP統計情報館(各年4月1日) 11ページ目 (2) 道路網 本区内の道路は、都市計画道路とそれを補完する主要生活道路によりネットワークが構成されています。環七通り、環八通り、甲州街道(国道20号線)、玉川通り(国道246号線)、目黒通りといった都市の骨格を形成する幹線道路は整備済みですが、都市計画道路の整備率は5割弱で、主要生活道路の整備率も4割弱と低く、主に区の西側地域に道路のネットワークが不充分な地域となっています。   図 2−6、幹線道路網の図があります。 世田谷区道づくりプランより 12ページ目 (3) 公共交通の状況 1) 鉄道 本区内に駅のある鉄軌道は、小田急、東急、京王の各電鉄の7路線、合計41駅あり、主に東西方向の移動手段として利用されています。 ※京王線と京王井の頭線の明大前駅、東急田園都市線と東急大井町線の二子玉川駅、小田急小田原線と京王井の頭線の下北沢駅は1駅とする。 <路線毎の駅数> 小田急小田原線 (10駅) 東急田園都市線 (6駅) 東急大井町線 (5駅) 東急目黒線 (1駅) 東急世田谷線 (10駅) 京王線 (7駅) 京王井の頭線 (5駅) <乗降客数の多い主な駅> 明大前駅 (約30万人/日) 二子玉川駅 (約17万人/日) 下北沢駅 (約16万人/日) 三軒茶屋駅 (約9万人/日) 出典:世田谷区統計書(令和3年) ※乗換乗降客数を含む。 2) バス 本区内の路線バスは、4社・1局により83路線運行されています(平成30年4月現在)。その内10路線がコミュニティバスとして運行されています。 区内の路線バスは南北方向等の移動手段として、約14万人/日に利用されています。 <バス事業者> 東急バス   49路線 小田急バス  23路線 京王バス   8路線 関東バス   3路線 都営バス   1路線 (共同運行含む) 公共交通機関対策等特別委員会資料、世田谷区統計書より 13ページ目 図 2−7、公共交通網の図があります。 令和2年度世田谷区バリアフリー化状況調査報告書をもとに作成 14ページ目 2.2 バリアフリー化の現状と課題 (1) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例に基づく取組み 1) 公共的施設の整備 * UD推進条例により不特定又は多数の者が利用する施設で、特に生活環境の整備を推進する必要がある建築物、道路、公園、駅などの公共交通施設等を規則で定める用途・規模以上で新設又は改修する際、事前の届出を義務づけ、指導・助言及び審査を行うことにより、区立の建築物だけでなく民間等の建築物も含めたUDによる整備を推進しています。 * UD推進条例に定められた整備基準又は遵守基準に適合した建築物では、建築物の敷地に接する道等から主要な出入口を経て利用居室等までの経路、エレベーター、トイレ等の設備について、円滑な利用に配慮した整備が行われています。 2) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画に基づく取組み * 令和元年度よりUD推進計画(第2期)の後期計画を進めており、25の施策・事業に基づき、生活環境の整備を進めています。 * ハード面の取組みでは、区立施設のUDによる整備、改修等の機会をとらえた学校施設の整備、鉄道駅におけるホームドア整備の促進、歩きやすい歩道の整備、多様なニーズに対応した公園の整備などを実施しています。 * ソフト面の取組みでは、UDの普及啓発活動、UD情報の活用、情報のUDガイドラインの作成・普及、UDによる区有施設の整備、多様な情報媒体の普及・活用の推進、職員研修等を推進しています。 UD推進条例に基づく取組みにより、一定のバリアフリー化が図られているが、公共交通や道路、信号機等などを含めた面的・一体的なバリアフリー化が図られていないため、それらを推進する枠組みが必要である。 UD推進条例、整備基準適合証シールの写真があります。 UD推進条例、遵守基準適合証シールの写真があります。 15ページ目 (2) 交通バリアフリー法に基づく取組み * 三軒茶屋駅周辺地区を対象に、交通バリアフリー法に基づく交通バリアフリー基本構想が平成17年度に策定されました。この構想では、三軒茶屋駅とその周辺の道路について、交通バリアフリーの実現を図るため、鉄道事業者や道路管理者等が平成22年度までに取り組む事業などを示しました。 * 主な事業の成果としては、田園都市線三軒茶屋駅構内におけるエレベーター及びバリアフリートイレの設置、三軒茶屋交差点における横断歩道の新設、玉川通りや世田谷通りにおける視覚障害者誘導用ブロックの整備・改修、茶沢通りの歩道改修、横断歩道の音響信号機・エスコートゾーンの設置等が挙げられます。 * 基本構想策定時において長期課題となっていた田園都市線三軒茶屋駅南口の改札階から地上までのエレベーター設置については、令和元年6月に実現しました。 * 特定経路の整備により歩道のバリアフリー化を推進しました。 交通バリアフリー法に基づき、三軒茶屋駅周辺地区において交通バリアフリー基本構想を策定し、鉄道駅や周辺道路等について目標としたバリアフリー化が概ね図られたが、交通バリアフリー法からバリアフリー法に改正されたことに伴い、新たな基準も追加されたことから、現行法に合わせ、区全地域に方針を定める必要がある。 三軒茶屋交通バリアフリー基本構想についての写真があります。 16ページ目 (3) 各施設のバリアフリー化の現状 1) 公共交通 @ 鉄道 * 本区内にある全駅について、出入口から改札口を経てプラットホームまでのバリアフリールートの確保、バリアフリートイレの設置(一部の軌道駅を除く)、視覚障害者誘導用ブロックの設置等のバリアフリー化が完了しています。 * プラットホームにおける転落防止については、15駅(令和4年4月現在)でホームドアが整備済みであり、それ以外の駅では、内方線付き点状ブロックが整備済みです。 * ソフト面の取組みとして、接遇・介助に関する社内研修の実施、声かけサポート運動などの広報・啓発活動の実施などが行われています。 * 構造面等の理由から、エレベーターの増設やホームドアが設置されていない駅もあります。 表 2‐1 区内の鉄道駅ホームドア整備状況 路線名 小田急小田原線 駅名 東北沢、下北沢、世田谷代田、梅ヶ丘 今後の目標・予定 1日の利用者数が10万人以上の駅へ優先して設置 路線名 東急田園都市線 駅名 池尻大橋、三軒茶屋、駒沢大学、桜新町、用賀、二子玉川 今後の目標・予定 なし 路線名 東急大井町線 駅名 九品仏、尾山台、等々力、上野毛、二子玉川 今後の目標・予定 なし 路線名 東急目黒線 駅名 奥沢 今後の目標・予定 なし 路線名 京王線 今後の目標・予定 全駅整備に向け検討を進める 路線名 京王井の頭線 駅名 下北沢 今後の目標・予定 なし 資料:各鉄道事業者のホームページ(令和4年6月現在) A バス * 本区内の路線バスは、全てノンステップバスにより運行されています。 * 車椅子使用者の乗降介助や聴覚障害者に対する筆談対応など、乗務員による接遇・介助が実施されており、そのための社内研修が実施されています。 * 区はこれまでに119基(令和4年4月現在)のベンチを停留所に設置するとともに、バス事業者へ補助することにより24基の上屋の(令和4年4月現在)整備を促進しました。一方、道路幅員上の制約から、ベンチ設置後の十分な歩道幅員の確保や上屋整備が進まないといった課題もあります。 上屋が整備されたバス停の写真があります。 17ページ目 B タクシー * 本区内の一部のタクシー事業者においては、UDタクシー車両の導入に取組んでいますが、導入に至らない事業者もいる状況です。 * 車椅子使用者やベビーカー使用者の乗降介助や聴覚障害者に対する筆談対応など、乗務員による接遇・介助が実施されており、そのための社内研修が実施されています。 UDタクシーの写真があります。 UDタクシーの表示の写真があります。 2) 道路 * 道路のバリアフリー化のため、歩車道の段差解消、舗装更新、視覚障害者誘導用ブロックの設置・改修などが実施されています。 * ソフト面の取組みとして、道路パトロールや放置自転車クリーンキャンペーンなどが実施されています。 * 道路と沿道建築物等とのすり付けや、十分な歩行者空間の確保ができていない箇所もある状況です。 道路パトロールの写真があります。 放置自転車の撤去の写真があります。 3) 信号機等 * 「交通バリアフリー基本構想」における重点整備地区や、区役所周辺、梅丘駅周辺などに、横断歩道の音響式信号機の設置・改良や、エスコートゾーンが整備されています。 エスコートゾーンの写真があります。 18ページ目 4) 都市公園 * 東京都によるインクルーシブ公園の整備など、公園整備事業として先進的な取組みが実施されています。 * トイレの整備については、地区公園や運動公園といった規模の大きい公園ではバリアフリー化が実施されています。その他の街区公園などでは、改修の機会を捉えバリアフリー化に取組んでいます。 インクルーシブ公園(砧公園)の写真があります。 5) 建築物 * UD推進条例に基づいた建築物の基準適合数は増加傾向にあり、施設のバリアフリー化やUDの考え方の理解が広まっています。 * 公共施設では、エレベーター扉のガラス窓や、トイレの大型ベッドなどの施設整備については、改修の機会を捉え実施しています。 6) 区民参加 * 昭和56年の「国際障害者年を契機に、昭和57年より「梅丘ふれあいのあるまちづくり」をはじめ、その後も5つの総合支所での推進地区での取組みにおいても区民参加によるUDまちづくりを展開してきました。 区民参加の様子の写真があります。 UD推進条例等により一定のバリアフリー化が図られているが、バリアフリー法や移動等円滑化整備ガイドラインの改正内容(バリアフリーのまちづくりに向けた地域における取組の強化、踏切道での視覚障害者の誘導について等)を踏まえ、さらなるバリアフリー化の推進が必要である。 19ページ目 2.3 促進方針の策定に向けた課題  バリアフリー化の現状を踏まえ、促進方針の策定に向けた課題を以下に示します。 課題1:UD推進計画と一体的な施策の推進  これまでのUD推進条例及びUD推進計画における取組みとの一体的なバリアフリー化を図るためには、UD推進条例による新設・改修時における整備基準や遵守基準への適合義務や適合努力義務を課す枠組みを活用しつつ、既存施設についても、バリアフリー法の枠組みを活用し、道路や旅客施設などのバリアフリー化の促進を図る必要があります。  また、信号機や横断歩道へのエスコートゾーンの整備などの交通安全については、UD推進条例による事業が位置づけられていないため、促進方針に位置づけ、補完していく必要があります。  これらの補完関係を明確にしつつ、UD推進計画と一体となってUD推進を図る促進方針とする必要があります。   課題2:バリアフリー法の枠組みを活用した区全域におけるバリアフリー化の促進  公共交通では一定のバリアフリー化が完了していますが、ホームドアの整備促進や役務の提供に関する取組みなど、さらなるバリアフリー化に向けた取組みを推進していく必要があります。  また、心のバリアフリーの推進、小中学校での教育・啓発、最新の技術を含めた情報のバリアフリーの推進など、区全域におけるバリアフリー化の促進に向けた方針を位置づける必要があります。   課題3:促進地区の選定要件を踏まえた今後の取組みのモデルとなる地区の設定  UD推進条例では推進地区の枠組みがありましたが、整備は推進地区内での限定的な取組でした。その他の地域では、施設の新設・改修時を機会に実施していく局所的・即地的な整備となっています。  既存の推進地区の考え方に加え、促進地区を設定することで、施設設置管理者との連携・協力のもと一体的に推進する必要があります。  促進地区の設定にあたっては、選定要件を踏まえ、本区のUD推進を図る上で、今後の取組みのモデルとなる地区の選定の必要があります。 20ページ目 第3章 促進方針の基本目標と基本的な考え方 3.1 促進方針の基本目標  本区は、東京2020大会の共生社会ホストタウンの中から、UDのまちづくりや心のバリアフリーの取り組みが評価され先導的共生社会ホストタウンに認定されました。このことを契機として、UD推進条例、UD推進計画、その他関連条例、関連計画などの取組みを推進し、「障害のあるなしにかかわらず、だれもが自分の力を発揮し自然に支え合って生きていける社会」の実現を目指していこうとしています。  こうした取組みを更に推進するため、バリアフリー法による促進方針制度を活用し、様々な事業者の連携・協力し、施設利用と移動に関するバリアフリー化を促進するため以下に3つの基本目標を示します。 基本目標1 UD推進条例を補完し、一体的な施策推進により区全域の底上げを図る。 基本目標2 教育や啓発による心のバリアフリーを推進するため、全区的に取り組む内容を具体的に示す。 基本目標3 「モデル地区」を促進地区として設定し、磨きをかけて他地区へ展開する。 21ページ目 3.2 促進方針の基本的な考え方  2.3促進方針の策定に向けた課題を踏まえ、本方針におけるバリアフリー化促進に向けた基本的な考え方を以下に示します。  ○UD推進計画と一体的な施策の推進による区全域の底上げ  バリアフリー法に基づく促進方針を定めることにより、UD推進条例やUD推進計画を補完し、一体的な施策の推進による区全域のバリアフリー化やUDの底上げを図ります。    ○区全域のバリアフリー化の促進  バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準や整備ガイドラインを踏まえ、区全域で取り組むべき方針を具体的に定めることにより、バリアフリー化の促進を図ります。また、ハード面のみならずソフト面において施設設置管理者は心のバリアフリーの推進、教育・啓発、最新の技術を含めた情報のバリアフリーの推進などにより、ソフト面でのバリアフリー化を促進します。   ○「モデル地区」の促進地区への設定・他地区への展開  これまで本区は、他の行政をリードするような先駆的な取組みを実践してきました。その中でも最もバリアフリー化に取組んできた地区を促進地区として設定し、「モデル地区」として更に磨きをかけ、他地域へ展開することで、UDのまちづくりを推進します。   図 3‐2、UDの階層的な推進・促進のイメージ図があります。 22ページ目から23ページ目 促進方針の全体構成の図が2ページ分あります。 24ページ目 第4章 区全域における方針 区全域におけるバリアフリー化の取組を促進していくにあたり、施設整備などによるハード面におけるバリアフリー化とあわせて、心のバリアフリーや情報のバリアフリーなどのソフト面におけるバリアフリー化の促進が必要です。 国の障害者権利条約の批准により、「障害の社会モデル」の考え方が明確にされたことや、区が先導的共生社会ホストタウンに認定されたことなどにより、さらなる心のバリアフリーの推進が求められています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、事業者や住民による高齢者、障害者等への声掛け・介助の機会が困難になったことから、当事者の生活に大きな支障を来しています。 これらを踏まえ、区の関連計画とも連携するとともに、これまでのUD推進条例、UD推進計画による取組み状況やまち歩きワークショップでの意見等(参考4:参照)を踏まえ、区全域におけるバリアフリー化の4つの方針を定め、それらの取組みを推進します。   施設のバリアフリーの促進 公共交通、道路、公園、建築物、交通安全に関する整備基準等に基づく質の高いバリアフリー整備を行い、各事業者と連携・協力し、移動の連続性も配慮したうえで、施設のバリアフリー化の促進を図ります。   情報のバリアフリーの促進 道路上の公共サインや鉄道駅内外の案内誘導サインの連続性の確保、掲載情報の内容の更新、WEB上の案内など、移動に関する情報のバリアフリー化に向けた取組みの促進を図ります。   心のバリアフリーの促進 理解、接遇、交流といったことばをキーワードに、心のバリアフリーのさらなる推進に向け、行政、各施設設置管理者、区民が連携・協力し様々な取組みの促進を図ります。 商店街におけるバリアフリーの促進 商店街でこれまで実施されてきたハード・ソフト一体的な取組みを「移動等円滑化における世田谷らしさ」と捉え、商店街との連携・協力により楽しく安心して歩ける環境の創出に向けた取組みの促進を図ります。   25ページ目 4.1 施設のバリアフリーの促進 公共交通、道路、公園、建築物、交通安全施設、駐車場等の個々の施設について、関連する条例や計画、基準等(参考5:参照)に基づいた施設整備に加え、接し合う施設の各事業者が連携・協力し、施設間移動の連続性に配慮した面的一体的な施設のバリアフリー化を促進します。また、踏切など道路と公共交通施設とが交差し合う場合も連携協力し、バリアフリー化を促進します。 施設のバリアフリーの促進についての図があります。 26ページ目 (1) 公共交通  公共交通施設では、移動等円滑化基準やガイドランに基づいた整備の推進により、バリアフリー化の促進を図ります。 1) 鉄軌道  ソフト面においては、バリアフリー法の改正により、公共交通機関における役務に関する遵守義務が課せられたことから、人的対応の充実や、心のバリアフリーの普及啓発を促進します。また、やむを得ず無人改札口になるとしても、すべての人が安全で安心して利用しやすい駅施設となるよう努めます。  鉄道事業者は、施設の利用状況を踏まえた上で、バリアフリールートの2ルート目の確保や、可動式ホーム柵の設置、エレベーターの大型化など、施設のさらなるバリアフリー化に努めます。 2) バス  バスについては、駅前広場のバリアフリー化や、区道のバス停留所へのベンチの設置に取組むとともに、バス事業者に対しベンチや上屋の設置を促します。  バス事業者は、運行情報提供装置などの整備や、筆談具・コミュニケーションボード等の設置、運転手への多様な利用者を考慮した接遇研修の定期的な実施に努めます。 3) タクシー  タクシーについては、乗務員への多様な利用者を考慮した接遇研修の定期的な実施や、UDタクシーの導入、筆談具・コミュニケーションボード等の設置など、各タクシー事業者をとりまとめるタクシー協会などに対し、積極的に促していきます。   無人駅・無人改札における安全で円滑な利用に向けた取組み 近年、少子高齢化の進展等による鉄道利用の減少や人手不足に対応するため、無人駅や無人改札が増加する傾向にあります。そういった中、障害当事者から無人駅を利用する際の安全、円滑な利用に係る問題点や要望等が寄せられたことなどを受け、障害当事者団体・鉄道事業者及び国土交通省の三者による議論を経て、令和4年7月に「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン」が策定されました。 ガイドラインでは、障害当事者の要望を踏まえた鉄道事業者の環境整備の重要性や地域との連携の必要性、先行事例、望ましい無人駅のイメージなどが示されています。各鉄道事業者には、こうした理想を共有するとともに、先行事例も参照しつつ、今後の駅運営をどのように行うべきかを検討することが求められています。 ガイドラインが描く望ましい無人駅のイメージ図があります。 27ページ目 2人乗りや大型のベビーカーのバス利用時における利便性向上に向けた取組み 乗合バス事業者の中には、2人乗りベビーカーや大型ベビーカーは一般的なベビーカーに比べてサイズが大きく、通路を塞ぐ等の理由で折りたたまないと乗車できないという取り扱いをしているところもあります。しかしながら、2人乗りベビーカー使用者からは複数の乳幼児を抱えてベビーカーを折りたたむのは困難との声も上がっており、利便性の向上の観点から、国やバス事業者により、様々な取り組みがなされています。 都営バスでは、令和3年6月から全ての路線において、2人乗りベビーカーに子どもを乗せたまま乗車できる取扱いを実施しています。 今後も2人乗りベビーカー使用者の利便性向上に向けて、バス事業者によるハード面の整備にあわせて、ベビーカー使用者による利用ガイドの遵守や、バス利用者の理解促進が必要とされています。 出典:東京都交通局ホームページより 横型2人乗りベビーカー固定イメージの写真があります。 ユニバーサルドライバー研修 高齢者や障害者などの社会進出が目覚ましい昨今、「お客様の多様なニーズや特性の理解、円滑なコミュニケーションの確保など、タクシー乗務員の接遇と介助の向上」を目指しタクシー事業者団体が業界を挙げて実施している研修です。 研修を通して、タクシーとユニバーサル社会、お客様とのコミュニケーション、お客様の理解と接遇などの基本事項等の講義、実際に車椅子を利用した演習などを実施します。 出典:一般財団法人 全国福祉輸送サービス協会ホームページより 研修風景の写真があります。 28ページ目 (2) 道路  道路については、区全域において、UD推進条例等に基づいた整備を推進します。整備後についても、適切な維持管理を行うことで、継続的な利用者の利便性の確保を図ります。また、踏切については、各鉄道事業者と協力し、多様な利用者に配慮した安全性が確保できるよう、検討を進めます。  幹線道路の歩道橋設置個所については、当該幹線道路の管理者がエレベーターなどバリアフリーに配慮した立体横断施設の設置及び設置後の維持管理に努めます。 歩車分離されていない道路での、踏切道に接続する箇所における視覚障害者誘導用ブロック等の設置事例  奈良県大和郡山市では、令和4年4月25日に近畿日本鉄道橿原線と大和郡山市道が交差する踏切道において、視覚に障害のある方が列車に接触し亡くなられるという痛ましい事故が発生しました。この事故を受けて、大和郡山市は、県内の視覚障害者団体の意見を踏まえ、視覚障害者が踏切の存在を認知できるよう、踏切道の手前部に視覚障害者誘導用ブロックを設置するとともに、踏切内に「表面に凹凸のある誘導表示」を設置しました。  なお、当該道路は歩道が設けられておらず、車道外側線の外側の空間も狭小であるため、視覚障害者誘導用ブロックの一部を車道にはみ出す形状により、点状の警告ブロックを設置しています。  世田谷区でも、踏切道に接する歩道のない道路が存在するため、視覚障害者誘導用ブロック等の設置方法について、国の検討状況も踏まえながら、考えていく必要があります。 出典:道路の移動等円滑化に関するガイドライン(国土交通省道路局)より 踏切前手前部に視覚障害者誘導用ブロックを設置した事例の写真があります。 29ページ目 (3) 交通安全  公安委員会の協力のもと、音響式信号機の増設や通信装置を付加した信号機の設置、横断歩道へのエスコートゾーンの設置を推進し、新しい技術の導入を検討しながら区全域におけるバリアフリー化の促進を図ります。 (4) 都市公園  都市公園に関連する条例や計画、基準等に基づいて施設整備を推進していきます。  また、清掃や維持管理を適切に行い、公園内の設備やトイレなどが安心して利用できるよう留意します。 (5) 建築物  世田谷区建築物整備・保全計画における整備予定の公共施設や、特別特定建築物に位置づけられた公共的施設及び公立小中学校※1に対し、移動等円滑化基準や各種ガイドライン、UD推進条例、本方針(4.2移動等円滑化に関する事項)等に基づいた整備の推進を積極的に促します。 ※1:令和2年6月の改正バリアフリー法において、バリアフリー基準適合義務の対象を拡大し、新たに特別特定建築物に位置づけられている。    「外出を支える座れる場の多い安心なまち」「居心地よく歩きたくなるまちなか」を創るため、「世田谷区座れる場づくりガイドライン(H30.3)」や「世田谷区路上ベンチ等設置指針(R3.8)」を策定し、通行の安全、沿道住民の理解を得ながら、ベンチ設置に取組んでいます。  先導的共生社会ホストタウンであり、国の提唱するウォーカブル推進都市に賛同している本区は、東京2020大会の馬術競技会場近くのけやき広場(上用賀2丁目)に、蹄鉄をモチーフとしたベンチを設置しました。毎日多くの方に利用されています。 座れる場づくりガイドラインの写真があります。 けやき広場に設置された蹄鉄型ベンチの写真があります。 30ページ目 4.2 情報のバリアフリーの促進 移動や施設利用にあたり、すべての人が必要な情報を必要な時に適切に得ることができるようにするため、以下の取組みを実施し情報のバリアフリー化の促進を図ります。 (1)事前の情報収集の円滑化 施設設置管理者等への施設ホームページへのバリアフリー情報の掲載や更新の促進 (2)現地での情報提供 案内サインや ICT を活用した情報提供機器の設置、窓口担当者への心のバリアフリーや情報のバリアフリーの普及・啓発の推進 (3)情報保障の充実 催事や会議等における興行主や施設管理者に対する情報保障の充実の促進   情報のバリアフリーとは、移動や施設利用にあたり、すべての人が必要な情報を必要なときに適切に得ることができるようにすることです。 情報提供にあたり、高齢者や障害者など情報を得ることが困難な人に対して、それぞれのニーズを踏まえ、その人に合った手段で情報を伝えることが必要です。手段としては、音声や文字による情報化のほか、図記号や多言語表記、手話、筆談、拡大文字、音声翻訳システム、ICTを活用した情報機器等があります。 また、情報の発信だけではなく、常に受け手の状況を確認するとともに、情報の受け手側から発信者に要望等を伝えることも重要です。 そこで、施設利用者の事前の情報収集を円滑にするため、施設設置管理者等に対して、施設ホームページへのバリアフリー情報(バリアフリー設備や人的サポートの内容等)の掲載や更新を促します。 また、利用者への現地での情報提供として、案内サインやICTを活用した情報提供機器の設置、窓口における多様な利用者に配慮した適切なコミュニケーションなどに取り組んでもらえるよう、心のバリアフリーとあわせて、情報のバリアフリーの普及・啓発を推進します。 さらに、催事や会議等においては、事前の情報提供だけでなく、参加者の状況にあわせた情報保障への配慮も必要です。その対応は興行主や施設管理者に委ねられていますが、それらに対して情報保障の充実を促します。 これらの取組みを不特定多数の利用が見込まれる施設や主要道路、商店街等で実施することで、区全域における情報のバリアフリー化の促進を図ります。 図 4‐1、多様な人に配慮した情報の種類のイメージ図があります。 31ページ目 4.3 心のバリアフリーの促進 「移動が大変な人」、「どこに何があるかが見えない人」、「動作がゆっくりの人」、「ブザーやアナウンスが聞こえない人」など、様々な人が、安全で安心して不便や不自由なく行きたいところに気持ちよく行けるバリアフリー社会が求められています。 「不便さ」、「不自由さ」は、機械や設備だけで解決できるものではなく、一人ひとりが、高齢者や障害者の気持ちになって考え、協力していくことが心のバリアフリーです。 行政、各施設管理者、区民が連携・協力し心のバリアフリーを促進します。 心のバリアフリーとは、障害に対する差別や理解不足からくる「こころの障壁(バリア)」をなくし、障害の有無にかかわらず、共に支え合う地域社会の実現を目指すことです。障害の社会モデル※を理解し、障害者等からの何らかの配慮を求められた際には、支援や周囲への声掛け等の合理的配慮を行うことが必要です。 また、令和3年4月の改正バリアフリー法においては、車両の優先席、車椅子使用者用駐車施設等の適正利用の推進や学校教育との連携など移動等円滑化に係る「心のバリアフリー」に関する施策を強化しています。このことを踏まえ、区では以下に示す取組みについて促進を図っていくものとします。 ※ 障害の社会モデル:障害は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは、社会の責務である、という考え方。 1 理解 ・障害当事者による講座やワークショップを実施するなど、様々な人の理解を深める。 2 接遇 ・公共交通機関などでの人的対応の充実を図る。 ・心をこめたコミュニケーションとちょっとした気づかいを実践した接遇の普及を図る。 3 交流 ・障害者がスポーツ・レクリエーションに親しむ機会の充実。 ・スポーツ・レクリエーション活動を通じた障害のある人とない人の交流促進を図る。 32ページ目 理解・接遇・交流をキーワードとした取組み * 区の職員に対して、障害理解の促進や、多様な利用者に配慮した接遇に関する研修を実施します。 * 区のUDやバリアフリーに関する取組みについて、区民や事業者に対し、広く周知するイベントを開催します。 * 障害理解の促進に向けて、区民に対して障害当事者による講座やワークショップを実施します。 * 商店へのパンフレット「みんなが嬉しくなるお店」の普及や、商店街が一体となったバリアフリー化の取組の推進を図ります。 * ヘルプマーク・ヘルプカードの配布や普及を推進します。 心のバリアフリーシンポジウムにおけるまち歩き点検の様子の写真があります。 せたがや・障害者・まち!交流塾の写真があります。 心のバリアフリー実践マニュアルの写真があります。 「子育てにやさしい移動環境の整備に向けたポスター(国土交通省)」の写真があります。 みんなが嬉しくなるお店の写真があります。 * 障害の有無にかかわらず楽しめるスポーツイベントの推進を図ります。 2020ボッチャ世田谷カップの写真があります。 「障害のある人もない人も共に楽しめるスポーツ・レクリエーション交流事業」の写真があります。 33ページ目 4.4 商店街におけるバリアフリーの促進 商店街のバリアフリーは、「施設」、「情報」、「心」それぞれを充実させたモデルケースにもなります。梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区および区役所周辺地区の商店街でこれまで実施されてきた取組みを、移動等円滑化における世田谷らしさと捉え、ハード・ソフトの一体的なバリアフリー事例として更に磨きをかけ、区全域に展開していくことで、商店街におけるバリアフリーを促進していきます。 梅丘商店街では、店舗出入口に段差解消スロープなどを設置したり、点字メニューや筆談ボードを常備したりするなどの取組みを展開している店舗があります。 また、松陰神社通り商店街では、道路構造を変えて店舗出入口と歩道の段差を解消し、フラットで歩きやすい道路とし、視覚障害者誘導用のリーディングラインを整備するなど、障害者が暮らしやすい独自の取組みを数多く展開してきました。 一時的に使用するための段差解消スロープの設置例の写真があります。 店舗入り口に設置した段差解消スロープを使用している様子の写真があります。 34ページ目 第5章 促進地区  本区では、福祉のまちづくりに関する先駆的な取組みを実践してきました。その中でも最もバリアフリー化に取組んできた地区を促進地区として選定します。  この促進地区は、シンボル的な位置づけの「モデル地区」として、配慮事項の施設管理者、商店街等への周知啓発に加え、4つの方針の実践による具現化や情報発信を進めます。こういった取組みを区全体へ展開していくことにより、区全体のUDのまちづくりをレベルアップさせます。 5.1 促進地区の選定 (1) 促進地区の検討・選定  モデル地区として最も効果の高い地区を促進地区に設定するにあたり、5つの総合支所管内におけるUD推進地区の中から、推進地区での取組み実績、バリアフリー法に基づく三要件(効果要件、課題要件、配置要件)を踏まえ検討した結果、「梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区」と「区役所周辺地区」を包括する『世田谷区役所周辺地区』を促進地区に選定します。 図 5‐1、推進地区・促進地区の位置図があります。 35ページ目 表 5‐1バリアフリー法に基づく三要件 配置要件 生活関連施設があり、かつ、それらの間の移動が通常徒歩で行われる地区 課題要件 生活関連施設及び生活関連経路についてバリアフリー化の促進が特に必要な地区 効果要件 バリアフリー化を促進することが、総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切な地区 (2) 世田谷区役所周辺地区を促進地区とする理由 ◆拠点性の高さ ・世田谷区都市整備方針の中で、地域生活拠点となっている梅ヶ丘、区役所周辺地区を含み、また、都市計画道路補助第154号線は、主要生活交通軸となっている。 ・区の核となる公共施設である世田谷区役所があり、区民の公的利用が多いなど区の中でも重要性及び拠点性が高いこと。 ・梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区は、区で唯一の《保健福祉の街づくり重点ゾーン》に位置づけられており、UD推進の必要性が高いこと。 ◆これまでの実績(参考6:参照) ・梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区では、「やさしいまちづくり」のモデル地区として公共施設のバリアフリー化を進めてきており、その後も推進地区として、道路や広場などのUDを推進し、世田谷区らしい、やさしいまちづくりを推進してきていることから、区のモデル的なエリアとして展開が図れること。 ・区役所周辺地区は、推進地区として松陰神社通り商店街の事業者や地域住民との協働により、松陰神社通りのバリアフリー化整備を実施した経緯・実績があり、区のモデル的なエリアとして展開が図れること。 ◆今後の展開 ・区役所本庁舎の建替事業を現在行っており、あわせて区役所周辺におけるバリアフリー化の促進を図って行く必要があること。 ・高齢者・障害者等の利用が多い主要な公共施設や民営施設等が徒歩圏に位置しており、面的・一体的なバリアフリー化推進の効果が高いこと。 ・これまでバリアフリー化に早くから取組んできた両地区のバリアフリー状況を再評価することで、更なるバリアフリー化、UDを促進するための方針を整理することができ、他地区へ展開が可能なこと。 36ページ目 (3) 促進地区の区域設定  前項で選定した促進地区「世田谷区役所周辺地区」の区域設定は、以下の考え方に基づき設定します。 @ 推進地区である2地区(梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区、区役所周辺地区)及び、2地区間のネットワークを構成する経路を含む区域とします。 A @の区域を含むように、幹線道路や鉄軌道等により、区域の境界線を設定します。(東側:環七通り、西側:東急世田谷線、南側:世田谷通り、北側:東急世田谷線松原駅と京王井の頭線東松原駅を結ぶ道路及び京王井の頭線) 図 5‐2、促進地区の図があります。 37ページ目 (4) 生活関連施設、生活関連経路の設定 1) 生活関連施設の設定  促進地区内において、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、公共・公益施設、文化・教育施設、保健・福祉施設、医療施設、商業施設、都市公園などを生活関連施設に設定します。   表 5−2 生活関連施設の抽出条件 項目 旅客施設 抽出条件 鉄軌道駅 項目 公共・公益施設 抽出条件 区役所、総合支所、まちづくりセンター、区民会館、区民センター、地区会館、区民集会所、警察署、税務署、年金事務所 項目 文化・教育施設 抽出条件 図書館、スポーツ施設、教育総合センター、区立小中学校、特別支援学校 項目 保健・福祉施設 抽出条件 保健所、保健センター、地域支え合い活動拠点、あんしんすこやかセンター、子ども家庭支援センター、児童相談所 項目 医療施設 抽出条件 病院(病床数20床以上) 項目 商業施設 抽出条件 店舗面積500u以上の店舗 項目 都市公園 抽出条件 特殊公園、総合公園、地区公園、近隣公園、緑道 2) 生活関連経路の設定  バリアフリー法では、生活関連施設間を結ぶ経路を生活関連経路とすることとしていますが、本区では、歩行者ネットワークの形成も考慮したうえで、以下の経路を生活関連経路として設定します。 @ 生活関連施設間を結ぶ経路 A 特定道路※ B 促進地区内のネットワークを構成する経路 (商店街や緑道など歩行者の利用が見込まれる経路を優先的に選定) ※特定道路:生活関連経路を構成する道路法による道路のうち、多数の高齢者、障害者等の移動が通常徒歩で行われる道路(国土交通大臣が指定)で、道路の新設又は改築を行う際に道路の移動等円滑化基準又は地方公共団体の条例への適合義務が生じるもの。 38ページ目 (5) 促進地区及び生活関連施設、生活関連経路 図 5‐3、促進地区の図があります。 39ページ目 表 5‐3 生活関連施設一覧 種別 旅客施設 施設名 小田急電鉄梅ヶ丘駅 小田急電鉄豪徳寺駅 東急電鉄若林駅 東急電鉄松陰神社前駅 東急電鉄世田谷駅 東急電鉄上町駅 東急電鉄宮の坂駅 東急電鉄山下駅 東急電鉄松原駅 京王電鉄東松原駅 種別 公共・公益施設 施設名 世田谷区役所 世田谷区役所梅丘分庁舎 世田谷総合支所 世田谷合同庁舎 梅丘まちづくりセンター 世田谷区民会館 北沢区民会館別館「梅丘パークホール」 梅丘地区会館 代田地区会館 六所橋区民集会所 北沢警察署 世田谷都税事務所 世田谷税務署 北沢税務署 東京法務局世田谷出張所 種別 文化・教育施設 施設名 世田谷図書館 梅丘図書館 教育総合センター 城山小学校 若林小学校 世田谷中学校 代田小学校 山崎小学校 梅丘中学校 都立光明学園 種別 保健・福祉施設 施設名 世田谷保健所 世田谷区立保健医療福祉総合プラザ 世田谷保健福祉センター分室 若林ふれあいルーム 社会福祉協議会梅丘地区事務局 梅丘あんしんすこやかセンター ひだまり友遊会館 せたがや子ども家庭支援センター 世田谷区児童相談所 ほっとスクール城山乳幼児教育支援センター 種別 医療施設 施設名 東京リハビリテーションセンター世田谷 種別 商業施設 施設名 サミットストア松陰神社前店 サミットストア梅ヶ丘店 コジマ×ビックカメラ若林店 オオゼキ松原店 種別 都市公園 施設名 世田谷城阯公園 羽根木公園 若林公園 北沢川緑道 烏山川緑道 40ページ目 5.2 促進地区のバリアフリー (1) 促進地区の方針  5.1で設定した生活関連施設及び生活関連経路のバリアフリー化の促進にあたり、区全域における4つの方針に加え、まち歩きワークショップでの意見や協議会での意見等を踏まえ、取りまとめた配慮事項の実践により、促進地区に磨きをかけます。   施設のバリアフリーの促進 情報のバリアフリーの促進  心のバリアフリーの促進  商店街におけるバリアフリーの促進 (2) 配慮事項  多様な利用者に配慮した施設利用と移動に関するバリアフリー化の促進に向けて、施設設置管理者においては、まち歩きワークショップ等での区民意見(参考4:参照)を踏まえた取組みが望まれます。  区では、誰もが利用しやすい生活環境の整備を目指し、促進地区により磨きをかけるため、促進地区内の「生活関連施設」、「生活関連経路」、「商店街」に対して配慮事項を定めます。配慮事項は、まち歩きワークショップでの意見や気付きを基に、「世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例」を踏まえ、区としての考えを整理しました。  配慮事項は、施設設置管理者自らの意思により可能な限り配慮することが望まれる事項です。  移動円滑化のために、区と施設設置管理者や関係機関、多様な当事者が連携して整備手法等について協議しながら、実施可能な整備について検討することが重要です。  あわせて、人的対応や心のバリアフリー、情報のバリアフリーの促進などのソフト施策の推進を図り、ハード・ソフトの一体的な取組みによる整備効果の発現を目指します。  なお、今後の社会情勢等の変化により、配慮すべき事項等が多様化していくことから、国の動向も踏まえ、ここで整理した事項以外についても配慮していく必要があります。   41ページ目 配慮事項 1 施設のバリアフリーの促進  〜施設管理者間の連携〜 ・各施設管理者は、誰もが利用しやすい施設整備に努めるとともに、施設の適正利用を促進する。 ・鉄道事業者と道路管理者が連携・協力し、段差解消及び踏切内の安全性確保に努める。 ・交通事業者と道路管理者が連携・協力し、身近な公共交通機関として誰もが安全かつ円滑に利用しやすい環境整備に努める。 ・公安委員会と道路管理者が連携・協力し、誰もが安全に車道を横断できるような交通安全施設の設置に努める。 ・各施設管理者が連携・協力し、異なる施設でも利用者の声などを共有し、施設間のバリアフリー促進に努める。 2 情報のバリアフリーの促進  〜快適な利用・移動の確保〜 ・定期的なサインの確認や適切な維持管理を行う。 ・生活関連施設管理者、生活関連経路管理者が連携・協力し、利用者にとってわかりやすいサイン整備に努める。 ・各種マニュアルやガイドラインに基づく整備だけでなく、地区の特性などを考慮した移動に関する情報のバリアフリーの促進に努める。 ・やさしい日本語を活用するよう努める。 3 心のバリアフリーの促進  〜多様性を認識し、互いに支えあう〜 ・心のバリアフリーへの関心や理解が進むよう教育活動や、啓発活動を行う。 ・すべての人が平等に様々な活動ができるような環境整備に努める。 ・外見からはわからない障害特性やさまざまなニーズがある人がいることを理解し、互いに助け合うのが当たり前のまちになるよう取組む。 ・すべての人にとってのやさしい社会が築けるよう必要な研修に取組む。 4 商店街のバリアフリーの促進 〜まちの特性を活かしたユニバーサルデザインの商店街へ〜 ・ユニバーサルデザインのまちづくりを進めてきた歴史ある梅ヶ丘駅、豪徳寺駅・山下駅周辺の取組みや、まちの声を聴いて整備された松陰神社通り商店街の取組みを今後も継承し、さらに引き上げるよう努める。 ・商店街全体で取組めること、個店として取組めるバリアフリーを推進していく。 ・行政からのユニバーサルデザインまちづくりに関する情報を商店街内で共有する。 42ページ目 5.3 行為の届出制度 (1) 届出制度の概要  バリアフリー法において、促進地区では「旅客施設の建設、道路の新設等であって、他の施設と接する部分について、移動等円滑化に支障を及ぼすおそれのあるものをしようとする公共交通事業者等又は道路管理者は、当該行為に着手する30日前までに市町村に届け出ること」とされています。  区は、届出に係る行為が移動等円滑化の促進を図る上で支障があると考えられる場合、届出者に対し必要な措置の実施を要請できることとなっており、これによりバリアフリー化に配慮した事業内容への調整を図ります。  届出対象となる施設及び行為は次のとおりです。 表 5‐4 届出制度の概要(下線部について促進方針で指定するものとされている) 届出施設 旅客施設 (生活関連施設) 届出対象となる行為(施行令第25条) 下記の部分の新設又は構造若しくは配置の変更 ・ホームから生活関連経路である道路(駅前交通広場を含む道路法による道路)との間の経路 ・当該施設に接する公共用通路等(道路以外)※との間の経路 ・ホームから連続したバリアフリールートとなる出入口 届出施設 道路 (生活関連経路) 届出対象となる行為 下記に接する道路(駅前交通広場を含む道路法による道路)の新設、改築又は修繕 ・旅客施設(生活関連施設)の出入口 ・旅客施設(生活関連施設)に接する公共用通路等(道路以外)※ ※公共用通路(道路以外):旅客施設の営業時間内において、常時一般交通の用に供されている一般交通用施設(道路以外)であって、旅客施設の外部にあるもの(自由通路など) 図 5‐4、届出対象範囲のイメージ図があります。 (出典:移動等円滑化促進方針・バリアフリー基本構想作成に関するガイドライン (平成31年3月 国土交通省総合政策局安心生活政策課)) 43ページ目 (2) 届出の対象となる範囲  本区においては、下記の場合において届出の対象となります。 旅客施設 ・旅客施設の新設や改築(その他工事)を行う場合 道路・駅前広場 ・駅出入口(改札)へ向かうための上下移動施設や、鉄道高架下の公共用通路と接する部分の新設や改築、修繕を行う場合 ※鉄道駅及び鉄道高架下の公共用通路に接する道路、駅前広場は、道路法による道路(区管理)であり、届出の対象となる  なお、届出対象となることが想定される事業の計画が明らかになった段階で、促進方針に記載した配慮事項等を踏まえた整備がされるよう、関係者との調整や、必要に応じて区民意見の反映の機会の設定に努めるものとします。  また、本区では、「UD推進条例」の届出と併せて、バリアフリー法二十四条の六に基づく届出を提出していただき、工事計画及び内容を確認し、必要に応じて移動等円滑化の促進、移動の連続性の確保について指導が助言を行います。さらに、移動等円滑化の促進を図る上で支障があると認められた場合、その届出をした者に対し、必要な措置の実施を要請します。  詳細は、「UD推進条例」、「バリアフリー建築条例 〜届出のご案内〜」を参照ください。   届出制度の流れの図があります。 (出典:移動等円滑化促進方針・バリアフリー基本構想作成に関するガイドライン (平成31年3月 国土交通省総合政策局安心生活政策課))   44ページ目 第6章 促進方針の実現に向けて 6.1 取組みの方向性  協議会や多くの区民の意見を反映させた本方針に記載した事項を今後具現化していくためには、引き続き関係者が一丸となって取組んでいく必要があります。この章では、関係者が今後どのような取組みをしていくのか、その方向性を記します。 (1) 周知・啓発と連携・協力 @ 区民、施設設置管理者、行政機関等をはじめとする関係者に対し、世田谷区移動等円滑化促進方針の内容を周知・啓発する。 A 教育や啓発により心のバリアフリーの促進に取組み、区民意識の醸成に努める。 B 区民、施設設置管理者、行政機関等と連携・協力しながらバリアフリー化を推進し、面的・一体的なバリアフリー化の実現に取組む。 (2) 世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画との一体的な推進 @ 本方針とUD推進計画とが一体となって、世田谷区のUDを推進するよう努める。 A 本方針は、「世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例」をはじめ、様々な条例・方針・計画等との整合・連携を図りながら、地域共生社会の実現めざす。 (3) 促進地区の他地区への展開と区全体のレベルアップ @ 促進地区内の生活関連施設及び生活関連経路管理者に対し、配慮事項を踏まえた整備や維持管理を促し、促進地区内の移動等円滑化のレベルアップを図る。 A 促進地区の良い部分を区内の他地区へ展開し、将来的には区全体のレベルを更に引き上げる。 B 他地区への展開にあたっては、市街地開発事業などの面的整備の機会を捉えるなど、効率的に一体的な整備が可能となるよう配慮するとともに、5つの総合支所の地区特性を踏まえた柔軟な展開を図るものとする。 45ページ目 6.2  促進地区における重点的な取組み (1) 「うめとぴあ」、区役所本庁舎の移動等の円滑化  区は、「うめとぴあ」周辺と、建て替えを進めている世田谷区役所本庁舎周辺の移動等円滑化に向け、サイン整備などの検討を行います。 (2) 商店街の心のバリアフリーの促進  促進地区内の商店街に対し、本方針や、区で発行する「みんなが嬉しくなるお店(平成23年3月)」、「ユニバーサルデザインって何だろう?(令和3年3月)」などを参考としたワークショップなどを関連所管との連携により取組むことにより、区と商店街とが協力しながら心のバリアフリー等に関する普及啓発活動を実施します。 (3) 交通事業者等との連携  鉄道事業者は、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン(令和4年6月国土交通省)」などによる、鉄軌道施設の円滑な利用や安全確保について、区に対して情報共有するとともに、区と連携・協力しながら検討をすすめます。   6.3 実現に向けた取組み  本方針による移動等の円滑化を着実に進めるため、庁内関係所管、施設管理者等による連絡会を設け、促進地区における施設の点検、調査の実施により、課題の確認、整理等を進め、具現化への検討、予算化等必要な対応を講じ実現を図ります。 46ページ目 今後のユニバーサルデザインまちづくりの取組みについての図があります。 47ページ目 参考資料 参考1 世田谷区移動等円滑化促進方針策定協議会 設置要綱 (設置) 第1条 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第24条の2の規定に基づき、移動等円滑化促進方針を策定するため、同法第24条の4に規定する協議会として世田谷区移動等円滑化促進方針策定協議会(以下「協議会」という。)を設置する。 (所掌事項) 第2条 協議会は、次に掲げる事項について協議する。 (1)移動等円滑化促進方針の策定に関すること。 (2)移動等円滑化促進地区の選定に関すること。 (3)前2号に掲げるもののほか、バリアフリーの推進のため区長が必要であると認めた事項に関すること。 (委員の構成) 第3条 協議会の委員は、次に掲げる者のうちから区長が委嘱し、又は任命する。 (1)学識経験者 (2)高齢者、障害者団体等を代表する者 (3)関係行政機関 (4)施設設置管理者 (5)公安委員会 (6)区職員 (7)前各号に掲げる者のほか、区長が必要であると認めた者 (任期) 第4条 委員の任期は、令和3年4月1日から令和5年3月31日までとする。 (会長及び副会長) 第5条 協議会に会長及び副会長各1人を置く。 2 会長は、第3条第1項第1号に規定する学識経験者のうちから、これを選出する。 3 会長は、協議会を代表し、会務を総理する。 4 副会長は、会長が指名する。 5 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。 (会議) 第6条 会議は、会長が必要に応じて招集する。ただし、会長が選出される前に招集する会議は、区長が招集する。 2 議長は、会長がこれを務める。 (意見聴取等) 第7条 会長は、必要があると認めるときは、会議に関係者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。 (協議結果の報告) 第8条 会長は、会議の結果を区長に報告するものとする。 (事務局) 第9条 協議会の事務を処理するため、事務局を世田谷区都市整備政策部都市デザイン課に置く。 (その他) 第10条 この要綱に定めるもののほか、協議会の運営に関する事項その他必要な事項は、会長が定める。 附 則 この要綱は、令和 3 年 3月 1日から施行する。 48ページ目 参考2 世田谷区移動等円滑化促進方針策定協議会 委員名簿   1 区分 学識経験者 所属(職) 日本大学理工学部まちづくり工学科 特任教授 2 区分 学識経験者 所属(職) 東京都市大学建築都市デザイン学部都市工学科准教授 3 区分 障害者団体 所属(職) 世田谷区視力障害者福祉協会 理事長 4 区分 障害者団体 所属(職) 世田谷区聴覚障害者協会 理事 5 区分 障害者団体 所属(職) 世田谷区肢体不自由児者父母の会 会長 6 区分 高齢者団体 所属(職) 世田谷区高齢者クラブ連合会 副会長 7 区分 子育て等団体 所属(職) せたがや子育てネット 専務理事 8 区分 障害者スポーツ関係者 所属(職) 東京都障害者スポーツ指導員(陸上競技) 9 区分 事業者 所属(職) 世田谷区商店街連合会 常務理事 10 区分 関係行政機関 国 所属(職) 国土交通省関東運輸局交通政策部バリアフリー推進課長 11 区分 関係行政機関 東京都 所属(職) 東京都都市整備局 都市基盤部 交通政策担当課長 12 区分 施設設置管理者 国道 所属(職) 関東地方整備局東京国道事務所 交通対策課長 13 区分 施設設置管理者 都道 所属(職) 東京都第二建設事務所 管理課長 14 区分 施設設置管理者 鉄道 所属(職) 京王電鉄株式会社鉄道事業本部計画管理部計画担当課長 15 区分 施設設置管理者 鉄道 所属(職) 小田急電鉄株式会社 交通企画部 課長 16 区分 施設設置管理者 鉄道 所属(職) 東急電鉄株式会社 経営戦略部 総括課課長 17 区分 施設設置管理者 バス 所属(職) 一般社団法人東京バス協会 乗合業務部長 18 区分 施設設置管理者 タクシー 所属(職) 公益財団法人東京タクシーセンター 指導部次長 19 区分 施設設置管理者 タクシー 所属(職) 一般社団法人東京ハイヤー・タクシー協会業務部長 20 区分 施設設置管理者 タクシー 所属(職) 一般社団法人東京都個人タクシー協会 管理部部長 21 区分 交通管理者 (公安委員会) 所属(職) 警視庁北沢警察署 交通課長 22 区分 交通管理者 (公安委員会) 所属(職) 警視庁成城警察署 交通課長 23 区分 交通管理者 (公安委員会) 所属(職) 警視庁世田谷警察署 交通課長 24 区分 交通管理者 (公安委員会) 所属(職) 警視庁玉川警察署 交通課長 25 区分 区 所属(職) 技監 26 区分 区 所属(職) 総合支所 地域振興課長 代表 27 区分 区 所属(職) 総合支所 街づくり課長 代表 28 区分 区 所属(職) 政策経営部 政策企画課長 29 区分 区 所属(職) 庁舎整備担当部 庁舎管理担当課長 30 区分 区 所属(職) 庁舎整備担当部 庁舎建設担当課長 31 区分 区 所属(職) 施設営繕担当部 公共施設マネジメント課長 32 区分 区 所属(職) スポーツ推進部 スポーツ推進課長 33 区分 区 所属(職) 経済産業部 商業課長 34 区分 区 所属(職) 保健福祉政策部 保健医療福祉推進課長 35 区分 区 所属(職) 高齢福祉部 高齢福祉課長 36 区分 区 所属(職) 障害福祉部長 37 区分 区 所属(職) 障害福祉部 障害施策推進課長 38 区分 区 所属(職) 子ども・若者部 子ども家庭課長 39 区分 区 所属(職) 都市整備政策部長 40 区分 区 所属(職) 都市整備政策部 都市計画課長 41 区分 区 所属(職) 都市整備政策部 都市デザイン課長 42 区分 区 所属(職) みどり33推進担当部 みどり政策課長 43 区分 区 所属(職) 道路・交通計画部 道路計画課長 44 区分 区 所属(職) 道路・交通計画部 交通政策課長 45 区分 区 所属(職) 土木部 土木計画調整課長 46 区分 区 所属(職) 土木部 工事第一課長 47 区分 区 所属(職) 教育政策部 教育指導課長 49ページ目  参考3 UD推進地区とは  まちは道路や駅など公共的施設のほかに、様々な人々によっていろいろな施設がつくられています。まちでは、日常的に人々の交わりや移動など、多くの人々が様々な暮らしを営んでいます。  人によって暮らし方の様相は様々ですが、住まいから一歩外に出て目的地に着くまでには、いろいろな施設を利用し、多くの場合、人とのコミュニケーションが必要です。公共施設や店舗を利用するとき、電車やバスを利用するとき、歩道を歩くとき、公園に行ったとき、何かを知りたいとき、相手と会話を行うときなど、人によって様々な行動があります。  その時に、まちの施設や移動の経路、人とのコミュニケーションそのものが、その人にとってのバリア(障壁)になることがあります。  みんなが力を合わせて、多くの人達の手で形成されているまちのバリアをなくし、だれもが、どこへでも、安全にそして快適に出かけることができて、自立して社会活動に参加できるまちにしていく必要があります。  区では、基本計画の分野別政策の一つである「魅力ある街づくり」を実現していくために、「UDのまちづくり」を掲げています。  バリアフリーからUDヘの認識が進む今、すべての区民が身体的能力に関係なく安全で安心して、快適に移動できる社会環境を整備していくことは、これからのすべてのまちづくりに必要不可欠なものになっています。  UD推進地区(ユニバーサルデザイン環境整備推進地区※1)とは、このようなまちの実現に向けて、みんなで力と知恵を出しあい、UDの視点によるまちづくリを積極的に進める地区です。現在、5つの推進地区を設定しています。 これまでの推進地区の図があります。 ※1 ユニバーサルデザイン環境整備推進地区  世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例では「公共的施設及び集合 住宅の生活環境の整備を積極的に推進する必要があり、生活環境の整備を一体的に行う必要があると認める地区」と規定しています。 50ページ目 参考4 まち歩きワークショップの実施概要と主な意見 (1) 開催概要  促進方針の検討に際し、まち歩きワークショップを実施しました。 表 まち歩きワークショップの概要 日程 令和4年2月28日(月) 13:00〜16:00 内容 ・区民参加型の現地視察 ・施設や経路のバリアフリー化の状況や課題等の確認 ・参加者同士での意見交換 目的 ・経路や施設等のバリアフリー関するより具体的なイメージの共有 ・移動等円滑化促進に関する事項への区民意見の反映 対象地区 ・梅ヶ丘駅周辺地区、区役所周辺地区の2地区 意見集約・方法 ・現地確認シートへの記入(当日回収、又は後日郵送) ・意見集約(事務局にてとりまとめ後日メール送付) 参加者 ・市民参加者:14名、付添者2名、区職員1名 ・協議会会長 ・事務局:9名 まち歩きワークショップの様子の写真が3枚あります。 表 点検テーマ・ポイント・対象施設 テーマ 鉄道駅・周辺のバリアフリー 点検のポイント ・駅の整備における配慮 (改札口、券売機、窓口、トイレ等) ・駅前広場での配慮(案内サイン等) 等 点検経路・施設等 ・梅ヶ丘駅 ・松陰神社前駅 ・駅前広場 ・梅丘公衆トイレ テーマ 道路のバリアフリー 点検のポイント ・歩道整備での配慮 ・歩道設置困難な道路での配慮 ・バス停留所の整備における配慮 ・誘導用ブロックの連続性 ・案内誘導サイン等における配慮 等 点検経路・施設等 ・歩行者ネットワークを構成する路線 テーマ 建築物のバリアフリー 点検のポイント ・多くの人が利用する施設の整備での配慮 ・上下移動(エレベーター・階段)、トイレ、駐車場等での配慮 ・窓口での配慮や人的対応、サービスでの配慮 点検経路・施設等 ・公共・公益施設 ・保健・福祉施設 ・商業施設 テーマ 商店街のバリアフリー 点検のポイント ・商店街における配慮 点検経路・施設等 ・商店街での取組み テーマ 心のバリアフリー 点検のポイント ・人的対応や心のバリアフリーに関する配慮 点検経路・施設等 ・各施設 51ページ目 (1) 主な意見  まち歩きワークショップでの主な意見を以下に示します。 テーマ 鉄道駅・周辺のバリアフリー 主な意見 ○梅ヶ丘駅は、車椅子やベビーカーでも通れる拡幅改札がある。 △梅ヶ丘駅の券売機のタッチパネルは車椅子で使用するには位置が高い。 ○松陰神社前駅にホーム転落防止用の内方線付き誘導ブロックが設置されている。 △改札前の案内と道路上の案内サインが連動していない。 テーマ 道路のバリアフリー 主な意見 △レンガ舗装の歩道が地盤沈下による不陸や凹凸が生じているため、車椅子やベビーカーで通行しにくく、雨天時には水たまりが生じて不快。 △音響式信号機やエスコートゾーンが場所によって設置されているところとないところがある。 △視覚障害者誘導用ブロックが一部破損している。 △交差点付近にあった案内板の位置が悪く、歩道が狭くなっている。 テーマ 建築物のバリアフリー 主な意見 ○うめとぴあの出入口にスロープがあり、通路も広い。 △誘導用ブロックは設置されているが、破損部分がある。 ○トイレの出入口に音声案内が設置されている。 △バリアフリートイレが複数設置されている場合、どちらかにユニバーサルベッドがあると良い。 △エレベーターやバリアフリートイレの案内サインやピクトグラムが小さく見えにくいため、位置が分かりにくい。 △障害者用駐車施設は1台分しかないが、利用者が多いためもう少しあると良い。 △トイレ等の個室空間に、非常時であることを視覚的に示すフラッシュライト必要である。 △聴覚障害者への対応内容を示す案内が少ない(ない)。 テーマ 公園のバリアフリー 主な意見 △出入口に段差はなくて良いが、自転車進入防止用の柵があり入りにくい。 △羽根木公園の園路は勾配が急なため、車椅子で通行するのが困難である。 △案内板にバリアフリールートが示されているが、凡例がないため分かりにくい。 ○若林公園の園路は車椅子やベビーカーでも通りやすい舗装である。 ○バリアフリートイレ入口前に庇があり、雨天時でも利用しやすい。 テーマ 商店街のバリアフリー 主な意見 △自転車の違法駐輪や店舗の商品陳列、大型看板等が歩道上にも置かれているため、路側帯(歩行空間)がさらに狭く、歩きにくい。(梅丘商店街) ○梅丘商店街の一部の店舗では、出入口に段差解消スロープが設置され、点字メニューや筆談ボードが常備されている。(梅丘商店街) ○松陰神社通り商店街は店舗入口と歩道に段差がなく、歩道もフラットである。 △バリアフリートイレ等を示した案内マップがあると良い。 テーマ 心のバリアフリー 主な意見 ○梅丘商店街では区のUD精神をよく理解していてとても好意的であり、車椅子対応等の最大限の工夫をしている。 △ソフト面の対応が十分でないため、必要な支援の整理をした方が良い。 △区内のバリアフリーに関する情報提供・周知が必要である。 52ページ目 (2) まち歩きワークショップから導き出された4つの方針 まち歩きワークショップから導き出された4つの方針の図があります。 53ページ目から55ページ目 協議会、まち歩きでの意見と磨き上げる姿の図が3ページ分あります。 56ページ目 参考5 主な基準等  各生活関連施設や生活関連経路のバリアフリー整備にあたっては、バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準への適合に努めるとともに、関連するガイドラインや条例等に留意した整備を推進することが基本となります。 56ページ目から57ページ目 表1 バリアフリー化に関する主な基準等 種別 移動等円滑化基準 項目 公共交通 名称 移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備並びに旅客施設及び車両等を使用した役務の提供の方法に関する基準(公共交通移動等円滑化基準) 所管など 国土交通省【省令】 令和3年1月改正 項目 道路 名称 移動等円滑化のために必要な道路の構造及び旅客特定車両停留施設を使用した役務の提供の方法に関する基準(道路移動等円滑化基準) 所管など 国土交通省【省令】 令和3年3月改正 名称 移動等円滑化のために必要な道路の占用に関する基準 所管など 国土交通省【省令】 令和3年1月改正 項目 公園 名称 移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準(都市公園移動等円滑化基準) 所管など 国土交通省【省令】 平成24年3月改正 項目 建築物 名称 移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する基準(建築物移動等円滑化基準) 所管など 国土交通省【政令】 令和2年12月改正 名称 高齢者、障害者等が円滑に利用できるようにするために誘導すべき建築物特定施設の構造及び配置に関する基準(建築物移動等円滑化誘導基準) 所管など 国土交通省【省令】 令和4年3月改正 項目 交通安全 名称 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等に関する基準 所管など 国家公安委員会【規則】 令和2年12月改正 項目 駐車場 名称 移動等円滑化のために必要な特定路外駐車場の構造及び設備に関する基準(路外駐車場移動等円滑化基準) 所管など 国土交通省【省令】 平成18年12月 種別 ガイドライン等 項目 公共交通 名称 公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン、バリアフリー整備ガイドライン〔旅客施設編〕 所管など 国土交通省 令和4年3月改訂 名称 公共交通機関の車両等に関する移動等円滑化整備ガイドライン、バリアフリー整備ガイドライン〔車両等編〕 所管など 国土交通省 令和4年3月改訂 名称 公共交通機関の役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン、バリアフリー整備ガイドライン〔役務編〕 所管など 国土交通省 令和4年3月 項目 道路 名称 道路の移動等円滑化に関するガイドライン 所管など 国土交通省 令和4年6月 項目 公園 名称 都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン 所管など 国土交通省 令和4年3月改訂 項目 建築物 名称 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準 所管など 国土交通省 令和3年3月改正 項目 教育啓発 名称 教育啓発特定事業の実施に関するガイドライン 所管など 国土交通省 令和4年3月 種別 条例等 項目 公共交通、道路、建築物、公園等 名称 東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル 所管など 東京都 令和4年4月 名称 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例 所管など 世田谷区 平成21年9月改正 名称 世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施設整備マニュアル 所管など 世田谷区 令和2年 項目 道路 名称 都道における移動等円滑化の基準に関する条例 所管など 東京都 令和3年10月 項目 都市公園 名称 東京都立公園における移動等円滑化の基準に関する条例 所管など 東京都 平成24年12月 項目 建築物 名称 高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例(建築物バリアフリー条例) 所管など 東京都 令和3年3月改正 名称 世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例 所管など 世田谷区 令和3年6月改正 項目 交通安全 名称 東京都高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る信号機等の基準に関する条例 所管など 東京都 令和3年10月 項目 駐車場 名称 駐車場ユニバーサルデザインガイドライン 所管など 公益財団法人東京都道路整備保全公社 平成19年2月 名称 障害者等用駐車区画の適正利用に向けたガイドライン 所管など 東京都 平成25年8月 58ページ目から61ページ目 参考6 促進地区の福祉のまちづくりに関する主な取組み 表1 促進地区の福祉のまちづくりに関する主な取組み(年表) 1939(昭和14) ●都立光明養護学校松原に移転 1945(昭和20) ●都立梅ヶ丘病院開業 1976(昭和51) ●第一回雑居まつり 1982(昭和57) ・福祉のまちづくりのための施設整備要綱制定 1983(昭和58) ・世田谷区基本計画の調整計画策定「ふれあいのあるまちづくり」が重点施策のひとつに位置付けられる。 ●「ふれあいのあるまちづくり」研究委員会設置 1984(昭和59) ●「ふれいあのあるまちづくり計画」(梅ヶ丘駅周辺まちづくりを考える区民と区の集い) ●「ふれあいのあるまちづくり」定例会開始 1985(昭和60) ●梅丘中学校前ふれあい通りの基本設計+定例会 ●「まちで電話をかけるには」実物大模型で公開実験(協力NTT) 1986(昭和61) ●ふれあい通り(梅丘中学校前第1期工事)完成 ●完成記念イベント「歩いてみよう新しいみち」開催 1988(昭和63) ・せたがやふれあい公社設立 ・世田谷区福祉施設送迎バス運行研究調査 1989(平成元) ・世田谷トラスト協会発足 ●リレーイベント「やさしいまちって何だろう」開催('94 まで毎年開催) ●総合福祉センター周辺環境整備 ●総合福祉センター開設 1990(平成2) ・世田谷区住宅条例制定 ・ふれんどバス運行開始 1991(平成3) ・地域行政スタート(5総合支所) ●梅ヶ丘界隈やさしいまちづくり「界隈賞」受賞 1992(平成4) ・世田谷まちづくりセンター設立 ●世田谷区福祉整備調査(公共施設の福祉整備の現状) ●やさしいまちづくり推進計画策定のための調査 1993(平成5) ・世田谷区やさしいまちづくりのための施設整備要綱制定 ・やさしいまちづくりの視点からみた世田谷区内の駅施設基礎調査 ・世田谷まちづくりファンド助成開始 ■やさしいまちってなんだろう「やさしいまち体験ラリー&WS」(区役所周辺地区) 1995(平成7) ・せたがやノーマライゼーションプラン策定 ・世田谷福祉のまちづくりネットワーク(27 団体)結成(世田谷区まちづくりファンド助成決定) ・世田谷区福祉のいえ・まち推進条例制定 1996(平成8) ・世田谷区地域保健福祉推進条例制定 ・福祉的環境整備審議会発足 1997(平成9) ・条例に基づく整備基準策定 ・条例に基づく届出制度開始 1999(平成11) ・福祉的環境整備推進計画策定及び推進地区の指定 ・世田谷線リフト付き新型車両導入 ●■推進地区に指定(梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区、区役所周辺地区) 2000(平成12) ・各推進地区の整備計画策定 ●■推進地区の整備計画策定(梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅周辺地区、区役所周辺地区) 2001(平成13) ・せたがやノーマライゼーションプラン改定 2002(平成14) ■「やさしい商店街づくり推進連絡会議」発足(松陰神社通り) ●梅ヶ丘駅高架化 2003(平成15) ・世田谷区高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画改定 ■やさしい商店街づくりワークショップ実施(松陰神社通り) 2004(平成16) ■東京都福祉のまちづくり「特区」モデル事業選定(松陰神社通り商店街) ■「元気でやさしい松陰神社通りまちづくりの会」発足 2005(平成17) ・福祉のいえ・まち推進条例改正 ●梅ヶ丘駅周辺案内板づくり(ワークショップ) ■音のウインドウショッピング運用開始(松陰神社商店街) 2006(平成18) ・せたがやノーマライゼーションプラン世田谷策定 ・世田谷区高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画(第3期)策定 ・福祉のいえ・まち推進条例・施行規則施行 ・福祉のいえ・まち推進条例・施行規則改正 ●豪徳寺駅周辺地区地区街づくり計画策定 ■元気でやさしい松陰神社通り商店街マップ発行 ■松陰神社通りのユニバーサルデザイン工事着手 ■松陰神社通りのユニバーサルデザイン工事完了 2007(平成19) ・世田谷区ユニバーサルデザイン推進大綱 ・第1期世田谷区障害福祉計画策定 ・世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施行 ・世田谷区高齢者、障害者等が安全で安心して利用しやすい建築物に関する条例(世田谷区バリアフリー建築条例)施行 ■松陰神社通り2期工事、斜め踏切改修工事、区役所周辺サイン設置工事完了 2009(平成21) ・第4期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定 ・第2期世田谷区障害福祉計画策定 ・世田谷区ユニバーサルデザイン推進計画策定 ・世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例・施行規則改正(整備基準と遵守基準を設ける) 2012(平成24) ・第5 期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定 ・第3 期世田谷区障害福祉計画策定 2013(平成25) ・「世田谷区道路の構造の技術的基準に関する条例」制定 2015(平成27) ・ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)策定 ・せたがやノーマライゼーションプラン(世田谷区障害者計画)・第4 期世田谷区障害福祉計画策定 ・第6 期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定 ・世田谷UDゼミ開講 ・世田谷UDスタイル発行開始 ●梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅界わい 街づくりデザイン指針作成 2016(平成28) ・ホストタウン登録 ■世田谷合同庁舎開設 2017(平成29) ・共生社会ホストタウン登録 ●■ゆるっとウォーク(まちあるきマップ)作成 2018(平成30) ・せたがやノーマライゼーションプラン(世田谷区障害者計画)一部見直し・第5期世田谷区障害福祉計画(第1期世田谷区障害児福祉計画)策定 ・第7期世田谷区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画策定 ・世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例制定 2019(令和元) ・ユニバーサルデザイン推進計画(第2期)後期策定 ・多文化共生推進行動計画策定 ・先導的共生社会ホストタウン認定 ●梅ヶ丘駅ホームドア設置 2020(令和2) ●「うめとぴあ」本格稼働 2021(令和3) ・UDサポーター養成講座開講 ●都立光明学園にて東京2020大会聖火ビジット開催 62ページ目から65ページ目 表2 梅ヶ丘駅周辺整備の実績 ふれあい通り_ガードレールの写真があります。 ガードレールを車道側に寄せて、交通標識や電柱(細い径のもの)をガードレールと同じ線上に配置しました。歩道の幅は変えずに、有効幅員を整備前の2倍近く(160〜170cm)に広げることができました。 ふれあい通り_枝道交差部の写真があります。 枝道との交差部において、枝道側をかさ上げし、歩道と枝道との段差をなくしました。 ふれあい通り_梅丘中学校前の写真があります。 キーワードをバリアフリー、都市デザイン、住民参加とし、区民の皆さんとともにつくり上げた道路です。梅丘中学校にスロープを設置し、学校に用地を提供してもらい歩道と一体的な整備をしたことで、狭かった歩道を広く使えるようになりました。一方、視覚障害者の方の参加がなかったため、完成当時は誘導用ブロックがなく、後から敷設しました。 ふれあい通り_都立光明学園辻広場の写真があります。 ふれあい通りと赤堤通りとの交差点角に設けた広場には、周辺施設の案内と光明学園の生徒たちがつくった区の花「サギソウ」のビー玉モザイクを設置しました。 ふれあい通り_梅丘中学校辻広場の写真があります。 中学校の角地を広場にし、車椅子使用者も利用できる扉のない電話ボックスをつくりました。使いやすさを検討するため、原寸大模型を使った公開実験も行いました。 【参考 電話ボックス】の写真があります。 携帯電話などが一般的ではなかった時代、電話をかけるには公衆電話が必要でした。 羽根木公園に設置されていた電話ボックスには扉があって、車椅子使用者が、電話をかける際にはとても使い勝手が悪かったそうです。 民間ビル後退部の写真があります。 「やさしいまちづくり」の主旨に賛同した所有者の協力で、街角広場や歩道状公開空地をまちに提供してくれています。 また、敷地と歩道を段差なく連続させ、バス停近くにはベンチもできました。 歩行空間が広がり、ゆったり歩けるようになりました。 区立児童相談所付近の道路の写真があります。 雨水を浸透させる舗装や、片側に設けられた手すり、工夫された車止めなど、歩く人にやさしい道路です。 梅ヶ丘駅のバリアフリーの写真があります。 現在の梅ヶ丘駅は、連続立体交差事業が終わり、エレベーターなどの設備が整った駅として生まれ変わっています。 【参考 昔の鉄道駅のバリア】の写真があります。  高架化される前の梅ヶ丘駅は、橋上駅舎の形式でした。エレベーターやエスカレーターが整備される前は、車椅子使用者が電車に乗る際には、車椅子ごと人力で持ち上げて階段を移動していたそうです。 梅丘公衆トイレの写真があります。 小田急線の高架下、梅ヶ丘駅近くにある音声案内がついた公衆トイレです。 サイン整備の写真があります。 これまでの「やさしいまちづくり」を継承し、一体感を持つ街づくりを進めるため、「梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅界わい街づくりデザイン指針」を踏まえ、住民参加によるサイン整備計画を作成。 梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅〜山下駅間のサインを新設・改修しました。 界隈賞受賞の写真があります。 だれにでも「やさしいまち」を目指して歩道や街かど広場などの道路環境整備、公共施設整備が進められてきたこと、その中で地域の人たちの参加や民間ビルの協力が生まれ界隈づくりが広がってきていることが評価され、1991年1月に第4回せたがや界隈賞に梅ヶ丘駅北口界隈が受賞しました。 豪徳寺駅前リーディングラインの写真があります。 視覚障害者の円滑な移動支援には視覚障害者誘導用ブロックの設置が望ましいですが、歩道が無く狭小な歩行スペースの道路のため、通常より幅の狭い線状ブロックをリーディングラインとして連続的に設置しました。 66ページ目から67ページ目 表3 区役所周辺整備の実績 松陰神社通り_道路中央への排水施設整備の写真があります。 これまで、道路と店舗等との段差が、円滑な移動の支障となっていました。 松陰神社通りでは、道路の中央に向かって勾配をつけ、道路中央に排水施設を設け、店舗等との段差を解消する工事を実施しました。 松陰神社通り_店舗入り口の段差解消の写真があります。 商店街が自主的に、店舗のバリアフリーを推進することをルールとして定めたことにより、多くの店舗で段差が解消されました。これにより、地域住民が安心して買い物ができる空間を作り出しました。 松陰神社通り_リーディングラインの写真があります。 視覚障害者の円滑な移動支援には視覚障害者誘導用ブロックの設置が望ましいですが、歩道が無く狭小な歩行スペースの現状の道路のため、通常より幅の狭い線状ブロックをリーディングラインとしてを連続的に設置しました。設置に先立ち、テスト道路を作り、実際に視覚障害者や車椅子使用者の意見をもらいながら改良を行っています。 松陰神社前駅_斜め踏切の解消の写真があります。 東急世田谷線松陰神社前駅の西側の踏切が斜めであったため、自転車やベビーカー、歩行者などが線路の溝にはまってしまう危険な踏切でしたが、東急電鉄株式会社の協力を得て平成19年3月に道路と線路が直行した踏切に改良しました。 これにより、踏切の安全性が高まりました。 様々なサイン整備の写真があります。 誰もがわかりやすい地区内のサインを設置するため、住民参加によるサイン整備ワークショップを開催し、音声案内付きのサイン、路面表示によるサインなどを整備しました。 やさしい商店街マップの作成の写真があります。 やさしい商店街マップは、街づくり協議会の会員自らで商店街を取材して、「ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり推進モデル事業」の一環として作成しました。 音のウインドウショッピングによる案内の写真があります。 AMラジオを1,620キロヘルツにしてお店の入口付近を通ると、店主の声でお店の情報が聞こえる音声案内装置を20店舗に導入しました。これにより、目の不自由な方にとっても楽しくショッピングができました。 ふれあい おかみさんDAYによる情報提供の写真があります。 店前の敷地部分に各店が売り出し情報を黒板で掲示しています。お店とお客さんのふれあいを通じて、まちの賑わいとやさしさをつくりだしました。 68ページ目 参考7 用語集 あ行 [移動等円滑化基準]  バリアフリー法施行に伴い主務政省令で定められた、旅客施設、車両、道路、信号機、路外駐車場、都市公園、建築物等の移動等円滑化に関する基準。従来の「移動円滑化基準」から改訂・拡充されたもの。   [SNS]  ソーシャルネットワーキングサービスを略したもので、インターネット上で、個人同士が繋がれるような場所を提供しているサービスの総称。   [エスコートゾーン(視覚障害者用道路横断帯)]  視覚障害者用横断帯といわれ、横断歩道の中央部に視覚障害者が認知できる突起を設け、横断歩道内を安全にまっすぐ進めるようにするもの。   [オストメイト]  直腸がんや膀胱がんなどが原因で臓器に機能障害(内部障害のひとつ)を負い、手術によって、人工的に腹部へ人工肛門や人口膀胱の排泄口を増設した人を「オストメイト」という。国内には約20〜30万人のオストメイトがいると言われている。 か行 [可動式ホームさく]  駅のホームで線路に面する部分に設置された可動式の開口部を持った仕切り。ホーム上の利用者への安全対策の一つで、線路内への転落事故や列車との接触事故を未然に防ぐ。可動式ホームさくは高さが床面から1.3mから1.4m程度のタイプ。ホームドアと呼ばれる場合もある。  可動式ホームさくの写真があります。   [観光バリアフリー]  観光地等への来訪者等にとって、分かりやすく快適なバリアフリー化の考え方。 69ページ目 [交通バリアフリー法]  「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(平成12年11月15日制定)。公共交通機関のバリアフリー化と、区市町村が定める移動円滑化基本構想(交通バリアフリー基本構想)の大きな枠組みとなる。バリアフリー法の施行に伴い、ハートビル法と統合・拡充された。 [高齢化率]  総人口に対する65歳以上の人口の割合。   [心のバリアフリー]  高齢者、障害者等の自立した日常生活および社会生活を確保することの重要性並びにそのために高齢者、障害者等の円滑な移動および施設の利用を実現することの必要性について理解を深めること。また、視覚障害者誘導用ブロック上への駐輪、車椅子使用者用駐車施設への駐車等による高齢者、障害者等の施設の利用等を妨げないことのみならず、必要に応じ高齢者、障害者等の移動および施設の利用を手助けすること等、高齢者、障害者等の円滑な移動および施設の利用を確保することに積極的に協力すること。 さ行 [サイン]  世田谷区情報のユニバーサルデザインガイドライン改訂版(令和3年3月改訂)において、街なかのサインとして「案内サイン」、「誘導サイン」、「位置サイン」、「その他」の4つを定義しており、街なかの「案内サイン」は地図を用いたサイン、「誘導サイン」は公共施設の方向を示すサイン、「位置サイン」は道路通称名や施設名称を表示するサインをいう。   [視覚障害者誘導用ブロック]  視覚障害者を誘導するために床面や路面等に敷設される、線状、点状の突起をもった床材等のこと。   [障害者差別解消法]  平成28年4月に、「共生社会」の実現に向けて、障害のある人に対する差別を解消し「合理的配慮」を提供するため、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行された。 70ページ目 [JIS規格]  日本産業規格。各製品の工業製品や品質の試験・測定方法などに一定以上の基準を作成したもの。全国で規格統一が図られていなかった視覚障害者誘導用ブロックに関するJIS規格は、平成13年9月に制定された。   [重点整備地区]  バリアフリー法に基づく基本構想に定める地区。バリアフリー化のための事業を重点的かつ一体的に推進すべき地区として区市町村が定めるもの。   [スパイラルアップ]  スパイラルアップとは、「継続的に改善する」プロセスを意味するものとして用いられる。   [生活関連施設]  高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設その他の施設のこと。   [生活関連経路]  生活関連施設相互間の経路(道路や通路など)   [セミフラット形式]  歩道の形式のことで、歩道面から車道高さ5cmを標準とし波打ち歩道を解消することができる歩道形式。  マウントアップ形式、セミフラット形式、フラット形式の図があります。 た行 [東京都福祉のまちづくり条例]  やさしいまち東京の実現を目指すことを宣言し、高齢者、障害者等にとってやさしいまちがすべての人にとってやさしいまちであるという認識に立ち、高齢者、障害者等が円滑に利用できる施設の整備とサービスの向上を図るために、制定された条例。 71ページ目 [都市計画マスタープラン]  都市計画に関する基本的・総合的・長期的計画であり、都市計画法第18条の2に定める「市町村の都市計画に関する基本的な方針」のこと。 [特定公園施設]  都市公園の出入口・駐車場と特定公園施設および主要な公園施設との間の経路を構成する園路および広場/休憩場/野外劇場/野外音楽堂/駐車場/便所/水飲場/手洗場/管理事務所/掲示板/標識などがある。 [特定事業計画]  バリアフリー法に基づく基本構想に記載された特定事業(バリアフリー化に関する事業)に関し、関係する事業者が作成する計画。公共交通特定事業計画、道路特定事業計画、路外駐車場特定事業計画、都市公園特定事業計画、建築物特定事業計画、交通安全特定事業計画及び教育啓発特定事業計画がある。 [特定道路]  生活関連経路を構成する道路法による道路のうち、多数の高齢者、障害者等の移動が通常徒歩で行われる道路(国土交通大臣が指定)で、道路の新設又は改築を行う際に道路の移動等円滑化基準(省令)又は地方公共団体の条例への適合義務が生じるもの。 [特定路外駐車場]  道路の付属物である駐車場、公園施設である駐車場、建築物および建築物に付属する駐車場を除く路外駐車場であって、駐車の用に供する部分の面積が500u以上であり、かつ駐車料金を徴収するもの。 [特定旅客施設]  バリアフリー法において、1日当たりの平均的な利用者数が5,000人以上であること、又は相当数の高齢者、障害者等の利用が見込まれることなどの要件に該当する旅客施設のこと。 [特別特定建築物]  不特定多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者が利用する建築物をいい、官公署、百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗や、主として高齢者、障害者などが利用する老人ホーム、福祉ホームなど。 72ページ目 [扉(とびら)]  扉(とびら)には、開き戸、引き戸などがある。開き戸は、室内側に押して開ける内開き、室外側に引いて開ける外開きがある。引き戸は、壁と平行に滑らせて開ける扉をいう。 な行 [ノーマライゼーション(等しく生きる社会の実現)]  障害のある人も、一般社会で等しく普通に生活できるようにすること。 は行 [ハートビル法]  「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(平成6年)。一定規模の病院、劇場、百貨店、公共施設等の建築物について、バリアフリー化の努力義務を課したもの。改正ハートビル法(平成15年4月1日施行)では、一定条件の特別特定建築物の新設もしくは大規模な改良の場合は、バリアフリー化が義務づけられる。バリアフリー法の施行に伴い、交通バリアフリー法と統合・拡充された。 [パブリックコメント(意見公募)]  行政が計画を策定したりする際に、あらかじめ計画の原案を区民の皆様に公表し、寄せられた意見を考慮して最終決定するための一連の手続のこと。 [バリアフリートイレ]  「車椅子使用者用トイレ(車椅子使用者が使用できる広さが確保された便房(大型ベッド付き含む)、オストメイト対応水洗器具を有する便房、乳幼児設備を有する便房の総称のこと。 [バリアフリー法]  「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(平成18年12月20日施行)。従来の交通バリアフリー法では大規模な鉄道駅等の旅客施設を中心として、周辺道路や信号機等のバリアフリー化を図ることが目的とされていたが、より面的かつ一体的・連続的なバリアフリー化を促進していくための枠組みとして、建築物のバリアフリーに関する法律であるハートビル法と交通バリアフリー法が一体化した法制度となったもの。 [ホームドア]  駅のホームで線路に面する部分に設置された可動式の開口部を持った仕切り。ホーム上の利用者への安全対策の一つで、線路内への転落事故や列車との接触事故を未然に防ぐ。ホームドアは床面から天井までを完全に覆うタイプ。可動式ホームさくをホームドアと呼ぶ場合もある。 73ページ目 [ホームページ]  インターネット上に個人や企業等が情報受発信を目的に設置したページのこと。 や行 [ユニボイス]  文字情報を二次元コードに変換したもので、スマートフォンや携帯電話、専用読み取り装置で、情報を音声にすることができる。 [ユニバーサルデザイン(万人向け設計)]  高齢者や障害者なども含め、だれにでも使いやすい形に、設計すること。ユニバーサルデザインには、@公平であること、A自由度が高いこと、B単純で、C分かりやすいこと、D安全であること、E余計な体力を使わないこと、F使いやすい適正な空間と大きさの確保などの7つの原則がある。 [ユニバーサルデザイン2020行動計画]  平成29年2月に、障害の有無や、性別、年齢にかかわらず、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受することのできる共生社会の実現を目指し、国において、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」が策定された。 [ユニバーサル社会実現推進法]  平成30年12月に、障害者、高齢者等の自立した日常生活及び社会生活が確保されることの重要性に鑑み、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の推進に関し、国等の責務を明らかにするとともに、諸施策を総合的かつ一体的に推進するために、「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律」(ユニバーサル社会実現推進法)が施行された。 わ行 [ワークショップ(研究集会)]  ワークショップとは、「作業場」「工房」などの意味を持つ言葉で、何かについてのアイデアを出し合い、意思決定をする研究集会のことであり、様々な人が集まり、共通の体験、共同作業、体験の意見交換などにより相互理解を図り、新しい発見をし、問題解決の工夫を考えることをいう。