4から5ページ 4ページにイラストを2点、掲載しています。 買い物シーンに焦点をあて、外見から気づかない障害や困難があるかたの声を聴きました 紙面デザイン:中央が明るく、端の方が暗くグラデーションされたページに、それぞれ異なる色のハートが散らばり、さまざまな人の「気持ち」が書いてあります。 さまざまな人の気持ち 〜インタビュー・アンケート結果から〜 ・違いを受け止める:「外見から気づかない障害」の人には、周囲に自分の障害を知られることを避ける人もいます。違いを受け止めて、ゆとりのある心で接してもらえるとありがたいです。 ・決めつけない:「こんなお手伝いが必要だろう」と決めつけないでください。押しつけは「親切」や「配慮」ではありません。 ・余裕:特別な配慮をすることがすべてではありません。配慮が必要なこともありますが、通いやすいと感じるお店は、親切で誰もが使いやすいようなお店です。人より時間がかかったり、人とは違う行動をしても良いと安心できるような、余裕をもって接してくれるお店が通いやすいです。 ・自然体:「障害者だから」と過度に丁寧になったりせず、「自然体」で、温かい空気で対応してほしいです。 ・本人に聞く:本人の意向を聞かずに救急車を呼ばれると、困ってしまいます。必ず本人にしてほしいことを聞いてください。 ・距離感:店員さんから、個人的な質問をされる場合、探られるような気持ちになることもあります。天気の話などの世間話なら負担になりません。 ・そっとしておく:外出時、突然体調が悪くなった時も、少し座って休めば良くなることもあり、特別なお手伝いの必要がないことも多いです。まちの中にちょっと休憩できる場所があると助かります。 ・見守る:人とは違う行動をしていても凝視せず、見守ってほしいです。 ・イラスト1:スーパーのレジ前に列ができている。お会計をしている人は焦った様子で財布からお金を取り出そうとしている。店員さんが「ゆっくりで大丈夫ですよ。次のかた、隣のレジにどうぞ。」と声を掛けている。列に並んだ人もみんな、余裕のある表情をしている。 ・イラスト2:スーパーの食品コーナーに、大人と手を握った小学生くらいの男の子が「いらっしゃいませー」「いらっしゃいませー」と声を出しながらながら歩いている。商品の整頓をしている店員さんが後ろから笑顔で見守っている。 インタビューより 内部障害・難病  今回お話を伺った、指定難病の1つである慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)のかたは、手足の脱力や痛みがあり、疲れやすく、杖を使用することもあります。そのため、重いものが持てない、ペットボトルの蓋が開けられない、長く立っていることがつらいこともあります。  お店は近くて行きやすい、段差が少ない、通路が広いところを選びます。店員さんが商品を袋に詰めてくれるお店、レジで注視してプレッシャーをかけないお店、袋詰めに時間がかかっても問題ないセルフレジが使いやすいです。 精神障害  今回お話を伺った統合失調症の病気には個人差があり、体調の波が大きく、一律に「こうです」と言えません。また、精神障害は他の障害に比べて社会からの否定的な印象が根深く、自分に障害があることを相手に明かして配慮を求めることが難しいです。  症状の一つに不安感があり、生活圏内にある行き慣れたお店を選ぶことが多いです。 知的障害  知的障害には個人差があり、それぞれ苦手なことが異なります。 初めての場所へ行くと、不安感から、周りの人から変わった人、挙動不審な人と思われることもあります。  財布からお金を出し、お釣りをもらってポケットにしまうまで時間がかかることもあります。また、細かいお金の計算が難しいため、お札を出して、財布が小銭いっぱいになることもあります。  支払いなどで時間がかかっている時に、店員さんと自然な会話を交わすと気持ちが安らぎます。 コラム 発達障害  発達障害とは脳機能の障害です。自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群等のチック障害、吃音(きつおん)等が発達障害に含まれます。  発達障害は、通常は低年齢において症状が発現する障害で、外見からは障害があることが分かりにくいです。  変化が苦手なかた、音や光に敏感なかた、思っていることをうまく言葉にできないかた等その症状や反応は多様です。コミュニケーションや対人関係を作るのが苦手なかたもいます。  参考:国土交通省コミュニケーションハンドブックより コラム 男子トイレにサニタリーボックス?  前立腺がん(男性のがん罹患数の1位)や膀胱がん、大腸がん等で手術を受けた後、尿漏れ、便漏れでパッドや紙おむつを使う人が多くいます。  女子トイレの個室内にはサニタリーボックス(トイレ用の小さなゴミ箱)がありますが、男子トイレにはないので、汚れ物をトイレ内に放置したり、ひどい場合は流してしまって故障の原因になる場合もあります。  また、身体的には女性でも自認する性が男性で男子トイレを使っている人の場合、生理用品の処理に困ります。  そこで、近年、男子トイレにサニタリーボックスを設置する動きが広がっています。  男性の場合は紙おむつの使用が多く、女子トイレにあるサニタリーボックスのように生理用品を想定した大きさでは小さすぎると思われます。また特に便漏れの場合は臭いの発生もあるので、それらを考慮した適切な容器を考えていかなければなりません。 4